［プレイレポ］日本の推理ゲームから影響を受けた「There is NO PLAN B」。自動進行する会話のなかで犯人を追い詰めろ！［BIC2024］

　2024年8月16日から18日かけて韓国・釜山で開催されているインディーゲームイベント「BIC2024」に，SUPERWAVE STUDIOが開発するPC用ソフト「There is NO PLAN B」が出展されていた。本作は，2070年のサイバーパンクの世界を舞台に，インドア派（というか引きこもり？）の探偵「B」が，相棒のロボット「A.I.」と犯罪を暴いていく推理アドベンチャーで，2025年のリリース予定となっている。


　「こちらの記事」にもあるように，2Dアニメーションツール「Spine」による細かな動きを見せてくれるキャラクターも魅力の作品で，実際にブースで対応してくれた本作のゲームディレクター兼デザイナー兼シナリオライターのChangSik Yun氏も，真っ先にビジュアル面を重視したタイトルであることを紹介してくれた。


　そんな出展中のデモは，クローズドテストで展開しているものをイベント用に短くまとめたもので，EMP手榴弾を密売する犯人を逮捕するという内容になっていた。

　情報提供者だと思われる女性「ミサト」から密売人の手がかりを得たBは，協力関係にある警察官のマーベリックに証拠を提示して，犯人らしきネズミ耳（？）の女性「セネカ」のSNSアカウントを入手する。購入者を装ってSNSで会話し，ときに回答を選択して取り引き現場にセネカを呼び出すのだが，ここまでは会話1つひとつを自分のペースで進められる，普通のアドベンチャーゲームスタイルだ。

情報を提供してくれた「ミサト」。あれ？　ファンタジー世界だっけ……と思ったら，誰かが操作するロボットらしい。ちなみにBも同様で，A.I.を通して会話をしているようだ

　そうして現場で犯人（らしき人物）と対峙すると，「容疑者を逮捕せよ！」というメッセージと共に逮捕パートに突入する。2人の会話が自動で流れていくなかで，出現する正しい会話の選択肢を時間内に選んで，相手が犯罪者であると断定できる発言を引き出さなければならない。そんなこんなで相手が犯人だとなれば「緊急逮捕」のコマンドが使えるようになり，無事に御用となる。

会話をうまくつなげて関係（ゲージ）が縮まれば緊急逮捕が可能になる

イベント用のデモということもあってか，迫られた選択は1回（かつ2択）だけ。制限時間もあるので意味が分かるよりも先に適当に選んだのだが……無事に進んだようだ

　今回のプレイでは，危うくセネカに帰られそうなところ（だったらしい）で緊急逮捕を発動できた。会話は緊急逮捕コマンドが使用可能になってからもしばらく続いていたので，もしかすると会話を見たくてゆっくりしすぎると逃げられる……といったシチュエーションがあるのかもしれない

切羽詰まって焦りだすセネカが可愛らしいし，アニメで表現されたキャラクターの表情変化は見ていて楽しい。ところでこのセネカもロボットだったのだろうか……いや，でもちゃんと逮捕しているし？

　紹介したように，このデモ版はもともと3時間ほどのプレイ内容を短くしたもので，スタート時点ですでに手掛かりを見つけた状態になっていた。もとの内容であれば，証拠の捜索や証言を得る行動，セネカの会話を誘導する選択肢がもっとあったのではないだろうか。

　ChangSik氏によれば，本作は「逆転裁判」シリーズや「ダンガンロンパ」シリーズといった日本の推理ゲームから影響を受けているそうだ。体験できなかった証拠集めになる捜査パートはともかく，犯人を追い詰める一方で失敗が許されない，自動で会話が進む逮捕パートからは，その空気がたしかに感じられた。


　なお本作は，BIC2024でのフィードバックを反映した新バージョンを東京ゲームショウ2024で出展予定だという。今回のバージョンは韓国語のみだったが，そちらは20分程度遊べて，日本語を含めたグローバル向けのものになっているそうだ。さらに，そのときのフィードバックを反映したうえで，Steamでのデモ版配信を考えているとのこと。TGS会場に行けないという人は，もう少し先になりそうだが，そちらのタイミングを待とう。

「There is NO PLAN B」Steamページ