インタビュー
[インタビュー]いつでもどこでも,いつものCoDが可能に――。「Call of Duty: Warzone Mobile」開発への合同インタビューの模様をお届け
「Call of Duty: Warzone Mobile」,3月21日に全世界で配信決定。1マッチで最大120人が参加するバトルロイヤルFPS
Activision Publishingは本日,FPS「コール オブ デューティー」シリーズのモバイル版「Call of Duty: Warzone Mobile」について,iOSとAndroidで3月21日に配信を開始すると発表した。本作は1回のマッチで最大120人のプレイヤーが参戦し,その中で最後の生き残りを目指して戦い抜いていく。
本作の開発を担うSolid State Studioでエグゼクティブ・プロデューサー兼デザイン・ディレクターを務めるTom Hess氏に,日本のゲームメディアで合同インタビューを実施する機会を得た。「Warzone Mobile」の展望はもちろん,ゲーム開発に携わること20年以上のベテランとなるHess氏が捉える「モバイルならではの魅力」なども聞けたので,ぜひ最後まで読み進めてほしい。
「Call of Duty: Warzone Mobile」公式サイト
「Call of Duty: Warzone Mobile」ダウンロードページ
「Call of Duty: Warzone Mobile」ダウンロードページ
本作の登場でモバイルゲームは“本格的”になる
セッションではインタビューの前に,Hess氏による本作の紹介が行われたのだが,Hess氏はまず「本作の登場により,モバイルゲームは“本格的”になります」と切り出した。
モバイルFPSプレイヤーへの“宣誓”だけでなく,競合他社への“牽制”とも取れる一言なのは間違いないが,すでにリリース済みの「Call of Duty: Mobile」と明確な立ち位置の差別化を図れている自信の表れと捉えてもいいだろう。
なお本作は「現在のCoDプロジェクトの中で,もっとも野心が高い」ものであるとし,CoDフランチャイズを開発するすべてのスタジオと緻密に連携し,開発を行っているという。
そのうえで,本作の目玉となる「Call of Duty: Modern Warfare III」「Warzone」とのクロスプログレッション機能についても言及し,プラットフォームを問わずに,プレイヤーレベル,武器レベル,バトルパスレベル,保有バンドル(一部は対象外)といった,ゲームの進捗が共有されることについて強調していた。
本作の大きな柱は「物理演算,グラフィックス,武器,車両などによる,リアルなゲームプレイ」であるとしており,ゲームに用いられている技術やグラフィックスは,現行のPCゲームから流用しているという。推奨の動作スペックがどこまで求められるかは気になるところだが,モバイル端末のゲームプレイ機器としての可能性を攻める,最先端のグラフィックスを実現したそうだ。
実際のゲームプレイ面でも「ヴェルダンスク」「リバースアイランド」といった大人数マップのバトルロイヤルモードだけでなく,ウォームアップ用としての位置づけにはなるが「シップメント」「シュートハウス」といったマルチプレイヤーモードも存在する。
こうした「フランチャイズに忠実かつ,リアルなゲームプレイ」であったり,先述したゲーム進捗状況の共有であったりは,既存のモバイルFPSのプレイヤー層だけでなく,すでにPCやコンシューマ機でプレイしている層を,新たにモバイルにも呼び込みたいという強い意思を感じられる。
もちろん,じっくりと腰を据えてバトルロイヤルをプレイしてもいいが,外出時のちょっとした空き時間にシップメントをプレイ……といった遊び方もニューノーマルになるのかもしれない。
最大の目的は,いつものCoD体験をどこにでも持ち運べるようにすること
――「Warzone」をモバイルというプラットフォームに落とし込むにあたり,どのような点を重視したのでしょうか。
Hess氏:
「Warzone」での体験は数あるバトルロイヤルゲームの中でも非常にユニークなものであり,この体験をモバイルに落とし込むことが最大の目標でした。本作はコントローラでも遊べますが,主となるタッチスクリーンという操作スタイルやゲームのプレイ時間など,プレイヤーごとに環境は大きく異なります。すべてのプレイヤーに対して,「Warzone」の体験をしっかりと提供しつつ,最適化されたゲーム体験をお届けすることに力を注ぎました。
――クロスプログレッション実装の経緯を聞かせてください。
Hess氏:
クロスプログレッション機能は,本作の開発初期から念頭に置いていた事項でした。モバイルのみのプレイヤーに楽しんでいただけるのはもちろんですが,PCやコンシューマ機で遊んでいるプレイヤーに,「いつものCoD体験をどこにでも持ち運べる」ことを提供したかったのです。最大の目的はここにあります。
――お話を伺っていると,本作は「Warzone」のモバイル端末への移植という印象を受けたのですが,今後,本作だけのコンテンツを提供する予定などはありますか。
Hess氏:
とてもいい質問ですね。もちろん,本作だけのコンテンツも検討中です。モバイルでのプレイは,PCやコンシューマ機でのプレイと比較し,1セッションあたりの平均的なプレイ時間が短くなります。また,彼らが望むゲーム体験は,PCやコンシューマ機のプレイヤーとは少し異なります。そのため,本作ならではのオリジナルモードや,既存の「Warzone」にはなかった要素を持つコンテンツなどを考えています。逆にそれらコンテンツが高い評価を受ければ,「Warzone」へ逆輸入という形が取られるかもしれませんね。
――現行のほかのバトルロイヤルモバイルFPSに対し,本作が持つ強みはどのようなものだと考えていますか。
Hess氏:
一番の強みとしては,やはり「Warzone」が持つ魅力を,モバイルで提供するという部分にあります。長年にわたってシリーズが培ってきた技術,経験から生み出されるゲーム体験,ファンの皆さんが愛しているもの,それらすべてを詰め込んでモバイルというプラットフォームで提供することにより,「凝縮したCoD体験」をより多くのプレイヤーに体験していただけるようになるのです。
――すでにリリースされている「Call of Duty: Mobile」とは,どのような形で差別化を図るのでしょうか。
Hess氏:
本作にはマルチプレイヤーモードもありますが,主眼としているのはバトルロイヤルモードです。また,技術的な側面でいえば,「Call of Duty: Mobile」の開発時にはできなかった「PCやコンシューマ機で用いられているゲームエンジンを,そのままモバイルへ移植する」ということが,テクノロジーの進歩によって可能になりました。これにより,従来のモバイル向け作品では実現できなかった,PCやコンシューマ機に限りなく近いクオリティのゲーム体験を,多くのプレイヤーへお届けできるようになりました。
また,「Call of Duty: Mobile」は,ゲーム自体の作風や雰囲気などが,本作とは異なります。そうしたゲーム体験の違いが,大きな差別点になると考えています。
――高いクオリティのグラフィックスをモバイルで実現するにあたり,どのように開発を進めていきましたか。
Hess氏:
大きい要素として「テクノロジーの進歩」が挙げられます。我々が持つ技術は常に向上していますし,こうした長年の蓄積の結果,高いクオリティの作品を安定した動作で提供することが可能になりました。とはいえ,ここまで開発が順調に進んだことには,多少の驚きもあります。
また,iOSやAndroidをはじめ,各メーカーが我々に興味を持ち,協力をしてくれたというのも大きな要素となります。開発陣にとっても素晴らしい体験になりましたし,従来のモバイルでは実現できなかったクオリティが実現したのです。この魅力ある体験をプレイヤーの皆さんに早くお届けしたいという思いでいっぱいです。
――プレイ環境がモバイル端末ということもあり,操作性を気にするプレイヤーも多いと思います。どのようなオプションが用意されているのでしょうか。
Hess氏:
快適なゲーム体験につながる操作性は非常に重要です。モバイル独自の専用のオプションのほか,おすすめの操作設定も用意しています。ベテランのプレイヤーはもちろん,CoDやモバイルのビギナーにも優しい仕様になっていると思いますよ。フレンドが用いている設定を反映することもできるので,ぜひ試してみてください。
また,Bluetoothコントローラにも対応しているので,「どうしてもコントローラで遊びたい」という方は,こちらをご利用ください。
――すでに一部地域でソフトローンチが行われていますが,プレイヤーからのリアクションはどのようなものでしたか。
Hess氏:
ソフトローンチ地域からのプレイヤーの皆さんからの反応は良く,我々としても手応えのあるものでした。この期間に何千というバグ修正も行いましたし,より完成度の高い状態でグローバルローンチを迎えられることがとてもうれしいです。ですが,常にゲームは改善していますし,新たなモードの追加やアップデートも行っていきます。今後の展開にもご期待ください。
――ゲームバランスの調整は,どの程度の頻度で実施する予定でしょうか。
Hess氏:
「Warzone」と同等の頻度を想定しています。武器の公平性は重要ですし,データは常に監視対象です。どの武器が強すぎてもいけませんし,皆さんがより選択肢を持った状態でプレイしていただくことを目標としています。たくさんの武器から使いたい武器を選んで,それをカスタマイズする楽しみは,「CoDらしさ」を担う大事な要素の一つですからね。
また,武器バランスは基本的に「Warzone」を基準にしたものにする考えです。ですが,必要があれば,モバイル独自の調整を行う用意はもちろんあります。
――「Warzone」では,交戦以外にもマップを探索し,隠されたイースターエッグを見つけるというような楽しみもありました。本作にはそのような要素はありますか。
Hess氏:
本作独自のそうした要素は現状ありません。プレイヤーの皆さんにより楽しんでいただけるよう,今後,そうした要素が登場するかもしれませんが,現時点での計画ではありません。
――「Call of Duty: MW3」や「Warzone」では,ゲームという括りを越えたコラボレーションが大きな話題を呼びました。こうしたコラボレーションは,本作でも予定されていれますか。
Hess氏:
もちろん,コラボレーションは積極的な検討事項です。各シーズンに新たなパートナーシップを生み出したいと考えていますし,近いところでは,グローバルリリースと同時に,とても大きなコラボレーションを予定しています。皆さんにお披露目できるのが,とても楽しみです。
個人的なことですが,私は「Call of Duty: MW2」で登場した,歌手のニッキー・ミナージュのキャラクターでプレイしているんですよ(笑)。
――最後にプレイヤーに向けてメッセージをお願いします。
Hess氏:
本作の開発は,本当に“愛”のある作業によって成り立ってきました。一人のCoDプレイヤーとして,本作を遊べることにワクワクしています。そして,グローバルローンチで世界中に本作をお届けすることになりますが,なかでも日本の皆さんに遊んでいただけることがとてもうれしいです。皆さんにプレイしていただく日が待ち遠しいですね。
日本にはゴールデンウィークというイベントがあり,かなり盛り上がると伺っています(笑)。その頃にも,ちょっとしたサプライズを用意しているので,ぜひ楽しみに待っていてください。
すでに業界で確固たる存在を築き上げているCoDシリーズのモバイル最新作が,「いつでもどこでも遊べて,PCやコンシューマ機のプレイヤーが遊んでも意義のある作品」になって世に放たれる。普段はまったくモバイルFPSに手を出さない筆者だが,インタビューが終わる頃には「ちょっと事前登録をしておこうかな……」と思ってしまった。
Hess氏の話からは,本作が長年にわたって培われたシリーズの集大成ともいえる作品であり,「モバイルFPSを新たな次元へ引き上げる」強い自信を感じられた。3月21日のグローバルリリースを楽しみに待ちたいと思う。
「Call of Duty: Warzone Mobile」公式サイト
「Call of Duty: Warzone Mobile」ダウンロードページ
「Call of Duty: Warzone Mobile」ダウンロードページ
- 関連タイトル:
Call of Duty: Warzone Mobile
- 関連タイトル:
Call of Duty: Warzone Mobile
- この記事のURL:
キーワード
(C)2021-2022 Activision Publishing, Inc. ACTIVISION, CALL OF DUTY, CALL OF DUTY VANGUARD, CALL OF DUTY WARZONE, WARZONE, and RICOCHET ANTI-CHEAT are trademarks of Activision Publishing, Inc.
(C)2021-2022 Activision Publishing, Inc. ACTIVISION, CALL OF DUTY, CALL OF DUTY VANGUARD, CALL OF DUTY WARZONE, WARZONE, and RICOCHET ANTI-CHEAT are trademarks of Activision Publishing, Inc.