プレイレポート
正式サービスは4月17日開始。「HIT:The World」のメディア向け体験会で目玉の「プリセットシステム」やPvPをチェックしてきた
「HIT:The World」公式サイト
「HIT:The World」ダウンロードページ
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ライト層でも楽しめるMMORPGを目指す
あらためて紹介しておくと,本作は2016年にリリースされたスマートフォン向けアクションRPG「HIT 〜Heroes of Incredible Tales〜」(iOS / Android)の世界観を継承する新作マルチプラットフォームMMORPGである。
本作のキーメッセージは「仲間と目指す、日本の頂点 共に創る、俺たちのMMO」で,運用方針は「日本ユーザーに向き合い、真摯な変化を続ける」とされている。これは2023年12月に,日本のMMORPGコアプレイヤーを招いて行われた,「日本におけるMMORPGの課題点」について議論した非公開の座談会の内容をもとに決定したとのこと。
座談会で出た課題は以下のスライドに記された3つだ。
1つめの「重課金ユーザー中心となっているバランス」は,現在のスマホMMORPGのビジネスモデルが重課金ユーザー向けになっていることを指す。
2つめの「絶対的強者誕生による集団戦のバランス」は,一つめに関連して重課金ユーザーから絶対的な強者が誕生した瞬間,いわゆる微課金/無課金ユーザーが束になっても対抗できなくなってしまうことを示している。
3つめの「レアドロップや取引など日々の楽しみ方」は,狩りにおけるレアドロップや,取引所で自分の出したアイテムが売れるといった,日々のプレイにおける体験を長期的に維持できなくなっていることを意味する。
座談会に参加した本作の開発チームは,日本のMMORPGコアプレイヤーが「自分達だけでなく,ライトユーザーにもエンドコンテンツや日々のプレイを楽しめる環境を用意してほしい」と考えているということを受け,あらためて検討を重ねた結果,日本展開における運用方針を象徴する4つのキーワードを,以下のスライドに示してあるとおり設定した。
その運用方針が,日本MMORPGコアプレイヤーが望む形とズレていないか確認するべく,2月10日には「シークレットパーティー」を開催し,意見交換を行った。そのとき出た意見や生放送に寄せられたコメント,SNSで行ったアンケートの結果などを鑑みて,微課金/無課金ユーザー向けに,以下のスライドのような調整が施されたとのこと。
「HIT:The World」シークレットパーティー開催。開発統括と運営ディレクターがMMORPGコアプレイヤーに向けて,日本展開への覚悟を語る
ネクソンは2024年2月10日,PCおよびスマートフォン向けの新作MMORPG「HIT:The World」のシークレットパーティーを都内で開催した。このイベントには,MMORPGのコアプレイヤーであるインフルエンサーや配信者が招待され,同作の紹介や開発・運営方針の説明が行われた。
このうち「安定した成長環境を確保し、序盤での離脱を回避」と「誰もが参加できるエンドコンテンツ」に関しては,PK不可の一般チャンネルとPK可のPvPチャンネルを用意し,前者にのみフィールドボスが出現する設定にしているため,強いプレイヤーにPKされることなく誰でもボスバトルに参加できることが示された。またボスコンテンツの1つである「エデンの変異体」も,一般チャンネルでのみプレイできることが明かされた。
一方,PvPチャンネルのメリットとしては,サービス開始から約1か月後のアップデートで,「インターサーバーフィールド」が実装されることが紹介された。このフィールドはサーバーの垣根を越えてPvPを楽しめる場所で,フィールドボスも出現し,ボス討伐を巡るサーバー間抗争などを体験できるそうだ。
「課金バランス、ゲームプレイの最適化」に関しては,取引所の活性化を図る施策の1例として,経験値増量アイテム「女神の祝福の秘薬」が紹介された。このアイテムは,序盤でプレイすることになるフィールド「テラガード」でドロップするが,上位フィールドではドロップしない。つまり微課金/無課金ユーザーは入手しやすいが,常に最上位コンテンツをプレイしている重課金ユーザーは手に入れるのは難しくなる。したがって微課金/無課金ユーザーがこのアイテムを取引所に出品し,重課金ユーザーがそれを購入するというサイクルが出来上がるというわけである。
戦闘のキモは「プリセットシステム」
実機プレイでは,本作に登場するさまざまな要素を確認できたほか,PvPも体験できた。
まず本作のクラスはキャラクターごとに固定されており,以下のスライドのように6種類ある。クラスそれぞれの役割は名称から受けるイメージとほぼ同じで「大剣」はタンク,「双剣」は近接〜中距離アタッカー,「杖」は範囲攻撃や敵に状態異常を与えるダメージディーラー,「弓」は長距離アタッカー,「宝珠」はサポートなどもできるヒーラー,「鈍器」は味方にバフを与える近接攻撃職で,いわゆるパラディン的な存在となる。
本作の目玉の1つとなる「プリセットシステム」は,最大3種のクラスを設定しておき,戦闘中であっても自在に切り替えられるという機能だ。当然ながら,キャラクターの装備やスキルセットもあらかじめ設定できる。
また,同じキャラクターを複数のスロットに設定することも可能。たとえば3つのスロットすべてに同じキャラクターを設定しているが,実はそれぞれ装備とスキルセットが異なるなんてこともできる。
戦闘中でも「プリセット」ボタンを押してパレットを展開すれば…… |
クラスを瞬時に切り替えられる。クールタイムが設定されているので,連続してクラスを切り替えることはできない |
各クラスのスキルは,連携させることで大きな効果を発揮する。さらにプリセットシステムを活用すれば,クラスの垣根を越えたスキル連携も可能となる。
大剣スキルの連携例 |
弓スキルと双剣スキルを連携させたプリセットシステム活用例 |
そのほか本作には,以下のようにさまざまな要素が実装されていることを確認できた。最近のスマホ向けも含めたMMORPGにある機能は,一とおりそろっているという認識で良さそうだ。
また,所持しているキャラクターを,同じクラスのキャラクターのスキンとして活用することもできるので,お気に入りの性能と外見を組み合わせてプレイすることも可能だ。
PvPは,個人で戦うバトルロワイヤル形式と4人パーティ3つで戦うチーム戦形式を体験できた。どちらのPvPでも筆者の印象に残ったのは,用意されていたキャラクターがレベル65と強かったこともあるが,攻撃スキルを相手に当てても,逆に当てられても,互いになかなか倒れないということだ。こうした印象を抱くのは敵対プレイヤーのHPバーが表示されないことも一因なのだが,これはPvPにおける駆け引きを意識した仕様とのこと。
例えば,自分のHPがギリギリでもう少しで倒れるという状態に追い込まれても,相手にはその状況が分からないため「こいつ,全然倒せないな」とターゲットを変更する可能性が生じるなど,HPが見えないがゆえの駆け引きや逆転につながる要素として,この仕様を採用しているそうだ。
体験会の終盤には,事前登録者数が間もなく10万人に到達することや,本作をサポートする「HTWクリエイターズ」の2次募集が4月1日にスタートすること,そして記事冒頭で記したとおり,4月17日にサービスを開始することが発表された。
最後に,本作の運営ディレクターを務める黄 珀信氏が,あらためて重課金ユーザー向けとなりユーザー離れが起きて縮小している日本のMMORPGの現状に触れ,「運営/開発が覚悟を決めて日本向けの方針を決めたタイトルが『HIT:The World』」とアピール。「ユーザーの皆様とのコミュニケーションの中で挙がった意見やリクエストを,実現可能な範囲で採用することにより,運用方針である『日本ユーザーに向き合い、真摯な変化を続ける』を実現していく」と意気込みを見せていた。
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