プレイレポート
[プレイレポ]仮面の力で大自然をサバイブせよ。オープンワールドサバイバルクラフト「Soulmask」は親切設計&やり込み要素バツグンだった
現に,2024年に入ってからも同ジャンルには「パルワールド」「Enshrouded〜霧の王国〜」「Abiotic Factor」など,多くの作品が発売,早期アクセス開始されており,アクセス数や売上などを見るにどれも人気を得ているようだ。
今月頭には「Steam Open World Survival Crafting Fest 2024」も開催されるなど,(継続的に人気のあるジャンルとはいえ)ちょっとしたブームになっているような印象も受ける。
今回の記事はそんなオープンワールドサバイバルクラフトゲームの最新作で,すでに売り上げランキングで上位に位置するなど話題を集めている「Soulmask」のプレイレポートである。
「Soulmask」はおそらく新興のデベロッパである「CampFire Studio」が開発したゲームで,5月31日に早期アクセスが開始したばかりだ。ビジュアルとしてはタイトル画面の後方に特徴的な形状のピラミッドやアルパカが登場するなど,中南米の文明っぽいイメージが取り扱われており,前述したような同ジャンルの先行作とは異なる雰囲気を持っている。
今回のプレイレポートにおいて,筆者はPvEのシングルプレイモードで遊んだ。
ゲームを開始するとまずは難度の設定を行うことができる。設定項目はかなり詳細で,経験値の取得倍率などを個別に決めていくことができる。設定次第ではプリセットの最低難度である「カジュアル」よりもさらに低い難度で遊ぶことも可能だ。
同ジャンルの作品さまざまに言えることだが,このようなゲームは本来マルチプレイが前提の難度設定となっているため,筆者のように一人でプレイする場合はかなり簡単にしてしまって問題ないように思う。もちろん後からも調整できるので,深く考えずゲームを開始してもよい。
同ジャンルの先行作と同様,本作におけるストーリーは最低限に留められている。プレイヤーは謎の部族により生贄にされそうになっていたところをなんとか逃げ出し,そこで超常的な力を持つ「仮面」と出会い,自らも超常的な力を得ることになる……という内容が,オープニングムービーであっさりと語られるのみだ。
とはいえは本作はそもそもストーリーの進行を楽しむようなタイプのゲームではないため,あっさり気味のストーリーであってもほとんど問題がない。
オープニングムービーの中間あたりでプレイヤーキャラクターを作成することになる。キャラクター作成では,性別の設定と,プリセットの顔,髪色の選択があるほか,身長や体型などをスライダーで調整できる。
キャラクター作成の自由度はあまり高くなく,性別が「男性」「女性」の2つから選択することになっているなど,あまり現代的とも言えない。こちらもあくまで最低限,という感じだ。本作のタイトルとなっている「仮面」も,持つ能力とカラーを選択可能である。仮面の持つ「能力」については後述する。
キャラクターを作成し,仮面を決定したらいよいよゲーム開始である。序盤の目標は,伐採や採取,採掘などで素材を集め,道具を作ることでひとまずの装備や拠点などを整えることだ。
このあたりの流れは「オープンワールドサバイバルクラフト」ジャンルではかなり一般的なもので,慣れたプレイヤーであればほぼ詰まることなく自然に遊ぶことが可能だろう。真新しさはないが堅実に作られており,遊んでいて違和感を覚えることはほとんどない。
動作も軽快で,少なくともプレイレポートで遊んだ範囲では大きくバグったり,進行上の問題に行き当たるということはなかった。早期アクセスのゲームではあるが,現時点ですでにかなりよくできている。
ゲーム中で行えるほとんどの行動に熟練度レベルが設定されており,さきほど設定した経験値の取得倍率によってどんどんレベルアップしていく。
たとえば伐採をたくさん行い熟練度レベルが上がれば,伐採の効率が上がっていくので,ひとまずなんでも作業してみるということが無駄になりづらく,面白い。多人数で遊ぶ場合は「伐採担当」「採掘担当」などと分けることで,更に効率的に素材を収集できるだろう。
熟練度レベルとは別にプレイヤー自体のレベルも存在しており,レベルを上げることで筋力などのステータスを強化できる。また,建物や道具のレシピ(設計図)をアンロックして文明を発展させられる。このあたりは同ジャンルのゲームではおなじみの要素と言える。
素材を収集し,アンロックしたレシピで狩猟/採取道具をそろえたら,次に問題になるのが食料だ。低木からベリーなどを採取することで飢えを満たすこともできるが,狩りも行える。狩猟した死体を調べることで一回一回狩猟の「評価」のようなものを確認できる斬新なシステムも搭載されており,より良い狩猟を行おうというモチベーションにつながる。
素材を集め,レベルを上げ,レシピを開放し,道具や建材などを作れるようになれば,次は拠点の制作に取り掛かろう。
もっとも簡単な拠点は土台を敷き詰め,そこに巨大な焚火を置くと完成する。そして,最初の拠点を完成させた時点で,NPCキャラクターを一人目の「部族民」として雇い入れることになる。
部族民には,作業計画を与えて仕事を割り振れる。この「部族民をマネジメントして仕事を割り当てられる」点は本作のかなり特徴的な要素で,場所や作業内容,数量や,作業によって得られた素材類の貯蔵場所などをかなり細かく指定できる。
ソロプレイの場合は,部族民に作業を割当てて自動化することで効率が劇的に改善するため,使わない手はないだろう。ジャンルの先行作であり大ブームを巻き起こした「パルワールド」における「パル」のような役割を,本作では部族民に与えることができるというわけだが,パルよりも細かく作業を設定できる。
あまりに細かく設定できるので筆者もまだうまく使いこなせていないが,部族民が多くなってきた場合には真価を発揮しそうなシステムだ。
二人目以降の部族民は,敵対NPCである「蛮人」や敵対する部族民を前述したような仮面の力で「威圧」し,拠点まで誘拐して食べ物を与えることで仲間にできる。
このあたりは先行作の中でいえば「Conan Exiles」の「奴隷」システムを連想させられる要素で,Steamレビューでも類似性を指摘する声も多い。
が,暴力性や残虐性が強調されていた「Conan Exiles」より,本作の表現はかなりマイルドだ。「奴隷」ではなくあくまで「部族民」という扱いになっているため,良心の呵責少なめ(ゼロではない)で遊べるかもしれない。
仮面の力は部族民を増やすほかにも様々な利用方法がある。たとえば「生命探知」は,ジャングルの見づらい地形の中で,どこに敵対する生命がいるのかを見つけられる。
仮面の力は探索で得られる特殊なアイテムや,後述するボス戦を経ることで強化でき,仮面の強化は本作の大きな目的の一つにもなっている。
また部族民を選択し「コントロール」すれば,仮面とともに意識を部族民に移し替え,自由に操作できる。
これはかなり面白いシステムだが,筆者はまだうまい利用方法がわかっていない。ひとまず今までのプレイヤーキャラクターを作業要員として使い,部族民を操作して探索することで作業の効率化+部族全体の強化が行えるのは確かだ。
本作がほかのゲームと最も大きく異なる点は,「とにかく多機能であり,かつ親切」というところだ。
まずは左上に表示されている「ガイド」の通りに行動することで,操作やゲーム全体の進行方法に慣れていけるので,初心者であっても安心して遊べるだろう。[N]キーを押すことでチュートリアルや説明を表示でき,こちらもかなり親切に書かれている。ジャンルの入門作として非常によく出来ていると評価できそうだ。同ジャンルの経験者にとっても,「かゆいところに手が届く」といった感じで,かなり遊びやすい。
たとえば木箱など,倉庫の役割を持つものに「保管アイテムタイプ」を設定できる,というシステムは物品の整理にかなり役立つ。箱一つ一つに「鉱物類」「植物類」など内容物をあらかじめ設定しておけるので,ものがごちゃまぜになりづらい。
また箱を重ねて設置できるのも地味ながら非常に嬉しい要素だ。こういう細かい快適性の積み重ねによって,本作は同ジャンルの中でも出色の「遊びやすさ」を持った作品になっている。
もちろん「遊びやすい」というのは,カジュアルなゲームであること,内容が薄いということを意味しない。本作にもすでに膨大なコンテンツが存在し,強力な敵と戦うボス戦や,レアリティの高いアイテム集めなど,コアなゲーマー好みのやりこみコンテンツも満載だ。ボス戦は仮面の機能強化に必要不可欠なため,ゲーム進行上誰もが行き当たる関門となっている。
戦闘システムも単に体力とスタミナだけでなく「耐久」というステータスが設定されており,防御が重要になるなど,やや凝ったものであるため,アクションゲームが好きなプレイヤーでも満足できるだろう。
本作には現状で充分なほどのコンテンツ量があり,おそらく今用意されているものを総て遊び尽くすのにもかなりの時間が必要となる。一度やり尽くしてしまっても今度はPvPサーバーに出向いたり,友人と協力プレイしたり……と試していけばかなりの時間を溶かせるはずだ。
筆者は今回レポートするに当たって十数時間遊んだが,まだまだ本作の底は見えない。個人的には,こういったゲームは友人などと一緒にPvEを楽しむのが一番楽しいと思うので,いつかはそうやって遊んでみたいものだ。「Soulmask」は14日までリリース記念セールで10%オフの価格で購入できるため,気になった方は購入してみてはいかがだろうか。
「Soulmask」公式サイト
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