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[プレイレポ]積み上げた攻略が,いつしかボスの喉元に届く。20連敗してもやめる気が起きない面白すぎるボスラッシュアクション「ナノ使徒計画」
ナノ使徒計画は,戦闘用ナノマシンを埋め込まれてしまった少女アニータとなり,脱出を目指して危険な「試作生物兵器」たちと戦う見下ろし視点のボスラッシュ型アクションゲームだ。
本作を開発する18Light Gameは,深海を舞台とするメトロイドヴァニア「棄海:忘れられた深海都市」を手掛けた,独特の味わいがあるアニメーション表現を得意とするデベロッパだ。今回はボス戦に特化した高難度な作品になるとのことで,実際に遊んでみたところ,想像以上に難しく,そしてやりがいのある作品だった。
「ナノ使徒計画」公式サイト
負ける! 勝てない! でもやめられない! 絶妙なパリィが面白すぎるボスバトル
記憶を失ったアニータが目覚めると,そこは謎の研究施設だった。何もかも分からないまま,ナノマシンで構成された“義装具”に指示されるまま戦いに放り込まれてしまう。どうやら,この空間は生物兵器同士を戦わせ,その性能を測るための施設のようだ。
アニータ以外にも近い境遇の人物は存在したが,やはり外に出るすべは持っていない。唯一戦う力を持つアニータとナノマシン「クロ」は,すべての生物兵器を破壊して脱出を目指す。……というのが,本作のあらすじとなる。
ゲームの目的は指定された生物兵器の撃退なので,ステージ攻略のような概念は存在せず,とにかくボスを倒せばゲームが進むシンプルな構造だ。登場キャラクターの数は少ないものの,いずれも個性がしっかり出ていて魅力があるのも好印象だ。
本作のバトルにおける特徴的な要素は,敵の攻撃を弾き飛ばして体勢を崩す「パリィ」と,ひるんだ相手が露出する「コア」への攻撃だろう。本作のパリィは攻撃の着弾に合わせてガードボタンを押すことで発動するので,操作としてはいわゆる“ジャストガード”に近い。
露出したコアへ攻撃をヒットさせると,ワイヤーフックが射出され,距離を問わず相手に大ダメージを与えられる。ただし,敵の攻撃の中にはガード不能な攻撃も存在し,発動時にはクロから警告(!マーク)が発せられる。それを見極めてパリィを成功させ,体勢を崩してコアへの攻撃を叩き込むのが基本的な戦い方だ。また,一定時間無敵になる回避アクションもあるので,うまく使い分けて戦う必要がある。
本作で最初に戦うのは,チュートリアル用の「非殺傷用E-8コンバットモデル」だ。さすがに楽勝――と思っていたのだが,なんだかサクッとやられてしまった。おい,非殺傷兵器のくせにごんぶとビームを撃ってくるんじゃない。どう見ても殺傷兵器ではないか。
そんな具合で,本作のボスはとにかく強い。1戦目の非殺傷兵器(?)は2回の挑戦で撃破できたが,2戦目の相手「バーサーカー」は,攻略までに20回以上ものリトライを要した。戦闘中,口から漏れた「マジかよ」は数え切れない。
しかし,一度もコントローラを置こうとは思わなかった。なぜかというと,戦いがあまりにも楽しすぎたからだ。
何より良かったのは,パリィの猶予時間の絶妙さだ。厳しすぎず緩すぎず,少なくとも「攻撃が来ると構えていれば成功できる」程度の猶予に設定されている。そのため,敵の攻撃リズムを掴むとサクサクパリィできるようになってくる。
ガード不可の攻撃についても,発動する前には警告が発せられるだけでなく,攻撃範囲も早めに表示されるため,喰らってしまっても理不尽な印象を受けづらい。「次はあれに気をつけよう」「あのモーションに意識を集中しよう」といった課題が少しずつ埋まっていき,いつしかボスの喉元に手が届く。この感覚が非常に楽しい。
この楽しさを支えている要素として,「感染」と「吸収」が存在する。こちらの攻撃をヒットさせると“感染スタック”が累積し,満タンになると特殊な攻撃が発動する。これを「吸収攻撃」と呼び,大ダメージを与えると同時にこちらの体力を回復してくれる。
基本的に回復手段は自動で持ち込めるアイテム(使用回数は最大2回)だけなのだが,感染と吸収システムのおかげで,窮地に立たされても希望を持って戦える。序盤にダメージを受けて「もう今回は無理か……」といった状況が起こりにくく,遊んでいてダレる瞬間が少ないのだ。
各種エフェクトや音楽も素晴らしく,キリキリとした緊張感のあるボスバトルを盛り上げてくれる。この後も,さらに強力なボスたちが待ち受けていると思うと,ワクワクが止まらない。
SteamストアページではSteam Nextフェスで公開されたデモ版が引き続き公開されており,会場で戦ったバーサーカーだけでなく,それ以降のボスにも挑戦できるようだ。筆者も家に帰ったら,今一度バーサーカーを突破し,次のボスに挑戦してみたい。
「ナノ使徒計画」公式サイト
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