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テキストアドベンチャーなのに戦闘は弾幕! な「夢灯華 Noctuary」に,日本語音声が追加予定。Switch版も準備中
中国のGratesca Studioが手掛ける本作は,本当に一言で説明するなら,だいぶ語弊があるが「女性キャラしか出てこないテキストアドベンチャー」ということになる。といっても,百合とかそういう話ではなく,幻想的な世界を舞台に,友情や姉妹愛を描くおとぎ話だ。
主人公は2人のダブルヒロインとなっており,光使である夢灯此夜と彩灯絢夜は,皆を守れる遊園士になろうと夢見ている。……とけっこう単語のクセは強い(そして読み方も難しい)が,ゲーム内の用語集が充実しており,日本語ローカライズの品質も良いので,テキストを読んでいて困ることはない。
ビジュアルは美しく,主人公以外のキャラクターの話もサブクエストの形でさまざまに語られる。音楽も101曲とボリュームたっぷりだ。しかも設定資料集やサウンドトラックが無料公開されていて,どっぷりこの世界に浸れるのが嬉しい。
さらに,実は「テキストアドベンチャー」というのがけっこうな嘘……というか説明不足で,本作は合間に入る戦闘にかなり力が入っている。
戦闘パートは完全にアクションとなり,此夜と絢夜を切り替えながら戦うのだが,キャラごとに3つずつ武器がある。武器によって攻撃パターンがかなり変わるため,2×3の6パターンを駆使して戦うことになり,動かしていて楽しい。
そして,敵は弾幕シューティングのように,めちゃめちゃ弾をばらまいてきて,画面はかなり派手だ。
戦闘システムだけ見ても,アクションゲームとして成立しそうなぐらいきっちり作られているのだが,それでも確かにメインは「テキストアドベンチャー」という,なかなか不思議なゲームだったりする。
筆者は以前,本作が別のイベントで出展しているのを見て,そのクオリティの高さに「(良い意味で)インディーっぽくない!」と購入したクチなのだが,購入後もその感想が裏切られることはまったくなかった。
ただ,本作にも1つだけ,明確な欠点がある。それは音声が中国語にしか対応していないことだ。音声をオフにすれば問題ないのだが,それではちょっと人にオススメしづらいし,せっかく音声があるなら日本語で聞きたくなるというもの。それが今回の会場で,しれっと日本語音声の制作が明記されているのだから,「待て待て待て!!」となった筆者の気持ちをご理解いただけるだろうか。やったー!
ブースで話を聞いてみたところ,日本語音声の追加は2024年の年末頃を予定しているそうだ。
さらに,ブースにはNintendo Switchで動いている本作のデモもあり,移植版も準備中の様子。どこを見ても妥協なく作り込まれた,ハイクオリティなゲームなので,多くの人に触ってみてもらいたいところだ。
実際,インディーだからといって安っぽいものを作るつもりはない,という気持ちを込めて開発しているそうで,その意気込みは遊んでみればすぐに伝わると思う。ちなみに,開発スタッフは「東方Project」のファンが多いそうで,女の子しか出てこなかったり,弾幕をばらまいたりするのはその影響なのだとか。なるほど,納得だ。
「夢灯華 Noctuary」Steamストアページ
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