インタビュー
[インタビュー]男性が娘役も演じる歌劇団「青山オペレッタ」を舞台にした演劇コンテンツが,青春歌劇団育成ゲームとなって2024年春に登場
2次元と3次元がクロスした演劇コンテンツプロジェクトとして展開する「青山オペレッタ」(以下,青オペ)のゲーム版(iOS / Android)が,2024年春にリリース予定だ。2020年9月に始動した「青オペ」は,サイバード,エイベックス・ピクチャーズ,ABCフロンティアが協業するメディアミックスプロジェクトで,東京・青山にある未婚の若い男性だけで構成された歌劇団「青山オペレッタ」に所属する劇団員たちの姿を描くストーリーが,舞台やドラマCDを中心に展開されている。
4Gamerは今回,2023年11月3日,4日に開催された「アニメイトガールズフェスティバル 2023」(AGF2023)のサイバード出展ブースにて,ゲームのプロデューサーであるフナツタカシ氏と,アシスタントプロデューサーの長谷奈未子氏にインタビューする機会を得た。ゲーム版の気になる新キャラクターたちの魅力や,ゲームシステムなど聞いてきたので,お伝えしよう。
ゲーム化によってさらに広がる
「青山オペレッタ」ワールド
4Gamar:
2020年9月より展開している「青山オペレッタ」ですが,あらためてプロジェクト発足の経緯を教えてください。
フナツタカシ氏(以下,フナツ氏):
2018年に,女性向けゲームを多数手がける伊東 愛さんと一緒に企画を考えたのが始まりです。もともと舞台化を前提としたゲームの企画として考えていて,舞台そのものを題材にして,男の子たちが娘役も演じる歌劇団という世界観を考えました。
当初はサイバードとエイベックス・ピクチャーズさんで企画を進めていたのですが,ゲームの企画としては止まってしまって……。そんななか2019年にABCフロンティアさんに,こういう企画があるというお話をしたところ,面白い,一緒にやりたいと言っていただいて3社共同のプロジェクトになりました。
4Gamar:
もともとは,ゲームの企画だったんですね!
フナツ氏:
はい。3社での共同プロジェクトとして再スタートするにあたり,まずはドラマCDと舞台の連動企画から始まり,舞台やラジオ,ドラマCDの実績を重ね,4年かけて待望のゲーム化となりました。
4Gamar:
長谷さんは,いつごろから企画に携わられていたのでしょうか。
長谷奈未子氏(以下,長谷氏):
プロジェクトの立ち上げ段階から参加しています。
フナツ氏:
ゲーム版も引き続きクリエイティブディレクターを伊東 愛さんにお願いし,私がプロデューサー,長谷がアシスタントプロデューサーという布陣になっています。エイベックス・ピクチャーズ,ABCフロンティアの各社様からもプロデューサーやアシスタントプロデューサーが参加し,お互いの得意分野を活かしてプロジェクトを進めています。
4Gamar:
ゲーム化で,初めてプロジェクトを知る方もいると思います。「青山オペレッタ」の魅力やアピールポイントは,どこだと思われますか?
フナツ氏:
1つは,“ドラマCDなどで2次元キャラクターを演じているキャストさんが,そのまま2.5次元舞台や朗読劇にも出演する”ことです。ゲームやアニメの舞台化は,メディアの違いもあり,キャストが変更されて,見た目やキャラの声が変わってしまうものも多いです。そんななか同じキャストさんが一気通貫で演じていただくことで,ドラマCDと舞台で同じキャラのイメージを保つことができるのは,本プロジェクトの特徴だと思っています。
もう1つは,先ほども述べた“男性が娘役も演じる”ことですね。舞台の娘役のキャストさんのビジュアルはとっても美しいので必見です。もちろん男役のキャストさんのビジュアルもとっても格好良いですよ。
宮嶋あさひ(CV:長江崚行) |
斎 鷹雄(CV:中山優貴) |
櫻井ノエ(CV:大隅勇太) |
長衛輝夜(CV:矢部昌暉) |
矢地桐久(CV:大平峻也) |
加賀見祥太(CV:友常勇気) |
関連記事
「青山オペレッタ」の舞台がついに開幕。役者たちの心と技術の成長物語にときめきが止まらない!
ABCフロンティア×サイバード×エイベックス・ピクチャーズによる“2次元×3次元!メディアミックス演劇コンテンツ”の舞台「青山オペレッタ THE STAGE 〜ノーヴァ・ステラ/新しい星〜」が,2021年4月22日に幕を開けた。本稿では,初日公演に先駆けて行われたゲネプロの模様をお届けしよう。
長谷氏:
これまでに5回,舞台公演を行い,来年には6回目も開催されます。おかげさまで演劇を好きな皆様に,何となく名前や世界観を認知していただけるようになりました。ここからさらにプロジェクトを大きくして,もっと多くの方に知ってもらうためのゲーム化です。
4Gamar:
ゲームはメディアが大きく変わるため,新たに興味を持つ方も多そうです。
長谷氏:
そうですね。先ほどもお話ししたとおり,「青山オペレッタ」は2次元と2.5次元舞台とでキャストが変わらないことがウリです。しかし,今回のゲーム化に関しては,舞台ファンと違った層にも興味を持っていただきたいと考えました。
そのため,ゲーム版の新キャラクターのキャストには,あえて声優の皆さんにお願いしています。2.5次元の舞台ではありませんが,プロジェクトの見どころである公演は,ゲームイベントとして用意する形にしました。ベネラ(娘役)の役者を演じる声優さんには,公演イベントで女性キャラクターを演じていただくこともあると思うので,そこも楽しみにしていただきたいです。
4Gamar:
新キャラクターは,豪華なキャストがそろっているだけに,ゲーム内の公演(劇中劇)でどんなお芝居が見られるのか期待が高まります。
長谷氏:
新キャラクターたちは99期生で,まだどこのチームにも所属していない「研究生」でありながら,ドラマと舞台版のメインである100期生「ノーヴァ」の先輩にあたります。記念すべき100期生として抜擢され,いきなりチーム配属されたノーヴァメンバーに対して,コンプレックスを持っているキャラたちなので,かなりクセが強めですね。
個人的なおもしろポイントは,諏訪部順一さんの関西弁です。
長谷氏:
また,増田俊樹さんにもメンタル面でクセがある役をお願いしています。
長谷氏:
木村良平さんと石川界人さんは双子役で,ファンの皆さんにも「この2人が双子を演じるのは熱い」と思っていただけたらなと。
長谷氏:
古川 慎さんの声質は,今回のようなやんちゃなキャラにぴったりだと思ってお願いしています。
ドラマCDで描かれた展開を軸にしつつ,
新規ファンも楽しめるゲームストーリーに
4Gamar:
99期と100期生の関係は,かなり複雑そうです。どのような物語が展開していくのでしょうか。
フナツ氏:
ゲームの第1章は,99期生と100期生であるノーヴァのW主演のイメージです。本来,彼らの所属する歌劇団「青山オペレッタ」は,研究生として2年間学んだあとに,「ピエナ」「ファルチェ」「メッザ」の3つのチームに配属されます。
フナツ氏:
しかし100期生は,100周年を記念して実験的に専用のチームが作られ,すぐにデビューしました。99期生たちはそれに対して反感をいだき,その確執が描かれます。
長谷氏:
リリース後には章を追加し,各チームと99期生との関わりも描いていく予定です。
フナツ氏:
これまでドラマCDと舞台でストーリーを描いてきましたが,プロジェクト始動から3年が経っていることもあり,途中から入りにくいと感じている方もいると思います。
そこでゲームでは,各ドラマCDの内容をリブートしつつ,物語をゲーム版として最初から描き,ゲーム化で青オペを知っていただいた新規の方にも青オペの世界に入りやすいようにしています。
長谷氏:
ドラマCDを軸にしていますが,しっかりと新たな物語になっているので,これまで作品を愛し,応援してくださっている方も楽しめる内容です。すでにノーヴァ編は発表していますが,99期生の5人が加わることで,つながりを感じながらも,新しい側面が見れたりや違った印象を持って物語を進めていただけると思います。
4Gamar:
主人公は,どのような立場で彼らに関わっていくのですか。
長谷氏:
主人公は,歌劇団の演出助手です。本作は登場人物たちとの恋愛要素はなく,性別も明言しません。青春歌劇団育成ゲームですので,弊社の「イケメン」シリーズとは,まったく違うゲームシステムになります。
4Gamar:
そのゲームシステムについても,ぜひ教えてください。
長谷氏:
公演に合わせて劇団員(カード)を集め,強化していく,育成要素がメインです。恋愛要素がないので,作品に合わせた新たな試み,システムに挑戦しました。ただ難しいものではなく,シンプルに遊びやすいものをと考えています。特定のペアを編成するとスペシャル会話が発生するなど,会話を充実させていますし,カードにはボイスがついていますよ。
フナツ氏:
歌劇団の寮に住んでいて,部屋に家具を配置したり,歌劇団メンバーの衣装を変えたりする,マイルーム要素もあります。ここでも,物語や劇団員を深掘りできる仕掛けがあるので,楽しみにしてください。
長谷氏:
ちなみに,ついに横画面になります。
4Gamar:
サイバードの作品は縦画面のイメージでしたが,ついに! どんな画面になるのか,見られるのが楽しみです。ゲーム以外で,何か施策のご予定はありますか。
フナツ氏:
2024年の3月にベネラ(娘役)を中心としたチーム「メッザ」が主役の舞台第6弾公演が決まっているので,そちらを多くの皆様に観劇いただきたいです。また海外の方にも,楽しんでいただきたいなと思っています。
長谷氏:
ゲームが出たあとも,舞台は続けていきたいです。「ゲームに移ってしまうのかな」と不安に思っている方もいるかもしれませんが,そんなことはなく,舞台もゲームも一緒に楽しんでいただけるコンテンツにしていきたいです。
4Gamar:
今後,99期生が舞台に出ることもあるのでしょうか。
長谷氏:
ないとは言えないですね。ただしキャストが声を演じ,舞台にも出ることがコンテンツのウリでもあるので,どのような形で登場するかは,よく検討したいです。
フナツ氏:
夢咲辰樹役の下野 紘さんには,声の出演をしていただいていますし,そういう形もありえますね。また,舞台だけではなく,朗読劇やイベントの企画にもチャレンジしたいですね。皆さん,多忙なのでチャンスがあれば実現したいです。
長谷氏:
歌のうまいキャストさんばかりなので,99期生の5人が歌う新曲も作りたいと思っています。
4Gamar:
期待しています! ゲーム版のボイスはすでに収録されたのでしょうか。
長谷氏:
これからです。収録が進みましたら,公式X(旧Twitter)や公式サイトで公開していくので,楽しみにお待ちください。また,今までのメンバーのボイスも新規収録し,「おはよう」や「おやすみ」などの日常ボイスも録る予定です。これまで劇団員たちには,ドラマCDや劇場でしか会えませんでしたが,ゲームになったことで彼らをより身近に感じていただけたらなと思います。
4Gamar:
ゲームも今後の展開もますます楽しみになりました。本日は,ありがとうございました。
「青山オペレッタ」公式サイト
4Gamerのアニメイトガールズフェスティバル2023記事一覧
(C)青山オペレッタ All Rights Reserved.
(C)青山オペレッタ All Rights Reserved.
(C)青山オペレッタ