プレイレポート
[プレイレポ]ポーション作りはまるでパズル! 「アルケミスト: ポーション商人の物語」で錬金術師のスローライフを楽しもう
4Gamerでは発売に先駆けてプレイする機会を得たので,本稿にてプレイレポートをお届けする。
※記事内の画像はすべて開発中のものです
Steamの「アルケミスト: ポーション商人の物語」ストアページ
ゲームは難度と主人公の種族を選択するところから始まる。難度はノーマルとイージーの2種しかないようなので,それほど悩まないだろう。しかし,種族にはいろいろと特殊な効果がある。例えば猫は移動が速い代わりに体力がやや低く,豚は体力が多い代わりに評判(経験値のようなもの)の上昇が少ない,ネズミは体力が普通だが,バフもデバフも効果時間が長くなる……といった具合だ。どれも一長一短あるようなので,じっくり考えて決めよう。
操作はよくあるWASD操作で,フィールドには敵がおり,木の棒をはじめ,さまざま武器で戦える。ただ,敵を倒しても経験値やお金が入手できるわけではなく,あくまでクエスト達成や素材集めの手段として用意されているようだ。
本作でレベルにあたるのは,“名声”と呼ばれる数値で,これはクエストを達成したり,ポーションを販売したりして,評判を稼ぐことで上昇する。名声が上がると,町のショップで購入できるポーションのレシピや道具,素材,家具の内容が増えたり,新たなクエストに挑戦できるようになったりする。
なお,ポーションの販売はショップで行うのではなく,NPCが毎日用意してくれる依頼を受け,指定のポーションを納品することで売却できる。本作におけるメイン収入源なので,まずはこの納品作業をこなすことが主な目的になるだろう。
そして当然ながら,ポーションを納品するためには,ポーションを作らなければならない。まずは本作のメインコンテンツとも言える,ポーション作りについて紹介しよう。
レシピだけがすべてじゃない。まるでパズルのようなポーション作り
ポーションは,目的のポーションに必要な属性(アスペクト)を持つ素材を,大鍋で煮込むことで製作できる。例えば“弱い健康ポーション”には,“治癒”の属性が,“体力ポーション”には“成長”と“強さ”の属性が必要になる。ここで重要なのが「属性は変質させることができる」という点だ。
ただし,属性は自由自在に変えられるわけではない。まず,アスペクトは全部で64個存在する。地,空気,火,水の4つの分類があり,さらにその中に4段階の強さが,さらに強さの段階ごとに4つの属性が,といった具合だ。これら64個の属性は,4列の円のような表で描かれ,道具を使うことで,その円の中で隣り合う属性,円の外側と内側の同じ位置にある属性に変質させられる。
道具にはそれぞれ変質のルールが存在し,序盤で使える“木製のモルタル”は,属性を左回りに,“金属製のモルタル”は右回りに変質させる。ほかにも属性を強めたり(円の外側へ移動),弱めたり(円の内側へ移動)する道具も,比較的序盤で入手できる。なお,属性は分類(地水火空気)を超えて変質させたり,最弱/最強を超えて強弱を変化させたりすると,アスペクトそのものが消えてしまう。ポーションを作る際,必要な属性以外が混ざっていると失敗してしまうので,余分なものはこれを利用して消すことになる。
このように,素材の属性を変質させ,目的のポーションを作るために必要な材料を集めていくのが,本作のポーション作りの“基本”だ。
ここまで読んで,多くの人は「難しそう」だと感じたかもしれない。たが安心して欲しい。最初にもらえる“賢者の石”という道具を使うことで,目的のポーションを作るために必要な“素材”と“道具”はすぐに把握できる。ただし,どの素材を,どういう手順で変質させていくのかまでは教えてくれない。
道具は材料の状態によっては使えない(例:蒸留器で液体にしたものは乾燥台には置けない)ので,属性の表とにらめっこしながら,目的のポーションにたどり着ける手順を考えなければならない。このポーション作りが面白く,まるでパズルを解いているような楽しさを味わえる。
そして一番大事なのは「賢者の石で示されたレシピだけが正解ではない」ということだ。ポーションの製作に必要なのはあくまで素材が持つ“属性”で,素材そのものは問われない。同じ属性にたどり着くことができるのなら,どの素材を使っても構わないのだ。
素材には,道端で手に入るものから,ショップで高額で販売されているものまで,さまざまなものが存在する。賢者の石で貴重な素材が提示されたポーションを,そこらで簡単に手に入る素材で製作できた時は,なんとも言えないうれしさが込み上げてくる。
ただ,そういった試行錯誤をしていると,自分が素材に施した手順を忘れてしまうこともあるだろう。そんな時は“自動レシピ”機能を活用するといい。これは,たった今自分が使ったレシピを保存して,次回以降はワンクリックでポーションを作れるという便利な機能だ。
便利さゆえに保存できる数は限られているが,不要なレシピは削除できるし,ショップで保存数を増やすこともできるので,貴重なレシピを忘れてしまわないように,うまく活用しよう。
欲しい素材は毎日買おう。町を活用して生活を豊かに
アルケミスト業をしていくうえで,素材集めは欠かせない作業だ。しかし,ゲーム序盤は,そもそもどこで入手できるのか分からない素材が大量にある。町の住人に聞いてもあまりそれらしいことは教えてくれず,自分の足で探し出すしかない。
そんな時に役立つのが,NPCのショップだ。素材を売ってくれるNPCは町だけでなく,さまざまな場所にいる。ただ,NPCごとに商品は異なるので,有用な素材を見つけたら,誰が売っているのか覚えておこう。
また,町では素材のアスペクトを変質させる道具も売っている。道具は1度買えばずっと使えるので,余裕がある時に買っておくのがおすすめだ。ただ,道具の中にはテーブルの上にしか設置できないものがある。最初から持っているテーブルでは,すぐにスペースが足りなくなってしまうので,町にある家具屋で購入しておこう。
このほか,レシピを売っているNPCのショップでは,スキルブックも販売されている。スキルブックを購入すると,記載されたスキルを習得するためのチャレンジが解放される。そのチャレンジを達成することで,始めてスキルを習得できるというわけだ。
移動速度が上がったり,敵のドロップ品が増えたりと,役に立つパッシブスキルばかりなので,早めに習得するほどお得だ。
序盤は素材もお金も少なく,ショップやポーション売却にはお世話になるはずだ。自宅の寝袋で寝ることで時間を進められるので,すぐに在庫を復活させたり,新しい依頼を出したりしたい場合は,いったん自宅に戻って日数を進めよう。
本作には(少なくとも本稿執筆までに遊んだ範囲では),メインストーリーのようなものは存在せず,キャラクターの性格や世界観もクエストごとに垣間見える程度となっている。そのため,何か目的をもって奔走するというよりは,のんびりお金を稼ぎながら日常を過ごすようなゲームだと感じた。
少し気になったのは,ややクエストのヒントが少なく,何をしたらいいのか分からなくなってしまう時があったことだ。NPCに話を聞くと思わぬヒントが聞けることもあるので,行き詰まった時は話しかけてみると,攻略の助けになるかもしれない。
「アルケミスト: ポーション商人の物語」は,本日Steamにてリリース予定だ。体験版も用意されているので,本稿を読んで興味を持った人は,試しにプレイしてみてはいかがだろうか。
Steamの「アルケミスト: ポーション商人の物語」ストアページ
- 関連タイトル:
アルケミスト: ポーション商人の物語
- この記事のURL:
Art Games Studio S.A.
All rigths reserved.