プレイレポート
[TGS2023]“観測者”として“被検体”の少女の記憶を取り戻さなければ「死」が待っている。「NONUPLE NINE: ASYMPTOTE」試遊レポート
出会いは突然に
開発期間は9年以上
筆者と本作の出会いはTGSの2日目。「講談社ゲームクリエイターズラボブースに面白そうなインディーゲームが多い」と小耳に挟み,ネタ探しに乗り込んだところ,早々に気になるタイトルを見つけた。それが「NONUPLE NINE: ASYMPTOTE」だった。
ブースに置いてあるフライヤーには,すでに“9年もの開発期間”がかかっていると書かれていた(ちなみに公式X(旧Twitter)では10年以上とあった)。そんなに前から開発しているなら,相当のこだわりが詰まっているに違いない。ということで,本稿では試遊レポートをお届けしたい。
なお,担当者にうかがったところ,プレイアブル版ではあるものの,かなりのボリュームとのこと。時間制限は(ビジネスディのためか)とくに言われなかったが,試遊台は1台のみなので譲り合いを忘れずに。ちなみに,今回は本編ストーリー冒頭を20分ほどプレイした紹介になっている。
「そのビルでは、32階だけがループする――」
しかし32階までたどり着けなかった
本作でプレイヤーは,ドローンが届けるリアルタイムの映像を見ている“観測者”だ。冒頭では分からなかったのだが,フライヤーによると,プレイヤーは大型ディスプレイと一脚の椅子しかない部屋に監禁され,ディスプレイに映る映像を見せられているという設定とのこと。また,“被検体”である記憶のない少女の記憶を取り戻さなければ,2人とも殺される……といったことが書かれていた。
ドローンが今度は左へ移動すると,先ほどの少女と同じ白い布をまとった黒髪の少女が倒れいてた(彼女こそメインの子だ!)。少女は目を覚まし,ゆっくりと起き上がる。
ここから操作パートへ! クリックして誘導したり周囲を調べたり,操作はとても簡単だ。
そして先ほどの少女がいるドアのほうに進むと……そこには,首から上がない死体があった。
なんと,少女は「記憶回復プログラム」という実験に応募し,当選した“被検体:999999999”(ノナプル・ナイン)だった。それすらも覚えのない少女は,ガイドに帰りたいと伝えるが,聞き入れてはもらえない様子。しかし,少女は「ここから出る方法は,記憶の中にある」ということに気付き,(多少別の力も働いたようだが)部屋を出ることに成功する。
少女が部屋を出ると,ガイドの声が遠くなり,代わりにビリオと名乗る少女の声が聞こえるようになる。ビリオは,少女……もといノナプル・ナインがいた部屋より少し下の32階に隠れているという。そこで少女はビリオのいる32階を目指すことになる。
と,ここまでが約20分のプレイでできたことだ。長い期間をかけてじっくりと開発されているだけあって,少女の動き1つひとつ,ストーリーの合間に差し込まれる独特な演出も,とにかくこだわりがすごい。まるでアニメーション映画を見ているような感覚で,相当ていねいに作り込まれていることが分かる。
物語も,「これは伏線なんだろうな」というものがたくさん出てくるので,先の展開が気になって,時間を忘れてプレイしてしまうだろう。これはぜひ,実際にプレイして体感してほしい。
Pixiv Fanbox
「ノナプルナイン」公式X(旧Twitter)
4Gamerの東京ゲームショウ2023記事一覧
- 関連タイトル:
ノナプルナイン:アシンプトート
- この記事のURL: