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[TGS2023]「RUSTY RABBIT」は,虚淵氏が趣味で作っていたゲームがベース。開発理由は,Twitterで見たシルバニアファミリーの画像が気に入ったから!?
NetEase Gamesとニトロプラスの共同プロジェクトとなる本作は,人類が世界を去って数千年。次の頂点に選ばれたのはウサギという,ポストアポカリプスの世界観で展開される。
主人公となる中年ウサギのスタンプは,人類が軌道エレベーターとして使っていた場所を遺跡と呼び,発掘する日々を過ごしていた。この世界において,人類の文化を探るのはタブー視されていて,それにもかかわらず遺跡を採掘しているスタンプはアウトロー,トレジャーハンターのような存在だ。
そんなスタンプは,ある時遺跡の情報端末から,かつて物別れした娘の記録を見つける。その足跡を追うべく,遺跡の奥へと進んでいくことになるのだ。
といった具合で,本作のコンセプトは,「キュートなキャラとハードな世界観の融和」となっている。荒廃した日々を受け入れて,絶望することなく前向きに過ごすウサギたちの物語だ。
開発を手掛けるのは,「Re:ゼロから始める異世界生活 偽りの王選候補」や「CONCEPTION 俺の子供を産んでくれ!」などを手がけたチャイム。キャラクターデザインは,「IdentityV 第五人格」のショートアニメや,「ウサビッチ」などのカナバングラフィックスが担当している。
楽曲はアニメ「ポプテピピック」などで知られるBUSTED ROSEの吟氏で,コンシューマタイトルへのサウンドの提供は初めてだという。
ゲームシステムとしては,ワイヤーや壁のぼりを駆使して探索していく,2.5Dベルトスクロールタイプのアクションだ。
拠点から遺跡に潜っていくスタンプは,若かりし頃の勘を取り戻して成長していき,同時に遺跡で見つけた素材を使って,彼の乗るロポットである「ポンコツ」を強化していく。
ポンコツのウェポンはドリル,ナタ,ショットガン,ハンマーなどさまざま。ダンジョンにはブロックが配置されていて,これを砕くと経験値や素材が手に入るが,ブロックの材質によって有効なウェポンが異なる。鉄くずのブロックにはドリルを使うなど,遺跡の状況を見ながらウェポンを切り替え,探索を進めていくのだ。
そんな「RUSTY RABBIT」だが,気になるのは「なぜこの企画に虚淵氏が関わることになったのか」だろう。実はもともと,本作は虚淵氏がUnityを使って1人で作っていた趣味のゲームだったという。そして,「こんなゲームを作りたい」とNetEase Gamesに見せたところ,クリーンナップして商品化しようと提案があり,現在の形になっていったそうだ。
元のゲームは,2020年ぐらいからちまちま作っていたもので,とにかく掘って掘ってお宝を探して,そのお宝で自身を強化していくものだったという。最初から,中年ウサギがロボットに乗っているゲームというのは決まっていて,プレゼンテーション中にそのゲーム画面も見せてもらえた。Unityのフリーアセットを用いたその画面は,(RUSTY RABBITのゲーム画面と比べたらだいぶシンプルになるが)ランダム生成されたステージでブロックを破壊していくものになっていた。
おかげで,商品化にあたり企画書を用意する必要すらなかったそうだが,趣味で作り始めたゲームがそれほどの形になったことについて,虚淵氏は「Unityならおっさんの付け焼刃でもできた」とコメントしていた。
続いて気になるのが,「ロボットに乗った中年ウサギ」の出どころだ。これは明確で,2015年にX(当時はTwitter)にmighty氏が投稿した,シルバニアファミリーとジャンクロボを組み合わせた作品(関連リンク)に感銘を受けたからだという。
この画像を気に入り,待ち受け画面にしていた虚淵氏は,いつしか「これにストーリーをつけてゲームにしたい」と考えるようになり,ゲームを作り始めたそうだ。
mighty氏の作品のウサギがふてぶてしい表情をしており,このイメージから「おっさんがいいな」と,スタンプのキャラクター性も決まっていった。
1つの作品から,Unityでのゲーム作りを学んで形にしてしまうほどのエネルギーを得たというのは驚きだが,本作は虚淵氏のそんな思いが詰まったタイトルになっている。ちなみに,そんな趣味のゲームを作り,さらにそれが商品化されるに至ったことを,mighty氏は知っているのか聞いてみたところ,「たった今白状した」とのことだった。
「RUSTY RABBIT」公式サイト
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