連載
月刊ブロックチェーンゲーム通信 第6号。今回の分析ターゲットは「ファントム オブ キル -オルタナティブ・イミテーション-」
なんか最近ちょっと流行りつつあるかも……? ということは知っていても,どんなタイトルがあって,どういうもので,どれくらいの人が遊んでいて,中では何が行われているのか,実際にプレイしてみないとさっぱり分からないのが,ブロックチェーンゲームです。
なのでこの連載では,毎月のブロックチェーンゲームのユーザー数や取引高ランキングの動向,そのとき話題になっているブロックチェーンタイトルの様々な分析データなどをdouble jump.tokyoが作成し,まとめて皆さんに紹介します。前回は「Heroes of Mavia」を深掘りしましたが,今回の分析ターゲットは「ファントム オブ キル -オルタナティブ・イミテーション-」(PC / Android / iOS)です。
いやいや私はもうだいぶ詳しいから説明なんか要らないよという人は,詳細版のマンスリーレポートだけでもぜひご覧ください。いま現在のブロックチェーンゲームの流れを知るためには,大いに参考になるはずです。
【2024年04月】BCGマンスリーレポート(double jump.tokyo)
「月刊ブロックチェーンゲーム通信」記事一覧
ブロックチェーンゲームのユーザー数ランキング
順位 | タイトル | ジャンル | MAU | 先月比 |
1 | Moto DEX | レース | 370万 | -47% |
2 | Pixels | シミュレーション | 142万 | +108% |
3 | Matr1x | FPS | 114万 | +103% |
4 | PlayEmber | カジュアル | 80万 | -15% |
5 | Enders Gate | TCG | 76万 | New |
※DappRadarから引用(2024年4月3日時点)。なおユーザー数は,各タイトルに関連したブロックチェーンネットワーク上でのユーザーアクティビティをもとにカウントされています。ブロックチェーンに関係のないアプリ内でのアクティビティなどはカウントされていないので,ご了承ください。
今回ランキング3位の「Matr1x」は,モバイルのFPSです。Play to Ownのコンセプトで,プレイすることによってNFTを含むゲームアセットを獲得することができます。FIREというトークンがリリースされており,アバターのアップグレードなどに利用されます。
ランキング5位の「Enders Gate」は,無料プレイ可能なTCGです。カードパックを25ドル〜で買うこともでき,保有しているカードをマーケットで取引することもできます。マッチングやゲームの挙動はまだ不安定ですが,すでにある程度プレイできるようになっています。
ブロックチェーンゲームの取引高ランキング
順位 | タイトル | ジャンル | 取引高 | 先月比 |
1 | Crypto Valleys | シミュレーション | 1億7276万ドル(約260億8676万円) | New |
2 | Axie Infinity | TCG | 8345万ドル(約126億50万円) | +29% |
3 | Cambria:Duel Arena | バトル | 3764万ドル(約56億8360万円) | +1182% |
4 | Gods Unchained | TCG | 1934万ドル(約29億2030万円) | -6% |
5 | BinaryX | プラットフォーム | 975万ドル(約14億7230万円) | +29% |
※DappRadarから引用(2024年4月3日時点)。取引高ランキングは,各ゲームのNFTや暗号資産に関連したブロックチェーンネットワーク上のアクティビティを元にカウントされています。ブロックチェーンに関係のないアプリ内でのアクティビティなどはカウントされていないので,ご了承ください。
1位の「Crypto Valleys」は新興チェーンであるBlastでローンチされたシミュレーションゲーム。ファーミングやロックアップなどのDeFi要素をゲーム感覚で楽しむことができますが,可愛いグラフィックとは裏腹にお金を失うリスクも大きいので注意が必要です。
5位の「BinaryX」は,複数のゲームが登録されているプラットフォームです。Ai HeroやCyberChessといったゲームがあり,ジャンルは様々。NFTを使ってプレイしたり,プラットフォームのトークンであるBNXを獲得したりできます。
「ファントム オブ キル -オルタナティブ・イミテーション-」の分析
今回は,放置型RPG「ファントム オブ キル -オルタナティブ・イミテーション-」(以下,ファンキル)についてご紹介します。このゲームは,そのなのとおりファンキルのIPを使用しており,gumiによってリリースされた無料で楽しめるブロックチェーンゲームです。最近では,アプリで遊べるブロックチェーンゲームが増加傾向にあり,先月紹介した「Heroes of Mavia」もその一例です。
「ファントム オブ キル -オルタナティブ・イミテーション-」公式サイト
「ファントム オブ キル -オルタナティブ・イミテーション-」ダウンロードページ
「ファントム オブ キル -オルタナティブ・イミテーション-」ダウンロードページ
ファンキルは,ソシャゲとブロックチェーンゲームの要素をバランスよく融合させた作品です。通常のプレイをしているだけならウォレットは不要で,PlayToEarn(遊んで稼ぐ)をする場合に,ウォレットの使用や課金が必要となります。
ファンキルのゲーム内容に加えて,PlayToEarnにどれくらいの人が参加しているのかなど,詳細を見ていきましょう。
・探索・育成
ファンキルの主なゲームサイクルは,探索と育成です。探索では最大12体のキャラクターでチームを編成し,経験値や強化アイテムを集めながら高難度のステージを攻略していきます。スキルやキャラクター特性を意識して編成することで,数値化された“見た目の総合戦闘力”以上の効果を発揮することができます。
・PlayToEarn
ファンキルでは,「姫希石」というゲーム内通貨を使ってキャラクターをEarn解放することによって,PlayToEarn専用のチームに編成することができるようになります。
Earn解放のコストは1万円相当の姫希石で,解放したキャラクターは最大で2万5千円相当の報酬を獲得することができます。ただし1日あたりの報酬は増減するため,コスト回収にはそれなりの時間がかかります。
・スカウト(マーケットプレイス)
Earn解放したキャラクターは,ゲーム内の「スカウト」で取引したり,NFTとしてゲームからエクスポートしてNFTマーケットプレイスで取引することが可能になります。
スカウトで利用可能な通貨は,姫希石と姫札(Earnで獲得できる報酬)です。そのため,PlayToEarnで獲得した姫札を使って,Earn解放済みのキャラクターを増やしていくことができます。アプリ内課金で獲得できる姫希石でも取引できるため,ガチャで狙ったキャラクターがでない時などに利用することができます。
・エコシステム
ファンキルエコシステムの大きな特徴は,トークンであるHIMEとOSHIを使って,ゲーム内通貨の姫石と姫希石を購入することができるという点です(一方通行)。
Earnで獲得した姫札は,HIMEトークンに交換可能で,それをさらに姫石購入に使うことができます。このサイクルは,ゲームを長く楽しみたいプレイヤーにとって,長期的に見ればお得に姫石を獲得できる要素になります(もちろん,姫石購入に使わず,MATICなどのトークンに交換することも可能です)。
・PlayToEarnのオンチェーンデータ
Earnで獲得した姫札は,HIMEトークンに交換することができます。交換されたHIMEトークンの金額と,交換したウォレットアドレスの累計数をまとめました。
・まとめ
本作は従来のソシャゲの楽しみ方に加え,PlayToEarnの要素が継続プレイの動機づけを提供しています。エコシステムのバランスや持続性といったこれまでのブロックチェーンゲームの課題は引き続き残りますが,ソシャゲ要素がメインのブロックチェーンゲームとして,今後の動向も引き続き注目していきたいと思います。
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(C)Phantom of the Kill
(C)Phantom of the Kill (C)gC Games Inc.
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