プレイレポート
[プレイレポ]「Delta Force: Hawk Ops」,αテストながら高い完成度。温故知新,様々なシュータータイトルの要素をふんだんに詰め込む
本テストでは,3人組の分隊でマップを探索し物資やアイテムを回収して帰還する「Hazard Operations」モード,広大なマップで32vs.32のプレイヤーが兵器とともに激突する「Havoc Warfare」モード,この2種がプレイ可能となっていた。筆者もテストに参加することができたので,双方のモードや全体的な手触りなどをお伝えしよう。
2009年以来の「Delta Force」フランチャイズ最新作
本作の背景を軽く説明すると,1998年の「Delta Force」に始まり,2009年の「Delta Force Xtreme 2」まで,Nova Logicより計9作品がリリースされたミリタリーシューターシリーズの最新作という位置づけになる。また,リドリー・スコット監督の名作として名高い,2001年に公開された映画「ブラックホーク・ダウン」(原題: Black Hawk Down)と正式ライセンスを締結したキャンペーンがプレイできるのも特徴で(こちらはDLCでの提供となる),ゲーム中では,1993年(キャンペーン)と,2035年(マルチプレイ)の,2つの時間軸が用意される形だ。
本作の開発を行っているTiMi Studio GroupのTeam Jadeは,遡ること2008年に中国・深圳で結成されたスタジオで,PCタイトルを基盤に成長してきたデベロッパである。近年,「Call of Duty: Mobile」や「Pokémon Unite」でモバイル市場に参入したことも記憶に新しいが,それにしても「なんで中国のスタジオが米軍のゲームを?」という疑問が浮かぶ。だが,その昔に「Delta Force」は中国国内で大変な人気があったタイトルらしく,ライセンスが売りに出された際,TiMi Studio Groupが権利を獲得し,Team Jadeが開発を担う経緯となったようだ。
先に4Gamerに掲載された本作のプロデューサー,Shadow氏へのインタビュー記事によると,キャンペーンモードは原作スタッフの協力体制や,実際の映画出演者によるモーションキャプチャなど,「ブラックホーク・ダウン」の魅力をそのまま再現することをウリとしているらしい。戦争映画をFPSとして再現する試みは最近だとあまり見かけないものであり,同映画のファンでもある筆者的には,こちらも気になって仕方がない。
今回のαテストでは残念ながら,そんなキャンペーンは体験できなかったので,映画を後100回くらい見て予習と復習をしておこうと思う。ちなみにだが,本作の“Hawk Ops”というサブタイトルは,「ブラック“ホーク”・ダウン」をイメージした名称とのこと。なお,これらの話題が気になる方がいれば,先に掲載されているインタビュー記事を読んでみてほしい。
「Delta Force: Hawk Ops」の詳細が明らかに。Team Jadeスタジオヘッドのレオ・ヤオ氏へのインタビューも掲載
TiMi Studio Groupは,Team Jadeが開発を行うF2P型タクティカルシューター「Delta Force: Hawk Ops」のプレイアブルデモや詳細を一部メディア向けに公開した。1990年代に始まった「Delta Force」ブランドと,ミリタリー映画の傑作の1つと言われる「ブラックホーク・ダウン」をライセンスし,かなりハードコアなアクションゲームへと昇華させている。
バトロワにCo-opにソロキャンペーンとなんでもあり。古豪FPSシリーズが現代水準で蘇る「Delta Force: Hawk Ops」[CJ2024]
中国のゲームショウ「ChinaJoy 2024」で,TencentのゲームスタジオTiMi Studio Groupが,新作FPS「Delta Force: Hawk Ops」を出展した。今回は古豪FPSシリーズの最新作について,試遊とインタビューの両面で紹介する。
多様なガンスミスは大きな魅力
さて,先に「Hazard Operations」「Havoc Warfare」という2つのモードがあるということは記したが,双方のモードで共通するオペレーター(プレイアブルキャラクター)について触れよう。
登場するオペレーターは,αテスト段階で7人。それぞれ「突撃兵」「工兵」「偵察兵」「支援兵」のクラスに属しつつ,固有のアビリティ・スキルを持つ。選択できる武器・ガジェットは各クラスによって制限があり(一部武器は全クラス/オペレーターで選択可能),狙撃,対ビークル,対人など,役割に応じた棲み分けがなされる形だ。
武器のカスタマイズ機能(ガンスミス)が充実しているのも特徴で(Hazard Operationsでは該当パーツを入手することで,Havoc Warfareでは該当武器を使用してレベルを上げることでパーツが開放される),単なるパーツの付け外しだけでなく,ストックの伸縮具合や,サイトの前後位置など,かなり細やかに調整できる。
加えて,一例をあげるなら反動制御の項目がフルオート射撃時とセミオート射撃時で分かれていたりと,ステータスが非常に細かく設定されており,これらがすべてゲーム内で確認できるのも特徴と言える。なお,個人的に気に入ったのが弾倉の仕様で,こうしたタイトルでは取り回しの悪化を覚悟で大容量のマガジンを選択しがちだが,本作では取り回しの悪化に加え,反動も増える仕様になっている(反動増加はHavoc Warfareのみだが)。そのため,安易な大容量弾倉の使用は命取りで,しっかりと考えて選択しなければならない。
そんなキャラクターたちのコントロール感を述べるなら,「銃のリコイルや多少のもっさり感など,所々にリアルさを感じさせる要素を取り入れつつも,全体的に軽快」といったところだろうか。現代のFPSとして高水準な,万人受けしそうな手触りになっている(率直に言うなら昨今の「Call of Duty」に近い印象を受ける)。多くのプレイヤーがストレスなくプレイできるはずだ。
αテストで体験できた2つのモードを紹介
さて,ここからはゲームモードの内容について触れよう。まずは「Hazard Operations」モードからだ。
本モードは最大3人のチームで出撃し,マップ内のAIや他プレイヤーと戦闘をこなしつつ,探索を行うモードになる。武器を筆頭に,装備・アイテムはすべて持ち込む必要があるが,マップ内でキルをされたり,脱出に失敗したりするとロストしてしまう。「Escape from Tarkov」,「Call of Duty: Warzone」のDMZをプレイしたことがあるなら,そのテイストは手に取るように分かるだろう。いわゆる“エクストラクション系(探索&脱出系)”のルールである。
タスクを受注,クリアすることで拠点の機能がアンロックされたり,発展させていったりと,前述した作品のプレイヤーであればお馴染みのコンテンツもある。また,オークション(アイテムのプレイヤー間売買)にかなり低いレベルから対応しているのも特徴で,資金さえあれば強力な装備を豪勢に使うことができる。
また,フレンドリーファイアがないので,基本的にはPTを組んでのプレイを前提にしたコンセプトのようだ。全体的にはヒーローシューターとしての要素と,昨今の様々な流行を取り入れた優等生といった具合で,かなりとっつきやすく感じる。
続いて「Havoc Warfare」。こちらは4人1組の分隊となり,32vs.32の計64人が大規模マップで激突するモードである。攻撃側は陣地の占領を目指し,防衛側はそれを阻止するべく策を講じて迎え撃つ……経験豊富な歴戦のFPSプレイヤーなら瞬時に理解できるルールだろう。予想外の場所に陣取って敵チームを血祭りにあげるもよし,敵集団に無反動砲をぶち込むもよしのカオスな戦いが幕を開ける。
戦車,ヘリ,装甲車両といったビークルを使用できるのも本モードの特徴であり,これらはビークルを利用しての経験値を入手することで,多様なカスタマイズも可能になる。さながら“ジェネリック・バトルフィールド”といった具合だろうか。どのオペレーターも活躍の場があるが,グレネード系のスキルが扱いやすいD-WOLF,ミサイルと無反動砲が雑に楽しいULURU,後述する無限ゾンビ戦法に不可欠なSTINGERは初心者にもおすすめである。
そして本モードを本モードたらしめているのが,無限ゾンビ戦法である。敵からの攻撃でダウン→味方に蘇生してもらった際,「蘇生後〇秒の間にダウンさせられるとダウンを経ずキルになる」というような仕様がないため,文字通りのゾンビ戦法が本当に強い。実際,衛生兵のSTINGERでプレイをしていると,味方を永遠に蘇生しまくっているなんてことはザラにあるし,STINGERを倒さない限り全滅しない敵集団もザラにいる。
スコアの上位にほとんどキルを重ねていないプレイヤーがいれば,それは大抵が他人の命を救うことに己の命を賭けているSTINGERアニキだ。筆者は除細動器を持って走り回り,ピピーッ! と軽快な電子音を鳴らしていた“ロッカー”を思い出して,なんだかとても懐かしくなった。メディキッヒア!(あちらはダウン後のクールダウンがあるが……)
どうもゲーム的にフィーチャーしているのは「Hazard Operations」のようなのだが,筆者一個人としては「Havoc Warfare」の方がお気に入りである。とはいえ,双方のモードはゲーム内でシームレスに切り替えることができ,「Hazard Operations」で入手した武器,スキンなどが「Havoc Warfare」でも使用可能になるなど,どちらかだけを遊んでも満足できるが,双方を遊ぶとより楽しめる設計になっている。「あ,ちょっとあっちもやってみようかな」なんて時に“EXIT GAME”を押さなくて済むのは,大変ありがたい。
期待の新作。気になる課金要素やチート対策などについてはどうか
さて,ここまで駆け足ではあるが本作を紹介してきた。そのうえで,一人のFPSプレイヤーとして気になるのは課金要素とチート対策である。
まず,公式サイトのプロデューサーQ&Aによると,「本作ではPay to Winにつながる要素は絶対に実装しない」とのこと。ゲーム内購入は,武器スキン・キャラクタースキンなどのコスメティックアイテムに限られるようだ。αテストではそうした要素はないが,中国国内ではすでにマネタイズ面を含めたテストが行われているらしい。
また,昨今のオンラインゲームとは切っても切り離せないチート対策だが,本作ではチートに限らず,違反行為全般に対処する専門のチーム「G.T.I. Security」(関連リンク)が存在するという。なお,すでにαテストの段階で何らかの不正行為を行ったプレイヤーがいるようだが,こちらはすでに措置が講じられたと公式サイトで伝えられている。
αテストながら非常に高品質な仕上がりで,かなり期待をさせてくれるタイトルである。今後の展開にも注目をしていきたい。
「Delta Force: Hawk Ops」公式サイト
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