「METAL GEAR SOLID」シリーズのスネーク顔見せシーン集。「待たせたな」と言われなくても「待ってました！」と言いたくなる

　2023年10月24日に発売された「METAL GEAR SOLID: MASTER COLLECTION Vol.1」（PC / PS5 / PS4 / Xbox Series X|S / Nintendo Switch）は，「METAL GEAR SOLID」「METAL GEAR SOLID 2 SONS OF LIBERTY」「METAL GEAR SOLID 3 SNAKE EATER」の3作品を中心に，シリーズの関連作品を収録したタイトルだ。


　前述の3作品はいずれも世界的な大ヒットタイトルなので，その面白さは今さら説明するまでもないのだが，個人的に大きな魅力の1つとして挙げたいのがオープニングシーン。主人公のスネークが敵地に単独で潜入する様子が緊張感たっぷりに描かれ，プレイヤーを一気に物語へ引き込んでくれる。ネットミームにもなっているものもあるので，「プレイしたことはないが，オープニングは見たことがある」という人も多いだろう。

　そんな本シリーズのオープニングでは，スネークの「顔見せ」が，半ば定番の演出となっている。かぶっているマスクやフードなどを取って素顔を見せるシーンは，オープニングの見せどころでもあり，決め台詞である「待たせたな」がなくても「待ってました！」と言いたくなってしまう。

　というわけで，そんなスネークの印象的な顔見せシーンを，「MASTER COLLECTION Vol.1」に収録されていないタイトルまで含めて，ムービーにまとめてみた。


　それぞれのオープニングシーンの背景などを以下で説明しているので，気になった人は確認してほしい。

METAL GEAR SOLID

　2005年，アメリカのアラスカ州にあるシャドーモセス島の核兵器廃棄所で，特殊部隊FOXHOUNDが人質を取って蜂起。アメリカ政府に，同部隊をかつて率いていたビッグ・ボスの遺体を引き渡すよう要求してきた。
　ソリッド・スネークは人質救出と核発射阻止のため，小型潜水艇でシャドーモセス島に潜入する。


　海中から核兵器廃棄所の搬入ドックに潜入したため，プレイ開始時のスネークは潜水用のマスクを装着している。
　兵士の目を盗みながら搬入ドックを進むと，画面にスタッフクレジットが表示されていく。そして昇降機で地上へ上がる途中，スネークがマスクを外して顔を見せると「監督 小島秀夫」のクレジットとタイトルロゴが表示される構成。この映画的な演出は，当時のファンを驚かせた。

METAL GEAR SOLID 2 SONS OF LIBERTY

　本作は「タンカー編」「プラント編」の2つに分かれており，ソリッド・スネークが主人公となるのは，新型メタルギアの情報を得るために潜入するタンカー編。その物語は，2007年の雨が降る夜，ニューヨークのジョージ・ワシントン橋を，レインコートのフードを深くかぶったスネークが歩くシーンで幕を開ける。


　スネークはレインコートを脱ぎ捨てて走り出すが，同時にステルス迷彩をオンにし，自身の姿をカモフラージュ。そのまま橋から飛び降り，下を通過していたタンカーの甲板に着地するが，その衝撃でステルス迷彩が壊れ，スパークと共に姿を現す。

　なお，「プラント編」のオープニングは，主人公の雷電が海中からプラントに潜入し，屋上へ移動する昇降機の中で潜水マスクを取り，素顔を見せるという「METAL GEAR SOLID」と似た流れになっている。その理由は物語にも関係しているので，そちらもじっくりと見てほしい。

METAL GEAR SOLID 3 SNAKE EATER

　本作の舞台は冷戦時代の1964年。特殊部隊FOXに所属する主人公のネイキッド・スネーク（後のビッグ・ボス）は，かつて西側に亡命するも連れ戻された科学者，ソコロフを奪還するため，ソ連領内へ潜入する。

　潜入の手段は，上空3万フィート（約9キロ）からのHALO降下（高高度降下低高度開傘）。オープニングシーンはスネークがマスクを装着して輸送機からダイブし，地上に降り立つまでが回想シーンを挟みつつ描かれる。


　なお，ゲーム開始時の選択肢で「MGS2が好きだ」を選ぶと，スネークが雷電に変装して登場する。一風変わった展開を楽しみたいなら，こちらを選ぶのもありだ。

METAL GEAR SOLID 4 GUNS OF THE PATRIOTS

　PMC（民間軍事企業）の台頭によって戦争がビジネスへと変貌した2014年を舞台に，ソリッド・スネーク最後の戦いが繰り広げられる作品。スネークは，大手PMCを裏でコントロールしているリキッド・オセロットを追い，民兵に紛れて中東の戦闘地域に潜入する。


　無人二足歩行兵器「メタルギア月光」との戦闘で民兵の服を脱ぎ捨てスニーキングスーツ姿になるが，その顔には深い皺が刻まれ，髪は真っ白。このときのスネークはまだ40代だが，遺伝子操作によって生まれた影響から急速な老化が進んでいるという設定だ。本作では，この「オールド・スネーク」が，老体にむち打って世界の危機に立ち向かうことになる。

METAL GEAR SOLID PEACE WALKER

　「METAL GEAR SOLID 3」から10年後の1974年，スネーク（ビッグ・ボス）はコロンビアで独自の軍隊「MSF」（Militaires Sans Frontières，国境なき軍隊）を組織していた。


　本作のオープニングではその訓練の様子が描かれるが，印象的なのはスネークの顔出しならぬ体出し。その胸には「METAL GEAR SOLID 3」の時点ではなかった，蛇のような傷がある。「METAL GEAR SOLID 3」をプレイした人なら，スネークの師であるザ・ボスにも同じような傷があったことを思い出すだろう。

　そして，劇画調のカットインが入るのも本作ならではの特徴だ。もともと携帯機（PSP）向けにリリースされたこともあり，カットシーンは3DCGに加えて，コミックのような演出でも描かれる（ムービーで使用しているのは，PS3/Xbox 360向けにリリースされたHD EDITION）。

METAL GEAR SOLID V: GROUND ZEROES

　「METAL GEAR SOLID PEACE WALKER」から4か月後の1975年，スネーク（ビッグ・ボス）は，かつて「国境なき軍隊」に潜入していた女性工作員のパスが，キューバの南端に設けられた米軍基地内で尋問を受けているという情報をつかむ。
　パスに想いを寄せる少年のチコはそれを知って単独で救出に向かうが，あえなく囚われの身に。スネークは2人の救出に向かう。


　スネークがナイトビジョンゴーグルを外し，カメラ目線で「待たせたな」を言ってくれるという，シリーズの中でもかなりキメキメの顔見せだ。

METAL GEAR SOLID V: THE PHANTOM PAIN

　「GROUND ZEROES」のラストで描かれたヘリコプターの事故により，そこに搭乗していたスネークは昏睡状態に陥ってしまった。本作の物語はそれから9年後，病院のベッドの上で始まる。ネットミームになり，カップヌードルのCMでも使用された「落ち着いて」のシーンだ。



　カットシーンはその後も主観視点で展開され，顔出しは医師が持ってきた鏡の中。シリーズの中ではかなり地味だが，実はこれが物語のある謎に関係しているので，プレイする人はしっかりと覚えておいてほしい。

「METAL GEAR SOLID: MASTER COLLECTION Vol.1」公式サイト