［gamescom］宇宙を舞台にしたトラック運転シム「Star Trucker」。船外活動や仲間との無線交信など，最新デモで確認できた要素をチェック

　gamescom 2023会場にあるRaw Furyのビジネスブースで，Monster and Monsterが開発を進めるPC向けのユニークなシミュレーションゲーム「Star Trucker」のデモを見せてもらった。

「Star Trucker」公式サイト

　2023年6月の「Future Games Show Summer Showcase 2023」で制作がアナウンスされた「Star Trucker」は，アメリカンテイストな18輪大型トラックそっくりの宇宙船で宇宙を旅するゲームだ。プレイヤーは依頼を受けて別の星に荷物を運んだり，宇宙空間に漂う廃棄船や宇宙ゴミを回収したりして報酬をもらい，自分の宇宙船をパワーアップしていく。より快適で長距離飛行に耐え，さらに見栄えもいい宇宙トラックに仕上げていくのだ。


　もちろん宇宙トラックにタイヤは必要なく，車体に取り付けた巨大ロケットエンジンから炎を噴きながら飛んでいくのだが，このあたりのデザインは，かなりカッコいい。また，宇宙の高速道路は，両脇にライトが付けられたレール状の航路になっているが，場所が宇宙なので，左右だけでなく上下にも注意して運転しなければならない。目的地まで一瞬で到達できるポータルに突入したり，左右の大型ミラーを確認しつつ宇宙ステーションにドッキングしたりして，できる限りスムーズに旅を続けていく。


　ルートの途中で高速道路を離れ，時間と燃料を節約するためにショートカットを選ぶこともできるが，宇宙ゴミやアステロイドなども多く，車体にダメージを受ける可能性もある。損傷が大きいと故障につながるため，宇宙ステーションなどのロードストップで宇宙服に身を包み，レンチやバーナーを手にして修理や部品交換などの船外活動を行う。ショートカットしたばかりに，修理のためになけなしの所持金を失うハメに陥るなど，プレイヤーの判断が問われるサバイバル要素も含まれているようだ。


　今回のデモで明らかになったのが，移動中にトラック仲間と無線で交信できるシステムの存在だ。遠い未来なので，映像やホログラムがあっても不思議ではないが，声だけであるところが，アメリカのトラック野郎っぽい。トラック仲間との情報交換によって，宇宙ゴミが多いルートを確認できるという。
　スキルツリーといったRPG要素も用意されており，得られた経験値を，宇宙トラックのスピードや安全性の向上といったスキルに振り分けられる。安全運転で仕事をクリアすることで，やがて，冷凍設備を備えて食品を運べるようになったり，予備の燃料やバッテリーを蓄えて長距離航行ができたりするようになるそうだ。


　宇宙高速道路の標識などもアメリカ風で，レトロフューチャーな雰囲気が楽しめる。サウンドトラックもカントリーやブルースなど，それっぽいものになっていると，デモの説明をしてくれたMonster and Monsterのダン・グリフィス（Dan Griffiths）氏は語っていた。筆者は，宇宙トラックを日本のデコトラ風にカスタマイズできるようにリクエストしたが，現時点で日本語対応の予定はなく，上記のようなトラック仲間との交流を図るには，それなりの英語力が必要になりそうだ。グラフィックスも美しく，自分のペースでじっくり楽しめそうな作品なので，気になる人は続報を楽しみにしてほしい。

「Star Trucker」の開発元Monster and Monsterの創業者でもあるダン・グリフィス氏

「gamescom 2023」公式サイト

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