プレイレポート
[プレイレポ]「HELLDIVERS 2」ではハイテク種族「イルミネイト」が復活する新たなストーリーアークがスタート
新たなプレイフィールを楽しめるようになった,今回のストーリーアークの先行体験会が行われたので,その内容をお伝えしていこう。
ハイテク種族「イルミネイト」が復活,これまでと一味違ったプレイが楽しめる
「HELLDIVERS 2」のサービス開始から,はや10か月。エリート兵士「ヘルダイバー」たるプレイヤーたちは最大4人の小隊を編成,宇宙のあちこちでヘルにダイブしては民主主義の敵と戦い続けている。
その道のりは,決して平坦なものではなかった。仲間から誤射される。援護射撃や物資をお願いする「戦略支援」の隠しコマンドみたいな入力をミスして,慌てているうちに頭をぶち抜かれる。自分で要請したコンテナに潰されてしまう。味方ロボに踏まれる……など,様々な要因による無駄死に,もとい尊い犠牲を払いつつ,グロテスクな虫「ターミニッド」や不気味なロボ「オートマトン」をぶっ潰しては腕前を上げていったのだ。
そんな「HELLDIVERS 2」だが,12月13日にスタートする新ストーリーアークでは,新装備,新たなミッション,そして新たな敵との戦いを楽しめる。もちろんDLCではなく,本体を購入済みの人は無料だ。
先行体験会では「やっぱりヘルダイバーは地獄だぜ!」というか,新たな敵を通して本作らしい面白さを再確認できたのだ。
イルミネイトは,前作「HELLDIVERS」で倒されたはずの種族だが,再び戦いを挑んできた。彼らは前作同様に優れた技術力を持ち,尖兵たちは特殊な装備で武装している。しかし,その主力は洗脳されたスーパーアースの市民「ソウルレス」たち。ソウルレスに知能などなく,ただゾンビのようにヘルダイバーたちににじり寄り,肉弾攻撃をしてくる。
距離を置けばソウルレスどもを倒すことは難しくないが,だからといって油断してはならない。群れのそこかしこに「オーバーシアー」をはじめとしたイルミネイトの尖兵が混ざっており,シールドや飛行ユニットといったハイテク装備で襲ってくる。
愚かでローテクなソウルレスと,狡猾でハイテク装備を持つイルミネイト。両者が描く鮮やかなコントラストが,今回のストーリーアークのポイントなのだ。
ソウルレスは元市民だが,どれだけ撃ってもなんのペナルティもない。武器すら持っておらず,一体一体の能力は大したことはないのだが,ほぼ必ずといっていいほど群れているし,背後から忍び寄るのもお手の物。気が付くともみくちゃにされているのが恐ろしい。とにかく数が多く,市街地でソウルレスどもの群れを撃ちまくるのはゾンビもののノリ。爆発物も有効で,まとめて吹っ飛ばせば気分は爽快だ。
周囲にソウルレスがいないからといって,気を抜くのは危険だ。そういうときは大抵偵察ドローン「ウォッチャー」が浮いていて,ヘルダイバーたちのことをじっと見つめている。ウォッチャー自身は攻撃力を持たないが,放っておくとイルミネイト艦を呼ぶ。艦からは敵の群れが投下されるため,できるだけ手早く処理しないと全滅の危険さえあるのだ。
ソウルレスの群れに紛れているのが「オーバーシアー」。遠距離ではエネルギー弾を放ち,接近戦では鈍器として振り回せる武器を手に,シールドまで装備している。レンジを問わない対応力を持ち,耐久力もあるうえ,見つけたヘルダイバーを追い回す。こいつをどれだけスムーズに処理できるかが攻略のキーになりそうだ。
オーバーシアーに似ているが,空を飛ぶタイプもいる(以下,飛行型と仮称)。耐久力がそこそこあるという特徴はそのままに,壁や建物を越えて奇襲してくる。機敏というわけではないのが救いだが,精度の低い武器では攻撃を当てにくいのが厄介だ。
細長い脚を蜘蛛のごとく動かし,戦場を睥睨する大型メカが「ハーベスター」だ。耐久力のあるシールドを張って攻撃を防ぐばかりか,本体にも装甲が施されており,そう簡単には撃破できない。しかし,歩いてシールドの内側に入ることができるため,足元に潜り込んでしまえばこちらのものだ。
イルミネイトの戦術は,ウォッチャーでこちらを探し出し,飛来した艦がソウルレスとオーバーシアーで形成された一群を投下するというもの。艦が破壊できるかどうかは不明だが,手持ち火器からメックの機銃まで様々な武器で撃ってみたものの,傷ついた様子もなかった。
停泊しているものなら戦術支援で破壊できたが,飛来してソウルレスを降ろしてすぐ逃げるようなタイプは対応が困難。音もなく浮遊するウォッチャーを見逃さず,しっかり処理していくのが重要となりそうだ。
対ソウルレスでは広範囲の制圧力,ウォッチャーは射撃精度,オーバーシアーは中遠距離の火力,飛行型は中距離の射撃精度と火力,ハーベスターは足元に潜り込む歩兵としての浸透力と本体を破壊する火力……というように,敵のタイプごとに重視される能力が異なっているという印象だ。
また,作戦エリアのあちこちにはシールドされたタワーや船が配置されているため,これを破壊するためには攻撃系の戦術支援をしっかり当て,無駄遣いしないことがポイントとなる。役割分担を意識した武器や戦術支援の選択が求められそうだ。
ヘルダイバーにも新たな装備が追加されている。「高速偵察車両」は最大4人乗りの輸送車両で,助手席や後部座席から銃撃できるのに加え,荷台には機銃が積まれており,ちょっとした固定砲台としても使える。
操縦系や機銃の操作にリアルさが盛り込まれているのも特徴だ。操縦の際は,オートマ車のようなギアの考え方が重要だ。
例えばバックしたい場合,大抵のTPSでは[L2]を押すだけでギアが自動でバックに入って後ろへ進んでくれる。しかし,高速偵察車両ではギアを「R」に入れたうえで[R2](アクセル)を押さなければならない。
慌てているときにミスしやすく,後述する「HELLDIVERS」シリーズらしいカオスを引き起こす一因となるのだ。
機銃は「RPM」(発射速度)を切り替えることができる。ソウルレスが山ほど来るならRPMを高くして弾をばら撒き,ウォッチャーやオーバーシアーを撃つ際は低くしてじっくり狙うといった使い分けが可能だ。「HELLDIVERS 2」の武器類には,開発のArrowhead Game StudiosでCEO兼クリエイティブディレクターを務めるヨハン・ピールステッド氏の従軍経験が反映されたリアルな仕様が盛り込まれている(関連記事)が,そうした意味で本作らしい装備といえるだろう。
近接装備と併用できるのが「前方シールド」。シールドを構えたままソウルレスやオーバーシアーを「スタンバトン」でボコボコぶん殴るのは,手堅い戦術であると同時にゾンビもののようで面白い。近接攻撃はもちろん,銃弾も防げるようで実に頼もしいのだ。
今回の試遊では,市民の救出や拠点の死守といったミッションを体験できた。救出ミッションではソウルレスにされそうな市民を救い出すのだが,攻撃に巻き込んでしまうとペナルティとしてわずかに「所有権(お金のようなもの)」が減る。
特に面白いのが拠点の死守で,ソウルレスとオーバーシアーの特性の違いが戦術面でのメリハリとなり,変化に富んだプレイを楽しめた。最初は惨敗するが,ウォッチャーやオーバーシアーを抑えるというセオリーを理解すれば快勝できる辺りも面白い。
そして「HELLDIVERS」らしいカオスは健在だ。動きの鈍いソウルレスを撃ちまくって爽快感を味わっていたら,オーバーシアーや飛行型が崩しにやってくるのでスリル満点である。ここに誤射や高速偵察車両による人身事故,戦術支援の誤爆が加わるのだから,もう実に「HELLDIVERS」っぽい。撃ちまくりつつ,撃たれまくりつつの戦闘でワイワイとした盛り上がりが生まれ,シリーズの魅力を再確認できたのだ。
ターミニッドやオートマトンとの戦いは「スターシップ・トゥルーパーズ」などのSF映画をほうふつとさせるもの。一方イルミネイトは,ほの白く光る飛行物体から地面に光線が照射されてゾンビのような異形の影が降り立つ……UFOもののオールドSFのようだ。ハーベスターのデザインは「宇宙戦争」の「トライポッド」っぽい。
戦術からビジュアルイメージまで,様々な点が変化した「HELLDIVERS 2」。今回の新たなストーリーアークは,一足早いクリスマスプレゼントといえそうだ。
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HELLDIVERS 2
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(C)2023 Sony Interactive Entertainment LLC. Developed by Arrowhead Game Studios AB. HELLDIVERS is a registered trademark of Sony Interactive Entertainment LLC and related companies in the U.S. and other countries.
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