プレイレポート
[プレイレポ]出不精を外へと連れ出す「信長の野望 出陣」の恐るべき引力! CBTからの進化のほどにも要注目だ
「信長の野望 出陣」は,プレイヤーが実際に歩きまわり,スマホの位置情報を利用して国取りをするゲームシステムとなっている。訪れた各区画では,拠点を守る兵と,自軍の武将たちとで合戦が行われ,見事勝利すればプレイヤーの領地として獲得できる。そうして領地を拡大し,内政や軍備を整えながら天下一を目指すのだ。なお,領地をプレイヤー同士で取り合うということはなく,自分のペースで地図を塗りつぶしていけるスタイルだ。
ちなみに,世界設定が従来シリーズと少し変わっていて,この世界の織田信長は「天下布“歩”(てんかふぶ)」を唱えて各地を歩き,勢力を拡大したのだとか。これに対抗すべく諸大名も歩みを進めており,プレイヤーもまた“歩”で天下に名乗りを上げる一人である……というわけだ。
[プレイレポ]天下布“歩”のウォークゲーム「信長の野望 出陣」で,テクテク天下統一じゃ! はじめの一歩をCBTで体験
「信長の野望」40周年作品として,コーエーテクモゲームスが制作中のスマホアプリ「信長の野望 出陣」。本作は位置情報を活用し,歩いて天下統一を目指す“戦国ウォークゲーム”であり,本稿ではCBTのプレイレポートをお届けする。
地図を塗りつぶし,自軍を育て,強敵に勝つ!
「信長の野望」シリーズが好きな人には,地図を塗りつぶすのが好きな人も多いと思う。筆者も,自分の勢力の色に日ノ本が染まっていく様を,ニマニマと眺めてしまうタチだ。
「信長の野望 出陣」はそういう癖のある人はもちろん,あまりそうでない人もハマってしまう中毒性がある。領地を広げるだけでも何だか楽しいのに,今回のバージョンでは「新宿区50パーセント達成」というような領地化報酬がもらえたりもするのだ。
そのほかにも,やたらとご褒美が多い。デイリーや週ごとのミッション,イベントのパネルミッションなどが用意されていて,適当にプレイしていてもすぐサポートキャラクターの“はつほ”ちゃんが「ミッションを達成しました」と報告してくる。報酬の中身も,武将の登用(ガチャ)に使える小判だったりしてうれしい。
【ルート取りは楽し】
そもそもの国取りも「いかにスムーズな道順で,多くの領地を取れるか?」という戦略性があって深みにはまる。実際に歩いて「この先に,いっぺんに3つも領地を取れるところがある!」などと,地図を見て最適ルートを見つけたときは,なんとも気分が盛り上がるのだ。
ただ,これがコワイところでもあって,最初は「近所を散歩がてら」と始めたのに「あともう1区画」と欲が出てくると,家路がどんどん遠くなる。今回は真夏ということで,暑さがやわらぐ夕方から国取りしていたら,夜もとっぷり暮れてしまうこともあった(夜の国取りは明るい服装や,反射板を身に着けるといいかも……もちろん歩きスマホは厳禁だ)。
それでも,いろんな場所に行くキッカケになって楽しい。その街に長く暮らしていても,自分の通勤・通学,お買い物のルート以外は通らなかったりするものだとも実感した。
【遠征の最適解を読む】
もう1つ,ルート取りで楽しいのが「遠征」だ。これは自軍の武将を未獲得の土地に向かわせて,領地化する機能で,プレイヤーが実際に足を運んでいない場所も領地にできる。武将のスタート地点となる「本拠」を自分の領地のどこかに建てる必要があったり,遠征できるのは自分の領地と隣接する区域だけというルールはあるが,便利な機能だ。
本拠の周囲を取っていくならばそう悩むほどのものでもないが,後述する「名城」など,特定の場所を取りたいとなれば話は別だ。「最も少ない手数で目的地に到達するには?」と,地図とにらめっこすることになる。
なぜ最短で取りたいかというと,遠征には所要時間があり,本拠から離れた場所ほど時間が長くなるからだ。本拠の近くなら大体1〜2時間といったところだが,区や市を跨ぐようなロングトリップなら,6時間〜10時間もザラになる。アイテムで短縮もできるが,これはさすがに待ちきれない。
それをフォローする機能として,追加のスタート地点である「支城」を持てたり,本拠・支城を移転させることも可能だが,専用アイテムや金銭,資材が必要になる。通常はそうポンポンと引っ越しできないのだ(有料アイテムを使えばその悩みからも開放されるが,執筆中の今はあいにくサービス開始前だ)。
【内政,とても大事】
例え自由に移転できてもルートは考えることになるし,「どうせ取るなら,自軍強化に必要な拠点がある領地を」と,欲張ってしまうだろう。各領地を落とすと,“足軽練兵所”や“水田”など内政施設のレベルキャップを上げられるのだが,領地によってどの効果があるのかが異なっている。
「信長の野望」シリーズ経験者には言わずもがなだが,「内政って本当に大事」と痛感することがある。本作でも合戦で勝てなくなったとき,内政を見直したことでなんとか突破できたということが度々あったのだ。
実は,ミッションやイベントのご褒美としてSSR武将も複数抱えられるためか,序盤では合戦で苦戦することはあまりなかった。だが,プレイヤーレベルに応じてなのか,拠点のCOM軍団がどんどん強くなっていく。開戦前の予測で多少相手が優勢であっても,部隊の配置やどの敵を攻めるかを指示するなどしないと,ザコ部隊に壊滅させられるほどパワー不足は否めないのだ……。
そこで「信長の野望」シリーズに立ち返り,軍団の編成,主力部隊に合わせて内政を強化,自軍を整えてみたところ,ちゃんと勝てたのだった。
ちなみに,COM軍団の強さには一定の波があるようで,SSR武将が率いるような強い軍団が十数回の合戦ごとに登場。これが壁になるが,倒せばさほど苦戦しない相手がまた続くといった感じだ。強敵の出現は,定期的に自軍を見直す機会という印象を持った。
ただ,この強敵にはちょっと泣かされた場面も。普段なら,じっくり腰を据えて自軍強化を図ればいいのだが,旅行などで遠出したしたときなどは,「コイツを倒さないと,ココが取れん! でももう行かなきゃ……」と,滞在時間の都合で諦めたこともあった。合戦を後回しにできる「登録」機能もあるのだが,そういうときに限って,登録上限数いっぱいだったりする。せめて,登録を任意で解除できたら……。
ともあれ,いざというとき焦らないように,軍備はいつでも最高の状態にしておくのが良さそうだ。そして,なんだかんだ言っても編成している時間は楽しい。同じ部隊に共通点のある武将を一緒に入れると,編成効果としてボーナスが付くのだが,これを発見したり,狙って部隊を組んだりするのが「信長の野望」らしい醍醐味だと感じる。
CBTにはなかった新機能が登場! 歩くのが楽しくなる仕掛けがいっぱい
ここからはクローズドβテストにはなかった新要素を見ていこう。今回のバージョンでは,名所やお城が登録される図鑑機能や,「歴史紀行」なる,東海道を旅するモードが加わっていた。いずれも歩く楽しさや,モチベーションにつながる仕掛けだ。
【名所録】
まず,図鑑の「名所録」だが,名所としてリストアップされた社寺や庭園,歴史上の人物の墓や碑がある場所を訪れると図鑑に登録されるというものだ。名所の総数は現時点で2137か所ということで,挑みがいがある。東京や京都といった歴史の舞台となった場所は名所の数も多いが,各県ではおおよそ20〜30か所といったボリューム感だ。
名所はその区画に足を運ぶ以外にも,「遠征」機能でも登録が可能なので,全制覇も夢ではない。
【名城図鑑】
「名城図鑑」はその名のとおり,訪れたお城や城跡が登録される図鑑となる。お城ファンには知られている,公益財団法人日本城郭協会が選定した「日本100名城」を,ゲーム内でもめぐろうというものだ。こちらも現地に赴くほか,遠征でも図鑑に登録できる。
【武将名鑑】
登用した武将がまとめられた武将名鑑も追加された。ここで彼らの列伝を眺めて楽しめるほか,獲得数により自軍を底上げする「名鑑ボーナス」が付くというご褒美もある。
【歴史紀行】
本作はスマホの歩数カウント機能と連動しており,歩数がミッションのお題になっていたりもする。新たに登場した「歴史紀行」も,歩数カウントを利用して東海道を進んでいくモードだ。日本橋の宿場から出発し,三条大橋を目指すという,万歩計の機能としておなじみのものだが,累計歩数が目に見えるとやっぱり充実感がある。
【今日はなんの日】
はつほちゃんが,ログイン時にその日にまつわる戦国の出来事を教えてくれるようになった。さりげない機能だが,戦国の知識が蓄積されていくようで,日々の小さな楽しみになっていった(戦国時代だから,血生臭い出来事も少なくはないけれど……)。
【フィールドに早馬,商家が登場】
フィールド上の新要素として,遠征を短縮する「早馬」が現れるようになった。1回のタップで300秒,つまり5分縮めてくれるわけだが,ちりも積もれば……かなりの時間短縮となる。
「商家」はさまざまなアイテムが買えるお店だ。訪問すれば一定時間内ならメニューから何度も通えるうえ,主に小判で買い物する常設の商店とは違い,通常の金銭(通貨)で買えるのがうれしい。
UIの進化や,便利機能の追加でさらに国取りが快適に!
今回のバージョンではUIなど細かな部分もしっかり調整されている。そのなかでも注目のポイントを挙げていこう。
【頻繁に使う機能にすぐアクセスできるUI】
メイン画面はメニュー周りが整理され,ボタンも大きくなって操作しやすくなった。また,フィールド上で少し遠くの「民」に,武将を向かわせる「派遣」に,ボタンが追加されてアクセスしやすくなっている。
帰還までの時間も表示されるので,「まだかなー」とヤキモキすることもなくなった。
【地図機能がより使いやすく】
地図上に3つまで目印を置けるようになった。フィールドにもその方角や距離が反映されていて,国取り中に感覚的に目印を確認できるのもいい。目印は,名所の場所をマーキングしておくことにもよく使ったのだが,欲を言えば設置後の目印へ,地図上ですぐジャンプできる機能があればいいな,なんて……。でも本作はリリースされたばかり。今後もどんどん進化するはずと期待している。
また,フィールドを始め,領地獲得時などに地名が出るが,それだとSNSなどでアップしたいときに住所バレしてしまうかもしれない。その心配がないように,住所の表示・非表示設定を選べるようになった。
【バッテリー消費を軽減する機能あれこれ】
ウォークゲームの一番の敵は,スマホのバッテリー消費だろう。本作ではその対策としてスマホを垂直状態にしたときは画面が暗転して,消費電力を抑えてくれる機能が追加された。スマホをポケットに入れたり,ホルダーにぶら下げたりして歩いているときは画面を見ていないわけだから,自動的にこうした機能が働いてくれるのはありがたい。スマホを水平に持てば,特に操作もなく画面が表示されるのも楽だ。
また,設定メニューより,グラフィックスの品質やフレームレートを変えられる。バッテリーの軽減もそうだが,スマホのスペックに悩まされるという場面も少なくなりそうだ。
【委任機能を好みに設定して安全に国取り】
移動中にオートでプレイしてくれる「委任」機能が,より使いやすくなった。委任をオンにすれば,その区画の「拠点」を登録したり,「民」への派遣や,ほかのプレイヤーのデータと戦う「野戦」を自動で行ってくれるわけだが,今回のバージョンからは優先すべき対象などが設定可能に。
ちなみに,委任は一定の速度以上になると制限がかかる仕組みだ。要はオートプレイにしてクルマや新幹線に乗り,一気に領地登録というわけにはいかない。まあ“歩”んでいないわけだし。今回,あわよくば新幹線で……と試してみたが,そもそもGPSが追いつかない始末。高速での移動時は,武将の編成を練る時間などに充てたほうが良さそうだ。
ここまで駆け足で「信長の野望 出陣」のレポートをお届けしてきたが,このほかにも「攻城戦」などまだ未経験のコンテンツがあり,開放後はさらにハマりそうな予感だ。また,図鑑機能のおかげで,ここ数年滞っていた日本100名城スタンプ集めも再開したくなってきた。
腰を据えて軍備を整える「信長の野望」らしさはちゃんと実感できつつも,ちょっとお出かけしたくなるような,気持ちを軽やかにしてくれる本作。これから遊ぶ1本としておすすめしたい。
「信長の野望 出陣」公式サイト
「信長の野望 出陣」ダウンロードページ
「信長の野望 出陣」ダウンロードページ
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