プレイレポート
[プレイレポ]「HELLCARD」は3人協力プレイが楽しいローグライクカードゲーム。“モンスターの位置”を利用した戦略も魅力
今回は,そんな人に向けて「HELLCARD」を紹介したい。「Slay the Spire」系のデッキ構築型ローグライクカードゲームを,最大3人で協力してプレイできる作品で,「モンスターの位置」など独自要素もあるので,同ジャンルのベテランにもおすすめだ。なお,現時点で日本語には対応していないので,ある程度英語が読める友達だと,なお良いかもしれない。
本作は,ポーランドの独立系開発スタジオThing Trunkが展開する「Return 2 Games」シリーズの作品だ。もともとは同シリーズ第1弾「Book of Demons」(関連記事)のゲームモードとして開発していたが,規模が大きくなったので,スピンオフとして単独でリリースしたという。PC向けアーリーアクセス版が,2023年2月17日からSteam(外部リンク)で配信されており,価格は2050円(税込)だ。
プレイヤーはカードを駆使して,各フロアで出現するモンスターを殲滅していく。フロア間にある鍛冶屋などの施設でデッキを強化しつつ,12番目のフロアで待ち受ける「Archdemon」などのラスボスを倒すことができれば,ゲームクリアとなる。
キャラクターは,近距離攻撃が得意な「Warrior」,遠距離攻撃が得意な「Rogue」,遠近両対応の「Mage」という3種類のクラスから選択でき,パーティ内での重複も可能だ。使用できるカードはクラスごとに分かれている。
各フロアでは,3キャラクターでモンスターの大群と戦う。3人でプレイする場合は1人1キャラクターを担当する。人数が足りない場合はコンパニオンNPCを使用できるが,3人プレイが最も楽しいと筆者は感じた。
戦闘は,毎ターン5枚のカードと3マナが供給されるターン制なのだが,プレイヤー側のターンがリアルタイムで進行することが大きな特徴だ。3人がそれぞれの動きを同時に行うため,うまく連携できないと,自分が攻撃したモンスターを先に仲間に倒されて,カードとマナが無駄になってしまう。
このシステムは,待ち時間が減ってゲームがサクサク進行することが魅力であり,“不慮の事故“が起こることもまた,パーティゲームとしての盛り上がりにつながっていると思う。
次に,モンスターの位置という要素を紹介する。上の画面写真が分かりやすいが,本作のフィールドには円を3等分する線が引かれており,各エリアがそれぞれのキャラクターの担当領域となっている。プレイヤーは中央に配置されて移動できないが,領域の制限を受けずにモンスターを攻撃できる。モンスターはターンごとに移動でき,各領域の担当プレイヤーを標的とする。
また,フィールドの中央には円が描かれており,円の内部が「Near(近距離)」,円の外部が「Far(遠距離)」として区別されている。上の画面写真で使用しようとしている「Shredder Strike」は,Nearのモンスターすべてを対象とした範囲攻撃カードだ。
ちなみに筆者のお気に入りカード「Speed」はエリアを1つ選び,Nearの全モンスターをFarに,Farの全モンスターをNearに移動できる。このカードは,近距離攻撃モンスターを遠くに移動させて攻撃を阻止する防御にも,遠くのモンスターを近くに移動させて範囲攻撃の対象とする攻撃にも使えるのだ。こうした位置を利用した戦略が,本作の醍醐味だろう。
今回は,特徴的な要素であるマルチプレイとモンスターの位置を中心に紹介したが,本作はカードや装備品の種類も豊富で,ローグライクカードゲームとしての基本的な部分もよくできている。
プレイ時間は,カードゲームに慣れたメンバー3人で,初回は3時間弱かけてラスボスで敗北,2回目は約1時間30分でクリアといったところだ。クリア後は「Torment」というメカニズムで難度を上げることができ,周回プレイにも対応している。興味を持った人は,ぜひ友達を誘ってプレイしてみてほしい。
「HELLCARD」Steamストアページ
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