4Gamer 女子部（仮）
インタビュー
［インタビュー］「華Doll* THE STAGE -Another Universe-」は，張りめぐらされた伏線の考察と，アイドルたちの成長する姿を楽しめる
2023年3月16日に，アニメイト池袋本店 アニメイトシアターのこけら落とし公演として「華Doll* THE STAGE -Another Universe-」（通称：華ST）の幕が開く。 |
本舞台は，考察要素をふんだんに盛り込んだ“知的興奮型”音楽ドラマCDコンテンツ「華Doll*」（ハナドール）を原作としたものだ。体内に特殊な花の種を埋め込み，完璧なアイドルを人工的に作り上げる「華人形（ハナドール）プロジェクト」に人生をささげる少年たちの物語が描かれる。
 結城眞紘（演：北出流星） |
 影河凌駕（演：三島 涼） |
 清瀬陽汰（演：水瀬裕也） |
 如月 薫（演：中島優斗） |
 チセ（演：徳井太一） |
 灯堂理人（演：丸山ナオ） |
| ※クリックorタップで画像全体が確認できます | ||
本稿では，プロジェクトに参加するアイドルユニット「Anthos*」（アントス）を演じる結城眞紘役の北出流星さん，影河凌駕役の三島 涼さん，清瀬陽汰役の水瀬裕也さん，如月 薫役の中島優斗さん，チセ役の徳井太一さん ，灯堂理人役の丸山ナオさんに，作品や演じる役への想いをうかがった。
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「華Doll* THE STAGE Official Site【華ST】」公式サイト
「華ST」チケット情報はこちら
何度も観ることで印象が変わる「華Doll*」の魅力
4Gamer：
本日はよろしくお願いします。まずは原作の音楽ドラマや，舞台の台本などから感じた本作の印象を教えてください。
灯堂理人役 丸山ナオさん（以下，丸山さん）：
最初は気づけない伏線が張り巡らされていて，2回，3回読み返すうちに「この役，最初に見た時の印象と違うな」と感じることがたくさんありました。本当に“知的興奮型”コンテンツです。じゃ，次は流星くん。
一同：（笑）。
清瀬陽汰役 水瀬裕也さん（以下，水瀬さん）：
そういう流れなんだね（笑）。
チセ役 徳井太一さん（以下，徳井さん）：
怖い，怖い（笑）。
結城眞紘役 北出流星さん（以下，北出さん）：
最初はアイドルものなので，キラキラした要素が強いのかなと思っていました。キャラクターそれぞれの個性がはっきりしていて，バックボーンを抱えている苦悩や葛藤もあって……。台本を読めば読むほど，その人物の心を知って楽しめる作品だなと感じました。じゃ，次は涼さん。
影河凌駕役 三島 涼さん（以下，三島さん）：
北出くんに，ほとんど思っていることを言われてしまったんですが……。
丸山さん＆水瀬さん：
では，以上で（笑）。
三島さん：
しーっ！ 第一印象はアイドルグループというテーマではありますが，怖いというか闇を感じました。だんだん話が進んでいくにつれて十人十色の性格で悩みもあって，それぞれの個性があるからこそ支え合っていけるアイドルグループならではの醍醐味が見えてくるのがいいなと思います。次は……水瀬，言っとく？
水瀬さん：
台本を読んだ素直な感想を言うと，この6人とアンサンブルの皆さんと17公演やっていくにあたって，体力がいるなと思いました。台本を読み込んでいくほど深まっていく部分があるので，それを表現するためにも体力が必要で，それだけ魅力的な作品でもあるということなので頑張ります。最後は最年少に言ってもらうとして，中島さん。
如月 薫役 中島優斗さん（以下，中島さん）：
「華Doll*」というタイトルを見た時に，“華”が作品にどのように関わってくるのかなと思って原作を聴かせていただきました。今まで僕が見たことのない方向性の物語だったのでびっくりしましたし，細かい部分まで心理描写をしていることに惹かれました。ドラマCDも台本も何度も確認したくなるような作品なので，舞台も何度も観たくなるコンテンツにしていきたいなと思います。じゃ，たいちゃん。
徳井さん：
もう，全部言われちゃった。さっき裕也くんも話していたけど，台本を読んだ時に体力がいると感じるくらいボリューミーです。バックボーンが原作通りのところもあれば，それ以上に描かれている部分もあります。それぞれの役に向き合っていくほど，浮き沈みといいますか気持ちが辛くなる部分もあると思うので，そこはキャスト同士でコミュニケーションを取っていけたらなと感じました。
4Gamer：
原作は音楽ドラマということで，耳で味わうコンテンツです。演じられていて，舞台ならではの魅力だなと感じた部分はありますか？
丸山さん：
じゃ，代表してたいちゃん（笑）。
徳井さん：
こういう展開になってくるのか（笑）。やっぱり声しか聴こえていなかったものが，舞台の芝居として観られることってすごいです。
北出さん：
ドラマCDでは2人しか話していないシーンでも，舞台ではそこにいる全員がどういう反応をしているのかが分かります。注目が集まる2人だけじゃなく，サイドの芝居でも実は……っていうのがありますしね。
中島さん：
うんうん，そうだね。
徳井さん：
音声ドラマで想像していた部分が，より視覚的に鮮明に表現されていると思います。
三島さん：
これまで想像していたことと，照らし合わせてもらっても面白いかもしれません。これはイメージ通りとか，ちょっと違うとか。
丸山さん：
あと稽古していて，セリフがないキャストのリアクションに実は……という要素がいくつもあるなと思いました。「なんでそこを見ているの？」なんて発見ができるのは，舞台ならではの面白さだと思います。
北出さん：
一つ一つ意味がありますよね。
三島さん：
そういう意味でも，何回も観に来てほしいです。
丸山さん：
何回くらいがいいです？
三島さん：
全17公演のうち15回くらい。
中島さん：
それなら17回見てもらいましょうよ（笑）。
三島さん：
最低でも15回ね（笑）。
4Gamer：
確かにお話を聞いていたら，公演ごとに注目する役を変えて何度でも観に行きたくなりますね。
中島さん：
確かに目が足りないね。
北出さん：
あと，アドリブもあります。
水瀬さん：
1人ずつに注目してもらって，全体を見てもらう回もあって，最低でも7回……いや，でも15回ですね（笑）。
丸山さん：
あと2回どこいったんだよ，そこは17回であれ！（笑）
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アイドルたちの内面やバックボーンにも注目
4Gamer：
公演ごとにさまざまな発見がありそうな本舞台ですが，物語やご自身の役でここに注目すると，より楽しめるという部分はありますか？
中島さん：
薫くんは，同年代の人たちと接することがほとんどありませんでした。そのため「Anthos*」のメンバーと出会って，一緒に過ごしていくなかで，呼び方も含めて変わっていく距離感を見ていただきたいです。また，体内に埋め込んだ種によって生まれる心境の変化を楽しみにしてほしいなと思います。
三島さん：
凌駕は最年長で，全体のバランスをとる人物だと思っています。それぞれ性格が違うなか，彼が一人一人にあった接し方をして，団結させていく姿に注目してほしいです。
丸山さん：
理人だったらクール，眞紘なら明るいなど，第一印象がそのキャラクターの核になることが多いと思います。ただ本作は，最初に見える印象ではない部分もメインになっていて……。言葉にすると難しいですが，内面，本質的な部分に注目するといろいろな発見があって面白いと思います。
三島さん：
ツンデレとかね。
丸山さん：
ツンデレなところは，表に出る部分だね。でも内面的に可愛い部分があるので，ぜひ見てほしいです。
水瀬さん：
陽汰くんは，ムードメーカー。彼がきっかけで雰囲気が変わるシーンがいくつもあるので，ぜひ注目してほしいです。
徳井さん：
言いたいことがたくさんあるんですけど，1番見てほしいのは“チセができていく過程”です。どれだけチセが，チセに固執しているかという部分を感じ取ってもらえたらなと思います。
北出さん：
結城眞紘くんは，笑顔の愛され弟分。いつも笑顔で太陽のような人なんですけど，その裏に抱えた影もあります。彼は自己犠牲的な性格なんですが，凌駕さんをはじめ，周りが眞紘くんを見守って，自然にセンターでいさせてくれる環境を作っています。眞紘くんの内面にも注目していただきつつ，センターは彼しかいないと思ってもらえたらうれしいです。
徳井さん：
1人忘れていました。寮にいるマスコットアンドロイド「PLANTs」（プランツ）※が，めちゃめちゃかわいいです。
※PLANTs（プランツ）：最新技術を搭載したマスコットアンドロイド。Anthosメンバーの脳波測定や健康診断などすべての健康管理を行っているマネージャーのような存在
水瀬さん：
人気ナンバー1になる可能性を秘めている（笑）。
一同：あの子は売れるよ（笑）。
4Gamer：
会えるのが待ち遠しいです。ちなみに皆さんは，本作のように知的好奇心が刺激される作品はお好きですか？
北出さん以外：好きです。
北出さん：
僕は，あまり得意じゃないです。
丸山さん：
お、そっち派の言い分を聞かせてよ。
三島さん：
ディベートだ。
水瀬さん：
今のところ5対1だよ。
北出さん：
早く結末を知りたいと思ってしまいます。性格的にもスパンといきたいほうで，伏線は苦手です。
水瀬さん：
ちょっともったいない。伏線が回収されたときの気持ちよさよ。
三島さん：
感動とか衝撃があるよね。
中島さん：
気持ちが1番動く。
北出さん：
まだその域にいけていないんだよね。
丸山さん：
ただその気持ちも分かる。伏線がある作品は見ることに集中力がいるから，家で何かをしながら見られない難点はあるよね。
徳井さん：
それなら，舞台はいいってことですよね。
丸山さん：
まさにそれ！
北出さん：
2時間くらいで集中して見られる「華Doll* THE STAGE -Another Universe-」ぴったり。
4Gamer：
確かに集中して見られるぶん，世界に入り込みやすい気がします。
北出さん：
そうですね。あと，シリアスなバックボーンがあるという話はしていますが，そこだけではなく6人のわちゃわちゃ感や，全員でのし上がっていくぞというプラスの熱量も見てほしいです。伏線を探すのもいいですし，彼らのありのままの成長を見るのも楽しいと思います。
丸山さん：
アイドルものとしても，伏線を追うにしても，多面的に楽しめるよね。
水瀬さん：
そのためにも何回も観たほうがいいってことですね。
丸山さん：
十何回だっけ？
水瀬さん：
最低でも15回ですね。
丸山さん：
だから，あと2回はどこいったの（笑）。
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皆で同じ方向を目指せる温かなカンパニー
4Gamer：
このインタビューだけで十分に皆さんの仲のよさが伝わってくるのですが，カンパニーの雰囲気はいかがですか？
北出さん：
演出家さんにも言われましたが，男子校ですね。先日新しいシーンの稽古をして本当に大変だったんですが，皆で声を出して盛り上がっていました。
三島さん：
あえて声を出してハイにする感じね。
北出さん：
そうそう。みんなで協力して，いい空気感を作れていると思います。
丸山さん：
別に辛くなかったけどね。
北出さん：
筋肉痛って言っていたじゃないですか（笑）。今日の第一声も「皆，筋肉痛になった？」だったし。
丸山さん：
理人になっていたから，ごめんごめん。中身は疲れている（笑）。
北出さん：
一丸になっている感じがします。
丸山さん：
現場によっていろいろなやり方はあるけど，今回の場合はいい意味で緊張するようなところもないしね。
三島さん：
カンパニーが温かいからこそ，失敗を恐れずに挑戦できるのがいいなと思います。
丸山さん：
でもその空気感に甘えず，皆ちゃんとやってくるのが偉いなと僕は尊敬しています。
水瀬さん：
自分の株を上げようとしている（笑）。
丸山さん：
いやいや，本気で！ 6人で作る舞台だから，セリフ量すごくあるじゃない。セリフもダンスもすぐに覚えて，本当にすごいなと思います。
一同：ありがとうございます！
北出さん：
初の舞台化で，さらに劇場のこけら落としということで，皆で大きくしようという想いは強いですね。
水瀬さん：
皆で同じ所に向かっていて，体力使いますがそれが楽しいです。
4Gamer：
青春って感じがしますね！ 北出さんのお話にも出ましたが，本作はアニメイト池袋本店 アニメイトシアターのこけら落とし公演になります。劇場に対する期待や意気込みを教えてください。
徳井さん：
実は事前に見学させていただいたんですが，誰よりも先にステージに立ちたくて流星くんともみ合いになりました（笑）。
三島さん：
こけら落とし公演になるのは，後にも先にも「華ST」しかないと思うと感慨深いですよね。
水瀬さん：
今回の公演が終わったあとも，劇場前を通るたびに「俺たちが1番最初に演じたんだ」と思うでしょうね。それを誇りに思うし，いい思い出にできるようにしたいです。
北出さん：
劇場の歴史に名を刻むということで，プレッシャーもありますが頑張りたいです。
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定番から意外なものまで！
もしも自身に花が咲くならどんな花
4Gamer：
本作ではメンバーは体内に特殊な種を植えます。もしも皆さんが種を植えたら，何の花が咲くと思いますか？
三島さん：
僕は凌駕と同じように，クローバーがいいです。人に幸福をもたらすといわれる植物なので，僕もそういう人間でありたいです。
丸山さん：
僕はゴジアオイです。
徳井さん：
待って，どんな花か全然分からない。
北出さん：
実は丸山さんは，とても植物に詳しいです（笑）。
丸山さん：
変わっていると言われることが多くて，そういう花って何だろうなって調べたんです。ゴジアオイは特定の条件下になると可燃性が高い液体を出して，山火事を引き起こすんですよ。
丸山さん以外：こわっ！
丸山さん：
きれいなお花なんですけど，花言葉も怖い感じで……。周りの反応とかを見ると，ゴジアオイが咲くかなと思います。
北出さん：
怖い感じになったので，空気を変えますね（笑）。僕はガーベラかなと思います。花言葉も前進，前向きで，僕の性格もそうなのでガーベラです。
水瀬さん：
僕も明るい流れで。今回出演させていただくにあたって，自分なら何が咲くだろうと考えてみたんです。僕は「笑う門には福来る」という言葉が好きなので，笑顔が花言葉の植物はないかなと探しました。でもストレートに花言葉が笑顔なものはなくて，皆が笑顔になる花は何かなと考えたとき，向日葵だなと思いつきました。僕も笑って生きていたいし，皆も笑っていてほしいので，向日葵を咲かせたいですね。
中島さん：
僕はカスミソウですね。
丸山さん：
いいね，何にでも映える。
中島さん：
皆が植物の名前を出すたびに反応してくれるし，僕よりも詳しい（笑）。花言葉は思いやり、感謝で，僕自身がずっと大事にしていることです。周りからも感謝される人になりたいので，カスミソウからはいろいろなインスピレーションを受けています。
北出さん：
これ，ラストだった！ これで締めてほしかった。
水瀬さん：
まだ，たいちゃんがいるから。
徳井さん：
僕は世界中の人たちを明るく照らす人間でいたので，花火を咲かせたいと思います！
一同：ありがとうございました，打ちあがりました！（拍手）
水瀬さん：
千秋楽にね，大きな花火を打ち上げるということで。
三島さん：
自分のもいいけど，ほかの人がどんな花が咲くか想像するのも楽しそうだね。
4Gamer：
公演が終わったあとに，どなたに何の花が咲くかあらためてお聞きするのも楽しそうですね。最後にファンの皆さんにメッセージをお願いします。
三島さん：
どうしよう，皆で文章をつなげていく？
三島さん以外：そうしましょう。
水瀬さん：
途中どんなにぐちゃぐちゃになっても，きっと流星がまとめてくれる！
北出さん：
センターだからね。
中島さん：
では僕から。初の舞台化ということで原作ファンの方はもちろん，知らない方にも楽しんでいただけるものにしたいとカンパニー一同思っておりますので……どこまで話そう。
北出さん：
終わってしまう！
水瀬さん：
今，締めまでいけたよ！
中島さん：
あらためて原作ファンも知らない方も楽しめる舞台にできるように，カンパニー一同頑張っていきますので……
三島さん：
楽しみにしていてください。
三島さん以外：終わっちゃダメ（笑）。
三島さん：
頑張っていますし，喜怒哀楽が激しくなると思うので……
丸山さん：
何それ！ 皆さん，心の準備をしっかり持っていただきつつ……
水瀬さん：
楽しみにしていてくださいしか思いつかない（笑）。僕たちも作品を誰よりも愛して，誠心誠意準備をしていきつつ……
徳井さん：
皆さんもたくさん運動して，たくさんご飯を食べて，観劇前日はよく寝て，万全の状態で来てください。最後は，俳句でまとめます……
一同：……!?
北出さん：
…………「花咲くと いいことあるよ 華Doll*」。
一同：よく頑張った！（拍手）
4Gamer：
息の合った締めの言葉をありがとうございました（笑）。
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――2023年2月24日収録
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