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  • 91Act
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  • 発売日:2024/01/31
  • 価格:2300円(税込)
    ※2023年8月16日アーリーアクセス開始
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「Blazblue Entropy Effect」なら,あのキャラを思い通りに動かせる。「格ゲーとしてのBLAZBLUE」を断念した人こそ,BBEEを遊んでほしい
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印刷2024/03/29 08:05

プレイレポート

「Blazblue Entropy Effect」なら,あのキャラを思い通りに動かせる。「格ゲーとしてのBLAZBLUE」を断念した人こそ,BBEEを遊んでほしい

 91Actが手掛けるローグライトアクション「Blazblue Entropy Effect」(以下,BBEE)をご存知だろうか。

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 BBEEは,アークシステムワークスの2D対戦格闘ゲーム「BLAZBLUE」の名を冠するシングルプレイ専用のアクションゲームだ。約1年のアーリーアクセス期間を経てブラッシュアップされた本作は,Steamで1万4000件以上のレビューを受けて“非常に好評”と,現在では多くのファンに支持されている。

 しかし,発表された当初のファンの主な反応は“困惑”だったと記憶している。なにしろ,原作となるBLAZBLUEのストーリーは,「BLAZBLUE CENTRALFICTION」で一旦完結しており,さらに言ってしまうとシリーズを監督する森 利道氏はすでにアークシステムワークスを退社していたのだ。シリーズファンは期待と共に「何がどうなるの?」と不安に思っていたことだろう。

発表された当初は中国向けの告知しか行われておらず,日本のファンは「そもそも公式が関わっているの?」という段階で情報が止まっていた。それからしばらくあと,アークシステムワークスによる正式な許諾があったことが明かされることになる(関連記事
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 一方で,密かにこう考えた人もいるはずだ。「普通のアクションゲームなら,自分でも気持ちよく好きなキャラを動かせるかも」と。格闘ゲームとしてのBLAZBLUEは,いわゆる“コンボゲー”と呼ばれるジャンルの作品であり,その中でも難しい部類だったように思う。簡易操作システム(スタイリッシュタイプ)が用意されていたものの制限が多く,扱いにくい部分があったのも事実だろう。

 シングルプレイを中核のコンテンツとする本作は,キャラクターからイメージされる理想的なアクションを自分の手で,より手軽に実現できる仕組みが取り入れられている。今回は,そんなBBEEの優れたシステムを紹介するとともに,実際にどれだけカッコいいアクションを実現できるのかをピックアップして紹介していく。

 なお,世界観や基本的なゲームの流れ,およびアーリーアクセスから正式版に移行するにあたっての変化などは,先に掲載した記事で詳しく紹介している。本稿でも軽く触れるが,より詳しく知りたい人はこちらも目を通してほしい。

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 Steamで早期アクセスが行われていたPC用ソフト「BlazBlue Entropy Effect」が,2024年1月31日をもって正式リリースを迎えた。最新バージョンでは,各種システムが一新され,新キャラクター「タオカカ」をはじめとする多数の新要素が登場した。本稿でその内容を紹介しつつ,魅力をお伝えしよう。

[2024/02/03 12:00]

「Blazblue Entropy Effect」
X(旧Twitter)アカウント



プレイスタイルに合わせてカスタマイズできる
“ポテンシャル”を中核とする成長システム


 ゲームの基本的な構造は,一般的な2Dローグライトアクションと変わらない。使用したいキャラクターを選んで挑戦を開始し,道中で入手できるアビリティで能力を強化しつつ,敵や形状がランダムに変化するステージを攻略していくというものだ。

 たとえ敗北してしまっても,攻略の中で得られた一部のリソースは手元に残るので,それを使って永続強化をアンロックできる。何度も挑戦を重ねていけば,ゲームの要素を少しずつ学びながら最後まで攻略できるだろう。

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 ローグライトアクションとしてのBBEEの特徴は,過去の周回から引き継げる要素の多さにある。過去に育てた(攻略に使用した)キャラクターから複数の能力を獲得できるため,過去のプレイが無駄にならず,遊べば遊ぶほどカスタマイズの幅が広がっていくのだ。

各キャラクターは固有のパッシブスキルである「アクティブスキル」を持ち,さらに獲得した汎用スキルの一部を後続に引き継げる
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アンロックできる強化要素は,最大で6種類まで装備可能だ。無制限に強くなるわけではなく,一定まで強化が進んだあとはキャラクターに合わせた取捨選択が必要になる
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 では本題に入ろう。多くのファンが気になっているのは,アクションの手触りであり,結局のところ「キャラクターを爽快かつ簡単に動かせるのだろうか?」という部分だろう。

 結論から言えば「YES」だ。

 基本の操作システムは極めてシンプルで,ほとんどのアクションは「通常攻撃ボタン」「スキルボタン」「ダッシュボタン」と方向キーとの組み合わせで発動できる。手触りもかなり軽快で,ガチャガチャとボタンを押しているだけでも,キャラクターを自在にコントロールしている感覚を味わえる。

全体的に見た目より攻撃範囲が広く,ヒットさせやすい。キャラクターのグラフィックスこそ原作と同様だが,遊びやすいアクションゲーム向けにチューニングされている
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 ゲーム展開に多様性を与えているのが,ステージクリア報酬として獲得できる能力「ポテンシャル」だ。その中には,既存のアクションを強化するものもあれば,強力なスキルを追加するものもあり,取得したポテンシャルに応じてキャラクターの性能自体が変化していく仕組みになっている。

 シンプルな動きで戦いたい人は特定のポテンシャルを重点的に強化し,多彩な技を駆使して戦いたければ複数種類のポテンシャルを組み合わせて運用する,といった使い分けもできる。自分のプレイスタイルに合わせて,獲得するポテンシャルを選択しよう。

ポテンシャルを獲得する際には,複数の選択肢からアンロックするものを選べる。すでに獲得しているポテンシャルの強化も可能だ
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 なお,BBEEにも「コンボ」の概念は存在するものの,それほど重要度は高くない。格闘ゲームのコンボは「初撃が当たれば,必ず連続してヒットする一連の攻撃」だが,本作の敵は攻撃をヒットさせても行動を止められない場合があり,そもそも安全に長いコンボを当てられる状況が少ない。

 もちろん,簡単にノックバックする軽量の敵であればコンボで有利にゲームを進められるが,そうした敵はたいてい低体力なので手数は必要ない。むしろ,敵の攻撃をしっかりと回避し,ステージ上での位置取りを意識するほうが重要なゲームデザインになっている。

多対一が前提なので,たとえノックバックさせられる相手であってもコンボを決められるタイミングは少ない。無理にコンボを狙わず,回避を主軸に行動したほうが安定して攻略できる
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 そのうえで,キャラクターの特徴はキッチリとBLAZBLUEシリーズから引き継がれている。敵の体力を吸収しながらすさまじい威力のスキルをばらまくラグナ=ザ=ブラッドエッジや,広範囲を爆撃しながら戦うココノエなど,それぞれが原作をフィーチャーした戦い方を見せてくれるのだ。格闘ゲームのルール上では不可能だったであろう型破りなアクションも山盛りなので,お気に入りのキャラクターを動かして,ぜひ本作でその戦いぶりを体験してほしい。


序盤にアンロックするのにオススメ!
「BBEEらしさ」を感じられるキャラを紹介


 本作のキャラクターはアンロック制で,ゲーム内リソースを使って順番に使えるキャラクターを増やしていくことになる。ここでは「ゲーム開始直後にアンロックしても戦いやすい」「継承であとにつながりやすい」「BBEEの醍醐味を感じやすい」といった基準を満たした5名のキャラクターを紹介したい。

●マイ=ナツメ

 BBEEにおいてキャラクターがどれほど自在に動くのかを説明するにあたり,マイほどの適任はいないだろう。まずはこの動きを見てほしい。

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 8方向にダッシュ攻撃を行うスキルを連打しているだけなのだが,これが驚くほどシンプルに強い。軽量な敵が相手であれば,これを繰り返すだけで延々と“お手玉”できてしまう。こういったすさまじい動きを手軽に実現できるのが,BBEE最大の魅力といっても過言ではない。

 アクションを見ると,多数の敵を巻き込む範囲攻撃を得意とするキャラクターのように思えるが,実は足を止めての連打攻撃も強力だったりする。ポテンシャルやスキルビルド次第では,動きを止めて隙を晒したボスの体力を一気に削り取ることも可能だ。

MPが続く限りその場でダメージを与え続けるポテンシャル「呵夜錦」の派生技は,多くのボスにクリティカルに刺さる。出たら積極的に獲得したい
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●ノエル=ヴァーミリオン

 原作のモーションを引き継ぎつつ,性質が大きく変わったキャラクターも存在する。中でも驚くべき進化を遂げたのが,バリバリの高機動型シューティングキャラとなったノエル=ヴァーミリオンだ。

真上に対する攻撃が可能な敵は少ないので,上をとってジャンプ攻撃を繰り返す戦い方がシンプルに強力
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 ノエルの強みは,なんといっても通常攻撃の範囲の広さにある。特にジャンプ通常攻撃は,使った側が「そこ当たるの?」と驚くほどで,ジャンプして適当に攻撃するだけで敵を制圧できる。これはポテンシャルに依存しない部分の強みなので,強化が出揃っていないゲーム序盤で特にオススメのアクションだ。

 ポテンシャルが出揃うとさらに強力になり,ボスの攻撃範囲外からドカドカと攻撃を打ち込めるようになる。敵集団から離れた位置から火力を出せることもあり,ステージを無傷で突破した際に得られる報酬を狙いやすいのもうれしいところだ。

 ついでに,ノエルは遠隔攻撃を一律で強化する継承パッシブスキル(別キャラクターに付与できるパッシブスキル)を持っている。遠隔攻撃を主軸に戦うキャラクターでは特に役立つので,育てておいて損はない。

ダッシュ回数を増やすポテンシャルと相性が良く,慣れるとずっと空中で踊るように戦える。地上ダッシュから空中ダッシュ攻撃につなぎ,そのままスキルを放つ動きが強力だ
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●ハクメン

 ハクメンは,相手の攻撃を受け止めて反撃する当身技「虚空陣 雪風」を主軸に戦う,防御重視のキャラクターだ。歩行やダッシュが鈍重なかわりに単発威力は突出して高く,重い一撃をいかにして当てるかがカギとなる。

体力が最大値の敵へのダメージをアップさせる装備を整えれば,序盤の敵などものの数ではない。寄って切るだけで道がひらける爽快感がハクメンのウリだ
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 機動力が弱点ということは,ポテンシャルで弱点を補ってしまえば,死角のない最強キャラクターにもなり得るということ。そこで役立つのが,移動攻撃を発動するポテンシャル「紫電」で,うまく使えば高火力と高機動を両立できる。

 もちろん,ポテンシャルの力を借りずとも十分に強い。当身の発動時には一瞬で長距離を移動するので,タイミング良く攻撃を受け止めれば高機動キャラクターにも負けない速度でステージを駆け抜けられる。操作も簡単なので,敵の挙動を覚えながら進みたい人は,ぜひハクメンに触れてみてほしい。

当て身の持続時間はかなり長く,簡単に敵の攻撃を受け止められる。攻撃の予告を出すタイプの敵が出たら喜んで飛び込んでいこう
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●Λ-No.11-

 遠隔攻撃に特化したキャラクターを使いたい人は,基礎性能が素直なΛ(ラムダ)がオススメだ。移動やダッシュを駆使して距離を保ち,強力な射撃技で敵の体力を削り取っていこう。

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 剣を召喚して攻撃する「ソードサマナー改」系統のスキルは使い勝手が良く,強化すればするほど戦いやすくなっていく。最初は狙いをつける必要があるが,強化が進むと画面のほとんどを覆い尽くす巨大なエフェクトで敵を薙ぎ払えるので,なんとなく敵の方向を向いてボタンを押すだけで敵を撃破できる。

 ただし,ノエルとは違って攻撃中に足が止まる点には注意が必要だ。攻撃後の退路を意識し,ダッシュでいつでも逃げられる準備を整えておくと,より安全に戦えるようになる。

立ち回りでスキルを多用することになるので,MPが常にカツカツなのは悩みどころだ。MP上限をアップさせる報酬は積極的に取得していこう
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●Es

 Es(エス)は,原作と同様,広い攻撃範囲が特徴のインファイトキャラクターだ。特定のアクションを実行すると“紋章”が出現し,周囲を攻撃してくれる。ダッシュの無敵時間で敵の攻撃を回避した際にも紋章が出現するため,回避を重視した立ち回りでも火力を出せるのが強みだ。

 敵を空中に打ち上げる「モルドレッド」や,敵を踏みつけて飛び上がる「トリスタン」といったポテンシャルは,空中で戦う機会の多い本作では特に強力だ。トリスタンを強化して,踏みつけ後に空中攻撃の回数をリセットする効果を付与すれば,空中を舞いながら華麗に戦えるようになる。

紋章はシンプルに威力が高いので,敵陣の真ん中で出すだけでも強い。良い位置で紋章を出すためにも,機動力の足しになるポテンシャルを確保しておこう
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 ダッシュが短めで,空中ダッシュが放物線を描いて落下するなど,やや挙動にクセがあるが,そのあたりをポテンシャルで補ってやれば一気に行動の自由度が高まる。自分なりの連係を組み上げたい人は,ぜひ挑戦してみてほしい。

通常攻撃から紋章が発動するポテンシャルを手に入れると,立ち回りが一気に楽になる。そこからスキルにつなげれば,大量の敵をまとめて攻撃できる
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●TIPS:動きの幅が広がる高度なテクニック

 本作もアクションゲームなので,強力な攻撃を放ったあとには多少のスキが生まれる。だが,BBEEのほとんどのモーションはダッシュでキャンセル(モーションを上書き)できる。ダッシュ中には無敵時間があるので,スキの大きな攻撃を放ったあとにはダッシュにつなげるのが安全だ。

 ダッシュを連続して行える回数は限られているが,実はこれを解消する方法もある。ダッシュのモーションはジャンプでキャンセル可能,かつダッシュ回数は地上と空中で別カウントなので,ダッシュ→ジャンプ→ダッシュと入力すれば安全に長距離を移動できる

 また,これを活用すれば本来はつながらない攻撃同士を,コンボとしてつなげられるようになる。たとえば,敵を打ち上げるスキルを実行した直後に素早くダッシュ→ジャンプと入力すれば,スムーズに空中攻撃に移行できる。必須のテクニックではないが,空中でのアクションが強力なキャラクターは,これを活用するとより強力な立ち回りが可能になる。

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 本作は,“格闘ゲームとしてのBLAZBLUE”とはまったく異なるゲームではあるが,キャラクターが持つ個性や力強さ,魅力を損なうことなくアクションゲームに落とし込んでいる。個性の強さが生むゲーム体験の多様性と,育て上げたキャラクターの能力がのちのカスタマイズに生かされる仕組みは非常に相性が良く,何度も繰り返し遊べるローグライトとして,よく練られているようにも感じられる。

今回は触れなかったが,キャラクターを問わずに出現する汎用強化要素「戦術」を組み替えるだけでもプレイフィールは大きく変化する
画像集 No.025のサムネイル画像 / 「Blazblue Entropy Effect」なら,あのキャラを思い通りに動かせる。「格ゲーとしてのBLAZBLUE」を断念した人こそ,BBEEを遊んでほしい

 魅力あふれるキャラクターが多数登場するBLAZBLUEシリーズにおいて,格闘ゲームというジャンルゆえ,満足にキャラクターを動かせず,モヤモヤとした気持ちを抱えてしまっていた人も少なくないはず。本作はそんな「格ゲーとしてのBLAZBLUE」を断念してしまった人にこそ遊んでもらいたい一作だ

正式リリースを迎えた本作だが,実装されているキャラクターは全部で10人。原作では操作が難しかったキャラクターはまだまだいるので,DLCやアップデートなどで参戦を願いたいところだ
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