プレイレポート
[プレイレポ]終末世界を舞台にした「リデンプションリーパーズ」は,傭兵団の運命を描く歯ごたえのあるSRPG。少ない戦力の活用方法がカギだ
本作は「ENDER LILIES」のプロデューサー・小林宏至氏が原作とディレクションを,過去に「ファイアーエムブレム」シリーズに多く携わった堀川将之氏がゲームデザインやチューニングを担当する。そして,音楽を手がけるのは「大神」シリーズや「ベヨネッタ」シリーズ,「ファイアーエムブレム 覚醒」「ファイアーエムブレムif」「ファイアーエムブレム 風花雪月」などで知られる近藤 嶺氏,キャラクターデザインはカードゲー厶好きにはおなじみのイラストレーター,塚本陽子氏だ。
制作陣の顔ぶれから期待する通り,「終末感あふれるビジュアルやストーリーを楽しみつつ,手ごわいバトルに挑める」シミュレーションRPGに仕上がっていたので,そのシステムの詳細やプレイフィールをお伝えしていこう。
物語の舞台は「モース」と呼ばれる悪鬼に蹂躙され,滅びに瀕した世界だ。モースによって各地の集落や城は次々に陥落し,逃げ遅れた人々は根絶やしにされていく……。
だが,そんなモースに立ち向かおうとする傭兵団があった。その名は「灰鷹旅団」。団員の多くは悪鬼との間に深い因縁があり,モースを狩ることに異常なまでの執着を見せる者もいる。
「恐怖を克(こ)えろ 灰燼の中で生き残れ」
団のモットーを掲げ,灰鷹たちはモースとの戦いへ身を投じていく。彼らにとってこの戦いは,それぞれの「贖罪」でもあるのだ──。
二本の短剣を操るサラ,亡国の騎士グレン,皮肉屋で槍が得意なルグ,屈強な闘士ウルス,弓使いにして癒し手のカレン。団の精鋭である5人はこの戦いで大きな役割を果たすこととなるが,彼らは己を待ち受ける運命をまだ知らない。
仲間との連携やさまざまなシステムを駆使して,過酷な戦いを勝ち抜け
本作はマップ上でユニットを動かして敵と戦い,マップをクリアして物語を進めていく,いわゆるシミュレーションRPGだ。ただ「わかりやすさ」を第一に作られることが多いこのジャンルでは珍しく,本作のシステムは少々複雑なものとなっている。
まずユニットの移動は「移動力」が無くなるまで何度でも行える。「敵に接近」→「攻撃」→「敵から離脱」といった具合に,ヒット&アウェイを行うことも可能だ。
またユニットは「AP」(行動ポイント)を消費して,攻撃やガードなどの行動を実行する。敵を倒す,攻撃を回避するといった活躍をすると,そのマップをクリアするまで間,APの上限がアップし,1ターン中に同じ敵を2回攻撃したり,間に移動をはさんで2体を攻撃できるようになる。
敵ユニットを味方ユニットで囲んで攻撃すると「連携攻撃」が発生することもポイントだ。「連携攻撃」は前後左右から次々に追撃し,大ダメージを与えられる。追撃はAPを消費しないので,APを使い切ったユニットも接敵させておくことで,味方の攻撃を援護できるわけだ。
こうしたさまざまな仕組みを活用しつつ,手ごわい敵軍との緻密な戦いを楽しめる本作だが,HPの回復手段が限られていることには特に注意が必要だ。ゲームが中盤に差しかかるまでは,マップ上にある霊脈と,各ユニットが携帯する「霊薬筒」でしか回復できない。霊脈は1度使えば消えてしまうし,霊薬筒も1度しか使用できないため(霊脈で補給することは可能),使用するタイミングは本当によく考える必要がある。
幸いなことに,味方ユニットは敵に倒されても撤退するだけで,次の戦いから復帰できる。だが本作でプレイヤーが使えるユニットは最大でも5つ。1ユニットでも撤退してしまえば,マップクリアはかなり厳しくなると思っていい。
さて,ストーリー紹介でも軽く触れたが,ここでプレイヤーが使用できる5人のキャラクター(ユニット)を紹介しておこう。使い方はプレイヤー次第ではあるが,ひとつの例として参考になるはずだ。
二刀流のサラは,相手の攻撃を回避しやすいが,防御は低く,大きなダメージを受けやすい。相手の反撃を100%回避できる「バタフライスナッチ」を使うことで,連携のきっかけを安全に作れる。
グレンは相手の反撃ダメージを最大75%カットする「反撃防御」を習得可能なため,敵に切り込んでいく役が適任だ。ただ受けに回るともろいので,囲まれないように注意する必要がある。
ルグの槍は射程が2マス。射程1の相手には一方的に攻撃できる。また攻撃してきた敵より先に攻撃できる「先制攻撃」のスキルは,敵のHPを調整しつつルグへ引き寄せることで絶大な威力を発揮する。
ウルスは防御の高い前衛役。「ストーンウォール」でダメージをカットしつつ,敵を引きつけるのが最大の役目だ。その後はほかのユニットで「連携攻撃」をしかけるなり,射程外からトドメを刺すなりしよう。
カレンは長距離攻撃と回復を使えるユニットだ。弓はスキル「援護射撃」「追加攻撃」を習得することで,あなどれない火力を発揮する。また,彼女が習得する「ハンターズグレース」は回復スキルなので,覚えるまでどんどんレベルを上げておきたい。
戦いの合間の準備が生死を分ける
さて,戦場でユニットをどう扱うかだけでなく,どう育てるかも本作のお楽しみのひとつ。各マップでは戦闘評価に応じて「共有経験値」を得られるので,各ユニットに割り振っていこう。
キャラクターのレベルが上がるとスキルポイントが得られ,新たなアクティブスキルやパッシブスキルを習得したり,強化したりできる。
また武器の強化や修理(使用回数の回復)も忘れてはいけない。武器は強化するごとに威力と命中率が交互に上がり,使い勝手がよくなっていく。ただ,宝箱や敵から,上位の武器が手に入ることも多いので,初期の武器に強化用の素材を使いすぎるのも少しもったいない。
能力値などをアップさせるアクセサリを誰に装備させるかも悩みどころだ。基本的には長所を伸ばすほうが戦闘で活躍させやすいが,極端な弱点は放置しないほうがいいこともある。
なおゲームが中盤に差しかかると,メインストーリーに登場する敵のレベルが急激に上昇する。そうなると前に戦ったマップで再戦する「遊撃戦」を行ってユニットを強化する必要も出てくる。レベル差が大きすぎるとあまり経験値が得られないことに注意しつつ,じっくりと戦力を整えていこう。
本稿では主にシステム面やプレイフィールをお伝えしてきたが,そのほかの部分の品質も高く,特にジオラマのような雰囲気のあるグラフィックスはなかなかの見応えだ。また,マップ画面とバトル演出はシームレスにつながっており,操作の手触りは軽快だ。
キャラクターたちの演技も海外ドラマの吹き替えを思わせる渋いものであり,甲斐田裕子さん,玄田哲章さん,小山力也さん,津田健次郎さん,水樹奈々さんといったベテラン声優陣の演技が光る。ビジュアルや物語にそそられた人を裏切らないしっかりした仕上がりのタイトルなので,興味がわいたらぜひ触れてみてほしい。
「リデンプションリーパーズ」公式サイト
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(C)BINARY HAZE INTERACTIVE Inc.
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