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［プレイレポ］言葉より大切なもので愛の深みへ！　絶対に会話がかみ合わない男の子たちとの恋愛AVG「狂気より愛をこめて」を紹介

2023/07/18 19:04 　2023年7月18日にSteamプラットフォームでリリースされたフルボイスの恋愛アドベンチャーゲーム「狂気より愛をこめて」。jamsanpoidの開発による本作では，絶対に会話がかみ合わない男の子4人と恋をする物語が楽しめます。

　そのかみ合わなさは恋愛によくある「すれ違い」といった生やさしいものではなく，「言っていることが本当に分からない！　会話が成立しない！」という困惑レベルのものばかり！　果たして，そんな状況で恋心は育つのか？　恋愛は成立するのか？　本稿では先行プレイで体験した学園の様子をお伝えします。

会話がかみ合わない4人の攻略キャラクター

　プレイヤーは，私立古詩庵歌羅芽琉院（こしあんからめるいん）学園に転校してきた高校2年生。冒頭では名前や一人称のほかに，肌色の多いスチルに少し修正が入る「配信モード」と，「通常モード」の2種類が選べます。

デフォルト名はなし。筆者は「大野せん」で登録しましたが，キャラクターたちからはその名前で呼ばれることはほとんどなかった気がします……

一人称は「私」「僕」「某」から選択。性別はプレイヤーの想像次第です！

　今まで通っていた学校が爆発してしまった，というトンデモ設定で古詩庵歌羅芽琉院にやってきたプレイヤーは，ここで同じ転校生の陽キャイケメン 佐伯祐介，セクシーな保険医 荒川修司，愛らしい毒舌家 田村マシュマロ，生徒会長を務める先輩 アオルタと出会います。そして1年間の学園生活をとおし，彼らと交流しながら距離を縮めていくことに。

システムは一般的な好感度が選択肢によって変化するマルチエンディング方式です

　1年という短い期間ですが，イベントは盛りだくさん！　学生らしい部活動や体育祭，水泳大会，デートにぴったりな夏祭り，クリスマスなど，好きな人とたくさんのイベントを経験して，恋心を膨らませましょう。

　ただし，公式のアナウンスでも「八方美人を演じていると誰からも相手にされなくなってしまうかも…？」とあるので，序盤から攻略したい相手を決めて，4人から1人を選ぶシーンではその人だけを追いかける一途プレイをしたほうがよさそうです。

それぞれのお誕生日をお祝いするイベントも存在！　しかし，一途プレイを考えると，好きな人以外は無視した方が安全かも……？

　ここからは，4人を筆者が出会った順に紹介していきます！

最初の校内体験の場所を選ぶ選択肢では，「校舎庭」でマシュマロくん，「中央ホール」でアオルタ先輩，「保健室」で荒川先生に出会えます。筆者は「中央ホール」を選びました！

※以下，会話がかみ合わない度は筆者個人の感覚によるものです


　まずは生徒会長のアオルタ先輩。
　青白い肌を持つクールな彼は，慌ただしい転校生であるプレイヤーをいさめたり，フォローしたりしてくれる頼もしい先輩です。が，最大の特徴は画像を見てもらえば分かるように，プレイヤーがまったく解読不能な言語を使うこと。

ボイスは，意味不明な言語をさらに逆再生したような雰囲気。会話の不成立度は100％です！

　こちらの言葉は通じているようなのですが，先輩の言葉は表情やイントネーションでなんとなく理解することになります。「たぶん怒っている」「たぶん喜んでいる」など，たぶんが連発するすごい異文化コミュニケーションです！

　でも，意外と表情は豊かなので，感情が分かりやすいときも。テンションの高いプレイヤーのセリフに，ドン引きしている姿を見たとき，気持ちが分かりすぎて笑ってしまいました！



　校内探索が終わったあとに教室に行くと，クラスメイトの佐伯と遭遇。
　彼は転校前のプレイヤーと同じ高校に通っていた同級生でもあるのですが，プレイヤーは陽キャが苦手らしく，彼への好感度は低いようです。しかし，佐伯はいつもフレンドリーで，プレイヤーもだんだんと慣れていきます♪

すべてをノリでしゃべっているのか，会話の不成立度は70％ほど

　彼の場合，単語そのものは分かるのですが，「この状況で，なぜその単語とその単語がつながったんだ!?」とツッコミたくなることが多く起こります！　ただし，突然ふつうに話し出すこともあり，そのときのセリフにはたいていプレイヤーへの優しさや愛がこもっているので，いろいろと予期せぬ感情が襲ってくる油断ならない男の子です。



　授業が終わると，アオルタ先輩によって学校案内が始まり，保険医の荒川先生と出会います。最初の挨拶では「あ，会話が成立する人だ！」と思ったのですが，話しているうちにだんだんと変な会話が増えていく不思議な先生です。

まともなときも多いので，会話の不成立度は半々の50％ほどだと思います。でも，仲よくなると，変な会話が増えがちかも……？

　悩みごとの相談に乗ってくれるときもあり，プレイヤーの心にしっかり届くアドバイスがもらえます。しかし，その直後にわけの分からない話をし始めたりするので，謎が多いです。また，普段は穏やかな先生ですが，ときどき腹黒さを見せることもあります。



　そして最後に出会ったのは，突然人の飲み物を欲しがってくる少年，マシュマロくん。（人から飲み物はもらうのに）警戒心が強い彼はしばらくの間，名前を教えてくれません。しかし，食に対しての関心が強いことは分かるので，とりあえず餌付けして親しくなる野良猫のような存在です。

ことあるごとに辛らつな言葉を投げかけてくるマシュマロくんですが，言いたいことは分かるので会話の不成立度は低めの30％ほど

　マシュマロくんはとにかく罵倒が多め！　ですが，愛らしい見た目と，会話が分かるという安心感のせいか，あまり言われても辛い気持ちにならないのです！　また，稀に穏やかに笑うときがあり，そのときはキュンとしてしまいました♪

変化していく狂気の質

　キャラクターの会話が絶対にかみ合わない本作ですが，それ以外にもツッコミどころは満載！　プレイ開始30分ほどは，カニや魚が泳いでいる背景，選択肢を選ぶたびに「あーーーーーーーーーーーー！」と叫びだす効果音，妙な抑揚でしゃべり始めるモブの先生，まっとうに会話が成立するのに魚人間にしか見えないオカルト研究部部長と，いろいろな場面でギョッとしてしまいました。


　でも，そんな状況下で会話が成立しにくいキャラクターたちと交流しているうちに，だんだんとこの環境がふつうになっていく不思議さ。何かおかしなことが起こっても，この世界観ならふつうのことなんだろうと処理するようになっていきます。

会話がかみ合わなくても，仲よくはなれる！　この2人の会話も成立してるのか分からないけど，まぁいいか！

　しかし，「狂気より愛をこめて」の“狂気”は会話が成り立たないことだけではないのです……。その一端が垣間見られるのが正式に部活を決めるシーン。マシュマロくんからオカルト研究部に入るように忠告されたプレイヤーは，入部届をどうするかの選択肢が表示されます。

早朝に出会ったマシュマロくんから，オカルト研究部に行かないと死ぬと警告が……

ゲーム部には佐伯がいるので，そっちも楽しそうです。しかし，そっちを選ぶと……

プレイヤーにおかしな現象が起こりますが，ゲームオーバーになることはないので，安心してください！

　プレイヤーが世界観に染まれば染まるほど，深まっていく狂気。その異常さとそのなかで感じるドキドキ感は，本作でしか味わえない愛だと言っていいでしょう！　この夏は少しひんやりする変わった恋を，ぜひ体験してみてください。

「狂気より愛をこめて」公式サイト

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