プレイレポート
[G-STAR 2022]少女はいつしか王女へ。「Archeland」はランモバの開発が手がける,高品質なアニメ&シミュレーションRPG
本作は,病弱な王女が運命に抗う冒険を描くシミュレーションRPGで,不朽の名作のスマホナイズで高評価を得た「ラングリッサーモバイル」(iOS / Android)でおなじみ,同社のBlack Jack Studioが開発を担当する。
アートワークだけでもビビッとくる魅力が備わっているが,本作のプロモーションではアニメーション映像も豊富だ。
これまでに公開されたものから,今回のG-STARに向けてお披露目されたものまで,いずれもヒロイックでそそる仕上がりである。
あらためて,世界観を簡単に紹介しよう。
生まれてすぐに死刑を宣告された病弱な王女「アヴィア(Avia)」は,なんとか生き永らえていたある日,運命に逆らう己の意志を頼りに,帝国から白竜の一族を守るため,旅に出ようとしていた。
そこで出会った青年(プレイヤー)は,なぜか記憶を失っており,彼もまた失われた自身の記憶を取り戻すために,アヴィアの冒険におともすることになる……といったもの。“過去と未来をつなぐ物語”というキャッチコピーもあり,なんらかの謎が隠されていそうだ。
翻訳の問題で細部は怪しいが,このあたりも上記の映像類に目をとおしてみると,なんとなくつかめるものがあるかと思う。
ゲームとしてはいたって分かりやすい,クエスト進行スタイルのスマホゲームであり,かつビジュアルデザイン全般が高品質な仕上がりのシミュレーションRPGである。言葉を濁しつつ端的に伝えると「風花雪月的なレベルの感じ」といった所感を覚えた。
登場人物たちの3Dモデリングも,アニメ調のレンダリングも,2022年のコンテンツとしては高水準で映えている。韓国版ストアの紹介文には「選択によって変化する物語の結末」と記述されていたため,プレイ内容に応じてストーリーが変化する要素もあるのかもしれない。
戦闘ではマス目で区切られたマップ上にユニットを配置し,自分・相手ターンを交互に入れ替え,自ターンで全キャラクターを動かしていく。職業や属性,地形や配置などの戦略性をはじめ,「先制攻撃」「追加攻撃」「挟み撃ち」といった独自性もあり,またトラップなどの地形要素を駆使してクリアを目指すこともできるという。
原則は“敵味方の攻撃時,相手ユニットが生存していると反撃がある”タイプの攻防のため,シミュレーションバトルの完全なる初心者にもうってつけである。古典にして最高の駆け引きである,このジャンルの神髄の1つを肌身で感じて学べる機会になるだろう。
ついでに,バトルモーションも1打ずつ殴り合うわけではなく,キャラクターごとのスタイリッシュな連撃が凝っていた。ただ,試遊版では戦闘演出のスキップ機能を視認できなかったため,そこは争点か。
それと本作には「リアルタイムPVP」もあり,人同士がじっくりと向かい合って盤面に臨む,本格的な頭脳戦も楽しめるようだ。
キャラクターはストーリー進行やガチャで入手でき,レベルなどの成長要素も備わっている。ホーム画面でキャラに話しかけると友好度が高まり,キャンプファイヤーの前ではおしゃべりを聞ける機会もあった。
また,これらホーム画面はストーリー進行(?)などに応じて構図が変化し,その時々の風景を見させてもらえるようだった。
実は“ガチャの手引き役”だった子が,ホーム画面に仲間入り |
このほか特筆されていたのは,50人以上の韓国人声優が起用されていることと,音楽面では下村陽子氏を筆頭に,韓国・中国・日本のさまざまなミュージシャンに声をかけ,交響曲,電子音楽,ロックなどをミックスした“ジャパニーズファンタジーサウンド”が制作されたことだ。
試遊ではサウンド類を耳にする機会がなかっただけに,ジャパニーズファンタジーサウンドなる音楽ジャンルがいったいどのような耳触りを有しているのか,急に気になってしまう。
ランモバの知見も存分に生かされたか。分かりやすいシステムや駆け引き,見た目の楽しさも加えた「Archeland」に,たとえSRPGとしての非が隠されていたとしても,じっくりと遊ばないと見つけられそうにない。さらに韓国では2022年12月7日にサービスが決定したと,現地会場で大々的に発表されていた。
現状,担当者から日本でのどうこうの話を聞くことはできなかったが,見た目だけで深めに刺してくる,これだけの作品を国内配信だけにとどめておくつもりのZLONGAMEではないと信じたい。
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