プレイレポート
「The First Berserker: Khazan」メディア向け試遊会レポート。厳しくもやりがいがあるボス戦がたまらない,ハードコアアクションRPG
厳しくもやりがいがあるボス戦がたまらない,ハードコアアクションRPG
「The First Berserker: Khazan」は,2025年に発売が予定されているPC,PS5,Xbox Series X|S用のアクションRPGだ。ネクソンが運営を続けている「アラド戦記」の世界観をベースとした「アラドユニバース」関連タイトルの一つで,本編とは違ったIFストーリーが展開する。
本作の主人公は「アラド戦記」にも「鬼剣士」クラスの祖としてその名が登場するカザン。本作のカザンは狂竜ヒスマを倒した英雄と称えられるも,その名声に嫉妬した皇帝から反乱の濡れ衣を着せられてしまう。拷問で瀕死の重傷を負ったカザンは,謎の声「ブレードファントム」に取り憑かれ,命を助けてもらうのと引き換えに冥界の力を受け入れることに。カザンは自分を陥れた皇帝に復讐すべく,血みどろの旅路を歩んでいくのだった。
TGS 2024出展バージョンでは,ゲームの序盤を体験できる「Mission:HEINMACH」と,強力なボスに立ち向かう「Boss Challenge:VOLBAINO」「Boss Challenge:RANGKUS」をプレイすることが可能だ。
カザンの行く手には無数のモンスターや兵士が立ちはだかる。複数の敵を同時に相手することも珍しくないうえ,落ちるとミスになる狭い足場で襲ってきたり,盾を構えた兵士の後ろから弓兵が矢を射てくるようなこともあったりしてなかなかに厄介だ。常に用心深く索敵しつつ進まなければならず,緊張感がたまらない。
カザンは両手に剣と斧を携えており「クイックアタック」で剣を,「強攻撃」で斧を振るう。剣は素早く攻撃できるが威力に欠ける。重装備の敵やボスは「強靱度」が高く,剣では体制を崩せない。
斧は攻撃力が高く,タメて強力な一撃を放てるため,強靱度の高い敵に有効だが,動きが遅い。敵も動き回るのでいきなり斧を狙うのは難しい。状況に合わせて剣と斧を使い分けなければならないというわけで,狙い澄ました斧が決まれば気持ちいい。
カザンと人間型の敵には「気力」というリソースがあり,攻撃やガード,回避で消費し,切れると行動できなくなってしまう。いわゆる「ソウルライク」系ゲームにおけるスタミナと同じものと考えていいだろう。
自分は気力がなくならないように立ち回りつつ,相手を攻撃して気力切れを狙うのが有効。気力切れで動けなくなった相手には必殺の「ブルータルアタック」を叩き込める。攻撃力が高いのに加え,真っ赤な血しぶきが飛び散る迫力が凄まじく,思わず見入ってしまうことだろう。
敵を倒せれば経験値にあたる「ラクリーマ」が手に入り,マップのあちこちにあるチェックポイント「鬼剣」でレベルアップが可能だ。「活力」「持久力」「筋力」「意志」「技量」といったパラメータに割り振ってカザンを育成しよう。
レベルを上げるごとに必要となる量は増えていくが,カザンが倒されると持っていたラクリーマはその場に落ちてしまうため,適度に消費しておかないと,せっかく集めたラクリーマをロストすることもあり得る。
幸い,落としたラクリーマは回収することが可能。鬼剣に立ち寄ると倒した敵が復活することとあわせて,ソウルライク系のお作法に忠実なので,あのヒリついたスリルを愛する人には嬉しい仕様だろう。
また,敵を倒したり,探索することで防具などの装備品が手に入ることもあった。同名の防具であっても防御力が異なるものがあったため,製品版では装備集めも楽しめるのかも知れない。
本作の大きな見どころの一つがボスとの戦いだ。本作のボスはタフなうえに攻撃力も高く,体力が減るとより多彩な技を使ってくる。下手に手を出すと大ダメージを受けるし,ガードで固まっていても猛攻撃で気力を削られてしまう。しっかりと攻撃パターンを観察し,隙が見えたら一気に攻め込むという王道の攻略を求められる。
人間のボスに気力があるのと同様,モンスターのボスには「怪力」という紫色のゲージがあり,性質の違いを理解すれば立ち回りがより面白くなる。ボスの気力はカザンのそれと同様の性質を持ち,攻撃やガードで減少し,しばらくすると自然回復する。
ボスが連続攻撃を仕掛けてきても,攻撃回数が多いほど気力も減るわけで,上手く凌ぎきればカザンのチャンスになる。しかし,ボスも連続攻撃を終えるとカザンから追撃されないよう後ろに下がるなどの行動を取るため,いかに追い詰めて気力切れを狙うかの駆け引きがスリリングである。
一方の怪力はボスが攻撃しても減ることがないが,自然回復もしない。こちらはボスの攻撃をさばき続ける,安定した立ち回りを求められる。「仁王2」における気力と「妖力」の関係に近いといえば分かりやすいだろうか。ボスが人間なのかモンスターなのかによって立ち回りが変化するのが面白い。
ボス戦では「ジャストガード」「反射」「カウンター」といった特殊防御をフル活用する必要がある。ジャストガードはギリギリで攻撃を防ぐというもので,少ない気力消費で防御できるうえに,敵の気力/怪力にダメージを与えられる。
反射ではカザンが武器を振るうが,これを上手く敵の攻撃にぶつければ弾いて隙を作ることが可能だ。ボスはガードでは防げない大技を出してくることがある。食らうと大ダメージを受けてしまうが,タイミング良くカウンターで攻撃すれば逆襲できる。
ボスの動きを良く見て,ジャストガードと反射とカウンターをしっかり使い分けていかなければ勝利は難しい。そのためには相手の動きを観察することが重要になる。
今回は「Mission:HEINMACH」の雪男「イェトウガー」と,「Boss Challenge:VOLBAINO」の山羊型モンスター「ボルバイノ」,「Boss Challenge:RANGKUS」の人間ボス「ランガス」と戦えたが,いずれも攻撃の動きが大きいうえ,モーションのスピードもある程度ゆっくりめにされており,「ボスの動きを観察し,3つの特殊防御を使い分ける」遊びを楽しみやすくなっていたのが印象的だ。
攻撃を引きつけてジャストガードで凌ぎつつ,しっかり観察して隙を探る。つけ込めそうな動きをしてきたら,適切な反撃を加え,気力/怪力切れを狙えそうならさらに攻め込んでいく。敵もさるもの,体力が減るごとに攻撃パターンが増えてくるし,コンビネーションの中にガード不能技を混ぜ込んでくることもある。
緊張感のあるギリギリのやり取りを比較的早い段階から楽しめるわけで,アクションRPGのボス戦が好きな人にはたまらないだろう。
とはいえ,本作のボスは本当に歯ごたえがある。イェトウガーは素早く動き回るうえにガード不能技の突進や氷のブレスでのなぎ払いといった技を使いこなす。ボルバイノは手にした金釘とハンマーを打ち合わせて周囲に着火し「炎」の状態異常でこちらを責め苛む。
唯一の人間型ボスであるランガスは,クロスボウに変形するハンマーを使いこなす戦巧者。接近戦では重いハンマーでこちらを殴り,間合いを取ってはクロスボウからの多彩な射撃を放ち,果てはワイヤーアクションで縦横に跳び回るといった始末で,そうそう勝つことはできない。
カザンが強ければボスも強いというわけで,やられても「もう一回!」と再プレイへの意欲が湧いてくるのだ。
難度は高いがやりがいを感じられる「The First Berserker Khazan」は,TGS2024のネクソンブースでプレイアブル出展される。当日は壁画マンガ家であるSHINN UCHIDA氏による巨大漫画のライブドローイングが行われるため,プレイを楽しみつつこちらを眺めるのも楽しいだろう。
「The First Berserker: Khazan」公式サイト
- 関連タイトル:
The First Berserker: Khazan
- 関連タイトル:
The First Berserker: Khazan
- 関連タイトル:
The First Berserker: Khazan
- この記事のURL: