プレイレポート
[プレイレポ]スクエニのブロックチェーンゲーム「SYMBIOGENESIS」を紹介。コミュニケーションをとって,謎を解きたい人におすすめ
一枚絵で描かれる「浮遊大陸」が舞台
本作は,ファンタジー世界を舞台にしたポイント&クリック型のアドベンチャーゲームだ。大きな一枚絵のマップを上下左右に動かしたり,拡大・縮小したりして,指定された目標を探していく。
公式サイト(外部リンク)では,「!」アイコンを押すと「Chapter 0」が始まり,こうした一連の流れを簡単に体験できるので,まずは実際に触ってみてほしい。絵本「ウォーリーをさがせ!」に近いプレイ感だ。
本作にはブロックチェーン技術が使われており,ゲーム内のキャラクターを売買可能な資産であるNFTとして保有できる。そのため,セキュリティが厳重となっているのだ。アカウントを持っていない人は,少々面倒な作業が必要になるが,この機会に作成しておくといいだろう。
まずは,ミッションを進めよう
本作のメインコンテンツは「マップに隠されたアイテムを探し出すこと」である。「独占」と「分配」がテーマになっており,一部のアイテムを見つけるには,特定のキャラクターNFTの所持や,ほかのプレイヤーとの情報交換が欠かせない。
しかし,こうした遊び方をするのは金銭的にも労力的にもハードルが高いので,誰でもプレイできるコンテンツも用意されている。そのひとつが,メインストーリーを楽しめる「ミッション」だ。
物語は,竜を倒す使命を持った主人公「Chroma」の視点で展開され,ビジュアルノベル形式を採用している。読み進めるには,「特定の人物をマップから探す」といったタスクをこなさなければならないが,難度は低めなので1人でもクリアできる。ボリュームは少なめで,スムーズにいけば第2章までのプレイ時間は1時間くらいだ。
探索回数はスタミナ制で,1時間に1ずつ回復していく。けっこう貴重なので,やみくもにタップするのではなく,正解だという確信を持ってからタップしよう。また,ミスタップで探索回数を無駄にすることを避けるため,必要のないときは探索モードをオフにしておくといいだろう。
メインストーリーをクリアしたあとは,ゲーム内小説「STORY」を読むのがおすすめだ。もともとは,プレイヤーが協力してストーリーをアンロックしていく仕組みだったが,すでに第1章と第2章のストーリータイプ「MEMORY」の話はすべて全プレイヤーに公開されているので,本作の世界観を理解するのに役立つ。
本格的に遊びたい人に向けて
無料コンテンツをプレイして,本作の遊び方や世界観が気に入った人に向けて,有料コンテンツ「キャラクターNFT」も紹介しておこう。本作のマップにいるキャラクターは,主人公以外のすべてが唯一無二のNFTとして,各章のリリース前に公式サイトのショップ(外部リンク)で販売されている。第3章のパブリックオーションは11月9日と10日に予定されており,詳細はオークションカタログ(PDFファイル)で確認できる。
また,NFTマーケットOpenSea(外部リンク)では,プレイヤー間の売買も行われている。安めのものなら「Facet Character」や「Mesh Character」が5000円前後,「Line Character」が5万円前後で購入できるようだ。最上位グレードであり,メインストーリーにも登場する「Point Character」は出品されていなかった。
第1章のマップにいるキャラクターは500体,第2章のマップにいるキャラクターは1500体なので,合計で2000体のキャラクターが存在し,そのすべてが誰かに所有されているというわけだ。そしてキャラクターNFTの保有者は,以下の表のように対応する情報を獲得できる。
種別 | 手に入る情報 |
---|---|
Facet Character | クエストのヒントとなる情報 |
Mesh Character | 各Affiliation(職業カテゴリ)の現状に関する情報 |
Line Character | 固有の物語と各Affiliationの現状に関する情報 |
Point Character | 固有の物語と各Affiliationの現状に関する情報 |
先述したように,本作のメインコンテンツは「マップに隠されたアイテムを探し出すこと」であり,一部のアイテムを見つけるには,キャラクターNFTから手に入る情報が必要になってくる。
1体から手に入る情報は少ないので,アイテムを見つけるにはほかのプレイヤーとの情報交換も検討したほうがいいだろう。自分の持っている情報は1個でも,99人と交換すれば100個の情報が集まる。
本作はコミュニケーションゲームとしての側面が強く,公式Discord(外部リンク)や公認LINEオープンチャット(外部リンク)などを通じて,プレイヤー同士が交流することが重要になっている。
キャラクターNFTを所有していなくても,獲得場所が分かればアイテムは手に入るので,無課金プレイヤーでも「わらしべ長者」スタイルで情報を手に入れていくことは可能かもしれない。アイテム名をXで検索すると,獲得場所を全体公開してくれている人もちらほら見られた。
また,キャラクターNFTの所有者と同じ情報をゲーム内で閲覧できる「レプリカ」というNFTを,キャラクターNFTの所有者が発行している場合もある。OpenSea(外部リンク)では100円前後で流通しているものもあるので,微課金プレイヤーにおすすめだ。
さらなる高みへ
ここまで紹介したように,各プレイヤーが自分の持っている情報を公開すれば,一人ひとりの負担は金銭的にも労力的にも低くなる。これは,本作のひとつの側面である「分配」だ。
しかし,本作のもうひとつの側面として「独占」がある。例えば,自分の持っている情報を隠しておけば,特定のアイテムを自分だけが所持することや,キャラクターNFTを高額で転売することができるかもしれない。
また,本作は全6章を約2年かけて展開する予定だが,最後のミッションである「ワールドミッション」は条件を満たした3名のみが挑戦できる仕様となっている。これを目指す人は,ときには重要な情報を隠すことが必要になるだろう。
コミュニケーションをとって,謎を解きたい人向け
本作は,一見しただけでは何をするゲームなのか分からない。Play to Earn系のブロックチェーンゲームではなく,スクウェア・エニックスらしいファンタジーRPGでもない,新機軸の体験を提供している。
重視されているのは「謎解き」要素だが,各NFTに情報が分散しているので,1人でクリアするのは難しい。強いて言えば,多人数用の脱出ゲームやイマーシブ系のコンテンツに近い体験だと感じた。そうした遊びが好きな人は,ぜひ触ってみてほしい。
筆者がプレイしたのはオフシーズンで,既存のプレイヤーは第2章までのアイテムを集め終わっていたので,本作の醍醐味である「自分だけの情報を交渉材料とすること」は体験できなかったが,第3章ではスタートラインが同じなのでもっと楽しめそうだ。リリースを楽しみに待ちたい。
「SYMBIOGENESIS」公式サイト
「SYMBIOGENESIS」公式Discord
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