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NFTゲームの世界:第4回はカードバトルRPG「PolkaFantasy」を紹介。王道ファンタジーの世界観で展開されるストーリーと音楽が魅力
連載「NFTゲームの世界」第4回は,Fantasy Techが2023年5月16日から31日までオープンβテスト(関連記事)を開催しているPC向けブロックチェーンゲーム「PolkaFantasy(ポルカファンタジー)」を取り扱う。2023年のQ2に正式サービスを開始する予定だ。
日本のアニメ・コミック・ゲーム文化に特化したプロジェクト
PolkaFantasyは,ゲーム名であると同時に,“日本の二次元文化に特化したGameFiエコシステム”を謳うプロジェクトの総称でもある。NFTアートのマーケットプレイス「Aimée」(外部リンク)や,ゲームスタジオのWeb3進出を支援するローンチパッド「FantasyPad」などを含んだ壮大な計画があり,プラットフォームとして機能することを目指している。
王道ファンタジー世界を舞台にしたカードバトル
ここから紹介するのは,3体のキャラクターを使用するブロックチェーンゲームのPolkaFantasyである。非NFTの「サイゴン」「ローラ」「エイミー」が最初にもらえるので,NFTを持っていなくてもプレイ可能だ。
本作は,マナを使うと穢れである「ダークスフィア」が生まれ,それが魂を黒く染めて「ソウルレス」という怪物に変化させてしまう世界観で展開される。オープンβテストでは,宗教国家「イグニア」で「国の守護者」に任命された「アゼラ」と,幼なじみの女の子「ティエラ」が活躍するメインストーリー「イグニア編」の前編を確認できた。
最初のバトルでは,3体のソウルレスと戦うことになるのだが,この怪物はメチャクチャ強い。チュートリアル的なバトルだろうと,たかをくくっていた筆者はあっけなくやられてしまった。
カード効果を熟読し,あらためて戦いを挑んだところ,死闘の末に勝利を収めることができた。
ここで,本作のルールを説明しておこう。
各キャラクターは,それぞれ5枚の固有スキルカードと3枚の武器スキルカードを持っており,デッキの枚数は24枚だ。
戦闘は同時進行のターン制で,最初にランダムなカード6枚と3マナが供給される。使わなかったマナとカードは次のターンに持ち越され,2ターン目からはターン開始時にランダムなカード3枚と2マナが供給される。
各キャラクターは,1ターンに3枚までカードを使用でき,AGI(素早さ)のステータスやカードごとの補正に基づいて順番に行動する。
カードを使用しなかったキャラクターが,自動でノーコストの“通常攻撃”をすることもあり,毎ターンマナを使い切るよりも,ある程度溜めてバフと攻撃を一緒に使うほうがダメージを出せるように感じた。
カード効果はシンプルなものが多く,各カードの対象は自動で選択されるので,プレイの選択肢は少ない。カードゲームではなく,コマンドバトルRPGのコマンドを,カードに置き換えたものと捉えたほうが理解しやすいかもしれない。
NFTキャラクターの性能を紹介
ゲーム内通貨の「無償ゼニー」で引けるガチャからは,非NFTのキャラクターしか登場しないので,NFTキャラクターを入手したい人はマーケットプレイスで購入することとなる。
公式サイトは,NFTアートのマーケットプレイス「Aimée」へのリンクが目立ち,ゲームで使えるNFTのマーケットプレイスを探すのは難しい。
大手マーケットプレイスの「OpenSea」に,「PolkaFantasy Game」※(外部リンク)というカテゴリがあり,ゲーム用NFTを発見できた。
※「PolkaFantasy」(外部リンク)というカテゴリもあったが,違いはよく分からなかった
キャラクターには4つのレアリティがあり,レアが約2700円〜,エピックが約3万2000円〜,レジェンダリーが約20万円〜で取引されていた。コモンは,非NFTを中心としたレアリティなのだろう。
今回は,NFTの最低価格である約2700円で,レアの「ライガード」を購入して性能を検証してみた。OpenSeaとMetaMask,PolkaFantasyとMetaMaskをそれぞれ接続していたので,NFTを購入した瞬間にゲーム内でも使用可能となり快適だった。
最初のパーティでは,1章(全2バトル)をクリアできたが,2章は進められなかった。「ライガード」を入れたパーティでは,2章の第1バトルを突破できた。レアはコモンと比べると確かに強いが,圧倒的に強いわけではないので,2章の第2バトルをクリアすることはできなかった。
現状のバランスでは,ストーリーの山場まで読み進めるには,エピックやレジェンダリーといった高額なNFT3体の購入か,長期間にわたる育成が必要という印象だ。
世界観と音楽は魅力的だが,ゲームシステムに難あり
本作の魅力は,王道ファンタジー的な世界観である。各キャラクターのプロフィールは世界の広がりを感じさせるし,マナを使うと怪物に近づいてしまうという設定もドラマチックな展開につながりそうだ。
しかし,ゲームシステムは単調で,属性だけ変えた類似カードが多く,コンボ要素も薄いように感じた。
昔ながらのコマンドバトルRPGをベースにしたタイトルなので,カードゲーム並みの戦略性を求めるべきではないのかもしれないが,それならばゲームバランスをもっと易しくしてほしいところだ。技術介入度の低いゲームで敵が強すぎるのはストレスとなる。
本連載ではNFTゲームを,ゲーム性およびファイナンスの観点から,それぞれ★(最大5個)で評価している。現時点で,本作のゲーム度は「★★」とする。ファイナンス度については,オープンβテストの段階なので今回は保留させてもらう。
また,ZENTA氏が手掛けた主題歌とBGMは高クオリティで,ファンタジー世界に没入できるものとなっていたので,音楽に「★★★★★」をあげたい。ブロックチェーンゲームとしては珍しく,ホワイトペーパーに音楽(外部リンク)の項目があることからも,力の入れようがうかがえる。YouTubeでは本格的なミュージックビデオも公開されているので,興味のある人はチェックしておこう。
なお,本記事は紹介を目的としたものであり,これらNFTの購入を推奨するものではない。投資にはリスクが伴うので,十分に調べたうえ各自で判断してほしい。
※文中における暗号資産のレートは,2023年5月25日20:00時点のものです
PolkaFantasy | |
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ジャンル | カードバトルRPG |
プラットフォーム | PC |
リリース日 | 2023年Q2予定 |
初期費用 | 無料 |
ゲーム度 | ★★ |
ファイナンス度 | 保留 |
音楽 | ★★★★★ |
開発 | Fantasy Tech |
公式サイト | https://polkafantasy.com/jp/ |
公式Twitter | https://twitter.com/PolkaFantasyJP |
ホワイトペーパー | https://polkafantasy.gitbook.io/polkafantasy-whitepaper/ |
ブロックチェーン | Polygon(MATIC) |
ガバナンストークン | XP |
ユーティリティトークン | ZENNY |
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