プレイレポート
「シヴィライゼーション:覇者の君臨」プレイレポート。Civ最新作は“らしさ”を生かした,大規模MMOシミュレーションに!
Civは人類史をテーマに,文明の発展や戦力の増強,ときには文化や商業までをも武器として戦うターン制ストラテジーゲームだ。
しかし,従来はAI戦や一桁人数でのMO戦によるワンプレイを楽しむデザインで,かつ「指が勝手にターンを進めてしまい気付けば朝……」といった快感と悲劇の連鎖を止められぬ(ほどに面白いという)ことで知られているCivだが,今回はなんと,MMOシミュレーションとなる。
構造的には「シヴィライゼーション5」をベースに,サーバー内のプレイヤーたちがそれぞれの文明(勢力)を発展させ,勝利条件のために同盟を組んで競争するというスマホ向けMMOストラテジー,ないしシミュレーションの方程式に乗っかったタイプである。
過去,ネクソンとCivの組み合わせも遠縁の開発筋では関係があったが,いずれにせよCivとしてはシリーズ初の試みと言えよう。
今回はそんなCiv覇者を先んじてプレイすることができた。
基本のシステムは違えど,Civらしさはしっかりと継承されているのが肌で感じ取れたので,その所感をお届けしていく。
「シヴィライゼーション:覇者の君臨」公式サイト
「シヴィライゼーション:覇者の君臨」ダウンロードページ
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14文明の指導者たち
ゲーム開始直後,画面内でインドのガンジー,フランスのナポレオン,ギリシャのアレクサンドロス,日本の織田信長,アメリカのジョージ・ワシントンなど,歴史上のそうそうたる顔ぶれがお出迎え。
プレイヤーはまず「文明」(指導者&国の組み合わせ)のなかから,自勢力を選んでいく。選択できる数は,なんと14文明。
多種多様な時代と指導者を前に,シリーズファンはこれだけでもテンションが上がることだろう。もちろん,歴史好きも同類だ。
Civ覇者では数か月=ワンシーズンのサーバー内戦争で勝者を決める。勝利条件は「制覇勝利」「科学勝利」「文化勝利」の3種だ。
これらがうまく作用するのかはバランス次第だが,この手のゲームでは「最強城を取ったら勝者!」のみがデフォルトルールであることが通例なだけに,この時点でCivらしさが芳醇に匂ってくる。
なお,文明の多くは“いずれかの勝利条件に特化した性能”とあって,文明選びの段階でプレイ方針が定まってしまうとも言える。
この点は,文明を取っ替え引っ替えで試行錯誤できるコンシューマ版と違って,シーズン制だけに文明選びが重そうだし,Civの流儀を知らない人に向けるなら,なんらかの指針があってもよいのかも。
■文明選びの補足
Civ覇者では「同一アカウント内で指導者を4人まで作成可能」。プロフィール画面から指導者変更機能を活用することで,文明を切り替えられる。ただし,データや資産は別管理となり,プレイも最初からになるが,ゲームの立ち上がり時期に「もっとこっちの方向性のほうがいいかも」と指針が見えてきたら,違う指導者を選んでみるのもいいかもしれない。
Civの文明は,新鮮さのためかナンバリングごとに国の指導者が替わることがしばしある(日本なら織田信長→徳川家康など)。
しかし,インド文明の指導者「マハトマ・ガンジー」はシリーズ常連であり,彼は“Civ的な意味で”屈指のファン人気を誇る。
ということで,今回はインド文明を選択することに。
ガンジーは,イギリス支配下にあったインドで「非暴力・不服従」を提唱して独立運動を指揮した,国家独立の象徴とされる男性だ。(令和の世でも?)学校の教科書でまず見かける,地球屈指の偉人と言える。
ただし,Civはゲームのため,ガンジーであっても兵士を訓練し,蛮族や敵文明を討ち滅ぼすこともできるのでご安心を(?)。
そこには,やれ「核武装ガンジー」だのとCivの逸話が多いが。
つまり,そういうゲームナイズがゲーマーの心をつかんだ。
Civ覇者では,インドは科学勝利向けに特化している。最初は「ん,科学? ガンジーにそんなイメージあった?」と思ったが,Civは指導者の半生を追体験するゲームではなく,また昨今のインド情勢を踏まえると「なるほど」と思ったので,細かいことは気にしないでおこう。
それではここから,ガンジーでパパパパパウワードドンだ。
コツコツ地盤を固める都市作りは
迷わず遊べる定番のスタイル
まずは指導者に従う民のために,生活の基盤となる「建物」を建設すべく,国家周辺の土地を収めて「領地」を手に入れる。
続いて,領地発展には「資源」が必要となる。未知のフィールドは雲に覆われているが,偵察ユニットに送ると視界が晴れてクリアに。
偵察が未開拓地で資源を発見したら,ちょんとタップして採掘を行い,粘土を採集する。この粘土を使って,今度は農場を建設する。
農場では食料が生産されたら,民が精を出して働くようになる。
ここで注意すべきは,Civ覇者では民が関係するアクションの実行時に“食料が資源リソースとして消費される仕組み”のようだ。
同じトウモロコシでも,以前とは食べ方が変わったらしい。
ふむふむ,なるほど……。
基礎設計もスマホナイズされている。
資源を集めて建物を建てる流れは,よくある都市作りゲームそのまま。難しいところもなく進められる手触りだ。
たしかに,立ち上がりからして従来作品のやり方に則ってしまうと,運営型ゲームなのに立地だけで勝敗が決しかねないか。
認識を新たにし,周辺の土地にまた偵察を送り込み,粘土を集めて新たな建造に着手しようとした矢先,突如「蛮族」が出現。最初に作った建物「政庁」が襲われ,火災発生にまで追い込まれた。
外敵の脅威に備えるため,クロエに「政庁をより頑丈にしよう」と提案され,建物のレベルアップ機能がアンロックされる。レベル上げのときも,施設に応じた粘土や食料などの資源が求められる。
そして外敵から身を守るため,今度はこちらから打って出る番。
Civ覇者では「偉人」が武将ユニットなどに該当するため,偉人のなかから将軍を将軍を登用し,兵舎で兵士の訓練を終えたら,蛮族の野営地めがけて部隊をいざ出陣。バトルはユニット同士が接敵したら叩き合うストラテジーそのもので,蛮族を撃破すると,領地の安全も確保できる。
といった具合に,領地の地盤を固めていった。このあたりまでは「わりと普通のSLGみたいな感じだ」と思っていたのだが……。
Civらしい感じだ……と思っていたら
えっ? マッチ3パズル!?
領地が発展していくとまもなく,「人口が増えてきたことで言葉が通じない人々がいるようだ」との知らせが送られてきた。
そこで,シリーズお決まりの研究ツリーで「天文台で文字を研究」すると,人々の意思疎通が円滑になり,事態も解決した。
文明の発展を実感できる,まさにCivらしい瞬間だ。
なお,研究は天文台やアップグレード施設の「図書館」で実行可能で,「指揮」「軍隊」「資源」といった大カテゴリーごとに,多くの小項目が用意されている。それぞれの項目を研究すると,兵士の能力アップや資源の生産量上昇など,恒常的なメリットを得られる。
従来作品における研究戦略や最適解などとは別物だろうが,隙あらばやっておきたいオーダーであることに変わりはない。
科学のロマンにワクワクしていると,今度は領地外で「古代の洞窟」なるものを発見した。そこはなんでも文化遺産を発見できるスポットらしく,期待に胸を膨らませて,探索を決行すると……。
なんと,画面に現れたのは,広告とかでよく見るマッチ3パズル!
「いったい,私はなにをやらされてるんだ……」と困惑しつつも,3つのピースをそろえて消すだけの簡単パズルには不満もなく,単純に楽しくプレイしてしまう。ピースを4つや5つと多めにつなげて消すと,縦や横のラインを一気に消せるスペシャルピースも現れる。
これまた想像しやすい爽快さのため,思わず夢中になって遊ぶ。
目標指定数のピースを消すことができると,報酬の「遺産」を獲得できる。これは「博物館」という施設に飾れるアイテムで,個々に価値が設定されており,一定時間ごとの入館料を発生させる。
つまり,Civ覇者のパズルは取って付けられたミニゲームではなく,ゴールド産出を強化するためのサイクルの一環なわけだ。
また博物館では,該当する能力を持つ偉人が手持ちにいれば,発明品や美術品などの「傑作」を製作させることもできる。
このときもマッチ3パズルにチャレンジして,傑作のなかでも“より傑作gradeの高いもの”の完成を目指すことになる。
完成した傑作は,グレードに応じて「文化ポイント」を産出する。これは勝利条件の一つ,文化勝利につながるリソースだ。
これによりCiv覇者では,強ユニットをぶつけ合って覇を唱える軍国主義な文明を尻目に,「パズルで世界制覇」が狙えるのかも?
発展していく文明に思わずにんまり
そして時代は,新世界が開ける中世へ
ゲーム序盤は「時代発展ガイド」(ミッション)で提示されるタスクを達成していき,文明を新たな「時代」へと変遷させていく。
時代が進むと「鉄を発見した人類」のように,採集できる資源,建てられる施設などが新たにアンロックされ,できることがどんどん増えていく。また,都市や建物の景観もより近代化されていく。
文明の発展の様子に,Civならではの満足感を覚えるだろう。
古代から古典時代を経て,時代が「中世」に移り変わると,このゲームには大きな変化が訪れる。
中世時代に入った直後,ナビゲーターのクロエから「出征」を促され,画面右下にあるアイコンをタップする。そこで初めて“ほかのプレイヤーたちの文明が存在するワールドマップ”に移動する。
それまでは自勢力の領地と,手の届く周辺の土地だけが自分にとっての世界だったのに,いきなり本当の世界の広さというのを見せつけられて,驚きで「おおっ!」と声を漏らしてしまう瞬間だ。人類史でも世界が大きく広がった,中世時代のあり方を表現しているのだろう。
そして,このワールドマップに出てからが,Civ覇者の本番とも言えるMMOシミュレーション体験に突入していく。
同盟を組み,勝利条件を目指す
シーズンごとの戦いへ
ワールドマップへと進出したら,いよいよ多人数のプレイヤーとの競争がスタート。原則,プレイヤー同士で同盟を組み,盤外戦のコミュニケーションも含めて,それぞれの勝利条件を目指していく。
なお「自分がインド文明で,勝者もインド文明でも,自分の勝利ではない」。文明はあくまで個々人の勢力やプレイスタイルであり,同じ文明同士でも,なにもしなければそこにつながりはない。
一つの勝利条件に特化するのであれば「インド同盟で文化勝利」などが効率的だろうが,他文明に抵抗する戦力や柔軟性が求められるのなら,同盟には各文明が入り交じることになるのかもしれない。
この点,Civ覇者が面白いと感じるのは,同ジャンルのゲームでは「文明・勢力選びはちょっとしたニュアンスの違い」で大差のないポジション取りが意識されているところ,どの文明を選ぶかで“最初からコミュニティがカテゴライズされる”という大胆な部分にある。
先行プレイでは人がいなかった都合上,大規模な競争などを体験することはできず,サービス後に「文化系のフランス同盟は,科学系のアメリカ文明の参加はお断り!」「制覇と文化が食い合ってるから,科学勝利に切り替え!」「そもそも文明差は大してない」などと。
勝利条件に応じてコミュニティの初動構築,ないし再構築が発生するほどに先鋭化されるのかどうかまで把握できなかったが,独自性のある文明選びと,さまざまな勝利条件の狙いが,実戦でいかなる駆け引きに化けるのかは想像するだけでも楽しげだ。
なお,3つの勝利条件の詳細は,下記を参照してほしい。
○制覇勝利
・制覇ポイントが100万に達すると勝利
・制覇ポイントは遺産占領戦でのみ獲得
・遺産占領戦の獲得ポイントは,制覇ポイントとして獲得
・監視タワーの占拠(毎秒あたり):6ポイント
・遺産の占拠(毎秒あたり):10ポイント
・占領戦解放後,初の遺産占領:3000ポイント
・占領戦終了時に遺産占領:10000ポイント
○科学勝利
・科学ポイントが100万に達すると勝利
・ロケット発射のたびに,科学ポイントを獲得
・探査船:80点
・宇宙船:150点
・宇宙往還機:300点
○文化勝利
・文化ポイントが100万に達すると勝利
・自然遺産の占領時間に応じて,文化ポイントを獲得
・博物館で傑作を製作すると,文化ポイントを獲得
Grade1:0ポイント
Grade2:0ポイント
Grade3:1ポイント
Grade4:2ポイント
Grade5:4ポイント
Grade6:20ポイント
・傑作のアップグレード時に,文化ポイントを獲得
Grade2:0ポイント
Grade3:1ポイント
Grade4:2ポイント
Grade5:4ポイント
Grade6:20ポイント
偉人,建物,科学,遺産。Civファンも内包する歴史ファンがときめく要素は健在で,文明を発展させる“らしさ”も残しつつ,流行のシーズン制のMMOシミュレーションへとうまく形状変化。
やはり「勝利条件が一つではない」という部分が特徴であり,MMOシミュレーションとしても珍しいはずなので,あとはそれが「実際の環境で成立するバランスなのかどうか」が成功のカギとなる。
そのうえで,自分の領地をちょこちょことアップグレードしていき,文明や科学を発展させていくスタンダードな工程はしっかりと楽しめるので,マイペースに遊びたい人にもオススメできる。
Civ覇者は,本日10月4日から事前登録の受付が行われており,それほど遠くなさそうなお目見えの雰囲気を醸し出している。
多彩な国家,文明,時代,そして大勢のプレイヤーが入り乱れる世界で,キミも勝利をつかむ指導者になれる……かも!
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