プレイレポート
[プレイレポ]新作多人数オンラインアクション「Warlander」で剣と魔法のハチャメチャバトルを楽しもう。これから始めるための基本情報をお届け
筆者は以前,国内のゲームメディア向けに行われた先行体験会に参加し,その後のβテストにも参加しているのだが,正式リリースを迎えた本作を改めて紹介したい。先行体験会の記事と共にチェックしてもらえると幸いだ。
最大100人で戦うオンラインマルチプレイアクション「Warlander」先行プレイレポート。戦士,僧侶,魔法使いが入り乱れ――“メテオ”で城をぶっ壊す
トイロジックが開発中のオンラインマルチプレイアクション「Warlander」。中世ファンタジーな世界観で最大100人のオンラインバトルが楽しめるという本作だが,2022年9月13日より開始予定のPC向けオープンβテストに先立ち,国内メディア向けの先行体験会が実施された。今回はそのプレイレポートをお届けしよう。
最大100人のお祭りバトルが繰り広げられる
本作は「バトルフィールド」シリーズのような大規模戦に,中世ファンタジー風の世界,MMOの収集・ビルド要素がミックスされたオンラインアクションである。すべてのモードで共通しているのは「自陣の城を守り,敵の城を攻める」という基本ルールであり,勝敗条件は「城の内部に存在する,“コア”と呼ばれるオブジェクトの破壊」という極めてシンプルなもの。プレイヤーは近接戦闘を得意とする「戦士」,回復などのサポートが行える「僧侶」,さまざまな魔法で攻撃を仕掛ける「魔法使い」といったキャラクターを操り,広大な戦場を駆け回る。
本作に実装されているモードは,現時点で2種類だ。
・20vs20の正面切っての戦いが行われる「2チームバトル」
・20vs20vs20vs20vs20の大規模戦が繰り広げられる「5チームバトル」
の2種類。2チームバトルはいつでもプレイ可能だが,5チームバトルは常設コンテンツではなく,特定の時間にプレイが可能となる。5チームバトルには「同盟」と「勧誘」という独自要素があるのだが,基本となるゲームプレイの流れは両モードで共通している。まずはバトル前の準備と,2チームバトルを例にマッチの流れを説明していこう。
さっそく,狂乱に満ちた戦場へ! と言いたいところだが,本作には「キャラクター」と「デッキ」と呼ばれるシステムがある。というわけで,まずはキャラクターの解説だ。
記事の冒頭でも伝えたが,本作には3つのクラスが存在する。
・近接戦闘を得意とする「戦士」
・回復などのサポートで味方を援護する「僧侶」
・さまざまな魔法で攻撃を仕掛ける「魔法使い」
戦場へ赴く前に,まずはこれらのキャラクターをクリエイトして,「デッキ」に組み込むとマッチで使用可能になる。デッキには最大5キャラクターのセットできるが,さまざまな戦況に対応できるように,基本は3クラスを最低1体ずつ入れたデッキ構成になるだろう。
そうして作成されたキャラクター達は,いわゆる「初期状態」だ。だが,ひとまずこれで出撃してみてほしい。「習うより慣れろ」だ。おそらく,右も左も分からず一方的にボコボコにされ,頭上にデカデカと“センチュリオン”や“ストームブリンガー”などと表示される「ネームド敵プレイヤー」にキルされたりもするだろうが,それは“Warlanderの理”である。
「なんで相手はあんなに強いんだ?」と疑問に思ったかもしれない。というわけで今一度,キャラクターのカスタマイズ項目を見てみよう。そこには“訓練用”などと書かれた,お世辞にも頼りがいがあるとは言えない装備,低レベルのスキルを身に着け,「俺らもこんなので戦いたいわけじゃないんだ」と言わんばかりに,画面越しにあなたをまっすぐ見つめるキャラクターの姿があるはずだ。
出来立てほやほやのキャラクター達を,頼りないニューカマーから,頼りがいのあるルーキーにするには,まずは装備を獲得する必要がある(入手方法は後述)。ただし,各キャラクターに定められたCP(カスタマイズポイント。コスト上限値)の範囲内で,装備やスキルの“やりくり”をしなければならない。強力な装備,スキルであればあるほど,コストを大きく消費する。そのため,全身最強装備ビルドで縦横無尽に暴れまわることはできないのだ。
しかし例外もある。「称号」を持つキャラクターはコストの上限値が高く,スキルや装備をもりもりに装備できるのだ。称号はキャラクターを使い込む(マッチで得られる経験値が一定値に達する,アンロックの条件を満たす)ことで得られ,名乗れる(設定できる)ようになる。称号を名乗ったキャラクターは基礎ステータスが向上するほか,コスト上限値の増加,称号ごとの特殊なバフの付与など,通常キャラクターとは一味も二味も違う,強力な存在へと変化する。
だが,称号キャラクターにはいくつかの制限があり,ただただ強力なだけの存在ではない。簡潔にポイントを上げると,
・デッキに組み込める数が限られている(すべて称号キャラクターとする編成はできない)
・マッチ中に活躍することで得られる「ヴァラーポイント」を貯めないと出撃できない(マッチ開始と同時に出撃はできない)
・撃破されてしまった場合のクールダウンが長い(称号のレベルが上がるほど時間も延びる)
というものである。どの称号キャラをデッキに組み込むか,どのタイミングで出撃させるかといった,マッチ前,マッチ中の駆け引きもある。ちなみに,プレイの初期には称号を名乗れるキャラもいないが,キャラクターをレンタルするシステムが用意されている。詳しくは後述するがキャラクターが育つまではレンタルするのも手だ。
大規模バトルを楽しめるモード群
マッチに入ると,チーム全体としての作戦を決めるフェーズに移行する。参加プレイヤーによる投票で,「攻撃」「防衛」「バランス」の中で最も多く票を稼いだ作戦が選択される。
ここからは,20人のプレイヤーが4人ずつ,計5個の小隊に分かれるのだが,その小隊が担う「攻撃」「防衛」「遊撃」のロールを選択していく。自分がやりたいロールが回って来た時に挙手をすればいい。手を挙げた人数が多いチームから決定されるため,必ず希望するロールでプレイできるとは限らないが,チームで誰か1人が挙手をすると「なら自分も」と追随してくれることが多い。
これらのフェーズが終わると,先に紹介したデッキから,プレイスタート時のキャラクターを選択することになる。戦士がいないと前線が上がらず,僧侶がいないとヒール負けして押され,魔法使いがいないと延々と離れた距離から削られるといった具合に,編成はバランスが肝心。だが,最初は体力が多い戦士で歩き回り,操作感などを掴んでみるのがオススメだ。
ここからは,小隊に与えられた任務によって,初動の動きが異なる。攻撃部隊であれば前線を押し上げるべく突撃し,防衛部隊は城付近にキャノンやボウガンといった兵器を建築,遊撃部隊は主にタワーを確保するような動きをすることが理想だ。ここで「タワー」という単語が出てきたが,非常に重要な要素なので紹介する。
タワーとは,マップ内に何か所も配置されている石造りのオブジェクトのことだ。占領したチームのスポーンポイントとなる重要な建造物であり,破壊不可能なので攻撃を防ぐ遮蔽にもなる,戦略上の要所である。制圧に複雑な要素はなく,付近にいるだけで占領が進んでいく。とくに序盤はタワーの奪い合い(と,こっそり前線をすり抜けてくる不埒者の始末)が重要だ。
城の防衛は非常に強固であり,その城門を破壊するためのパタリングラムと呼ばれる兵器もあるが,最初はあまり意識しなくてもいいだろう。味方と一緒に動き(単独行動は一瞬で袋叩きに遭う可能性が高い),敵が来たら攻撃するという流れを繰り返していれば,自然とゲームのメカニズムが分かってくるはずだ。
マッチ中盤〜終盤になると,「大魔法」と呼ばれるアイテムがフィールドにスポーンする。これはタワーと同程度に重要な要素なので,軽く解説をしておこう。
大魔法とは,巨大な竜巻を起こして一面の敵プレイヤーを空の彼方に吹き飛ばす,隕石を落として辺り一面を更地にする,中世ファンタジーの世界に巨大ロボットを召喚するなど,戦況を覆しかねないほどの威力や破壊力を持つ。
獲得するにはスポーンした大魔法に触れるだけでいい。そうすると全身が光り輝き,アァーという高音が聞こえると思う。この状態こそ,味方からは全力で守られ,敵は何がなんでも撃破しに来るという,ハーレム状態の開始を告げるWarlanderの神の祝福なのだ。
落ち着いて触れてみよう |
発光おじさん誕生 |
大魔法は獲得してから,一定時間以内に使用しなければならない。また,発動までにも時間がかかり,その間に撃破されると奪われてしまうことにも注意。敵の大規模な集団,もしくは敵の城付近で使用するのがベストだが(とくに隕石を落とすメテオ),敵に奪われるくらいなら使ったほうがいい。運よく入手ができ,さらに運よく使用ができれば,その圧倒的な破壊力に満面の笑みを浮かべることになるだろう。
そうこうしていれば,その内に決着がつくはず。何が起きているのかさっぱり分からないし,「気づいたら戦いは終わっていた」といった感じではないだろうか。味方の後ろについていったらボコボコにされたり,逆にボコボコにしたりといったこともあったと思う。これこそが大規模戦における一兵士の視点といったところか。
負けた場合は磔にされ,敵からの辱めを受けることになる。とても悔しいし,煽られるとイラつくのは間違いないのだが,同時に謎のシュールな笑いが込み上げてくるのだ。昨今のPvPゲームでは所謂“死体撃ち”が問題になることが多いが,ユーモアでこれに挑もうとする姿勢は素晴らしいと感じる。
自分好みのキャラクターを作り出すために
先に「キャラクターごとの装備やスキル」について触れたが,これらのアイテムは基本的に,マッチ後にランダムでドロップする。何を入手するかは完全に運であり,高レアリティのものが落ちることもあるが,その逆もしかりだ。
本作には,ゲームプレイによって得られる「シルヴィン」,ゲーム内課金によって入手できる「ゴルヴィン」という2種の通貨が存在する。前者は主に装備やスキルの購入,後者はコスメティックアイテムやデッキの拡張など,利便性向上のアイテムなどに用いられる。
ロードアウト項目で販売されているのは,装備やスキルの単体売りだ。狙ったアイテムを獲得できるが,高レベルアイテムはかなり高額となっている。この購入で使用できるのはシルヴィンのみであり,ゲーム全体を通じて“課金で強化スピードや利便性を上げることはできるが,直接的なPay-to-Winにはしない”という本作の方向性がうかがえる。
「アイテムドロップ率の向上」「レアアイテムのドロップ率向上」「獲得経験値の向上」といったアイテムは双方の通貨で購入が可能であり,また,キャラクターを育成していない段階でも,高レベルの称号をつけたキャラクターを一時的に使用可能になる「契約書」は,シルヴィンで購入できる。
リリースからあまり時間が経っていないということもあり,現在はそこまでプレイヤーレベル(プレイヤースキル,アイテムともに)に開きはない。一部のゲームバランスに不満を覚えることもあるが,リリース直後のワチャワチャしている環境だと考えれば,それも時間が解決するものだと思う。
だが,正直に言うと,「このままサービスが続き,既存のプレイヤーと新規プレイヤーの差が開きすぎる環境」(Time to Win)については懸念がないわけではない。アイテムの入手はロードアウト購入を除き,良くも悪くも本当に運だ。筆者はアイテムブーストを併用しつつ,かなりプレイしたが,未だに満足できるロードアウトを構成できたとは言い難い。とくに差が出てしまうのが高レベルの称号キャラクターである。豊富なコスト上限値を生かせず,「ただ称号を名乗っただけ」のような状況に陥ってしまうのは序盤にありがちだろう。
また,これは2チームバトル,5チームバトル双方に言えることだが,「勝利を目指すと一気にシビアな動きが求められる」のは好き嫌いが出る部分だ。明確な指揮系統があるパーティにまとまって動かれると,ソロプレイヤー同士で立ち向かっても太刀打ちは困難である。現状では「気楽にドンチャンしたいプレイヤー」と「勝利を目指すプレイヤー」の棲み分けがされておらず,その影響もあるだろうが,一方的な試合展開になることも多い。勝利だけを意識するのではなく,雰囲気やアクション,収集要素も含めて,気長に楽しむくらいの心構えでプレイするのが良さそうだ。
いくつかの不満点も述べたが,筆者としては気軽に“ワチャワチャ感”を楽しめる期待の新作アクションという認識である。本作は基本プレイ無料であり,PCの要求スペックもそこまで高くはない。少しでも気になれば,気楽にプレイしてもらいたい。
「Warlander」Steamストアページ
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