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[台北2023]「ライザのアトリエ3」は,これまでのシリーズの面白さから一歩進めた自信作。発売直前の心境を細井P&トリダモノ氏に聞いた
本作は,2019年の「ライザのアトリエ 〜常闇の女王と秘密の隠れ家〜」から始まる「秘密」シリーズの3作目にして,ライザの物語の最終章となるタイトルだ。前作「ライザのアトリエ2 〜失われた伝承と秘密の妖精〜」の1年後,謎の群島の出現をきっかけに,4つの地方を舞台とした新たな冒険が描かれる。シームレスにつながった広大なフィールドの導入で探索が強化され,プレイアブルキャラクターも11人用意されるなど,ゲーム部分のボリュームにも期待できそうなタイトルだ。
今回の試遊版は,東京ゲームショウと基本は同じものだったので,見られた部分はおおよそ,「こちら」の記事と変わらない。美しい群島で15分間,好きなように冒険してね,といった感じで,探索も戦闘も錬金術も楽しめるが,すべて試すにはまったく時間が足りなかった。
今回の体験の最大のポイントは,東京ゲームショウ版がおなじみの面々+ボオスの5人だったのに対して,プレイアブルキャラクター11人が勢ぞろいしていたことだ。再登場のリラやアンペルはもちろん,新キャラクターたちも全員使え,自由にパーティを編成しての戦闘が体験できた。
[TGS2022]「ライザのアトリエ3」プレイレポート。ブースには等身大ライザ3体が勢ぞろいで,太もも圧がヤバイ
TGS 2022のコーエーテクモゲームスブースに出展されている「ライザのアトリエ3 〜終わりの錬金術士と秘密の鍵〜」のプレイレポートをお届けする。ブースには,「秘密」シリーズ3作の等身大ライザが勢ぞろいしており,見た目のインパクトもすごい。太もも,太もも,そして太ももだ。
台北ゲームショウ2023では,本作のプロデューサーである細井順三氏と,キャラクターデザインのトリダモノ氏も現地を訪れていた。発売直前を迎えた現在の心境などを聞いてみた。
4Gamer:
台北ゲームショウに来ての感想はいかがでしょう。
細井順三氏(以下,細井氏):
スマホタイトルが多く感じます。コンシューマの出展が多いコーエーテクモゲームスが特殊な立ち位置に見えるぐらい,東京ゲームショウの文化とはまったく違いますね。
4Gamer:
トリダモノさんは,海外にはよく来られるんですか。
トリダモノ氏:
いえ,今回が初めてです。
4Gamer:
今回はどういう経緯でトリダモノさんも参加することになったのでしょう。
細井氏:
以前,岸田メルさんと「BLUE REFLECTION 幻に舞う少女の剣」で台湾に来たことがあったのですが,非常にユーザーさんの評判が良かったんです。イラストレーターさんと直接コミュニケーションを取れる場を喜んでもらえるんだなと,強く印象に残っていたので,今回は「ライザ3」を出展すると決まってから,トリダモノさんにお声がけしました。
そこでイラストレーターを押し出すのが,ガストブランドらしい展開ですね。
今回,会場に出展している試遊版は,プレイアブルキャラクターが全員そろったものになっています。改めて並ぶと,キャラクターが多くて壮観ですし,トリダモノさんはよくデザインされたなと思います。
細井氏:
はい,今回はそこを体験してほしかったんです。ライザたちの「最後の冒険」として,キャラクターの多さ,誰を使うか選択する面白さを楽しめるのが本作の特徴なので。
今回の戦闘は,アクションゲームっぽい感覚を目指して作りましたから,キャラクターごとに攻撃の仕方やボタンを押している感覚が変わってくるというのが,試遊でも伝わるのではないでしょうか。
トリダモノ氏:
早く試遊台触りたいですよ。実は,全員がゲーム画面で揃っているのを,まだ直接見ていないんです。
4Gamer:
え,トリダモノさんもまだプレイできていないんですか?
トリダモノ氏:
なかなか遊ばせてくれないんですよ(笑)。ずいぶん前に,色味の調整をするために触ったきりで,そのときは今のようにキャラクターが並ぶシーンではありませんでしたし。
東京ゲームショウのときも,試遊する時間がなくて……。
4Gamer:
それはやらせてあげてください(笑)。発売も来月に迫っていますから,製品版も楽しみですね。
細井氏:
おそらく,世界で一番発売を楽しみにしているのは,トリダモノさんだと思います(笑)。
4Gamer:
試遊していて思ったのですが,あれだけキャラクターがいると,イベントシーンの会話などで全員を出すのは大変なのでは。
細井氏:
そこは高橋さん(シナリオ担当の高橋弥七郎氏)がうまいんです。間の持たせ方や演出が絶妙で,それぞれにちゃんと個性が出ています。ここは体験していただかないと分かりにくいところですけど,1人1人をケアしてもらいました。
4Gamer:
本作は少しずつキャラクターが公開されていきましたが,全員が明らかになっての反響はいかがでしたか。
トリダモノ氏:
一番はボオスですね。すごく人気があって,プレイアブルになったのが嬉しいという声をたくさんいただきました。
細井氏:
あとはリラとアンペルの再登場は反響が大きかったです。
今回は3作目ということで,どうしても新キャラクターよりおなじみのキャラクターのほうが注目される傾向があるのですが,実はそれを見越して,「アズールレーン」さんとのコラボでカラを先行で出させてもらいました。そちらで可愛いとの反応をいただけたので,やってよかったですね。
4Gamer:
アズールレーンとのコラボは驚きました。この着せ替えイラストの表現,セーフなんだって。
トリダモノ氏:
表現の幅が広がって「いいね!」って思っていました。
細井氏:
コラボでのスピンオフだからこそ,ああしたライザ達が展開できました。
コラボさせてもらって,これから3部作が完結すると,ライザは独り立ちしていくのだろうな,私の手からもトリダモノさんの手からも離れていくのだろうなと感じています。トリダモノさん以外の方が描く機会も増えていくのかなと。
トリダモノ氏:
そうかもしれませんね。
4Gamer:
生みの親としては,どういう気分なんですか?
トリダモノ氏:
うーん,複雑です。確かに生みの親ですから,広がって受け入れられるのは嬉しいですけど,一方で,上手な方が描いていると自分は必要なのかと思ってしまうときがあるんです。自分の手から離れていくのが,寂しい気持ちもありますし。
細井氏:
同時に,クリエイターとしてライザから離れないと,という気持ちもあるんじゃないですか。
トリダモノ氏:
それもありますね。同じキャラクターを描き続けるわけにもいきませんから。ライザが親離れするだけでなく,自分も独り立ちしないといけないんでしょうね。
4Gamer:
ライザ自体は,トリダモノさんの“好き”から出てきたキャラクターだと思うのですが,感覚としては“うちの子”に近いものがあるんでしょうか。それとも,そこはあくまでお仕事なんですか。
トリダモノ氏:
半々ですね。苦労して好みがようやく出せたという思い入れはありつつ,「アトリエ」という作品に合わせたキャラクターですから。だからこそ,感情としては複雑なんですけど。
4Gamer:
そんなライザの冒険も,いよいよ来月最終章を迎えますが,発売に向けての心境はいかがでしょうか。
トリダモノ氏:
もう早くゲームしたいですよ。そして泣きたい。
4Gamer:
泣くのは確定なんですね(笑)。
細井氏:
私は,トリダモノさんと4年間走り続けて,ここまでやりきったなという感覚です。私がプロデューサーとして,1から新シリーズを立ち上げた「アトリエ」は,「秘密」シリーズが始めてでしたし,なにより自分自身の進退をかけ,背水の陣で挑んだ作品でもあります。それが,ここまで皆さんに知ってもらえるタイトルになったと考えると,感慨深いです。
4Gamer:
こうして,海外に出せるタイトルになったわけですし。
細井氏:
ここまで広がったんだと,台北に来て実感しているところです。応援してくださったユーザーの皆さんはもちろん,トリダモノさんにも,開発スタッフや広報チーム全員にも,本当に感謝しています。自分で言うのもなんですけど,面白い作品に仕上がったと思いますよ。
4Gamer:
自信ありますね。
細井氏:
テストプレイしていて,手ごたえがありますから。単純に面白いだけでなく,今までの「アトリエ」シリーズとはちょっと違うなと感じられると思います。昨年発売した「ソフィーのアトリエ2 〜不思議な夢の錬金術士〜」は,おかげさまで非常に高い評価をいただきました。ただ,あくまで「不思議」シリーズの延長にある作りなので,既存の「アトリエ」シリーズとしての最高傑作なんです。「ライザ3」は,そこからもう一歩押し進めたチャレンジをして,それがうまくいったと思っていますから,ぜひ新しい体験を楽しんでいただきたいです。
4Gamer:
発売を楽しみにしています。
「ライザのアトリエ3 〜終わりの錬金術士と秘密の鍵〜」公式サイト
「台北ゲームショウ2023」公式サイト
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