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[TGS2022]26年ぶりに復活する「キャノンダンサー」をTGS会場で発見。ブラウン管の再現にこだわった画面メニューは一見の価値アリ?
「キャノンダンサー」公式サイト
「キャノンダンサー」は,元は1996年にアトラスからリリースされたアーケードゲームだ。四井浩一氏をはじめ,カプコンの「ストライダー飛竜」を開発したスタッフが携わっており,ゲームシステムや演出の雰囲気には共通する部分が見え隠れする。
そんな「キャノンダンサー」を,United Games Entertainmentのゲームブランド・ININ GamesがPS4とSwitchへと移植し,2023年第一四半期にリリースすると発表したのがつい先日,9月8日のこと。なお8月末にはKONAMIのTGS 2022特設ページに概要が公開された経緯があり,コアなゲーマー達に衝撃を与える一幕もあったくらいだ。
Switch/PS4向け「キャノンダンサー」を2023年第1四半期にリリースするとININ Gamesが正式発表。1996年登場のアーケードゲームが復活
ININ Gamesはドイツ現地時間の2022年9月8日,1996年にリリースされたアーケード向けアクションゲーム「キャノンダンサー」を,SwitchとPS4に向けて2023年第1四半期にリリースすると正式に発表した。通常版に加え,ソフトと共にグッズを同梱したスペシャルエディションも用意するそうだ。
「ストライダー飛竜」と比較すると難度は若干高めで,飛竜が持つスタイリッシュさの代わりに,本作の主人公である麒麟は無骨さが強く押し出されているため,ファーストインプレッションとしては見劣りする印象は否めない。
ただ極めて個性が強くてハイクオリティなアートワークやゲームデザインには,一度口すれば忘れられないような後味があり,強烈なプレイ感を残すもとなっている。“カルト的人気のゲーム”は数あれど,ここまで“カルト的”なゲームもそうそうないのではなかろうか。
ゲーム本編はアーケード版のベタ移植なので,システムメニュー周りを見ていこう。2021年に「時計じかけのアクワリオ」(PS4 / Switch)が発売されたときも一部で話題になったが,ININ Games発売の旧作移植タイトルは画面設定の様子がちょっとおかしい。
16:9と4:3で画面比率を切り替えられるのは当然として,ブラウン管の歪み具合や,画面端の丸まり具合などまで,かなり細かく設定できるのだ。トリニトロンのような高精細なブラウン管から,表示面の丸みが強い古めのブラウン管まで,プレイヤーの好みにあわせてセッティング可能というわけだ。
さて,本作でちょっと気になったのは,権利関係がどうなっているのかという点だ。ミッチェルは2012年にゲーム開発事業を休止しており,以前に調べたところオフィスだったビルからも退去していているようなのだ。KONAMIのTGS 2022特設ページの権利表記も,United Games Entertainment(ININ Gamesの親会社)しか記述されていない。
その点をブーススタッフに聞いてみると,返答は「ミッチェルから許諾を得て開発している」というものだった。先述の状況から筆者は「ミッチェルは解散しており,United Games Entertainmentが権利を購入した」と考えていたのだが,少なくとも「権利保有者からライセンスアウトできる」状況にはあるようだ。
ミッチェルのタイトルには「パズループ」や「ポンピングワールド」といったシンプルかつキャッチーで好評を博したものから,「銃武者羅」や「チャタンヤラクーシャンク」といったコアなもの,そして早すぎた三国志武将の美少女化ゲーム「雀牌パズル 長江」や,方向性がニッチすぎる麻雀ゲーム「ミラージュ 妖獣麻雀伝」など何と言ったらいいのかよく分からないものまで,今一度遊んでみたいタイトルがいろいろと存在する。
「キャノンダンサー」をきっかけに,それらに再びフォーカスが当たると嬉しいのだが,どうなるだろうか。
「キャノンダンサー」公式サイト
- 関連タイトル:
キャノンダンサー ―OSMAN―
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キャノンダンサー ―OSMAN―
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