プレイレポート
[TGS2022]「鳥類弁護士の事件簿」試遊レポート。隼の弁護士が1848年のパリで難事件に挑む,皮肉の効いた設定や会話が特徴の法廷ADV
本作はイギリスのSketchy Logic GamesとポルトガルのVertical Reachが開発したアドベンチャーゲームだ。“鳥類弁護士”とあるとおり,物語の主人公は鳥(隼)の弁護士。これまた動物の依頼人を無実の罪から救うため,事件を調査し法廷バトルに挑むという作品となっている。
2015年12月にオリジナルとなるAviary Attorneyがリリースされてからおよそ7年。ついに日本語版が2022年内に,Switch向けにリリースされる本作を試遊してきてきたので,ここで紹介しよう。
ゲームの舞台は,1848年のフランス・パリ。史実ではヨーロッパ各地で革命が起き,歴史が大きく動いた年だ。「鳥類弁護士の事件簿」の世界のパリには,犬にウサギ,カバ,キリンそして鳥といった,いろいろな動物たちが生活している。
主人公はジェイジェイ・ファルコン。機知に富む助手のスパロウソンとの二人三脚でさまざまな依頼を引き受ける隼の弁護士だ。
試遊版では,カエルのギャエル氏が殺害され,殺人(殺蛙?)の嫌疑をかけられた猫のフェリシエンヌの無実を晴らすべく,証拠を集めて裁判に挑むというストーリーが展開した。
ゲーム進行はオーソドックスなものとなっている。証拠集めのパートは,裁判の日までに関連する場所に行って怪しい場所をポイント&クリックで調査したり,関係者や事件の目撃者などに話を聞いたりするもの。法廷のパートでは,証拠集めで入手した情報を,「異議あり!」といった感じで正しく,タイミングよく提出して勝利を導いていく。そうして“法廷バトル”を進めていくうち,事件の真相が見えてくるというのもおなじみの感覚がある。
見どころなのが,動物たちの人間のような会話と振る舞い。軽妙洒脱でときに辛辣な言葉も飛び出したりで,人間の行いをそのまま動物たちで描いているような,社会風刺や皮肉,「鳥獣戯画」的なおかしみなどを感じられるものがあって癖になるのだ。日本的な駄洒落も交えつつとても丁寧に翻訳されており,海外のクラシックな推理小説や探偵ドラマを楽しんでいるような感覚がある。
そして,アートスタイルと音楽。イラストは19世紀のフランスの風刺画家J・J・グランヴィルの作品をベースにしており,音楽は「動物の謝肉祭」などで知られる,フランス生まれのロマン派を代表する作曲家カミーユ・サン=サーンスのもの。このあたりでも,クラシックな映画やドラマのような独特な雰囲気が生まれていると感じる。
「鳥類弁護士の事件簿」のSwitch向け日本語版は,2022年内にレオフルからリリースされる予定だ。どんな雰囲気のアートや音楽なのか気になるは8月に公開されたティザー映像をチェックしてみるといいだろう。
「鳥類弁護士の事件簿」公式サイト
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