プレイレポート
[プレイレポ]「Meet Your Maker」は,基地建築と襲撃を同時に楽しめるビルド&レイドゲーム。襲撃者を罠で”おもてなし”しよう
誰かが作った罠でつながる,ビルド&レイドゲーム
「Meet Your Maker」は,“ビルド&レイドゲーム”を謳ったタイトルで,ほかのプレイヤーが構築した基地を襲撃(レイド)して資源を集め,自分の基地を構築(ビルド)していく。
本作の舞台は,謎の疫病で文明が崩壊した近未来世界だ。人々は各地の「聖域」に隠れ住み,それぞれの中心には疫病の免疫を開発するための実験体「キメラ」が鎮座している。免疫を開発するには,死者たちから無傷の遺伝子「純遺伝物質」を抽出しなければならない。
そして,各地のキメラたちは自分こそが救世主になるという野望を抱いており,ライバルであるほかのキメラが集めた純遺伝物質を奪うべく,手下のクローン「管理人」でお互いを襲撃している。プレイヤーは管理人となり,無限に死と再生を繰り返しつつ,己が造物主たるキメラに拝謁(Meet Your Maker)し,奪った純遺伝物質を捧げていくことになる。
まずはほかのプレイヤーが作った基地(アウトポスト)を襲撃するFPS,“ビルド&レイドゲーム”の「レイド」の部分を見ていこう。アウトポストの奥には目標となる「ジェンマット(純遺伝物質)」があり,これを奪って脱出するのが目的だ。しかしジェンマットは,近づくと発動する「罠」や,射撃や近接攻撃で襲いかかってくる「番兵」など,守られている。されにプレイヤーである管理人の体力は低く,一撃食らうと死んでしまい,最初からやり直しとなる。
基地は,ほかのプレイヤーが「ビルド」した罠が満載で,侵入者を撃退するために工夫が凝らされている。何もない通路だと思ったら曲がり角の向こうにさりげなく「串刺し器」が配置されていたり,番兵から逃げ込んだ先の地面が落とし穴になっていたり,床にある見え見えの罠を破壊しに行ったらこれが囮で,天井に配された「ボルトショット」の矢を食らったり……と,もう気持ち良いくらいに死ぬ。
なんとかジェンマットを奪取しても「第2波」の罠や番兵が姿を現すため,油断はできない。道中にはチェックポイントなんてものはなく,1回のアウトポスト攻略に何度もやられることもしばしばだ。
もちろん一定のルールは存在しており,罠や番兵から攻撃された際はインジケーターで大まかな方向が分かる。照準が赤くなったら罠が近くにある印だし,罠を破壊した場所に新たな罠が出現することはない。これらを踏まえて,ゲームに慣れていけば初見でもある程度スムーズに進めることは可能だ。
また,罠や番兵を破壊すれば経験値に加え,装備や罠を開発するのに必要な資源が手に入るし,アウトポストの攻略を断念しても資源は失われないため,やられまくっても収支はなんだかんだでプラスになることがほとんどだ。
プレイヤーは弾数制限付きの銃と無限に使える近接武器,手榴弾や移動速度アップの使い捨て特殊装備「テクノギア」,地形に打ち込んで身体を引き上げるグラップリングフックに2段ジャンプの能力を持っている。特に面白いのがグラップリングフックで,落とし穴に落ちた際の脱出や天井に身体を引き上げて周囲を見回すなど,さまざま使い道がある。
銃は遠距離から罠や番兵を処理できるが,弾薬が非常に少ない。例えば初期装備の「ボルトランサー」の弾はわずか2発しかないが,弾は撃った後に回収することができる。逆に言えば,弾を回収しないと銃は使えないということ。罠を破壊した弾が別の罠の近くに落ちることもあるし,なんとかジェンマットのところへたどり着けたはいいが,弾の回収を怠っていたので近接武器に頼らざるを得ない……といったことも。
アウトポストごとに作り手の個性が出ているのも面白いポイントだ。番兵によるバトルが中心のものや,あちこちに罠が張り巡らされたもの,複雑な迷路が用意されたものなどさまざまだ。
緊張が緩んだ瞬間に一撃されたり,巧妙な視線誘導で罠にはめられたりといった体験により,作り手と対決しているような気分にさせられる。攻略後は「面白い」「残忍」「巧妙」「芸術的」といった項目からアウトポストを評価でき,間接的なコミュニケーションができるのも面白い。今回体験できたのはオープンβテスト前の段階だったが,今後プレイヤーそれぞれがアウトポストを作っていくことで,バリエーションはより豊かになっていくはずだ。
アウトポストを攻略できれば,入手したジェンマットで拠点にいる「助言者」たちをレベルアップできる。助言者たちは,プレイヤーが着る「スーツ」や武器,罠や番兵の開発や特殊なブーストを行え,レベルアップすればブーストの効果もアップする。例えば「スーツの助言者」のブーストは,これから襲撃するアウトポストの罠や番兵の数が分かるというもの。低レベルだと大まかな数しか表示されないが,レベルアップすると正確な数が判明する。
また,アウトポストから手に入る資源を使えば,新たなスーツや装備を開発できる。スーツはそれぞれ特殊能力を持っており,「アイアンサイド」なら弾薬の回収範囲が広がり,「鎌イタチ」は罠や番兵の破壊後にスピードアップするなど,戦闘スタイルに大きな影響を及ぼす。装備の中には攻撃を防ぐ「アークバリア」や装弾数が6発もある「ファルコンプラズマボウ」といったものもあり,開発を進めていくことで襲撃も楽になっていくだろう。
“おもてなしの心”で自分の基地を構築する
ここからはアウトポストを建築する「ビルド」の部分について紹介しよう。アウトポストは作って「稼働」させておけば,時間経過とともに助言者をレベルアップさせるためのジェンマットが収集できる。
また,襲撃してきたほかのプレイヤーを罠や番兵が倒せば,開発に使える各種資源をゲットできるなど,メリットは大きい。基本的に,自分のアウトポストを攻略されてもデメリットは存在しないので,気軽にアウトポストを作ってみよう。
アウトポスト用の「墓地遺跡」(土地のようなもの)を買うのには資源が必要になるが,罠や番兵をいくら配置してもコストはかからない。基地は稼働停止させれば襲撃されないし,フレンドのみに公開することもできる。
さらに,アウトポストを「過活動」に設定すれば,他のプレイヤーを倒した際に得られるジェンマットが倍になる代わりに,ジェンマットを盗まれた際に自分の報酬が減るというハイリスクハイリターンな設定も楽しめる。他者との関わり方を選択できるのは嬉しいところだ。
アウトポストの建築は,それぞれに設定された「キャパ」の範囲内で地形や罠のブロック,そして番兵を配置していく形だ。建築の自由度は高く,工夫すれば複雑な迷路や罠だらけの通路,番兵で一杯の戦場など,いろいろなアウトポストを作れるはずだ。
「建築なんて,どうすればいいか分からない」という人もいるかもしれないが,そんなときは,ほかのアウトポストを襲撃し,建築の参考にしてみよう。囮の罠で視線を誘導して本命の罠を決めるような配置をしたり,ブロックを配置して迷路を作ったり,死角になる曲がり角に番兵を置いたりと,自分がやられて困ったような配置をすればいいわけだ。作りながらのテストもできるため,試行錯誤して良いアウトポストを作っていこう。
ただ自由に作れるとなると,「わざと攻略不可能なものを作って公開する人もいるのでは?」と思うかもしれない。しかし,これは対策されており「出口からジェンマットまでが通行可能になっている」「最低限の防備が施されている」という条件を満たしていないとアウトポストは稼働できない。ジェンマットの周りを突破不可能のブロックで囲ったり,逆に無防備なアウトポストを作ったりといった行為には何の得もないようにされているのだ。
さらに面白いのが,自分のアウトポストにやってきたほかのプレイヤーが襲撃してきた様子をリプレイで見られる点だ。想定した通りに引っかかってくれると嬉しくなるし,評価を貰えると励みになると同時に「折角自分のアウトポストを選んでくれる人に,もっと面白い体験をしてもらいたい」という“おもてなし”の心と改築へのモチベーションがわき上がってくる。
高い評価を受けられればアウトポストの「プレステージレベル」が上昇。建設キャパが増えてさらに凝った建築ができる。アウトポストが集められるジェンマットは24時間で枯渇するが,資源を使って補充すればまた稼働させられるので,よりよいアウトポストを目指したいところだ。
自作のアウトポストを介し,プレイヤー同士がユルくつながりあえる体験ができる本作。アウトポストの質がゲーム体験と深く関わってくるため,プレイ感のすべては正式発売後にならないと分からない部分はある。しかしFPSや建築系のゲームが好きな人であれば,トライアルアンドエラーの建築と襲撃にハマるはず。既にオープンβテストはスタートしているので,興味がある人は2023年4月4日の発売日に先駆けて本作が提唱する“ビルド&レイド”を体験してみよう。
「Meet Your Maker」公式サイト
- 関連タイトル:
Meet Your Maker
- 関連タイトル:
Meet Your Maker
- 関連タイトル:
Meet Your Maker
- 関連タイトル:
Meet Your Maker
- 関連タイトル:
Meet Your Maker
- この記事のURL:
キーワード
(C)2021-2023 and BEHAVIOUR, MEET YOUR MAKER and other related trademarks and logos belong to Behaviour Interactive Inc. All rights reserved.