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「クトゥルフ神話TRPG」のルールアプリもいち早く体験できた「ゲームマーケット2022秋」。定番から新作までが揃ったTRPG関連ブースを紹介
本稿では,そんなテーブルトークRPG関連の企業ブースをいくつか紹介していく。なお,今回のゲームマーケットに合わせて発表が行われた,ホビージャパンの「ひとつの指輪 指輪物語ロールプレイングゲーム」「サイバーパンクRED データパック&スクリーン・セット」については,別途記事を掲載しているので,そちらを参照してほしい。
「ひとつの指輪 指輪物語ロールプレイングゲーム」,HJより2023年内に発売決定。「サイバーパンクRED」のサプリメントも12月発売へ
ホビージャパンは本日(2022年10月29日),テーブルトークRPGに関連した2つ新製品「ひとつの指輪 指輪物語ロールプレイングゲーム」(原題:The One Ring -Roleplaying in the World of The Lord of the Rings)と「サイバーパンクRED データパック&スクリーン・セット」を,それぞれ2023年内と2022年12月下旬に発売すると発表した。
「ゲームマーケット」公式サイト
Wizards of the Coast「ダンジョンズ&ドラゴンズ」
ホビージャパンからWizards of the Coastに発売元が移動となり,間もなくリブートがスタートする「ダンジョンズ&ドラゴンズ 第5版」のブースでは,ごく短時間で試遊が行える体験卓が用意され,来場者の注目を集めていた。
内容はあらかじめ用意された5名のキャラクターを使い,モンスターの住処に侵入する一幕をプレイするという10分ほどのセッションだったが,探索と交渉,そして戦闘といった本作のエッセンスが詰め込まれており,イベントでの試遊としては文句のないものだった。
また,試遊の参加者にはトートバッグやクリアファイルなどノベルティがプレゼントされることもあって,ブースには常時,体験会参加者の列ができるほどの盛況ぶりだったようだ。
ブースの担当者に話を聞いてみたところ,Wizards of the Coastによる試遊ブースの出展は,7月30日に行われた「マジック:ザ・ギャザリング」のイベント「コマンドフェスト・大阪2022」に続き2回目とのことで,今後もさまざまなイベントへの出展を予定しているという。詳細は公式Twitterなどで順次告知が行われるようなので,今回参加できなかった人はチェックしておこう。
なお,リブートによって生まれ変わった新日本語版の各製品は,12月16日の発売が予定されている。うち「スターター・セット」と「デラックス・プレイ・ボックス」は,これまで未訳であった製品なので,既存のファンもお見逃しなく。とくに「スターター・セット」は,北米でも10月に発売されたばかりの新製品なので期待したい。
「ダンジョンズ&ドラゴンズ 第5版」シリーズ商品が12月16日発売へ。入手困難だったソースブック“ザナサーの百科全書”もラインナップ
Wizards of the Coastは2022年9月13日,テーブルトークRPG「ダンジョンズ&ドラゴンズ 第5版」のシリーズ商品を,12月16日にリリースすると発表した。ラインナップには「スターター・セット」と,コア・ルールブック3冊に加え,ソースブック「ザナサーの百科全書」,新商品「デラックス・プレイ・ボックス」も含まれる。
「ダンジョンズ&ドラゴンズ」公式サイト
KADOKAWA「クトゥルフ神話TRPG ルールブックPLUS」
マーダーミステリーの記事でも「MYSTERY&ADVENTURE BOX」を紹介したKADOKAWAブースだが,日本国内では最大の人気を誇るテーブルトークRPG「クトゥルフ神話TRPG」もまた,同ブースの目玉となっていた。
今回出展されていたのは,先日発表されたiOS用アプリ「クトゥルフ神話TRPG ルールブックPLUS」だ。
コロナ禍の影響を受けてか,近年急速なデジタルシフトが進んでいるテーブルトークRPGジャンルだが,ルールブックのデジタル化については,諸外国に比べて遅れている現状がある。PDF版の販売なども一部ではスタートしているものの,プレイ人口の多い同作のデジタル化は,多くの人が望んでいた取り組みだろう。
ルールブックアプリ「クトゥルフ神話TRPG ルールブックPLUS」,特設サイトをオープン。課金システムや収録コンテンツ情報を公開
KADOKAWAは2022年10月6日,テーブルトークRPG「クトゥルフ神話TRPG」のルールブックアプリ「クトゥルフ神話TRPG ルールブックPLUS」の特設サイトを公開し,アプリの機能や課金システムなどを公開した。ダウンロードは無料で,課金システムは月額方式となっている。
今のところリリース日が明らかとなっていない同アプリだが,会場では実機が展示されており,来場者はいち早くこれを体験できた。
筆者も実際にアプリを触ってみたところ,とくに検索機能が充実しているように感じられた。複数のルールブックを横断的に検索できるほか,タブブラウザ形式で複数のページが開けるのも,ポイントが高い。ブックマーク機能やメモ機能,マーカー機能などもあって,かなり便利に使えそうである。気になる点といえばテキストのコピーができないところだが……権利などを考えると難しいところかもしれない。とはいえ実際の運用を考えると不便であることには違いないので,何かうまい方法を見つけ出してほしいところだ。
なお,現時点で収録が決定しているルールブックおよびソースブックは,無料のクイックスタート・ルールと,いわゆる6版にあたる旧「クトゥルフ神話TRPG」「クトゥルフ2010」を含む全6冊だが,今後のアップデートでこれ以外も追加を考えているという。
また,現時点ではiOS版のみのリリース予定だが,Android版の提供も考えているとのこと。担当者の話によれば,今回のゲームマーケットでAndroid版を求める声が大きいのを感じたそうなので,続報に期待したい。
「クトゥルフ神話TRPG ルールブックPLUS」特設サイト
冒険企画局「青春バンドTRPG ストラトシャウト」
「迷宮キングダム」や「サイコロ・フィクション」シリーズなどで知られる冒険企画局のブースでは,同社が2019年から展開している「青春バンドTRPG ストラトシャウト」(以下,ストラトシャウト)と,文学的青春パンクバンド・太田家とのコラボレーションを発表。同作のための書き下ろし楽曲「君と世界制服」の歌詞カード配布が行われていた。こちらは今のところ歌詞のみとのことだが,今後音源としてリリースされる可能性があるという。
「青春バンドTRPG ストラトシャウト」は,先にも紹介した汎用システム「サイコロ・フィクション」を用い,冒険企画局の古町みゆき氏がゲームデザインを担当したタイトルだ。ジャンルとしては現代が舞台の学園ものだが,最大の特徴は既存のJ-POP楽曲などの歌詞をそのままシナリオとして使用する「歌詞シート」ルールにあり,クライマックスではその歌詞を歌いあげながらのライブ……という名のバトルシーンが展開される。
一方,太田家は声優で歌手の太田彩華さんを中心としたパンクバンドだ。太田彩華さん自身がボーカルとベースを担当し,これまで3枚のアルバムをリリースするなど精力的に活動を行っている。
そんな両者がコラボしたのは,「ココフォリア」をはじめとしたオンラインセッションツールの普及により,BGMを活用したプレイスタイルが一般化したことを受け,冒険企画局としてもそれを支援したい考えがあったとのこと。また太田家側としても,テーブルトークRPGをはじめとしたアナログゲームと音楽の関係に,可能性を感じていたことが背景にあったという。
ブースに応援に駆けつけていた太田彩華さんは,「日常のBGMになるような,人生の主題歌のような楽曲を,日々歌いたいと思ってます。ストラトシャウトのようなゲームを通じて,皆さんの日常に溶け込めたら嬉しいです」と話していたので,今後の展開にも期待しておこう。
「青春バンドTRPG ストラトシャウト」公式ページ
- 関連タイトル:
クトゥルフ神話TRPG ルールブックPLUS
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新クトゥルフ神話TRPG
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クトゥルフ神話TRPG
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ダンジョンズ&ドラゴンズ 第5版
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