プレイレポート
[プレイレポ]ゾンビだらけの世界で,ゾンビと一緒にサバイバル生活。「Welcome to ParadiZe」は敵も味方もゾンビ一色でクセが強い!
「文明が崩壊した終末世界を舞台に,ゾンビの脅威から生き抜く」と聞けば,わりとよくあるゲームかもしれないが,本作は「ゾンビを味方にして,さらには労働力としても使いながらゾンビに立ち向かう」という,一味違うゾンビ三昧のサバイバル生活を送れる。
本稿では,筆者の初回プレイを綴っていく形式のプレイレポートをお送りしたい。
3gooの「Welcome to ParadiZe」公式サイト
ようこそ,ParadiZeへ。ゾンビは仲間だ,労働力だ!
ゲームを開始すると,まずは12種類の中から主人公の外見を決定し,続けてテレビコマーシャルのような映像が流れる。詳しい説明はないが,すでに世界は大量のゾンビによって崩壊しており,生き残った少数の人間がサバイバル生活を送っている状況のようだ。映像によると,「ParadiZe」ではゾンビに怯えることなく,安全が保証された生活を送れるという触れ込み。主人公はそんな生活を夢見て国を横断し,ついにParadiZeに到着した……というのが導入部だ。
ParadiZeの管理人らしき男に話しかけると,ここでの居住許可を得るには「ゾンボット」が必要らしい。ゾンボットとは,特殊なヘルメットを装着させたゾンビのことで,ボディーガード的な役割を果たす。ParadiZeが保証する「安心安全な生活」とは,ゾンビからの脅威をゾンビで防ぐことで成り立っているというわけだ。
管理人はゾンボットをボブという男からもらったらしく,「会いに行け」と言われる。マップで位置を確認し,いざボブ探しの旅へ。
すると,「インタラクト」の表示が出るオブジェクトを発見。調べてみると,冒頭のコマーシャルのような,ゾンボットの解説映像が流れる。こうした映像が各地に残されていて,これ自体がチュートリアルの役割を果たしている。一度観た映像は「動画アーカイブ」として記録されるので,いつでも確認が可能だ。
マップを頼りに森の中を走り回っていると,防壁に囲まれた場所を発見。ようやくボブを見つけて話すと,「ハッキングヘルメット」を作り,それを倒したゾンビに着けるだけでいいようだ。
以後,ゾンボットは後ろをついてきて,戦闘になると自動的に加勢してくれる。スティックとボタンでターゲットを指定すると,主人公の戦闘/非戦闘の状態に関係なく戦いに行ってくれるので,自分は戦わずに安全な位置から指示を出すだけでもいい。
さて,「ゾンボットを手に入れたよ〜」と管理人の元へ戻ると,何やら大量のゾンビたちに発電機が攻撃されている。
どうやら,材木発電機に薪をくべていた管理人のゾンボットが野生のゾンビに倒されてしまったことで発電機が停止し,落とし格子が閉められくなり,侵入を許してしまったようだ。
なんとか危機を救ったものの,「楽園」の謳い文句がちょっと怪しくなってきた感じではあるが,管理人は次に「キャンプを建てる計画だ」と言っている。「武器を見つけたほうがいい」ということで,今度はペドロという人物に話を聞きに行く。ペドロのゾンボットもおかしくなって困っているようだ。
おかしくなったペドロのゾンボットたちをバッタバッタとなぎ倒していると,「ゾンボットギアをアンロック」と表示された。本作では,敵が装備している武器や防具に新しいものがあった場合,それらを製作したり,ゾンボットに装備させたりできるようになる。
赤いランプが灯っている塔のようなものは「パイロン」と呼ばれている。放っておくと,根本のミニ井戸みたいな部分から定期的にゾンビがどんどん出てきてしまうようだ。パイロンを攻撃し続けると破壊でき,ここからでないと入手しにくい「金属プレート」などの素材も手に入るので,積極的に壊しておくとよさそう。
パイロンの横にも似たようなオブジェクトがあったので触れてみると,「拠点 ペドロのキャンプがアンロックされました」と表示された。これはファストトラベル地点になり,オブジェクト間の行き来が可能になった。ありがたい……。
その後,油断して初ゲームオーバーを味わったり,「橋を修理してくれ」と頼まれて便利屋みたいに駆けずり回ったりしつつ,未開のマップ範囲を少しずつ踏破していく。とくにファストトラベル地点の開放は「少しずつ探索が進んでいる」感があってイイ。
NPCの頼みごとをこなしていくと,「避難所」という施設がアンロック。「ついに自分の拠点が持てるのか……!?」とワクワクするが,設置可能な場所がよく分からず,しばらくさまよってしまった。
そんなに遠くではないはず……というわけで,少し移動してメニュー画面を開いて,また少し移動して……と繰り返したところ,「ビルド」の文字が出現する場所を発見した。
こうなったら,設置画面のまま移動して,置ける場所を探してやる。しばらくウロウロしていると,ついにオブジェクトが緑色になった。「ここだ!」というわけで,無事に設置完了。
さて,これだけではなく「材木用発電機」も設置する必要があるが,こちらは意外とスンナリと設置完了。
そして,重要なのがパイロンだ。先ほどは破壊したが,これはプレイヤーも設置できる。最初はよく分からなかったが,木材が定期的に出現する「伐採地」と呼ばれる場所があり,その付近に「材木用発電機」を設置。パイロンの設定でゾンボットの行動を「集める」にすると,ゾンボットが自動で木材を拾ってパイロンのミニ井戸みたいな所に投げ入れ,その木材が避難所の倉庫に送られ,倉庫から材木発電機に自動で投入してくれるようだ。ちょっとややこしいが,パイロンの作動自体にも電力が要るので,最初は材木発電機に手動でいくつか木材を投入しておく必要がある。
「避難所」や「材木用発電機」,いろんな武器を作るための「武器工房」,そして拠点用のゾンボットを動かすための「パイロン」。これらを無事に設置し終えると,ゾンボットが自動的に木材を拾って材木用発電機に投入し続けてくれて,電力を維持できるようになった。さあ,ここからは避難所を拠点として,エリアを走り回ってファストトラベル地点を開放し,行動範囲を広げていこう……といったところで,通信端末とやらに連絡が入る。
通信は月面にいるジェフという人物から。ゾンビの侵略は思った以上に進行しており,もはや食い止めたりどうこうしたりできるレベルではなく,「地球は終わる」という衝撃の連絡だった。
やっと自分の拠点を作れたかと思ったのも束の間,今度は月に逃げるためのロケット発射台を完成させることがミッションとなる。
さまざまなロケーションに満ちあふれたParadiZe
満ちすぎていて,一筋縄ではいかない探索行
ParadiZeには,豊富すぎるロケーションが待ち構えている。砂漠があったかと思えば,近くに火山があり,反対方向にちょっと行けば雪原地帯があるという有様だ。砂漠では水を飲まないと体温が上昇し,ゲージが限界に達するとHPが減り始める。逆に,雪原地帯で冷えすぎても同様にHPが減り始める。
ゾンビたちとの戦いも過熱してくる。ロケット発射台に使用する「合金プレート」という素材は,ゾンビたちの猛攻を防ぐために使われた防壁からしか取れないらしく,防壁をあえて取り壊さなければならなかったりするのだが,当然,抑えていたゾンビたちと熱い戦いになるわけで……。
こんな感じで戦い方も変化してくるので,大勢のゾンビたちと戦う場合と少数の場合では,武器をチェンジしたほうが効率的な場面も出てくる。
大勢が相手だと,多少のダメージは覚悟で棍棒系の武器を振り回していたほうがなぎ倒しやすいし,少数の場合は槍系で突いたり,射撃武器で距離をとってチクチクやったりするほうが安全,かつ,攻撃回数も少なく倒せたりする。「武器工房」でいろいろな武器を作って試してみると,意外な発見があって楽しい。とくに,白い袋のようなものを装備してるゾンビは射撃武器でないとダメージが通らない模様。筆者はこれに長時間気づかなくて,苦戦するハメに……。
敵ゾンビの拠点とも言える「赤いランプの灯ったパイロン」は,序盤だと周囲にゾンビが数匹いるだけで,大して労せず蹴散らせるのだが,エリアを探索していくと,とんでもない拠点も見つかる。
二重の防壁に囲まれているうえ,パイロン自体も防壁で四角形に囲ってある。さらに,防壁の外側には炎が吹き出る仕掛け。一見,どう攻めたものやら……と呆然としてしまうが,射撃武器で地道に防壁を壊せるので,難攻不落というわけでもない。
ただ,当然ながら敵ゾンビもワラワラ出てきて,そうカンタンには壊せないんだけど……。
各ロケーションには特徴的なNPCが配置されていて,みんな揃って変わり者ばかり。序盤はお使い系の依頼が多いが,NPCを特定位置まで護衛するクエストや特定のターゲットを倒してくれといったものも。ゾンボットを2体連れ回せるようになったり,新たな施設を建設できるようになったり,施設のグレードアップが可能になったりと報酬は魅力的だ。
目的とは関係ない場所にいるNPCの頼みも積極的に聞いてあげると,必ずいいことがある。ファストトラベル地点の開放はいずれ必ず役に立つので,行き詰まったら,まだ行っていない場所を探索するのもオススメだ。
ゾンビを働かせ,ゾンビを使ってゾンビを倒す楽しみ
ただし,若干説明不足を感じる点も
ゾンビを倒すゲームは数あれど,労働力として使い,味方として共に戦わせるという点は新しい。敵のゾンビに数の暴力で押されて倒されても,いま倒したばかりのゾンビにハッキングヘルメットを着ければ,攻撃手段や装備などはそのままに復活させられる。この使い捨て感覚はゾンビならではのものだ。
ただ,細かい部分で不親切さを感じることは否めない。本文でも少し触れたが,拠点となる「避難所を建てよう」の段階から,「どこなら建てられるのか」が分かりにくく,オブジェクトが赤色から緑色に変わる地点を手探りで地道に試していくしかなかった。
一応,現在の目的は表示されるのだが,「それをどうやって達成するのか」が分からなかったり,目的地へ行ってみると敵が異常な強さだったり。近接武器と射撃武器でダメージの通りがまったく違う敵もいるため,これに気づかないと,筆者のように「ここは敵が強いから,まだ来てはダメな場所なんだな」と勘違いして,長時間さまよったりすることになるだろう。
また,ゲームが進むと,拠点に敵を誘い込んで迎撃するミッションもあるのだが,これがなかなかに難しい。どこに拠点を構えたかによって難度は多少変わると思うが,「1か所だけ守ればいい」みたいな都合のいい地形はないので,複数の方向から攻めてくる敵をどう迎え撃つかが問われる。
この段階では「防壁」と「スパイクトラップ」しか設置できないので,この2つを効果的に配置して守るわけだが,防壁があまりにも弱い。数回攻撃されただけでカンタンに破壊されてしまい,最終的には自分が防壁の外に出てエアマシンガンの連射で敵を倒し,防壁を守る始末だった。
発電機の存在や,その燃料となる素材を集めて……というあたりはクラフト系のゲームっぽくもあるが,自由度は高いとは言い難く,意外とリニアな進行だ。
たとえば,防壁やトラップは1つ設置するごとに消費電力が増えていくが,発電機は1種類につき1台しか設置できないようで,材木発電機を複数設置して電力生産量アップ……とはいかない。同一の発電機を複数設置できてしまうと,防壁やトラップを無制限に設置できることになり,序盤から要塞のような鉄壁の守りを誇る拠点が作れてしまうからだろう。
材木発電機+水力発電機といった感じで,異なる種類の発電機は同時に設置できるので,電力生産量自体はゲーム進行に応じて増えていく。つまり,防壁やトラップで拠点の自由度を上げるには,とにかくゲームを進めるしかないというわけだ。もどかしくはあるが,限られたリソースで「いかにして拠点を守るか」も本作のゲーム性の1つである。
いろんな武器で大量のゾンビをなぎ倒しまくりたいという人も,どんなに襲われても守りやすい拠点作りに頭を悩ませたいという人も,この機会にParadiZeを訪れてみてはいかがだろう。思い描く「楽園」とは少しかけ離れているかもしれないが,愉快で刺激あるサバイバルライフが待っている……かもしれない。
3gooの「Welcome to ParadiZe」公式サイト
- 関連タイトル:
Welcome to ParadiZe
- この記事のURL:
キーワード
(C)2022 Nacon.(C)2022 Published by Nacon and developed by Eko Software. All rights reserved.