プレイレポート
「信長の野望 覇道」CBTプレイで噴き出すアドレナリン! 取って取られて取り返す,足軽気分でレッツ・攻城戦♪
コーエーテクモゲームスが満を持して送る,新作スマホゲーム「信長の野望 覇道」(iOS / Android)が発表され,配信に先駆けてのクローズドβテスト(以下,CBT)が2022年6月中旬に行われていた。
ジャンルはMMO戦略シミュレーション。プレイヤーは戦国大名に仕える領主となり,他大名家の者たちと競いながら天下統一を目指す。
本作は名称の通り,2020年にサービスが開始された「三國志 覇道」の“信長の野望版”といった位置づけであるが,舞台を変えたと同時にシステムも変更され,戦国時代の日ノ本ならではの内容で楽しめる。
そしてCBTでは,隣接する領土の奪い合いのため,同じ大名家のコミュニティ“一門”に所属して敵方の攻城戦に挑むなど,歴史ファンならずともワクワクする国盗りを存分に体験することができた。
本稿では,その興奮に至るまでの模様を順に紹介しよう。
「信長の野望 覇道」公式サイト
※本稿はクローズドβテストでのプレイをもとにしたものであり,サービス開始時の仕様とは異なる可能性があります
推し(大名)が天下取ってくれたら泣く
ゲームの目的は,所属する大名家を天下一にすることだ。
そのため,我々はまず仕官する大名家を選ぶ。
CBTでは「織田家」「武田家」「上杉家」「北条家」「浅井家」「三好家」から所属を選択できたが,このとき,各大名家にどれだけのプレイヤーが集っているのかが分かるようになっていた。
というわけで,人気なのはやはり織田家。CBT開始直後から所属人口が“過密”状態になり,用意された2サーバーとも人気が一番だった。また大河ドラマ効果もあってか,北条家も“大勢”である。
一方,タイミング次第だろうが浅井家と三好家は人が少なく,その見返りとして「うちに入ったら小判(ゲーム内通貨)を与えようぞ!」と呼び込みをしていた。ローンチ後はこれで人数調整を目指すのかも。
なお,今回のマップエリアは“日本の関東から近畿まで”だった。本作は「信長の野望」シリーズで言うところのシナリオモードのように,日本全土ではなく一部の地方を戦場とするらしい。
もちろん,“今のところは”かもしれない。
そのうえで,単純な武将人気で人口差がついていそうだったのがちょっぴり解せない。なぜって,「信長の野望」の,しかもCBTに参加するような人たちは尖った方向に熱い戦国ファンが多く,弱小大名家からのし上ることを良しとし,メジャーな織田家はあえて避ける気がしたのだが……そこはまあ,尾張がマップの中心に位置するため各大名家とのバトルがたっぷり楽しめるだろう,という狙いがあったのかもしれない。
それに他家を押しのけて勢力を広げるのが,天下統一に最も近い。
さて,本作においての天下取りだが,これは「シーズン」と呼ばれる一定期間中,最も「威信」を獲得した大名家になることだ。
威信は,領土やお城を制圧するなどして得られる名声値で,1シーズンが終わると情勢ごと夢幻のごとくリセットされる。そうして今度は「次こそ我が殿に天下を……!」と願いながら新シーズンに挑む。
なお,CBTでは短い期間ながら2シーズンを体験することができた。
大名家とプレイヤー名を決めると,我々はそれぞれの主君から一つの里の領主に任命される。里にはガイド役の女性「楠木いろは」がついてきてくれたり,傾いてるイケ武将でおなじみ「前田利家」がひょっこり現れて賊を追い払ってくれたりと,新米領主にしては厚待遇である。
先達の「三國志 覇道」で例えるなら,里は都市,いろはちゃんは盧 蓮香,利家は張遼の立ち位置だろうか。
利家は初期加入する武将となるが,ほかの人材も「登用(ガチャ)」で手勢に加えられる。初回登用は何度でも引き直しできるうえ,CBTでは操作を妨げる演出もなく,ポンっと結果が出るのがスムーズでありがたい。
果てなきマラソンではなく,気軽にシャトルランという感じだ。
武将のレアリティはN〜SSR。欲しくてもなかなか出ない武将も「交流」で友好度を一定値まで上げればいずれ獲得できる……が,高レア武将になるほどたくさん交流が必要なため,CBT期間内での獲得はちょっと難しかったかも(強そうな本多忠勝。欲しかったなあタダカツぅ……)。
チュートリアルは章仕立てで,各章のメインミッション「指南」を達成していくにつれ,さまざまな要素や機能が開放される。
CBT中は第8章まで到達できたが,こなすことを目標に集中的に取り組めばさほど時間もかからない印象。また,指南を後回しにして自由に動くこともできるので,マイペースで遊びたい人もご安心を。
ただし,安心に浸っていると「チュートリアル中は大丈夫だと思ってたら,マップ周辺がすでに戦国……!」といった状況になり,否が応でも戦火に身を投じる,巻き込まれ系主人公の気分を味わえる。
このゲームは良くも悪くも,始めたその瞬間から戦乱なのだ。
ここで,新米領主の主な務めをまとめてみよう。
所属大名家を天下統一,シーズンNo.1に導くには威信がたくさん必要だ。そこで領主たちは里周辺の領土を制圧し,威信を獲得していく。
制圧には武将を編制した「部隊」が欠かせない。里の「内政」を行い,装備品を作って武将を強化していけば,他家の反撃にも耐えうる精強な部隊を仕上げられるため,生産施設のアップグレードも並行したい。
ほかにも,里の民の頼みを聞くデイリーミッション的な「目安箱」もあり,達成していけば「民忠」が上がり,役立つ進物をもらえることも。
ということで,領土制圧,部隊強化,内政,そのほかもろもろ。これらをまんべんなくやっていくのが領主の日課である。
武将を活かす采配で,いざ富国強兵!
武将を手っ取り早く強くするなら,序盤はそこらをうろつく「賊」を討伐して経験値を稼ぐのが有効だ。マップ上の賊の一団をタップして,自分の部隊を出陣させれば,あとはオートで戦ってくれる。
そして相手兵力をゼロにすれば勝利。部隊は自動で里に帰還する。
出陣前には敵味方の相対戦力を比較できるので,無謀な戦いをさせなければまず負け戦にはならない。それと,うまみのある高レベルの賊を相手にするときは,複数の部隊で一気に攻めるのもアリだ。
武将にはそれぞれ得意な「兵科」が設定されており,メイン兵科となる「足軽」「騎馬」「弓」は3すくみの属性関係にある。
複雑な操作が局面を変える大規模集団戦でもなければ,有利兵科の部隊を出陣させて,あとはAIにお任せし,その間に里の運営などの領主の仕事をやっていればいい……わけだが。
ついつい,部隊が里に帰ってくるまで見守ってしまったりもする。
この気持ちは実際に遊んでみると分かってもらえることだろう。
武将のなかには戦場ではなく,里でこそ輝く者もいる。
里の施設を強化すると武将を配置できるようになるのだが,ここで能力や技能に優れた者を任命すると生産効率がアップする。
鉄砲や大筒など,CBTでは選べない兵科が得意な武将たちには,未来の活躍を期待しつつ内政要員として励んでもらった。
余談だが,里の内政画面を開いていると,配下武将や里の民からの一言フキダシがランダムで出る。ほのぼのしていてわりとお気に入り。
戦国の世を塗り替える,悦びと嫉み
領土制圧は“所属大名家が有する領土と隣接した区画”でなければ行えない。どこでも自由に飛んでいき,好きな場所を攻めたり,軍団で集まったりできた「三國志 覇道」と違い,これが大名家ごとに戦うことを重視した「信長の野望 覇道」ならではのシステムだ。
「信長の野望」としても基幹システムが近しくて受け入れやすい。
マップ上で三角形に区割りされた領土を制圧すると,自身の大名家のカラーに染まる。これもまた達成感や満足感を高めてくれる。
具体的には,狙った区画に部隊を向かわせ,そこを守備する部隊を倒して,一定時間待つことで制圧が完了し,自大名家の領土になる。
ただし,制圧目的で出陣するには「威信旗」と呼ばれるコストアイテムが1本必要になる。これはリユース可能で,制圧後は外して,また別の領土に使うなど,使用と回収のやりくりが求められる。
一領主が持てる威信旗の数は有限で,部隊出陣では軍令書も消費する。ともすると,同じ大名家のプレイヤーと協力・分担しながら制圧していくのが吉となるが,大名家内にもプレイヤーランキングがあり,己が威信稼ぎのためにしのぎを削るという一面もある。
いずれにせよ,威信旗や軍令書に回数・時間制限がなければ,絶え間なく操作し続ける人が一晩で国取り完了,なんてことになりかねない。
これは閑話だが,私がまだ領主として駆け出しの時期に“Cランク拠点を制圧する”というミッションを達成すべく,目をつけていた手つかずの採石場に向けて,ちまちまと領土を広げていたときのこと。
領土を一つ一つせっせと色塗りし,ようやくお目当ての区画まで隣接できて「よーし! 初のCランクだから,部隊編制でも見直して……」とモタモタしていたところ。近くで活動していた同じ大名家の領主さんが,あろうことか道が開けたばかりの採石場をサクッと制圧していた。
そのとき「ワシが道(領土)をつなげたのにぃ……!」とショックを受けたが,同じ主君のためになるし……と飲み込むことにした。
もしや,井伊直政に先を越された福島正則ってこんな気持ちだった?
いやちょっと違うか,などと。しばらく物思いにふけった一幕だ。
コストとしてリアル時間を支払い,制圧や戦闘の状況が反映されるのを待つ仕組みは,しばらくシングルプレイのゲームばかりやっていた身としてはかなり新鮮で,勝機をつかむことの大切さを知る体験になった。
お金でも腕前でもなく,時間がカギを握る。それがこういった戦略シミュレーションにおいて必要であり,楽しい要素なのだろう。
せっかく制圧した領土も,他家に奪われてしまうことがある。
当然である。ここは愛の箱庭ではなく,戦う国の世界なのだ。
制圧した領土は,ほかの大名家の部隊が同じように制圧し直せば,色も所属もサッと塗り変わってしまう。国境とはかくも儚いものだ。
地理的な要衝ならば,あらかじめ部隊を「遊撃」や「待伏」といった迎撃向きの行動パターンで配備しておき,範囲で守らせるという手もあるが。取って取られての応酬は,対抗心を燃え上がらせる。
私の場合は「ハイハイ。私ぃ,別にぃ,そこまで執着してないしぃ」とポーズを取り,「……やつがオフになりそうな夜に取り返したる!」と,様子見を決め込むことがあった。しかし,CBTでは深夜0時から朝8時までは不戦が推奨されており,システム的にも「深夜料金の軍令書」「部隊攻撃力の低下」という枷が課せられ,夜討ちがしづらい。
本作のこの采配には,悔しいけれど感謝したい。やっぱり夜は寝るものだし,夜勤の方々ならお仕事中だし,寝静まった真夜中に簡単に状況が一変しすぎるようなら,正直なところついていけなくなる。
そうしてこの日は「グギギィ……!」と歯がみしつつ,領土奪還はまた日をあらためよう,ということにしたのだが。最近忘れっぽくて「あれ,取られたのどのへんだっけ?」と新しい朝を迎えてしまった。
これもまた,人それぞれの覇道なり。
大混戦のシーズン2 〜 一門の絆に泣かされて 〜
先述したが,CBT期間は2回のシーズンに分けられた。シーズン1では所属大名家の領土のどこかに里を構え,情勢がリセットされたシーズン2では“所属に関係なくランダム地点でのスタート”となった。
それ自体はまあ,うれしいサプライズであったが――新生した私の里は,主君の城からはるか遠く,非情な他家が牛耳る敵地にあった。
しかし「ココトオリマース……」と周りの肌感をうかがいつつ,1人で領土を染めていっても,誰も踏み潰してくる様子がない。もしや彼らは,国の色が違えど,同じCBT仲間として受け入れてくれている……?
つまり,これなら,怖じけていた憧れのミッション――。
“他大名家の里を攻める”も楽勝なのでは!?
と,にわかに色めきだち,手近な里をつついてみることにした。
見逃してくれている親身さをよそに,意気揚々と部隊を差し向け,一方的な進撃を開始する。しかしさすが,いち領主の里だ。通り道のような領土を取るのとはワケが違い,耐久度を削るのに時間がかかる。
しかも,陥落まであと残り半分! といったところでお相手さまがオンラインになったのか,こちらの攻城部隊に反撃してきた。
でも,このまま押し通せそうだ。いけいけ,いってしまえ!
と思っていたそのとき。心のなかで「プワオォー」とホラ貝が鳴った。突如として,相手の大名家の領主たちが地を染めるほどの大軍勢を差し向け,我が部隊をボコり,おまけに私の里までも一斉に囲んでいた。
どうやら“相手の一門の仲間”が助けに来たらしい。
この一門とは,同じ大名家のプレイヤーと結成するギルドやクランのようなもので,「三國志 覇道」なら軍団に相当する。けれども,相手一門の集団はさっきまでこの周辺にはいなかった。部隊を送ってくるにせよ,自分の里から100里離れた場所には遠征できないルール。
つまり彼らは,攻められた仲間のために消費アイテムを使い,わざわざ近所にお引っ越ししてきたのだ。しかも5人ほど。これはもうお手上げ。たぶん桶狭間にいた信長でも「む〜り〜」ってなると思われる。
ややや,せめて相打ちにして首級をあげてやる! と思ったが多勢に無勢。我が部隊の槍の切っ先はわずかに届かず……気が付けば,私の部隊は壊滅しており,育てた里は見知らぬ土地に飛んでいった。ただし,里に蓄えていた資源を相手に奪われることはなかったので,そこは一安心。
里が陥落したときはペナルティとして,自分が威信旗を立てて確保していた領土から旗を抜かれてしまい,さらにランダムに飛ばされたマップ上のどこかから再出発することになる。
そして飛んだ先,新たな里の周辺には,自分と同じように陥落後の措置として誰からも攻撃を受けない“休戦状態”の里が密集していた。
そこは明らかに,敗者たちが流れ着く墓地だった。
ここでも一つ,二つと領土を制圧してみるも,すぐに別の領主に奪われた。勝者が敗者を生み,敗者が敗者に白黒をつける。ああ,なんて戦国。このままじゃあ返り討ちに遭った心も回復しそうにない。
あとで気づいたことだが,本作は「被害報告」でやられた相手を確認することができる。商店にはそんな相手を追跡するアイテムも売られていたので,リベンジマッチも可能というわけだ。
「三國志 覇道」に比べると,領土に縛られることで略奪要素も控えめだと思っていたが,お礼参りの手段はちゃんとあった。
「そうだ,引っ越そう。でもどこに?」そんな迷える領主の指針となったのも,これまた一門だった。よし,今度は自分も一門に入ろう! そしてそのメンバーの里に近くにでもお邪魔しよう!
そう考え,名前に惹かれた一門に入ってみることにした。
選んだのは「のんびり楽しむ」がモットーの一門で,一門専用ミッションを少しずつ達成しては喜び,たまに情報交換する,ゆるやかな空気が流れていて癒された。でも,大事なことに気づいてしまった。
「ゆるゆるしてるだけだと攻城戦,参加できないかも……?」
領主の里とは違う,マップの特定箇所にある「城」には,一定レベル以上の一門でないと攻め込めない。しかも,専用3Dマップで行われる攻城戦は,うわさでは20人で総攻撃してやっと成功するほどだとか……それでもやっぱり,本作の目玉であろうコンテンツは体験しておかねば!
そこで,リーダーさんにご挨拶したうえで,不義理ながらも一門を移籍することにした。「攻城戦がんばってねー」「いってらー」自分勝手な私への温かな見送りに,ちょっとだけシュンときた。
通常,一門の出入りには制限期間が設けられるようだが,CBTでは緩和されていてすんなりいった。だが,バッチバチの武闘派一門は満員のところも多かった。自分で一門を設立することもできるが,今回は時間が限られたCBTだし,攻城戦への準備にも不安があったので,まだ空きのある一門をどうにか探して,ご厄介になることにした。
ここにきて,あらためて知る。「自分がこのゲームでどんなプレイを楽しみたいのか」が大切だと。それを固めたうえで動かねばと思った。
無事に見つかった新たな一門では,さっそく攻城戦に参加できた。しかし,初めての攻城戦専用マップにアワアワ。事前に学べるチュートリアルも体験したはずなのに,初挑戦は大した戦働きができなかった。
結果として,我々は制限時間内に城を落とすことは叶わず。
疲れた足取りですごすごと里に戻った……のだが。
「あれ!? 領土も威信旗もない!」
一門が制圧していたはずの土地が空白地帯になっていた。慌てて,部隊出陣などの行動結果が集約される「メール」をチェックすると,攻城戦失敗のお仕置きとして,自領土を主張していた威信旗が引っこ抜かれて手元に戻り,どこもかしこも制圧解除の状態になっていた。
なるほど,こういう制約があるなら安易にはやれないね。
また急いで制圧し直したけれど,かなり焦った。
城を攻めるにもリスクがある。そうなると俄然,今度は勝ちたいという気持ちが湧いてくる。そこで次の攻城戦に向けて,部隊編制を考えたり,募兵のための兵糧を調達したりと念入りに準備することに。
これまで漠然とミッションをこなしてきたが,攻城戦のように目標ができると,制圧&内政の一連のサイクルが今さらながらしっくりくる。
最初のうちは上を目指すほど,そのときはどれが必要で,このときはどれが不必要か。ゲームのうまい回し方を覚えられる気がした。
初めての敗走から数日。我らが一門はそれからも攻城戦を重ねていき,徐々に,僅かに,城郭の奥へと攻め込めるようになっていた。
一門のみんなと攻めるルートを相談し,櫓や兵の詰所などを制圧する部隊,ひたすら門を破る部隊など,役割分担も決まってくる。
これなら本丸を落とせるかも,そんな期待も高まってくる。
そして,CBT期間では最後になろうという攻城戦が始まる。
みんなで城門を破り,なだれ込む部隊が三の丸の門,二の丸の門といい調子で突破していく。こういうシーンは血湧き肉躍るというか,自分も足軽として槍持って「ヤーーーッ!」と突っ込みたくなってしまう。ついに一の丸も通過。本丸ともご対面。「よーしよし! 時間はまだある!」高ぶる気持ちで,仲間と一斉に本丸への攻撃指示を出す。
だが,そこはやはり本丸か。耐久度がちょっとずつしか削れない。
みんな,一目で気付いてしまった。時間が足りないことに。それが悲しかったが,最後まで,祈る思いで,自分たちの部隊の奮闘を見守る。
そうして私たちの一門は,城の心臓を前に勝利を逃した。
とはいうものの……攻城戦でしか味わえない高揚があってとても楽しかった! サービスが開始されたら今度こそ! と思えるくらい,みんなでやるのは楽しかった。目的の一門に入るだけで自然と導線が用意されるので,深いコミュニケーションはそれからでいいのもよかった。
ちなみに,今回攻めた城はCランクの小規模な平城だが,本作にはさらに堅牢なB〜Sランクの城があり,城の形態も平山城・山城などのバリエーションがある。さらに敵大名家の一門が城に布陣していれば対人戦となるため,AI戦とはひと味違う駆け引きが生じるようだ。
本作はやれることは多いが,序盤の立ち上がりを済ませたあとは,基本的にパパッと指示を出すだけで,あとは完了を待つばかり。画面に張り付く必要もないので,忙しい人でもマイペースでよさそうだ。
また,プレイの合間を利用して日ノ本探訪を楽しむのもまた乙なもの。今回のマップは越後から播磨,紀州までのエリアで,ゲーム内の縮尺ではなかなかに広域になっていた。そこには城はもちろん,ご当地の名所も描かれており,穏やかな春,爽やかな夏と季節もめぐる。
とくに大名の居城など有名なお城は再現度が高く,眺めているだけでも楽しい。例えば,上杉家の春日山城は「これぞ要塞!」と堅固な山城だし,小田原城の見事な縄張り,清洲城の立派な天守も見応えがある。
姫路城の大天守が白いのもテンションが上がるところ。
他方で,徳川家康が入城する前なのだろうか? 江戸城はちょっぴり地味だった。そのぶん,当時を反映しているのが見て取れる。
CBT中はかなりの時間を戦国乱世で過ごしたつもりだが,触れられなかったことはたくさんあるし,まだまだやりたいこともたくさんある。
攻城戦はもちろん,武将をとことん強化して,縁も練りに練った部隊編制もしてみたいし……あとは,シーズンランキング1位もだ。
同時に,象徴的な織田家が最初のシーズンでもその勢いを保てるのか,それともほかの大名家が待ったをかけるのか,実に見守りたい。
あー,自分の地元を隅々まで制圧したりするってのも楽しそうかもだ。日本のプレイヤーにとっては故郷や縁のある土地が舞台となっているし,一般的な位置情報ゲームなどとはまた違うアプローチで存在感を主張できるし,これらもまた大きな原動力になると思う(編注:とてもいいアイデアですね! 編集部の所在地を制圧してやりたいです!)。
ついでに攻城戦中の若干のラグや,出陣した武将がなぜか帰還してくれないことがあったなど,CBTでは笑って許せた細かな現象も改善されていることに期待だ(プレイ中,お出かけさせた滝川一益が急にいなくなったので「うちの一益知りませんか……?」と探していたのだが,どこにもいなかった。しばらく留守にしていたら夕ご飯には帰ってきた)。
興味深かったのは,一門に参加しない領主,あるいは攻城戦はしないと宣言する一門も一定数いたことだ。彼らがどのようにプレイしていたのかはこちらからはうかがい知れなかったが,なんとなく,もくもくと領土を制圧しているのを楽しんでいるように見えた。
1人プレイで遊ぶ,従来の「信長の野望」を愛する気質的な?
そんなふうにコツコツと楽しむのもアリだし,それだけでもみんなの役に立てる。きっとシーズンも後半になると,各大名家の国境あたりは敵味方の旗が飛び交う激戦区になるだろうし,それだけに後方の肥沃な土地を確保しておくのは総合勝利のために大事だろうし。戦火から離れていてもソロプレイ的な役割を持てそうなのは,本作の美点かもしれない。
一門にしても大名家にひも付いているから,今のシーズンの仲間たちとは,次のシーズンで別れることもありうる。だからこそ,環境がガラリと変わるごとに遊び方を変えるのもアリに思える。前の数か月は槍働きをがんばったから,次の数か月は縁の下で畑を耕そう,みたいに。
これぞまさに戦国二毛作なり。
もちろん,今回のCBTで仲良くなった人たちは,正式サービスが開始されてからもシーズンが変わってからも,また同じ大名家を選び,また同じ一門の仲間として,今後も一緒にがんばっていくのだろう。
ということで,同じ覇道タイトルである「三國志 覇道」のノウハウやブラッシュアップだけでなく,コーエーテクモゲームスの大看板である「信長の野望」らしさもふんだんに込められた本作。今後,さらなる進化を遂げて正式配信されることを,早くも心待ちにしちゃってる。
「信長の野望 覇道」公式サイト
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