プレイレポート
「バイオハザード RE:4」,序盤プレイレポート&実機映像を紹介。平林良章プロデューサーへのショートインタビューも
今回4Gamerは,TGS 2022期間中に本作の序盤部分をプレイする機会を得た。原作のストーリーやアクションを踏襲しつつ,最新のグラフィックスにリファインされた本作。実機映像も到着しているので,インプレッションと共に紹介していきたい。
「バイオハザード RE:4」,アシュリーやエイダの新ビジュアルを確認できる最新映像が公開に。予約受付も本日よりスタート
カプコンは本日実施した「バイオハザード・ショーケース」にて,「バイオハザード RE:4」の最新映像を公開した。今回公開された映像ではアシュリーやエイダ,ルイスなどが登場しており,最新のグラフィックスで描かれたそれぞれの姿を確認できる。
「バイオハザード RE:4」公式サイト
本作の主人公は,「RE:2」「RE:3」で発生した生物災害“ラクーン事件”を生き抜いたレオン・S・ケネディ。事件から6年経ち,レオンはその能力を買われ,大統領直属のエージェントとして活躍していた。そんなある日,大統領令嬢が誘拐される事件が発生し,レオンは彼女の消息を追い,ヨーロッパの閑村に向かうことになる。
今回のプレイ範囲は,レオンが村に到着し,狂気に支配された住人たちに襲われるシーン。村に入って住人に襲われると聞くと,「バイオハザード ヴィレッジ」を思い浮かべるが,雰囲気はかなり近い。むしろこのシーンは原作からほぼ変更点はないので,「ヴィレッジ」が「バイオハザード4」を意識していたと考えたほうが適切だろうか。
原作からの大きな変更点として挙げられるのは操作性だ。左右で旋回,前後で移動するものから,「RE:2」「RE:3」などで採用されている左スティックで自由に移動できるものに変更されている。なお,カメラについては原作でも肩越しの3人称視点だったが,こちらも同様にビハインドビューが採用されている。
村の住人はガナードと呼ばれる狂気に満ちたクリーチャーに変貌しているのだが,最新のグラフィックスで描かれるガナードは得体の知れなさも相まって実におぞましい。原作のバイオハザード4はアクション性に富んでおり,クリーチャーを倒す爽快感が恐怖を上回る,という意見もよく聞こえてくるが,「RE:4」は正直怖かった。筆者がビビリなのも一因ではあると思うが……。
ただし,戦闘において,原作でも象徴的だった体術は健在。本来接近したくないクリーチャーに近づいて,体術を叩き込むという動きは原作同様に恐怖感をやわらげてくれているのは間違いない。敵をハンドガンで怯ませる→接近してキックを叩き込む,という流れは本作でも基本の動き方となるだろう。
また,クリーチャーを撃破すると原作同様にお金をドロップし,武器商人に支払うことでアイテムの購入や武器の改造を行える。所持アイテムを管理するアタッシェケースも健在で,大量のアイテムをしまえるあたり,アイテムや武器,お金,商人といったシステムは原作のものがそのまま踏襲されていそうだ。
そのほか,気になった部分はアクション要素の拡張だ。チェーンソーをナイフで受け止めたり,ガナードの攻撃をナイフで受け流し怯ませたりと,ナイフによる防御手段が増加している。今回は試遊時間(約30分)が足りずに一部しか試せなかったが,新アクションが増えている可能性は高そうだ。
今回の試遊したのは序盤のほんの少しであり,基本的な操作やカメラワーク,システムに触れただけで終わってしまったが,新しく生まれ変わった「バイオハザード4」の片鱗を味わうことができた。本日公開された「バイオハザード・ショーケース」と合わせて,最新情報を確認してほしい。
また,試遊後に「バイオハザード RE:4」のプロデューサーを務める平林良章氏に短い時間ながら話を伺っているので,そちらを掲載して本記事を締めくくりたいと思う。
4Gamer:
よろしくお願いします。最初に「バイオハザード4」をリメイクするにあたって意識したポイントを聞かせてください。
平林良章氏(以下,平林氏):
まず原作である「バイオハザード4」は,これまで長く愛され続けてきたタイトルで,プレイヤーごとに大切にされている部分が違う作品でもあります。プレイヤーが大切にされている部分が何か。我々は“核”という言葉を使わせてもらっているんですが,その核となる部分やみなさんの思い出と真正面から向き合って開発を進めています。
4Gamer:
その核という部分の一例には何が挙げられますか。
平林氏:
「バイオハザード4」の核となる良い部分はいっぱいありますよね。例えばそれまでのシリーズ作品よりも戦略の幅が広がったのが,その1つです。積極的に戦闘をしてもいいし,戦闘を避けて進めるもよし,戦うにしてもどの武器を選択するか,人によって違う答えがあります。
また,主人公となるレオンはシリアスなだけでなく,ジョークを飛ばしたり,シニカルな面を見せたりもします。登場するサブキャラクターも魅力的で,それぞれにストーリーがあり,人間らしさを見せてくれます。アクションだけでなく,キャラクターも「バイオハザード4」を構成する核であり,「RE:4」ではより深掘るようにしています。
4Gamer:
「バイオハザード4」は,アクションが拡張されたタイトルで,シリーズの転換期になった作品とも言われています。ただ近年は「バイオハザード7」「RE:2」「RE:3」など,ホラー要素を強く意識した作品が多く,そしてそれらの作品がファンに支持されています。「バイオハザード4」をリメイクするにあたり,どのような方向性を押し出すか迷うことはありませんでしたか。
平林氏:
「バイオハザード4」は過去作と比べると,怖くない作品とも言われることもありますが,だからといって一辺倒にホラー要素を強く押し出すようなつくりにする気はありませんでした。それぞれのシーンにコンセプトがあり,例えば今日遊んでいただいた範囲,ストーリーの序盤はホラー要素が強いシーンで,その後の集会所での戦いは戦闘を楽しむシーンになります。「RE:4」ではそれらのコンセプトやモチーフとなる部分を,より強調して伝えられるよう作り直しています。
おっしゃる通り,直近のタイトルはサバイバルホラーである「バイオハザード」の原点を大事にしている作品が多いのは確かです。本作においてもそこは同じで,サバイバルホラーを楽しんでいただけるよう力を入れて開発を進めています。
4Gamer:
実際にプレイしましたが,冒頭のシーンは原作よりもかなり怖い印象を受けました。
平林氏:
ありがとうございます。原作の良かった部分に対し,私たちが今できる技術で全力で向き合う。こういった考えが「RE:4」の骨子になっています。
4Gamer:
リメイクするにあたって,とくに力を入れた部分はどこになりますか。
平林氏:
まずアクション面では,戦略部分についてレベルデザインも含めて1から見直しています。プレイヤーが遊んで原作通りだと感じても,実は内部的にはすべて新調されています。だからといって,ゲームのテンポや楽しさの部分は原作から逸脱しないようにしています。
ストーリーについても原作は17年前の作品であり,この17年間でいくつものシリーズ作品が出ており,歴史も膨らんでいます。それに伴ってキャラクター同士のドラマ性のあるやりとりを差し込み,ストーリーを再構築しています。
4Gamer:
原作をやり込んでいる人でもストーリーを楽しめるわけですね。
平林氏:
根幹となる大きな流れは変えられませんが,完全にまったく同じというわけではありません。皆さんが大切にしている思い出を,今の私たちができる全力で彩り直しています。このあたりは「RE:2」「RE:3」を遊んだ人であれば,ご理解いただけると思います。
4Gamer:
「RE:2」「RE:3」では,サブキャラクターもかなりフィーチャーされていましたね。
平林氏:
これもおっしゃる通りで,「RE:4」であれば,アシュリーやルイスなど,レオンを中心にした人間関係をより掘り下げるようにしています。
4Gamer:
戦略部分について見直したとのことですが,ナイフに耐久力が付いたり,防御に使えたりと使い方が大きく変化していました。
平林氏:
ナイフは好例の1つです。緊急回避,パリィ,攻撃などさまざまな使い道があり,さらに耐久力があることで,いつでも使えるものではなくなりました。プレイヤーの皆さんには,ぜひうまく使っていただきたいですね。
4Gamer:
ナイフはシリーズごとに使い方が全然違いますよね。応用がかなり効く武器のように感じます。
平林氏:
そうかもしれませんね(笑)。タイトルごとにクリーチャーは異なりますし,扱える武器種も違います。ナイフをすべてのシリーズで同一のものにしてしまうと,特定の作品では強すぎたり,弱すぎたりということが起こってしまう。ナイフ1つでもバランス調整は慎重に行っています。
また,「RE:4」では,「RE:2」でディレクターを務めた門井(門井一憲氏,RE:4ではゲームディレクター)も参加しており,ゲーム部分の指揮を取っているんですが,彼のナイフについての愛はかなりのもので,「プレイヤーがナイフを使った楽しみはかならず盛り込みたい」と言っていましたね。
4Gamer:
そのほかに本作で変更したこだわりのポイントを聞かせてください。
平林氏:
今日遊んでもらった部分で話せるものとしては,アイテムを入れるアタッシェケース自体をカスタマイズできるようにしました。色を変更できたり,アクセサリのようなものを付けられるようになったんですが,どちらも付加価値が付くような内容にしています。例えば,色をゴールドにすると,お金がちょっと落ちやすくなったり,アクセサリをつけるとクラフト時に少しいいことが起きるようになったりします。
4Gamer:
TGS 2022では,PS4版の発売が発表されました。こちらは最初から制作する予定はあったのでしょうか。
平林氏:
いえ,「RE:4」はPS5準拠で当初から開発を続けていました。今日遊んでいただいたビルドもPS5準拠のものになります。まさに現在四苦八苦しているところで,PS4のユーザー様に満足していただけるよう開発を進めています。
4Gamer:
本日はありがとうございました。最後に発売を楽しみにしているファンや読者にメッセージをお願いします。
平林氏:
「RE:4」は,原作ファンはもちろん,本作で初めて「バイオハザード4」に触れる方も満足いただける作品を目指して,開発チーム一同は頑張っています。今後も最新情報をお届けしていきますので,期待してお待ちください。
「バイオハザード RE:4」公式サイト
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