インタビュー
[インタビュー]「ロマンシング サガ -ミンストレルソング- リマスター」には,オリジナル版の開発者と当時のプレイヤー,両者の思いが込められていた
リマスター元となるオリジナルのミンサガは,1992年に発売されたスーパーファミコン用ソフト「ロマンシング サ・ガ」(以下,ロマサガ1)をベースに,それまでリリースされたシリーズ作品のさまざまなシステムを取り入れ,新たなゲームとして再構築した作品だった。荒削りな部分は多々あったが,当時の「サガ」シリーズの集大成となったミンサガは,リリースから17年経った現在も多くのコアなファンを持つ作品となっている。
そんなミンサガリマスター版の発売に際し,オリジナル版のプロデューサー/ディレクターである河津秋敏氏とバトルデザインを担当した小泉今日治氏,リマスター版のプロデューサーを務める三浦宏之氏とディレクターの上野真史氏に話を聞いた。
「ロマンシング サガ -ミンストレルソング- リマスター」公式サイト
変化し続けるサガシリーズは“何を伝える作品か”を見直して誕生したミンサガ
4Gamer:
本日はよろしくお願いします。まずはオリジナル版について,河津さんと小泉さんにお聞きしていこうと思います。そもそもなぜロマサガ1を再構築し,新しいゲームとして制作したのでしょうか。
河津秋敏氏(以下,河津氏):
4Gamer:
システム面ではハードが変わるタイミングで,それぞれ別のゲームと言えるくらいに変わっていますね。
河津氏:
ハードの変化という理由はもちろんあるのですが,作品の持つ雰囲気や世界観がしっかりできているので,ゲームとしての遊びの部分で挑戦ができたシリーズでもあるんですね。
そうして変化を続けていたサガシリーズでしたが,それを楽しんでいただけた一方で,一部のプレイヤーを置いてきぼりにしてしまったところも感じていました。長い歴史のなかで作品数が多くなった分,「変えなくてよかった」という部分もまたあっただろうとも。
サガとはどんな作品なのか。“何を伝えるゲームなのか”を,しっかり考えるべき時期が来ていたんです。
4Gamer:
それを完全新作ではなくリメイク作品で行ったのは,どういった理由からだったのでしょうか。
河津氏:
前作(アンリミテッド:サガ)を制作して分かったことなのですが,それまでのハードに比べて,PS2でのゲームの開発は圧倒的に時間がかかるんです。ひとつ前のPSと比べても,プログラミングの部分で作り込まなければならない部分が多く,さらに当時は,ゲーム自体に求められるボリュームも大きかったんですね。
これまでのハードで一番,スタンドアロンのゲームにボリュームが求められていたのがPS2だったんじゃないかと,いま振り返ってもそう感じる時代でしたから。
4Gamer:
そもそもサガシリーズ自体が,一本で何度も繰り返し遊べるゲームというイメージがあるので,求められるものも相当だったのかなと思います。
河津氏:
ええ。200時間以上遊べることが当たり前に求められていましたし,それだけ遊べるものを作るにはかなりのイベント数を用意しなければならず,バトルの仕組みもしっかり作らなければならない。なによりその前に,完全新規の作品だと,世界観やキャラクター,ストーリーをいちから作る必要があります。
そう考えると,過去作品を整理整頓しつつ,いちから完全新作を制作するのは難しく,またかなりの年月が掛かるわけで,それは現実的ではありませんでした。
4Gamer:
たしかに,フリーシナリオによって発生するイベントがたくさんあったロマサガ1は,遊びの部分のボリュームを気にせず,本来の目的に沿ったリメイクができそうなタイトルですね。
主にバトルデザインを担当した小泉さんは,当時どのような考えをもって制作に取り組んだのでしょう。
小泉今日治氏(以下,小泉氏):
今のお話にあったとおり,当時の河津さんも同じことを考えていて,最初に私が“お題”としてもらったのが「WPとJPで分かれていた技と術のリソースを,もう少し分かりやすくできないか」という話だったと記憶しています。
4Gamer:
なぜバトル部分も整理整頓が必要だと考えていたのでしょう。
小泉氏:
バトル中に頭を使う部分が多くなりすぎていると感じたんです。最初に覚えなければならないことが多くて,初めて遊ぶときのハードルがすごく高くなっている。新規のプレイヤーに楽しんでもらうには,もう少しシンプルに遊びやすくしないといけないという反省がありました。
4Gamer:
それこそBP(バトルポイント)一つに集約された,河津さんからのお題だったというWPとJPもですよね。
小泉氏:
ええ。バトル中のリソース管理をもう少しスッキリさせるために調整が必要だと考えていた箇所でした。ミンサガではそれを,生命力を表すLP,武器の耐久度となるEP,そしてこのBPという3つに絞った形にしました。
「閃き」で技を覚え,3つのポイントをマネジメントしながら技や術を使うということが理解できればバトルを楽しめるよう,仕組みをシンプルにしたんです。
4Gamer:
一方,過去シリーズ作品にもあった連携や陣形技,合成術などが,新たにアレンジされて組み込まれていますよね。それらは発動条件や使い方を覚える必要がある,一見では分かりにくいものだったと思います。
小泉氏:
はい。それらは,使わなくても戦えるけど,知っておくとお得だという,あくまで“ボーナス”みたいな要素として入れたんです。
例えば連携であれば,バトル中にだんだん敵の数が減っていき,1体になって集中攻撃を仕掛けたとき,たまたま条件が揃って発動することがありますよね。「閃き」の延長のような形ですが,まずはそういった流れで,自然に知ることができるようにしました。
そこからその技を使用するかどうかはプレイヤー次第です。発動条件を覚えるのが大変だと思った人は自分なりの戦い方を続ければいいし,面白いと思った人はそれを取り入れて,ほかの技もあるかいろいろ試してみてもいいと。
4Gamer:
あくまで選択肢を増やすもので,何を選ぶかはプレイヤー次第であると。
小泉氏:
ええ。ほかにも,「覚えていないとゲームを進められない」「特定の敵に勝てない」という要素にしたくなかったという思いもありました。
私個人として,手順を間違えたら勝てないようなバトルが苦手というのもあるんですが,開発者としてそれをしたくないし,そもそも作れない。プレイヤーみんなが決まった攻略法に従って遊ぶのではなく,勝つための手段が複数ある,自由度の高いバトルにしたかったんです。
4Gamer:
なるほど。それこそBPは,通常のRPGのMPのように技を使うと消費していくだけではなく,ターンごとに回復するのが面白くて,戦術面の自由度を高める要素にもなっていますね。
小泉氏:
BPをこの仕組みにしたのは,バトルだけではなく冒険もたっぷり楽しんでもらいたかったこともあります。
冒険の途中でMPがなくなったら街や拠点に戻り,そこで回復させてまた冒険に……というゲームサイクルは単調で面白くない。残りMPを見てあと何回戦えるか逆算しながらフィールドを探索するという遊び方では,冒険を純粋に楽しめないし,時代にも合わないと思ったんです。MPの消費を気にした結果,技の使用を控えるようになってしまったら,バトルを思う存分楽しめないですしね。
4Gamer:
そういったことを気にせず,探索やバトルを全力で楽しめるものにしたいと。
小泉氏:
はい。とはいえ,街に帰らなくても無限に移動し続けることができるとなると,それはそれでゲームとしては欠陥があります。未知なる土地を旅するときの緊張感,過酷な戦いを終えて帰還するときの安心感といったRPGの大事な部分がなくなりますから。“街に帰る理由”は必要なんです。
そのあたりは,LPが担う形にしました。バトル中だけではなく,フィールドでの行動やその結果などでもLPが減るので,回復するため戻らなければならない。無理をするとゲームオーバーになったり,仲間がパーティから外れてしまったりしますから。
4Gamer:
なるほど。それで言うと,EPもその役割を担ってますよね。使いこんだ武器の手入れをするため街に戻るという。
バトルのバランスはどのように調整されたのでしょう。使うか使わないかはプレイヤー次第とはいえ,さまざまな要素が盛り込まれている分,大変だったのではないだろうかと。
小泉氏:
大変かどうだったかという説明は難しいんですよね。ほかのサガシリーズ作品もそうですが,敵の組み合わせは,プレイヤーのパーティの強さに合わせて自動的に行われるので,「これくらいのパーティに対してこれくらいの強さで」といった形で調整できるものではないですから。
4Gamer:
たしかにサガシリーズは特殊ですが,それだからこそどうバランスの調整を行ったのかが気になります。
小泉氏:
変わった組み合わせと敵の行動が生まれるのも自動生成の面白いところですから,きっちりやり過ぎても,その面白さがなくなってしまうんですね。
4Gamer:
ザコキャラに交じって,その時点のパーティの強さでは敵わないようなモンスターがいたりするのもサガシリーズらしさだったりしますよね。
小泉氏:
ええ。運がよければ勝てるかもしれないし,そうでなければ無念の涙を飲んでくださいと(笑)。イベントに登場する強さが固定の敵やボスは,ゲーム進行の指標となるためしっかり調整しましたが,ランダムで組み合わせが生成される通常敵については,よほどゲームが破綻しそうなことがないかぎり,理屈っぽくならないよう調整しました。
4Gamer:
ミンサガがリリースされたときはどんな気持ちでしたか。プレイヤーにうまく届けられたと思えたところ,逆に課題を感じたところなどを教えてください。
河津氏:
一方でキャラクターの頭身については葛藤はありました。PS2のポリゴン数だと顔をきちんと表現するのに頭身を下げざるを得なくて。当時としては水準の高いクオリティのモデルだったのですが,この見た目で本当によかったのかと。
4Gamer:
たしかに頭身は,プレイヤーのなかでも好みが分かれるところですね。
河津氏:
ええ。当時はすでに「Call of Duty」のようなフォトリアル路線のゲームが出てきていて,グローバルではモデリングの造形とライティングで表現する方向にシフトしていましたから。そういったゲームを見て「方向性としてこれでよかったのか」とも思いました
こうして時代が変わり,むしろ今のほうがこの頭身のキャラクターが違和感なく受け入れられるようになったことは喜ばしいです。
4Gamer:
小泉さんはどうでしたか。
小泉氏:
リリース直後からたくさんプレイヤーから意見をいただけて,それによって気づけたことが多かったのを覚えています。不具合の報告や「ここは印象に残らなかった」といった声は,「もう少し時間をかけて調整できればよかったな」と思いましたが,全体的に見れば,楽しんでいただけたことにはホッとしました。
4Gamer:
比較的,良い印象を持ってもらえていたと。
小泉氏:
はい。たしかに荒っぽい作りではあったので,「バランスが悪い」という声も少なくありませんでしたが,それは先ほどお話したバトルの自動生成に関するところだったりするので,プレイヤー自身で楽しさを見出してくれるだろうと思っていました。
プレイヤーからの「こんな方法でバトルを楽しんでいます」「これを使ってクリアできました」という感想を聞くのは嬉しかったです。期待していたとおり,プレイヤーの皆さんに自分なりの冒険を楽しんでいただけていることが伝わりました。
当時の開発者とプレイヤーが意見を交わし,遊びやすく生まれ変わったミンサガリマスター
4Gamer:
ここからは三浦さんと上野さんにリマスター版のお話をうかがいたいのですが,その前に……お二人は,オリジナル版がリリースされたころ,何をされていましたか。
三浦宏之氏(以下,三浦氏):
私はすでにスクウェア・エニックスに在籍しており,他タイトルのプロデュースを担当していました。
上野真史氏(以下,上野氏):
とは言っても社会人になってすぐで,子どものころや学生時代ほどはやり込めなかったんですが,それでも3周は回りましたね。
4Gamer:
遊んでいて思い出に残っていることはありますか。
上野氏:
ミンサガの追加楽曲は印象深かったですね。
ロマサガ1が大好きだったので,ミニオン戦で「熱情の律動」が流れたときに「あれ?」ってなって。全曲覚えるくらいは聴き込んでいたはずなのに「これはどの楽曲のアレンジだろう?」と思って,バトルを進めずじっくり聴いてみたら「新曲だ!」と。さらにそこから2ループ,コントローラを置いてただただ正座して聴いていたことを覚えています(笑)。
4Gamer:
ミンサガはもちろんですが,ロマサガのコアなファンだったということもうかがえます(笑)。
あらためてなのですが,リマスターをすることになった経緯を教えてください。
三浦氏:
どの作品をどういった順番でリリースするかは河津さんとも話し合って決めているのですが,前回がPSのサガ フロンティア(以下,サガフロ)だったので,PS2のゲームで,サガシリーズのさまざまな要素が入っているミンサガが候補に上がりました。
4Gamer:
制作期間はどれくらいだったのでしょう。
三浦氏:
サガフロのリマスター版の開発が終盤に差し掛かった2020年の後半から準備に取り掛かり,本格的に開発が始まったのは2021年の春頃ですね。なので,1年半くらいでしょうか。
上野さんがディレクターを担当することになったのも,サガフロのリマスターを担当していたという流れがありますね。
上野氏:
サガフロのリマスターをよい形で仕上げることができ,おかげさまで好評いただけたのもあって,同じチームでミンサガも担当することになりました。
4Gamer:
いちプレイヤーだったという上野さんですが,ミンサガのディレクションを担当するにあたって,まず「ここは直したい」と思った部分はどこでしょうか。
上野氏:
「マップアビリティ」をもう少し便利に使えるようにしたいと考えました。オリジナル版を遊んでいた当時,使いにくさを感じていた部分でしたから。
4Gamer:
なるほど,分かります。当時のプレイヤーなら,攻略で重要なステルスと忍び足は外せないから,もう少しアビリティをセットできる数がほしいと考えたことがあるはずです。
上野氏:
ええ。それで河津さんに,「もう少し枠を増やしませんか」「“ステ忍”は定番のアビリティなので,それは別枠にしませんか」といった提案をしたんですが,「それだと,プレイヤー皆が同じアビリティの構成になって,冒険が“作業”になってしまう」という指摘を受けたんです。
河津氏:
「マップアビリティ」の枠や使用回数の制限はそれの1つで。例えば,特定のダンジョンで有効なアビリティを忘れて入ってしまったときに,そのアビリティなしで突き進むか,街に引き返し,セットしてから再度挑むか,どう判断するかが発生するわけです。
セットできる数に制限があって不便さはあるんですが,それによって「戻る」という選択肢が生まれるんですね。
4Gamer:
それが,先ほどの街に戻る理由であったり,冒険のいいアクセントになっていると。
上野氏:
そうですね。その話を聞いて,たしかに決まったアビリティを固定にしたり,枠を増やしたりする形では,プレイヤーが試行錯誤して冒険する楽しさが減ってしまうなと。それで違う方法を考えることにしました。
4Gamer:
それで,街に戻らなくてもLPを消費する形で付け替えができるようになったんですね。オリジナル版にある冒険の緊張感は保ちつつ,遊びやすいようチューニングを施したと。
上野氏:
ええ。フィールドやダンジョンでもアビリティを付け替えられるようにしたいというのは,もともとリクエストも多い部分でした。とは言え,そのまま自由に付け替えを可能にするとそれは作業になり,また街に戻る理由がなくなってしまうので,便利さの代償としてLPを消費する形にしたんです。
4Gamer:
なるほど。当時の開発者とプレイヤーの意見交換で生まれたような感じがあって興味深い話です。
オリジナル版はフィールドの広さに対してキャラクターの動きが遅く,移動に時間がかかりました。設定でゲームスピードを倍速や3倍速にできるのは,当時のプレイヤーにとって嬉しい機能になっているかと思います。
上野氏:
おっしゃるとおり,そこは当時のままでは難しい部分です。だからと言って,ダッシュ機能のようなものを付けると,オリジナルの緊張感が損なわれます。接触しないよう回避して動いたのに,結果的に追い詰められ,当たった瞬間にチェインが発生……なんて絶妙なハプニングの発生もなくなってしまいますし。
なので,ここも代償ではないですけど,早く進められる分,敵を回避しにくくなるという形にしました。
4Gamer:
実際にリマスタリング作業に入って,どういったところが大変でしたか。
上野氏:
仕様なのか不具合なのか,判断が難しい箇所があったことですね。先ほど小泉さんが話していた,バトルの話もそうですが,少し違和感ある部分が,あえてゲームの特徴として残されたところだったりもしますから。
4Gamer:
それをどうやって解決していったのでしょう。
上野氏:
この辺は小泉さんの力もお借りしました。
サガフロのリマスターのときも,仕様なのかバグなのか判断がつかないものはあって,当時は河津さんの記憶を頼りにといった感じで,その都度聞きに行っていたんです。
それでは効率が悪すぎるので,今回は一通りをリスト化して河津さんに持っていったのですが,「小泉さんに聞いたほうが早いよ」と。実際,本当に細かいところまで確認していただけて助かりました。
4Gamer:
では,小泉さんは開発中にもけっこうリマスター版を触ってたんですか。
小泉氏:
はい。今年のゴールデンウィークが始まるころですが,と言っても普通に遊んでいただけっていう方が正しいかもしれません(笑)。リマスターでとても遊びやすくなっていたので,連休中は仕事という感じは抜きで楽しんでいました。
共有したオリジナル版の不具合については,プレイヤーの皆さんがたくさん情報を上げてくれていたことが大きいです。リリースされて17年も経っている作品ですが,ずっとプレイしてくれているファンがたくさんいて,私が気が付かなかったところまで本当に細かく調べてくれているんです。
4Gamer:
そういった声も拾い上げて開発に届けたと。河津さんから「この部分を直してほしい」といった話はあったんですか。
上野氏:
先ほどのマップアビリティのように,「ここをこう修正したい」と聞いたことに対して「それはこうしてほしい」「だったらこうのほうががいいのでは」といったアドバイスはありましたが,河津さんの起案で「こうしてほしい」という指示はありませんでした。
4Gamer:
オリジナル版にない要素だと,新キャラクターやシナリオの追加がありますよね。ストーリーに関わる新要素を入れることについてはどう考えていたのでしょう。
上野氏:
リマスター版サガフロンティアで,新たに主人公としてプレイアブルになったヒューズが大変好評だったので,ミンサガのリマスターでもファンが喜んでくれる新しい要素を入れたいと思いました。
4Gamer:
シェリルはもともとあるイベント自体が仲間になりそうな内容でしたし,アルドラが仲間になることでミルザの物語が語られるところなども自然な形で,違和感はありませんでした。
上野氏:
ありがとうございます。新キャラクターやシナリオを追加しようと思ったきっかけに,「『ロマサガ1』のファンなら,皆ミルザの話を知りたいのでは」という三浦さんのひと言があったんですが,根本には“私が当時プレイヤーとして抱いていた思い”がありました。
「このキャラクターが仲間になるといいのに」「この話に続きはないのかな」という,素朴な思いですね。それがオリジナル版のプレイヤーの皆さんに届いていると嬉しいです。
4Gamer:
そろそろ締めのお時間というところで,あらためてミンサガとはどういう作品だったか,河津さんと小泉さんにお聞きしたいと思います。
河津氏:
さまざまな挑戦をしてきたサガシリーズを見直し,サガというゲームが伝えたいものをあらためて作り上げることができた作品です。
世界観や物語がしっかりできていれば,ブレずに新しい遊びの部分に力を入れてゲームを作れる。それを再確認でき,サガというゲームを制作するうえでの1つの指標となったミンサガは,シリーズにおける重要なタイトルであり,それは今も変わりません。
小泉氏:
ロマサガ1がもともとインパクトのある作品だったんですよね。世界観や,フリーシナリオでの物語の広がり方が素晴らしくて。それがベースにあったので,「あの世界で冒険している感覚をしっかり出そう」という思いで,システム面に注力できたのが大きかったと思います。それもあって,荒っぽい部分はありますが,プレイヤーが自由な戦い方を選べる仕組みがうまくできた作品になりました。
リマスターによってさらに遊びやすくなり,それをまた多くの人たちに楽しんでもらえるのは,オリジナル版に関わったものとして嬉しいです。
4Gamer:
では三浦さんと上野さんには,リマスター版の魅力についてお願いします。
三浦氏:
ミンサガは,サガシリーズのいろんな要素が入った集大成と呼べる作品です。リマスター版は,遊びやすさを考慮した便利な機能によって,いまのゲームとして遊びやすくなっているので「サガシリーズは難しそう」と思っていたという人に,ぜひプレイしてほしいです。
過去作のキャラクターが多数登場する「ロマンシング サガ リ・ユニバース」(iOS / Android)で,ミンサガのキャラクターに興味を持った人もいるかと思います。そういった新しいファンの皆さんに手に取ってもらえると嬉しいですね。
上野氏:
世界観や物語,ゲームシステムの面白さは,遊んでいただければ分かるはずです。不便さを感じながら何度もプレイした当時のプレイヤーとして,そこはお約束できます。
元のゲームの面白さがあったからこそ,リマスターはゲームへの入りやすさ,遊びやすさに力を入れることができましたし,手前味噌ではありますが,その仕上がりは素晴らしいものになりました。新規のプレイヤーには入りやすく,当時やり込んだというオリジナル版のプレイヤーには“その先”を体験できるようなリマスターになっています。
長年のシリーズファンの皆さんも,サガシリーズをまだプレイしてたことがない皆さんも,ぜひこのリマスターでミンサガを遊んでほしいですね。
4Gamer:
ありがとうございました。
「ロマンシング サガ -ミンストレルソング- リマスター」公式サイト
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- 編集部:Junpoco
- ライター:大陸新秩序
- カメラマン:増田雄介
(C)SQUARE ENIX CO., LTD. All Rights Reserved.
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