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[TGS2022]オープンワールドRPG「鳴潮(Wuthering Waves)」を試遊。5分間の試遊でボスバトルにチャレンジ
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印刷2022/09/16 13:08

プレイレポート

[TGS2022]オープンワールドRPG「鳴潮(Wuthering Waves)」を試遊。5分間の試遊でボスバトルにチャレンジ

 TGS 2022のKuro Gameブースで,オープンワールドRPG「鳴潮(Wuthering Waves)」を試遊してきた。なお,公式提示のジャンル名は“終末オープンワールド収集系ARPG”とのことだ。

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 本作はスマホRPG「パニシング:グレイレイヴン」iOS / Android)の開発会社が送る新作で,2022年5月にタイトル発表,7月のオンラインイベントでプレイムービーが公開され,4Gamerでもかなり注目されたことを記憶している。

 また先日掲載したニュース記事では,現地でプレイ動画が初公開と報じたが,現地のブースでは「5分間の試遊」でボスにチャレンジすることもできたため,これはと取り急ぎプレイしてきた。

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 あらかじめ世界観を説明しておくと,舞台は地球規模の災害で多くの命が奪われた近未来だ。そこで発見された新たなエネルギー源「鳴潮物資」により,進化した人類「共鳴者」が生まれた。

 そこから上位存在との接触などで,とてもなんやかんやあるようだが,最終的に人類は六つの区域に居住地を再建し,サバイバルじみた生活を送っていた。しかし,そこに再びの危機が訪れて――。
 といった背景であるが,試遊版はゲームスタートからのチュートリアルを体験するといった形式ではなかったため,実際の物語の導入について確認するには今しばらく時間が必要そうである。

 大枠としては人類の文明が崩壊した世界でのオープンワールドRPGで,アクション性に優れたバトルを楽しみつつ,アイテム収集やモンスターの能力を己のものとする「声骸収集」で多種多様なスキルを入手するなどし,キャラクターを育てていくものだという。
 プレイアブルキャラクターも男・女主人公のほか,下記のような美女たちを操ることができる。プレイヤーは豊かなキャラクターストーリーを体験できるとのことだ。

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画面右から「主人公」「エンコール」「ヤンヤン」
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「サンカ」

試遊版は男性主人公オンリー
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 (PCでの)操作は[W/A/S/D]キーで移動,マウスの左クリックで通常攻撃コンボ,左長押しで威力高めの重撃,敵攻撃の瞬間に左クリックでパリィが可能だ。一方で右クリックは回避行動,長押しでダッシュ,敵攻撃の瞬間に右クリックでパーフェクト回避と,分かる人であれば,システムの時点でいかにもなスピーディさを想像できることだろう。

 このほか「共鳴スキル」,大技の「共鳴解放」,パーティキャラクターの切り替えができ,さらにパーティキャラで連携攻撃を仕掛ける「協奏作用」,それぞれのキャラが備える「空中技」の存在により,対戦格闘ゲーム顔負けの長時間拘束コンボなどもできそうだった。

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 試遊版の内容は「3体のボスのなかから1体を選んで挑戦」というもので,超巨大な「鳴鐘の亀」,雷とテレポートで奇襲してくる「雲閃の鱗」,「無冠」から選択する。

 試遊の体験者にはTGS専用アクリルフィギュアが贈られるほか,ボスを撃破した人なら“ゲーム初回テストの参加抽選”の権利も得られるので,将来の自分のために本気で挑んでみるのも悪くない。

 実際のボスバトルに関しては,パーティキャラクターと交代もできるとはいえ,基本は1対1の構図。ゲーム全体でスピード感のある展開に振っていることから,RPGとしての攻略も後々のレベルデザインで対応しそうなことは想像に難くないが,攻撃と回避を意識し,パリィや共鳴スキルをねじ込むなど,アクション特化なスタイルではある。
 ボスのほうも,けっこう容赦ないスピードで迫ってくる。試遊版なりの調整であろうスキルを活用することで5分以内の撃破を狙えるが,大物を倒した人をブーススタッフが「すごいですねえ!」と大はしゃぎで称賛していたのを見るに,ボス撃破はなかなか困難なのかも。

 ちなみに全ボスのステージを試せていないため,今回の試遊版で体験可能かどうかは別とするが,本作ではマップを移動中,かなりの高低差があってもパルクールアクションでスムーズに飛び越えてくれるため,広い世界ながら移動面に関するストレスはほぼなかった。

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 デザイン面に関しては,アニメ風のトゥーンレンダリング系なグラフィックスはPVで見たものがそのままといった印象だ。試遊では現代風の荒れ果てた町並みなどを見られなかったが,魅力的なキャラクター造形と荒廃した自然環境についてはしっかりと確認できた。

 なお,ゲームエンジン「Unreal Engine 4」によって制作されているグラフィックスに関しては,先のプレスリリースには「キャラクターモデリング,シーンエフェクト,ライティングなど、レンダリングの質については細心の注意を払って開発している。シーンごとに異なるデザインやディテールで差別化を図っているものの,全体としては細かいラインや類似の彩度,象徴的な世界観のコンテンツアートの統合などで統一されている」といったコメントが記されている。
 こういった手法からも,こだわりの一端を垣間見られる。


 正直なところ,「終末世界」を主軸とし,美女あるいは美少女,オープンワールドRPG,そのほかたくさんのフックはあるものの,今年はどこもかしこも終末感を大テーマとするタイトルがあふれてきた。日本的にはそれこそ“往年の擬人化ブーム”がもたらしたアイデア勝負の並列時代に近いものを感じるが,当時と現在とで最も異なるのは,終末をテーマにしたタイトルはどれもこれも「擬人化ブームで大量生産されたタイトル群とは,かけているコストが違いすぎる」ところだ。

 ゆえに,終末世界題材を今世代相応に仕立てたリッチRPGには,突出したなにかが求められる。それを実力と呼ぶのか,うがって機運と呼ぶのかは,将来的な結果が出たころに開くお口に任せるが,そういったものがなければ手ひどい出血を伴う時代に突入する。今年発表されたものにせよ,同系統で次世代の顔役を勝ち取りにいっている作品は,どれも高水準な強みを過不足なく実装している。なのに,それぞれが平等に分け合って握れる牌が爆増しているかというと,そんなはずないのだから。

 その点,本作はRPGにアクション要素を取って付けただけではなく,“Kuro Gameがこうだと信じているアクション”への探求を感じさせてくれる。同社の創造したいアクションは,動いて叩いて避けての一連の仕組みを「誰でも簡単に遊べるように」と無難に置きにいくのではなく,日本を例にして言うならば,PS2やPS Vitaの時代に磨かれていったハイスピードアクション,ないしスタイリッシュアクションの系譜だ。
 当然,アクションが苦手な人を置き去りにしているわけではない。操作は確かに簡単。でも,ただ演出がスピーディなだけという作りではなく,しっかりと高速の駆け引きを埋め込もうとしている。

 たった5分の試遊で語るにしては,リップサービスにしても誇大に感じるかもしれないが。このゲームは確かに違っていて,それを信じて作っているというスタンスが,十分すぎるほど分かるものであった。それに作品は変えても,追求したいことを変えない姿勢は,商業と市場の事情が天運を左右してしまうゲーム業界にあって,どこまで到達してくれるのか。ちょっとばかし見てみたいがすぎる熱情のポリシーである。

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