プレイレポート
PCでもミクさんに会える。「初音ミク Project DIVA MEGA39's+」は最大250曲を収録,2つのビジュアル表現で楽しめるシリーズの決定版
2020年2月にNintendo Switchで発売された「初音ミク Project DIVA MEGA39’s」のPC向け移植作品だが,Switch版のDLCとして配信された多数の楽曲を収録し,PC版独自の要素も用意されている。
今回はベースとなった「初音ミク Project DIVA MEGA39's」の基本要素をあらためて紹介しつつ,新たに登場したPC版のプレイインプレッションをお届けしていく。
「初音ミク Project DIVA MEGA39's+」公式サイト
最大250曲を収録したシリーズの決定版
全編60fpsに対応し,映像表現がより美しく
「初音ミク Project DIVA」シリーズは,国内外におけるバーチャル・シンガーの先駆け的存在である初音ミクを中心に,クリプトン・フューチャー・メディアが擁するキャラクターが多数登場するリズムアクションゲームだ。
その10周年記念作品にあたる「MEGA39’s」には,シリーズ作品で人気を博した多数の楽曲や,後述するモジュール(スキン)をはじめとするカスタマイズ要素がミッチリと収録され,まさにシリーズの集大成的な作品となっている。
ゲームのルールは単純明快。音楽や映像に合わせて流れてくるメロディアイコンが,画面内に出現するターゲットアイコンと重なった瞬間にボタンを押すだけ。アイコンと背景の映像(PV)が分割されておらず,画面全体を注視して遊ぶことになるので,1曲ごとに作り込まれたPV(背景映像)を味わいながら音楽を楽しめる。
長く遊ばれてきたシリーズだけあって,プレイフィールは良好だ。ボタンのタイミング調整や,メロディアイコンの速度変更といったオプションなど,リズムゲームを快適に楽しめる各種設定もしっかり整備されており,誰でも快適にプレイできるように配慮している。
プレイアブルの楽曲はゲーム本編だけでも178曲,DLC「Extra Song Pack」を含めると全250曲を最初から自由に選択可能だ。収録されている楽曲は2010年代前半の人気楽曲が中心となっており,同時期にニコニコ動画でボカロソングを聴いていた人であれば,当時を懐かしみながら遊ぶことができる。
もちろん,ここ数年で大きな話題となった「砂の惑星 feat.初音ミク」をはじめ,近年の人気楽曲もいくつか収録されているので,本作を通じて自分が聴いていなかった世代の定番曲を知ることもありそうだ。
なお,残念ながらNintendo Switch版のタッチディスプレイを活用した「タッチプレイ」や,Joy-Conを用いた「ミックスモード」は搭載されていない。
その代わりと言えるかは分からないが,Switch版では一部PVとカスタマイズ要素の組み合わせ次第でフレームレートが30fpsになる仕様(アイコンは通常通り60fpsで動作)があったが,本作では全場面を60fpsで動作させられる。どんな場面でも高品質なPVを楽しめるのは,PC版の明確な強みと言えそうだ。
少々注意が必要なのは,PC版ではメニューでの決定ボタンが[X]に設定されていて,初期設定では[A]と[B](あるいは[○]と[×])の位置が逆転している点。これまでのシリーズと同じ感覚で遊びたい場合は,遊ぶ前に調整しておく必要がある。
ボタン設定では,メロディアイコンを「XYBA」「△□×○」「↑←↓→」(矢印とアイコンの組み合わせも可)から切り替えることも可能で,PC用アーケードコントローラにも対応している。PCでは人によってゲームに使うデバイスが異なるので,自分の環境に合わせた設定を行おう。
シリーズでお馴染みのカスタマイズ要素もボリュームアップしており,キャラクターの外見を大きく変化させるモジュール(スキン)は400種類も用意されている。モジュールは髪型部分だけを変更することができ,メガネやアクセサリなどの細かなカスタマイズも個別に行えるので,かなり自由に外見を調整することが可能だ。
各種モジュールやアイテムは,リズムゲームをプレイした報酬として手に入るVPを消費してアンロックしていく。アンロックに必要なポイントはさほど多くないので,気に入ったモジュールから順番に開放していこう。
ちなみに,ゲーム本編とDLCがセットになった「VIP Edition」にはDLC「アンロックキー」が同梱されており,適用するとゲーム開始時にすべてのモジュールとアイテムが自動的にアンロックされる。
自分で順番に解禁していきたい人は,起動する前にDLCを非適応状態にしておこう。モジュールの解禁状況はセーブデータを削除すれば戻せるが,アカウントに紐付けられた実績は戻せないので,気になる人は必ず初回起動前に確認するといいだろう。
PVを2倍楽しめるビジュアル変更機能を活かして
自分だけの最強プレイリストを作ろう!
PC版の追加要素の中でも特筆したいのが,なんといってもPVのビジュアル変更機能だ。これにより,アニメ調の親しみやすいビジュアルが特徴の「MEGA39's」と,リアルな陰影を描く「Future Tone」のうち,好みのものを選ぶことができる。
実際に変更してみると分かるが,ビジュアル表現を切り替えるとPVの雰囲気がかなり変化する。キャラクターの素体だけでなく,モジュールの質感もしっかりと変化するので,いろいろな楽曲で組み合わせを試してみよう。
本作のビジュアル変更機能はかなり柔軟で,オプションでまとめて選択できるだけでなく,リズムゲームの楽曲選択時にもワンボタンで変更できる。いちいち設定画面に戻る必要がないのは,地味だが嬉しいポイントだ。
また,PVプレイリストの作成時には楽曲ごとに設定を切り替えることも可能。コミカルな楽曲ではMEGA39's,シリアスな雰囲気の楽曲ではFuture Toneといったように使い分けることで,より自分にマッチしたプレイリストを作れるようになった。
ただ,少し惜しいのは,ウィンドウの非アクティブ/最小化時に音声がカットされてしまう仕様だ。これにより,作成したプレイリストをBGVとして流しておく,という使い方はできなくなってしまった。在宅ワークをミクさんに応援してもらえる環境を構築したいので,今後のアップデートに期待している。
PVのカスタマイズに慣れてきたら,PVとスタンプを組み合わせたスクリーンショットを作成できる「PVフォトモード」にも触れてみよう。
こちらは,「Project DIVA Future Tone」シリーズで登場した機能だ。プレイリストで再生中のPVを任意のタイミングで停止して,PVフォトモードを立ち上げることで画面をスタンプによってデコレーションできる。
スタンプ自体の種類はそこまで多くないが,サイズの変更やレイヤー(表示順)の調整といった基本的な機能は揃っている。スクリーンショットに“ちょい足し”する感覚で,スタンプを挿入するように利用すると良さそうだ。
お気に入りのシーンにロゴやアイコンを貼り付けて壁紙にしたり,SNS用のヘッダ画像にしてみたりと,さまざまな使い方が考えられる。イメージ通りのデコレーションができたら,公式ハッシュタグ(#pjd_sega,#mega39s)をつけて共有してみよう。
Switch版をベースに,新たな映像表現などのマシンパワーが必要な機能を追加した「初音ミク Project DIVA MEGA39's+」は,長期的に楽しめるProject DIVAシリーズ作品を求めていた人にとって,ベストマッチな作品に仕上がっていると感じた。
ただ,Switch版にもExtra Song Packに収録される楽曲を追加する有料DLCの配信が予定されており,最終的にはPC版もSwitch版も遊べる楽曲の数は同じになる。現時点でSwitch版を所持している人は,それぞれの独自機能を比較したうえで購入を検討することになるだろう。
これから初めてProject DIVAシリーズに触れる人には,最初からDLC楽曲をすべて遊べるPC版が断然オススメ。本作を遊んだうえで,外出先でも手軽にプレイしたくなったらSwitch版を購入して,よく遊ぶ楽曲をDLCとして導入する。そんな流れが良いのではないかと思う。
どちらにせよ,PC版の登場によってProject DIVAシリーズの間口が大きく広がったのは確かだ。リズムゲーム,楽曲,PV。いずれもクオリティは折り紙付きなので,興味を持った人はぜひチェックしてみてほしい。
「初音ミク Project DIVA MEGA39's+」公式サイト
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