イベント
「Marvel Snap」の新要素“バトルモード”を活用した,ランクマとは違う対面ならではのアツい駆け引きに注目。ユーザー大会レポート
「Marvel Snap」は,マーベル・シネマティック・ユニバースの正式なライセンスを受けて制作されたタイトルだ。豊富なランダム要素から繰り出される意外性あふれるゲーム展開と,変動するレートを上乗せする“SNAP”によって,わずか3分で激アツなバトルを味わえる作品として注目を集めている。
「MARVEL SNAP」のファーストインプレッションをお届け。ベン・ブロード氏の独立スタジオが開発した新作カードゲーム
Nuverseは2022年10月18日,「MARVEL SNAP(マーベル・スナップ)」をリリースした。本作は,映画などでおなじみの「マーベル・ユニバース」を題材とした新作デジタルカードゲームだ。1試合が約3分というテンポの良さが特徴となっている。本稿では,ファーストインプレッションをお届けしよう。
ただ,先述の通りランダム要素がゲームの基礎部分に関わっており,BO1(1回勝負)では実力を発揮するのは難しい。そのためか,リリース当初はランダムマッチングのランクマッチのみが提供されており,特定のプレイヤーと戦うシステムは実装されていなかった。
しかし,2023年1月31日にアップデートで,特定のプレイヤーと1対1で戦える新モード「バトルモード」が登場した(関連記事)。今回の大会は,そんな新要素を活用したイベントというわけだ。本稿では大会の模様とともに,バトルモードで生まれる新たな駆け引きについてもお伝えしていく。
「Marvel Snap」公式サイト
まずは,バトルモードの仕様を軽くおさらいしておこう。通常の対戦はBO1だが,バトルモードでは互いが持つ10点のライフを削り合い,先に相手のライフを0にしたプレイヤーが勝者となる。
対戦で獲得したキューブの数がそのままライフへのダメージになるため,撤退すればダメージを抑えられる。もちろん,SNAPによって獲得キューブが増加すれば飛び交うダメージも大きくなり,互いにSNAPした状態で勝利すれば,一気に8ダメージを叩き出すことも可能だ。
5試合目以降には自動的にSNAPされた状態でゲームがスタートするため,撤退続きで試合が長引きすぎることもない。そんなバトルモードを用いた本大会では,どんな戦いが繰り広げられたのだろうか。
大会では解説役を担当した,本大会主催者の天野さとし氏。カードゲーマー系YouTuberで,現在は「Marvel Snap」の配信者としても知られる |
MCのゲームキャスター,海老江邦敬氏。定期的に「Marvel Snap」の大会を開催しており,環境にも精通している様子だった |
現環境で注目を集めていたるのは,次にプレイするカードのパワーを2倍にする《シュリ》を中心としたデッキ群と,大会直前の2月21日に行われたアップデートで大幅に強化された《サンドマン》を採用したデッキだ。
《シュリ》はデメリット持ちの高パワーカードと極めて相性がよく,デメリットを打ち消せる《ゼロ》や《サウロン》と組み合わせられることが多い。とんでもないパワーを持つカードを出した後は,コピー能力を持つ《アーニム・ゾーラ》や,直前に出たカードのパワーを得る《タスクマスター》と組み合わせるのが定番だ。
対する《サンドマン》は,両プレイヤーが毎ターン1枚ずつしかカードを出せなくなる永続効果を持つ。ステータスがエネルギー5/パワー5となり,デッキの中核となりうるカードへと変貌を遂げた。デメリットを共有する《エレクトロ》とは特に相性がよく,彼ら「スパイダーマン」出身のヴィランがタッグを組んで戦う姿がよく見られた。
しかし,現場ではテンプレとされるデッキとは少しだけ“ズラした”ものが多く見られた。というのも,本大会では同一のデッキですべての試合を戦い抜かなければいけないため,相性の影響を大きく受ける特化型のデッキは運用が難しいからだ。
バトルモードでは1試合内で同じプレイヤーと複数回の試合を行うため「1度通れば勝ち」といった戦略は取れないという事情もあり,互いの腹を探り合う情報戦がより激しくなっている。
ステージで実況解説された試合の中でも,パワー9以上のカードを破壊する《シャンチー》をはじめとする対策カードを使わないまま5ラウンド以降に突入し,「ここぞ!」という瞬間に初めて対策カードを叩き込むなど,バトルモード独自の読み合いも見ることができた。
また,負けたら終わりのトーナメントという緊張感も作用して,スナップの“重み”も通常のランクマッチとは大きく異なる。出現するロケーション次第で相性も簡単にひっくり返るため,採用しているカードの情報を秘匿する意味でも,ほとんどの試合では決着が付く前に撤退が行われていた。
それだけに,壇上でスナップが行われたり,最終ラウンドにもつれ込んだりしたときの盛り上がりは相当なもの。配信台で繰り広げられた戦いはいずれもアツいもので,試合終了後には自然と歓声と拍手が撒き起こっていた。
そんな戦いを勝ち抜いて決勝戦に上り詰めたのは,デッキからカードを呼び出す《ロックジョー》《ジュビリー》で大型カードを出すランプ戦術を用いるジャンボ選手と,カード破壊を軸に《エアロ》や《シャンチー》といった対策カードを複数採用したk選手だ。
数回の撤退を挟みつつ,序盤戦はジャンボ選手が優勢に試合を進めるが,第5ラウンドでの最終ターンでk選手がスナップ! このまま敗北すればk選手の残りライフが底をつく,まさに捨て身のスナップだ。
その圧力が功を奏してか,《エアロ》で相手の主力を左ロケーションに引きずり出し,右ロケーションを《キルモンガー》単体で取得することで,k選手が一気に逆転の目をつかむ。そして最終戦では,ジャンボ選手が《ロックジョー》でパワー20の《インフィノット》を引き当てるも,《シャンチー》や《ウェーブ》による妨害でパワーを捌き切ったk選手が優勝を果たした。
優勝者のk選手には賞品として,映画「アベンジャーズ/エンドゲーム」で登場した人間用インフィニティ・ガントレットこと“ナノ・ガントレット”を原寸大で再現したグッズや,アイアンマンをイメージしたワイヤレスイヤホンなどがプレゼントされた。
以上をもって,今回の大会は終了となった。同じデッキで複数回,同じプレイヤーと戦うバトルモードは,普段のランクマッチとは大きく違う印象を受けた。
強いランダム要素も,撤退の判断を難しくするスパイスとして機能しており,遊ぶ側としても観戦する側としても非常に楽しいコンテンツだ。まだバトルモードに触れたことがない人は,公式Discordサーバーなどを活用して触れてみてほしい。
最後に本大会の優勝者であるk選手へのインタビューを掲載し,本稿の締めくくりとしよう。
4Gamer:
優勝おめでとうございます。現在の心境はいかがでしょうか。
k選手:
終わった後なんですけど,めちゃくちゃ緊張してます。つい昨日のオンライン大会では1〜2回戦落ちで,来る電車の中では20キューブくらい落としてたので,最初はもう「途中で帰ろうかな……」って思ってました。
4Gamer:
バトルモードでの対戦は,ランクマッチでの戦いとは違うものですか。
k選手:
ランクマッチだと初めて対戦する人の,初めて対戦するデッキと戦って終わってしまいます。ですがフレンドマッチでは相手のデッキを知りつつ,予想を立てて戦わななければいけない。フレンドマッチのほうが簡単に見えて,スナップの重要性が増していて,より奥が深いように感じます。
4Gamer:
特にこういった大会ではスナップの重みも変わりますね。
k選手:
普段は顔が見えていない対戦相手とやっているので,オフラインとなると事情が違ってきます。心理戦が決め手になってくるというか……。
4Gamer:
今日のデッキはどうやって構築したのでしょう。
k選手:
Twitterで見た海外の方のデッキが元になっています。そこから数枚入れ替えて,自分なりに改良したという形ですね。
4Gamer:
大会という場だけあって,スナップが行われるシーンはほとんどありませんでしたよね。決勝戦ではスナップを経た勝利で逆転を決めていましたが,k選手は決勝までの間にもスナップを仕掛けて勝っていたのでしょうか。
k選手:
スナップをしたのは,この大会であれ(最後の試合)が初めてですね。押した後に自分のライフを全部削るスナップだったことに気付いて,正直言って自分で押したのに自分でビビッてました(笑)。
4Gamer:
しかし,あれが決め手になったのは確かですよね。スナップ自体は意図したもだったのですか。
k選手:
はい,自分としても自信のある1ターンでした。
4Gamer:
本大会の中で,一番活躍してくれたカードを教えてください。
k選手:
全体を通してで言うなら《エアロ》と《シャンチー》ですね。その2枚のうちどちらかが手札にあるだけで,結構安心っていうデッキだったので……。
4Gamer:
《エアロ》はパワーも高く腐りにくいですが,《シャンチー》は《サンドマン》が多い環境では入れにくいタイプのカードだったと思います。採用に踏み切った理由はどこにあったのでしょう。
k選手:
正直,そこは相性の運が良かった部分もあります。《サンドマン》や《リーチ》が入っている相性の悪いデッキとも当たったのですが,なんとか対処して勝ち上がることができました。相手が厳しいデッキだった場合は,出される前に出す動きをするのがポイントだったかなと思います。
4Gamer:
では最後の質問です。今後大会があれば出場したいですか。
k選手:
ぜひ! よろしくお願いします!
4Gamer:
ありがとうございました。
「Marvel Snap」公式サイト
- 関連タイトル:
MARVEL SNAP
- 関連タイトル:
MARVEL SNAP
- 関連タイトル:
MARVEL SNAP
- この記事のURL:
キーワード
(C)2022 MARVEL
(C)2022 MARVEL
(C)2022 MARVEL (C)2022 Nuverse (Hong Kong) Limited (C)2022 Second Dinner