プレイレポート
ハック&スラッシュ「Torchlight:Infinite」の先行プレイレポート。カジュアルな見た目ながらビルド構築をたっぷり満喫できる一作
いぶし銀のハクスラシリーズがスマホ向けに新登場
「トーチライト(Torchlight)」は,1作目が2009年に発売された,ハック&スラッシュタイプのアクションRPGである。シリーズのなかでは「Torchlight II」(2013年)の完成度が特に高く,MODを導入して遊び倒したコアなファンもいることだろう。今回紹介するTorchlight: Infiniteは,そんなTorchlight IIの200年後の世界を舞台とした新作タイトルとなっている。
Torchlightシリーズの主な特徴として,剣と魔法に加えて科学も共存している世界観や,アメコミにも通じる独特のグラフィックスなどが挙げられるが,それらはもちろん本作でも健在だ。ハクスラと言えば,その代表作であるDiabloの影響だと思うが,陰鬱な景観が続くなか,血みどろの戦いをひたすら繰り広げるような作品が多いので,メリハリがついた本作のグラフィックスは新鮮に映る。キャラクターの外見が適度にデフォルメされており,スマホの小さな画面でも視認性が高いのも好印象だ。
ひとくちに「ハクスラ」「アクションRPG」と言ってもその中身は千差万別で,特に近年のスマホ向けアプリにおいては,たとえばオートバトルを搭載するなど遊びやすさを重視する傾向が強い。そんななかでも本作の各種システムは,なかなかに歯ごたえのあるものとなっている。
まず攻撃系のアクティブスキルだが,使用後にクールダウンタイムが発生しない。範囲攻撃のような大技や,Leap Attack(離れた場所へジャンプ攻撃を行う)といったスキルでも連発できるので,操作次第ではド派手かつ忙しいゲーム展開となる。オートバトル/オート移動のシステムが搭載されておらず,全体的に手動での操作に重きが置かれている。
ゲームの難度は比較的高めで,頻繁に登場するボスモンスターとの相性によっては,割とあっけなくやられることもある。一方で,ビルド(キャラ育成の方向性)に応じて性能がガラリと変わってくるうえ,そのリスペック(各種ポイントの再割り振り)も無制限で,死亡時のデスペナルティも生じないので,ビルドの試行錯誤をたっぷりと楽しめるだろう。
現在のプレイアブルキャラは5種類
スキルやタレント構成の幅広さに注目
今回のテストプレイで作成できたキャラクター(クラス)は,
・Rehan(Berserker)
・Carino(Divine Shot)
・Gemma(Frostfire)
・Youga(Spacetime Witness)
・Moto(Commander)
の5種類。以下のSSを見れば大まかなイメージは伝わるだろうが,一部クラスについて補足すると,Spacetime Witnessは魔法と科学を組み合わせることでサポート役も担えるクラス。Commanderは機械を呼び出して戦わせる,いわゆるペットクラスだ。
各キャラには,育成の方向性を決定付けるタレントが計6種類用意されている。キャラの作成直後にタレントを選び,レベルアップ等で得られるポイントを割り振るというスタイルも含め,ハクスラとしてお馴染みのゲーム展開となるだろう。ただし,タレント内には大きく分けて4種類のツリーがあるほか,その中も細かく分類されており,なかなか複雑な構造となっている。
1人のキャラは最終的に,5種類のアクティブスキルと3種類のパッシブスキルを同時に装着できる。さらに,各アクティブ/パッシブスキルに任意のサポートスキルを装着し,プラスアルファの効果を付与できるのだ。
たとえば,炎による遠隔攻撃を行うアクティブスキルの「Split Firebolt」に対しては,発射時に3方向に広がる「Multiple Projectiles」や,爆発ダメージを追加する「Fire Explosion」などのサポートスキルが用意されている。
しかも,エナジーというリソースを各アクティブ/パッシブスキルに割り振ることで,付与できるサポートスキルの数を最大5個まで増やせる。ただしエナジーは潤沢ではないので,すべてのアクティブ/パッシブスキルの効果をまんべんなく高めることはできない。
そのため,サポートスキルを盛りまくった一撃必殺のスキルを中心に戦うか,あるいは,複数のスキルをそこそこに仕上げた上で使い分けるか……エナジーの割り振り方が戦術にも影響を及ぼしてくるのだ。
TorchlightがIPとして復活,その後の動きにも期待
近年のスマホ向けアクションRPGは遊びやすく作られている代わりに,露骨なPay to Winや一本道なゲームプレイで“総合戦闘力”を高めるようなスタイルのものも数多く観られる。それらのタイトルは,手っ取り早く結果にリーチできるかもしれないが,自分自身で戦術などを考えて試行錯誤する時間,いわば攻略の過程が物足りなく感じるのは筆者だけではないだろう。
その点本作は,各クラスのビルド幅が広く,試行錯誤の余地が十分にある。たとえばボスモンスターにやられてしまったときなどは,どんな種類のダメージを受けたか明示されるので,これを参考に「このアクティブスキルを活かせるようにタレントから見直そう」「炎のレジスト値を高める防具をトレハンで探そう」といった感じに,具体的な目標を立てやすいのだ。
タレントに応じて有用なスキルや装備も一変するので,ある程度慣れてくると今度は別のプレイスタイルも試したくなる。アカウント内のキャラ間で共有される倉庫もあるので,今は使わないけど役に立つかもしれないアイテムなども,とりあえず保管しておける。こういった作業をコツコツと続けて,キャラ育成だけでなく自身の知識を深めていくのが楽しくて,短時間のプレイながらハクスラ沼の片鱗を確かに感じることができた。
「Torchlight: Infinite」は,現在βテストのテスター募集が行われている。生粋のアクションRPGファンは,「こちら」の記事で概要などをチェックしつつ,4月25日のβテスト開始日を心待ちにしてほしい。
※開発版を元に記事を制作しているため,本稿で紹介している各種仕様等は今後変更される可能性があります
「Torchlight: Infinite」公式サイト(英語)
- 関連タイトル:
トーチライト:インフィニティ
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トーチライト:インフィニティ
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