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Nianticの新作ARアプリ「Peridot」が発表に。幻想的なペットを育成・繁殖して,世界の美しさを再発見しにいこう
「Peridot」は同社オリジナルIP作品となり,ゲーム内ではさまざまな外見の幻想的な生物“ペリドット”と触れ合いながら,自分だけのペットと一緒に,世界の美しさを再発見していくという。
そうした本作の正式発表に先駆けて,同社のシニアプロデューサーを務めるZiah Fogel氏により説明会が実施された。
本稿では,そこで明かされたゲーム内容などをレポートする。
現実と連動してドットを育てる
ARならではのペットシミュレーション
「Peridot」は,ペリドット(愛称ドット)と呼ばれる多彩な生物たちを育てていくカジュアルタイプのARゲームだ。
しかし,ドットは現在絶滅の危機に瀕しており,プレイヤーたちは彼らを守るために,みなで協力していくことになる。
具体的には,ドットが産まれてから成長して大人になるまで,愛情をこめて育成していくのが主なゲーム内容だという。
大きな特徴とされるのは,ドットを産み出すシステムだ。
これには複雑なシステムを導入しており,「産まれるドットの外見・嗜好・特性などは“100%ほかのドットと異なる”」という。
つまり,あらゆる点で自分だけのペットを育てられるのだろう。
また,ドットがプレイヤーに本物のペットと接するような没入感を与えるべく,生物としてのリアルさも追求されている。自分だけのドットを育てられる仕組みと合わさり,おのおの強い愛着が湧きそうだ。
定番の「Pokémon GO」や「Ingress」,近々では「Pikmin Bloom」に「TRANSFORMERS: Heavy Metal」など,さまざまな位置情報ゲームを手がけてきた同社だが,本作では「世界を探検したい」と思わせるための仕掛けとして“デザイアシステム”が導入される。
これはいわゆるクエスト的なもので,ドット自身の望み(デザイア)を叶えにいく形式となるそうだ。一例として「散歩に行く」「指定の目的地に行く」「一緒にトマトを育てる」が挙げられた。
アプリ内で撮影したスナップショットは,各種SNSで簡単に共有できる仕組みらしい。ドットと散歩や旅行に行ったときは,一緒に写真を撮って友人と共有するのも楽しみの一つになるのだろう。
端末のカメラを用いたAR機能については映像で紹介された。
本作では撮影風景にただドットが出現するのではなく,彼らが周囲の環境物を把握し,独自の所作で動いてくれるようだ。
そのため,砂や泥,水に芝生など,撮影環境に応じた動作を見せつつ,銅像などの障害物があれば避けて動いてくれるという。
なかには「砂場に潜るモーション」もあったりと,現実世界と連動したリアリティの追求にはとくにこだわりが感じられた。
ドットの育成中は彼らのデザイアを叶えるほか,ARを通じて地図上でエサなどを探して与えていく。そうして成長させ,大人になると,繁殖して“次の世代(のドット)”を産み出せるようになる。
繁殖ではドットの「生息地」を見つけだし,そこの巣を使うと子供が生まれる。利用した巣によって産まれる子供のデザインも変化する。
こうして出会いと育成,繁殖をくり返し,さまざまなタイプのドットを産み,絶滅の危機から救うのがプレイヤーたちの目標だ。
なお,繁殖を終えたドットとはそこでお別れというわけではなく,それ以降も一緒に遊べるシステムを用意するとのこと。
子供を産んでおしまい,とはならないと思ってよさそうだ。
ゲーム概要の発表後,Ziah Fogel氏への質疑応答の時間も設けられたので,続いてはその様子をお届けしていく。
繁殖相手を見つけてマッチング?
ユニコーンなら空も飛べるらしい
――「Peridot」のリリース時期はいつごろでしょうか。
Ziah Fogel氏(以下,Fogel氏):
正式なリリース時期はまだ決まっていません。現段階では,これから数週間のうちにソフトローンチをし,技術テストに入る予定です。
そこでプレイヤーの皆さまにフィードバックをいただき,今後のゲームへのアクセス性を高めていきます。
――ほかのプレイヤーと交流できる要素はありますか。
Fogel氏:
ソーシャルでのつながりに加えて,新しいドットを育てるための戦略を一緒に練ることのできる仕組みも検討しています。
そのほか,コミュニティへのフィーチャーをはじめ,現実世界でのリアルイベントなども考えていきます。
――説明会で「POI(ポイント・オブ・インタレスト)」という語が出ましたが,いわゆるポケストップのようなものでしょうか?
Fogel氏:
POIは(世界中の)文化的,歴史的に重要性の高い場所を示しており,「Peridot」においては生息地という位置づけになります。
プレイヤーはそれらの生息地を見つけだし,巣を利用し,新しい世代のドットを繁殖させていくこととなります。
――POIは地域に偏りがありますが,少ない場所でも楽しめますか。
Fogel氏:
POIが少ない地域でも,ゲームを楽しむのに問題ありません。
この作品の中核は“ドットを育てること”にあるため,仮にPOIが少なくとも,身近な環境で完結できる遊びを提供します。
――ドットの能力はどのような役割を果たすのでしょう。
Fogel氏:
ドットの能力はいくつかの要素に関係します。なかでも個性や性格は「繁殖相手とのマッチング」に影響するので重要です。
またドットのタイプや種によって,彼らが覚えられる「スキル」の可能性が変化するのも特徴です。例えばユニコーンであれば,そのほかの種よりも飛行能力がつきやすくなるなどですね。
――進化したAR機能なら,ドットが障害物に乗ることもできますか。
Fogel氏:
本作では最先端のAR技術を採用し,それをフルに活用できるよう実証を重ねています。ですので,障害物を使った遊び方も検討中です。
――ゲームの有料要素について教えてください。
Fogel氏:
ドットが赤ちゃんから大人になるまでの時間を短縮するものや,ドットが眠るための「ベッド」などを購入アイテムとして検討中です。
そのほか,ドットはプレイ中に疲労することがあるので,それを回復するためのアイテムなども販売していきます。
――スマートフォン端末の要求スペックはいかがでしょう。
Fogel氏:
最新のAR技術を利用しているため,ハイエンド端末が必要です。
(現時点での)推奨環境は,iOSならiPhone 8 Plus以上,Androidならここ2年以内の端末スペックをおおよその基準としています。
発表された情報をまとめるに,ARでバーチャルペットと出会い,育て,地図上で生息地や繁殖相手(他プレイヤーを指しているのかは不明)を見つけ,次の世代のドットとの新たな生活を送るゲームと言える。
これまでもゲーム内外でペットと生活する,といったアプローチで仕掛けたゲームは少なくない数が存在しているが,本作に関しては,便利な言葉で恐縮だが“NianticらしいAR+位置情報要素”により,プレゼン段階でもそのディテールが手に取るように分かる。
どう考えても,ペットに愛着が湧くほかない楽しさがすでにある。
そもそも,AR利用の位置情報ペットシミュレーションゲームという想像しやすい立て付けで,それを作っているのがNianticとあればだ。
期待を裏切られるほうが珍しいと言えるだろう。
犬とも猫とも兎とも言えない,カラフルな体色だがユニークでキュートなドットたち。まずはソフトローンチにむけたテストプレイの機会があるようなので,うちの子自慢の日々はそこからスタートするといい。もちろん,リアルペットのご機嫌うかがいも並行して忘れないように。