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「AFK:ジャーニー」は問題を起こし,「スローン・アンド・リバティ」は絶好調。「大韓民国ゲーム大賞」を控えた韓国ゲーム業界のキーワードは,“グローバル”
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印刷2024/10/21 08:00

業界動向

「AFK:ジャーニー」は問題を起こし,「スローン・アンド・リバティ」は絶好調。「大韓民国ゲーム大賞」を控えた韓国ゲーム業界のキーワードは,“グローバル”

 日本と同様韓国でも,季節的には秋だが,9月は異常な気温が続いた。
 それも一段落して10月に入ったところで,韓国ゲーム市場では一年を締めくくる時期が近づいている。2024年に発売されたゲームの中から最高のゲームを選定する作業に入ったのだ。
 今年は,韓国はもちろんグローバル市場で成果を上げた3つのゲームが言及されている。それぞれジャンルが異なっていることもあり,その関心度は非常に高い。

 また今年は,グローバル市場に果敢に挑戦した新規IPゲームが,良い成績を収めた姿もいくつか見られた年でもある。韓国では期待通りの成果を上げられなかったが,絶え間ない改善作業を経て,グローバル版で花を咲かせたのだ。
 一方で,韓国市場に進出した中国のゲームが問題を起こし,消費者に被害が発生した。これを防止するための法案の,早期施行を促す動きも起きている。




NCSOFTの「スローン・アンド・リバティ」,グローバル版で予想を覆す上昇傾向


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 「リネージュ」シリーズで有名なNCSOFTが,新作MMORPG「スローン・アンド・リバティ」PC / PS5 / Xbox Series X|S 以下,TL)のグローバルサービスを,10月1日から開始した。Amazon Gamesを通じて,北米とヨーロッパ,オセアニア,日本などの地域を対象にしている。

 PCプラットフォームはSteamを通じてサービスが行われ,コンソールプラットフォームではPS5とXbox Series X|Sで発売された。グローバルサービスであるため,英語,ドイツ語,フランス語,スペイン語,ブラジル語,ポルトガル語,日本語と7つの言語をサポートしている。

 実際,韓国ゲーム業界では「T&L」のグローバル興行の成否に対する懸念が一部あった。既存のNCSOFTが主力として発表したIPではなく,新規IPであることも理由の一つだが,発売初期に発生した様々な問題に加え,既存の「リネージュ」とは異なるビジネスモデルを適用し,韓国での成果が予想より低調だったためだ。

 しかし,グローバル市場のユーザーの反応は懸念とは異なり,発売当日にSteamで最大同時接続者数が32万人を突破し,その後も30万人に近い同時接続者数を維持している。7日には33万人を突破し,右肩上がりの成果を見せ始めた。数値が公開されていないコンソールプラットフォームを加えると,その数値はさらに高くなると予想される。

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 また,発売初週にゲームを楽しんだグローバルユーザーが300万人を突破し,累積プレイ時間は2400万時間を突破した。ストリーミングプラットフォームを通じて行われたT&L放送の合計視聴時間は,1100万時間を超えた。

 ユーザーの反応も良好だ。Steamでのユーザー評価は「賛否両論」で,レビューを残したユーザーの63%が(10月14日時点)ゲームを肯定的に評価した。レビューサイトであるMetacriticでは,本稿執筆時点で72点を記録している。

 このように予想以上に良い反応を示す理由は,継続的にユーザーと交流し,そこで得たフィードバックを基に様々なアップデートを進めてきたからだと分析される。これにより,ゲームがユーザーフレンドリーな開発と運営であることを示し,その結果,ゲームに対する評価が徐々に変化してきた。

 そして何よりも,ビジネスモデル(BM)が変更されたことが大きく作用した。これまでNCSOFTが使っていた,疲労感を与えるビジネスモデルとは対照的に,T&Lは従来と異なるビジネスモデルを適用し,楽しさ重視のゲーム性を強調した。
 さらにNCSOFTは,8月に韓国サーバーで行ったモデル改変を通じて,「バトルパスプレミアム」と「プレミアム成長日誌」の購入手段を,ゲーム内の無料通貨であるルセントに変更することで,ユーザーの負担をさらに減らした。

 そしてNCSOFTは,T&Lのグローバル版にそのBMをそのまま適用した。そのためグローバルユーザーは,いわゆるP2W(Pay to Win)ゲームであるという否定的なイメージを払拭し,ゲームをしっかり楽しんでいる状況だ。

 ちなみに,NCSOFTのゲームの中で最も高い同時接続者を達成したゲームは「リネージュW」だ。明確な数値は明らかにされていないが,業界では100万人に達したと予想している。その数値に比べるとまだ足りないが,T&Lがこの記録を超える可能性は十分ありそうだ。




連日発生する中国ゲーム問題,海外ゲーム会社の国内代理人指定を求める世論が高まる


 韓国のモバイルゲーム市場が急成長する中,海外企業は自社のゲームを韓国のアプリストアにリリースし,韓国内に事業所を置いたりパブリッシャーを通したりせずに,海外から直接サービスするケースが大きく増えた。

 中国のゲーム会社も同様で,特に数年前から中国で開発されたゲームのサービスが急激に増え始めた。その理由は,中国のゲーム会社が自国でサービスする際に必要な版号が発行されないためだ。収益を作り出すため,近い市場である韓国にきているのだ。

 しかし,これらのゲームの一部が様々な問題を発生させ,消費者が被害を受けているという。これには,扇情的あるいは虚偽の広告,確率型アイテムの確率の未表記,決済および払い戻しにおける不十分な措置,適切な対応をせずにサービスを終了するなど,様々な事例がある。

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 最近は二つの中国ゲームで問題が発生した。まず,HONGKONG JIUJIUWAN NETWORK TECHNOLOGYが100FUNという名前で9月に韓国にリリースしたモバイルMMORPG「BLADE M」では,ゲーム内で特定のパッケージを1800ウォン(約199円)で販売すると表記した。しかし,実際にこの商品を購入すると45万ウォン(約5万円)が決済されたのだ。

 該当パッケージを購入した複数のユーザーは,これが決済詐欺だという立場を取った。利用規約23条の「会員に過誤金が発生した場合,払い戻しが行われる」を根拠に払い戻しを要求したが,100FUN側はこれを拒否。代わりにチャージ金額の半分をチャージクーポンで補償するという提案をした。しかし,ユーザーが継続的に抗議して論争が起きると,最終的に100FUN側は払い戻しを行ったようだ。

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 もう一つのゲームは,Lilith Gamesが開発し,FARLIGHTが8月に発売した「AFK:ジャーニー」だ。発売後,ユーザーはゲーム内に表記されたキャラクターの抽選確率に比べて,直接体感する確率が低かったという。

 結局,あるユーザーが国民申聞鼓(注:オンライン民願処理システム)を介してこの問題に対する苦情を提起し,その結果,表記されたキャラクターの抽選確率に確定獲得(天井)値が含まれていることが確認されたという事実が,9月28日に公開された。ユーザーはこれが確率操作だと抗議を行い,補償を要求した。

 韓国では確率型アイテムの情報公開が法律で義務化されている。ゲーム会社は確率型アイテムの正確な確率および情報公開をしなければならず,是正要請にも関わらずそれが行われない場合,2年以下の懲役または2000万ウォン(約221万円)以下の罰金刑に処せられる。つまり,このゲームは法律に違反したのだ。

 結局,FARLIGHT側は確定獲得確率を含めて表記したことを認め,謝罪した。そして改善案を準備中であり,詳細な確率を追加するという立場を明らかにした。しかし補償についての立場表明をしておらず,最近までイベントについてのお知らせだけが掲載されており,いまだ補償についての言及はされていない。

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 このような問題が続々と発生し,海外メーカーのユーザー保護が韓国メーカーに比べて相対的に脆弱であるという指摘が続いた。そのため,韓国では国内に住所または営業所がないゲーム流通業者およびゲーム提供業者に国内代理人指定を義務化する法案が推進されており,ユーザーの歓迎を受けている。

 指定された代理人は,システムのレーティング分類,関連事業者の義務及び禁止事項に関する遵守業務,ゲーム物の表示義務,事後管理による報告などを担当しなければならない。もし法に違反した場合,2年以下の懲役または2000万ウォン以下の罰金に処するという内容を盛り込んだ法案だ。現在,同法案は審査小委員会を通過し,施行に向けたプロセスに入っている。業界では,この法案が難なく可決されると予想している。




韓国最高のゲームを決める「2024大韓民国ゲーム大賞」が3強に絞られる


 世界の色々な国にGame of the Year(GoTY)的なものを選ぶ授賞式があるが,韓国には「大韓民国ゲーム大賞」がある。1997年に始まり,今年で28回目となるイベントで,一年間に発売されたゲームのうち,各部門で最高のゲームを選定すいる。

 特に,文化体育観光部と韓国ゲーム産業協会が主催するイベントであるため,“韓国政府が公認する唯一のゲーム授賞式”として定着している。最高の賞である「大賞」は大統領賞として運営されているため,その地位が非常に高いといえる。

 大韓民国ゲーム大賞は,本賞(大賞,最優秀賞,優秀賞,技術創作賞)などを含め,人気ゲーム賞,インディーゲーム賞,グッドゲーム賞,優秀開発者賞など,合計13部門にわたる。2023年は,NEOWIZの「Lies of P」が大賞を含む6冠を獲得した。Nexonの「デイヴ・ザ・ダイバー」も有力候補に挙がったが,最優秀賞に留まった。

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 今年はこれまで以上に競争が激しいと言える。大作と評価され,韓国はもちろん,グローバル市場で興行に成功したゲームが多かったからだ。

 基本的に大韓民国ゲーム大賞は,2つの方法で候補になることができる。まず,10月から進行中の候補受付を通じて選定されるもので,もう一つは,韓国コンテンツ振興院が主催する「今月の優秀ゲーム」に選定されることだ。したがって,「今月の優秀ゲーム」の部門別受賞作は,自動的に候補に登録される。

 去る7月に発表された上半期の今月の優秀ゲームでは,EPID GAMESの「TRICKCAL RE:VIVE」,LINE GAMESの「創世記戦モバイル:ASURA Project」,Netmarbleの「俺だけレベルアップな件:ARISE」が選定された。そして10月に発表された下半期の優秀ゲームには,Nexonの「The First Descendant」,ReLU Gamesの「Uncover the Smoking Gun」,KIWIWALKSの「魔女の泉R」などのゲームが選ばれている。

 このうち,大賞受賞が最も有力なゲームとして「俺だけレベルアップな件:ARISE」が挙げられている。
 このゲームは,グローバル累計143億ビューを記録したウェブトゥーン「俺だけレベルアップな件」IP初のゲームだ。3Dシネマティックカットシーンとウェブトゥーンイメージカットシーンを使って原作のストーリーをそのまま再現し,華やかなアクションに加え,レベルアップで育成の楽しさを披露した。

 事前登録者数は1500万人を突破し,Google Playでのローンチ24時間で,売上140億ウォン(約15億5千万円),DAU500万人を達成,累積2000万ダウンロード突破などを記録した。5月8日に発売され,発売直後に141か国のアプリマーケットでダウンロード1位,21か国で売上1位,72か国で売上トップ5,105か国で売上トップ10などの成果を挙げている。

 すでにグローバル市場で累積売上7000万ドル(約104億5千万円)を達成したと言われており,その勢いは現在も続いている。

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 次に有力な受賞候補として挙げられるのは,NEXONの「The First Descendant」だ。7月にグローバルローンチした次世代ルートシューターゲームで,PCとコンソールプラットフォームで発売されている。発売後,Steam同時接続者26万人突破,最多プレイゲーム5位,グローバル最多売上ゲーム1位などの成果を記録した。その後も成績をある程度維持し,着実に成果を上げている。

 特に「The First Descendant」は,開発難度が高く,グローバル市場でも新作の発売が非常に珍しいジャンルであるルートシューターベースのゲームである。これを試みたという点で,大きな挑戦と評価された。

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 最後に,SHIFT UPの「Stellar Blade」も有力な受賞候補として注目されている。SHIFT UPのコンソール用アクションアドベンチャーゲームで,4月26日にPS5プラットフォームでグローバル市場に発売された。

 実績は優秀で,米国,英国,カナダ,日本など8か国で販売本数1位を記録したことがあり,総販売本数が100万本を超えたと伝えられている。SHIFT UPが上場のために公開した証券申告書によると,「Stellar Blade」は4月に63億ウォン,5月に157億ウォンなど,合計220億ウォン(約24億3千万円)の売上を記録したことが分かった。

 地域別の売上比率は,5月時点で北米が45.9%,ヨーロッパ22%,日本13.5%,その他の地域が18.5%を占めていることが分かった。Metacritic基準でのユーザー評価は9.2点,平均レビュースコアは81点を記録し,評価も上々だ。

 SHIFT UPは「Stellar Blade」に加え,「勝利の女神:NIKKE」の成果に後押しされ,7月にはKOSPI上場に成功した。そして最近,韓国の国民年金がSHIFT UPの保有株式を6.15%まで増やし,キム・ヒョンテ代表とTencentに次ぐ3大株主の地位に登り,会社の未来に対する関心も高まっている。

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 PS5という単一プラットフォームのゲームとして登場した「Stellar Blade」だが,その成果は素晴らしいもので,大賞受賞の可能性は十分ありうる状況だ。3種のゲームのうち,どの作品が大賞を受賞するのかに注目が集まっている「2024大韓民国ゲーム大賞」は,2024年11月13日に開催される。(著者:パク・サンボムザン・ヨングォン
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