プレイレポート
「サバイビング・ジ・アフターマス - 滅亡惑星 -」プレイレポート。文明社会崩壊後,さらなる危機に直面するコミュニティを導く“忙しさ”が魅力
本作のテーマは,文明社会崩壊後の世界を舞台に,コミュニティの生き残りを図ること。プレイヤーは生存者が集うコロニーを発展させると同時に,周辺の地域を探りながら薬や武器,電子部品といった貴重品を確保し,少しずつ文明を取り戻していくことになる。
だが,試練の時代はまだ終わったわけではない。隕石や寒波(冬嵐),放射性物質を含んだ嵐(フォールアウト)など,さまざまな大災害がコロニーを襲う。その度に人々は打ちのめされるわけだが,復興への思いが続く限り,彼らの歩みが止まることはない。
さて,本作の魅力を知ってもらうには,実際のプレイの流れを交えつつ説明するのがいいだろう。ただ,これからまっさらな状態でサバイバルを楽しみたい人には少しネタバレになるかもしれないので,くれぐれもご注意を。
ゲームスタート時は,まず難度の設定を行うことになる。災害の発生頻度や,土壌や水の汚染具合,初期の生存者数(人口),テックツリー(技術研究の系統樹)の傾向などを選ぶことができるので,簡単すぎず,難しすぎず,ほどほどに手応えがありそうなものを選択してみた。
ゲーム開始直後,マップ上にいるのはプレイヤー(開拓者)ひとりだけ。まずは信号弾を上空に撃って,周囲の生存者を集める必要がある。
集まった人々は頭上のアイコンで「家が無い」「腹が減った」などと要望を伝えてくるので,まずはそれに合わせて施設を作っていく。家が足りないならテントを作ればいいし,水が足りないなら井戸を掘るといった具合だ。
ときおり騒動や揉め事なども起こるので,コロニーのリーダーとして裁定することもできる(スルーしてもいい)。選択次第で建材や物資が手に入ったり,危機を未然に防げたりするかもしれないので,よく考えて対処しよう。
そうこうしているうちに,木材やプラスチックなど建築材料の残りが少なくなってきた。建材がなければ新たな施設は作れないので,集めるための施設を作り,採取できる場所を探して指定する。
そんな「基本的な所はだいたい覚えたかな」という頃合いで,筆者のコロニーは初めての「大災害」に見舞われることとなった。「熱波」の到来である。
熱波が発生している間は水の消費量が2倍になり,畑の作物の生産量は減ってしまう。水や食料が不足しがちなコロニーにとっては恐ろしい災害……のはずだが,あまりにも初期の段階だったため,畑はまだ作ってすらおらず,食料への影響はほぼゼロ。井戸の水量も人口に対して過剰気味だったようで,初の大災害は大きな影響を受けずにやり過ごすことができた。
熱波が去り,木材やプラスチックが溜まってきたところで,今度は「ゲート」を作成することに。ゲートはコロニーの外の世界と関わるために必要な設備で,これがあればさらに人口を増やしたり,スペシャリスト(冒険家のような存在)を送り出して物資や科学技術を集められたりする。
ゲートが完成するとまもなく,外から新たに生存者がやってきた。生存者を受け入れれば人口が増えるとともに,新たな物資や,スペシャリストがコロニーにもたらされる。だが,人口が増えれば食料や水もより多く必要になる。無条件に受け入れず,よく考えて決めたほうがいいだろう。
また,ゲート前に訪れるのは生存者ばかりではない。要求を突きつけてくる集団,親子連れ,武器を持ったならず者,行商人などなど,いろいろな者が訪れるようになり,そんな彼らへの対処を決めるのもなかなか楽しい。
交渉が決裂すれば戦いになることもある。ゲートに人員を配置したり,スペシャリストを待機させたりしておけば対処できるが,たまにゲートを突破されて侵入されることも……。
一方,ワールドマップ側ではさっそくスペシャリストたちを近場のロケーションへと送り出し,探索を開始してみる。すると,物資やサイエンスポイント(科学技術)を手にいれることができた。コロニー内で得られる物資の種類は限られているので,外の探索も疎かにはできない。
スペシャリストは戦闘に強い「戦士」,物資の収集が早い「収集家」,研究が得意な「科学者」などの個性があるので,得意な仕事を与えると効率よくこなしてくれる。ただ,最初は2人しかいないので,手が空き次第,どんどん行動してもらうことにする。
こうして新たな生存者を迎えたり,サイエンスポイントを使って技術研究を進めたり,新たな施設「畑」「狩猟小屋」をアンロックしたりして,生産力が高まったコロニーは順調に大きくなってきた。
だが,そこに2度目の大災害「冬嵐」がやってきた。
冬嵐の最中は畑での生産が止まるだけでなく,集落の各所で「薪」を燃やして暖をとらなくてはならないのだが,初プレイゆえの悲しさ,ここまで薪の存在を意識すらしていなかった。新しい住民を迎えた直後だったこともあり,住宅や食料の手配をしているうちに冬嵐への対策が遅れてしまう。
結果,食糧が不足気味になっただけでなく,暖をとるための薪もすぐに尽きてしまったため,「感染」「低体温」「栄養失調」などの病人が続出。ついにゲームが牙をむいたというか,「サバイビング・ジ・アフターマス - 滅亡惑星 -」というタイトルらしい展開になってきた。
状況を立て直すため,近場で取れるベリー主体の食生活から,農業と狩猟への転換,医療テントの増設など,いろいろと手を尽くしてみた。しかし,マンパワーと建材の不足が重なり,思うように好転しない。
そうこうするうちに,次なる大災害がやってきた。ゲーマーにはおなじみのシチュエーション,フォールアウトである。
フォールアウト中は多くの人が「汚染」状態になってしまったが,事前に医療スタッフを増やして備えたことで,なんとか少ない犠牲で乗り越えることができた。ただ,そちらに人手を取られたため,以前から尾を引く問題はほとんど片付かないまま。
状況を打開するため,ワールドマップで物資集めに力を入れてみるものの,そう都合よく必要なものは見つからない。
そして気がつけば,またもや冬嵐が近づいてきた。今回は食料と水を確保できていたが,薪までは手が回らず,タイミングが悪いことに衣服まで不足していた。
寒さへの備えがほぼできていない状態で迎えた冬嵐の威力はすさまじく,到来の2日後には集落のほぼ全員が低体温症にかかっていた。「これはさすがにゲームオーバー?」などと覚悟していたところ,折よくゲート前に新たな生存者の一団がやってくる。
すがるような思いで彼らを受け入れたあと,ほどなくして冬嵐は去っていった。かつての住民はほとんど死んでしまったが,建設済みの施設と,備蓄していた食料と水,建材などは残っている。ここから立て直すこともまだ可能なはずだ。
皮肉なことに,人口が減ったことで食糧問題がひとまず解決した。そこで食料生産に関わる人数を減らし,建材や薪の備蓄を開始。また道具,衣服,武器,薬品は外の世界で見つけ次第,どんどん運び込んで在庫を潤沢にする。
さらにテックポイントを使った研究も続け,コロニー自体が持つ生産力を向上させていく。初期は多くの物資をワールドマップで調達しなければならなかったが,道具や衣服を生産できるようになると,外で集めるべきものも絞られていく。
そして再び冬嵐がやってきた。今回は十分な備えができていたため,コロニーは見事に持ちこたえられただけでなく,その間に新しい命まで誕生していた。大災害の影響は大きいが,対策さえ十分なら乗り越えることができるのだ。
その後もコロニーは発展を続け,実際のプレイ時間にして数時間後には,ソーラーパネルや風力発電機の電力を使って,汚染物質の処理を始めるまでになっていた。廃材を集めてバラックを作ったり,ベリーを集めて飢えをしのいでいた最初期に比べると,なんという発展ぶりだろうか! とはいえ,まだ拾ってきた部品を再利用している段階なので,文明社会の復興にはほど遠い。
同時に,ワールドマップでクエストを進めていったことで,今後の目標とすべきことも見えてきた。
このように,コロニーの発展と大災害を見越した備え,そして外の世界での物資集めとイベント進行などをバランスよく行っていくこと。それが「サバイビング・ジ・アフターマス - 滅亡惑星 -」をプレイする際のポイントだ。
最初はコロニー内に籠もっていても生き延びられるが,次第に物資は尽きていく。その前に技術を発展させ,自分たちで生産できるものを少しでも増やすことがカギとなる。
プレイ中は一難去ってまた一難という展開が続くが,それだけにやることは尽きないわけで,緊張感を保ったまま最後まで遊び続けられるだろう。
終末世界のサバイバルには,さまざまな障害が立ち塞がり,コロニーを守るためには地道なアプローチが必要となる。ただ,それを乗り越えたときの感動は格別だ。興味を持った人は,ぜひ文明の復興に挑んでみてほしい。
「サバイビング・ジ・アフターマス -滅亡惑星-」公式サイト
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サバイビング・ジ・アフターマス -滅亡惑星-
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(C)2022 Paradox Interactive. (C)SEGA. All rights reserved.
Developed by ICEFLAKE STUDIOS.
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