インタビュー
「サバイビング・ジ・アフターマス - 滅亡惑星 -」メールインタビュー。“Surviving Mars”とは異なるゴールを目指す,本作の魅力を聞いた
今回4Gamerは,そんな本作の開発を務めるIceflake Studiosのスタジオマネージャー兼共同創設者,ラッセ・リシュダール氏にメールインタビューを実施する機会を得た。本作のセールスポイントや,過去作「Surviving Mars」との違いなどを語ってもらったので,ぜひ目を通してほしい。
「サバイビング・ジ・アフターマス -滅亡惑星-」公式サイト
4Gamer:
Iceflake Studiosについて教えてください。
ラッセ・リシュダール氏:
Iceflakeの設立は2007年で,初めはいくつかのモバイルゲームを制作していました。数年たってからは,PCとコンソールゲームを専門としています。これまで,スポーツゲーム,戦争ゲーム,横スクロール,シミュレーションゲームなど,さまざまなジャンルのゲームを20本ほど制作してきました。なかでも私たちが得意とするのはマネジメントゲームで,「サバイビング・ジ・アフターマス -滅亡惑星-」もその一つとなります。
4Gamer:
コロニー系RTSである「サバイビング・ジ・アフターマス」の開発は大きな挑戦だったのではありませんか。
ラッセ・リシュダール氏:
「サバイビング・ジ・アフターマス -滅亡惑星-」のようなゲームの開発は何年もかかります。大小さまざまなシミュレーションを駆使し,相互に関連した機能がいくつも絡み合っているからです。最も難しいのは,これらすべてをバランスよく組み合わせ,ゲーム内の判断が本当に意味を持つように機能させることです。
また,本作のもうひとつの挑戦として,世界観の作り込みがありました。世界的な大災害に見舞われた地球を描くと言っても,そこは全く新しい場所であり,独自の歴史があり,現実とは異なるもので形成されています。こうした作業は多岐にわたり,大変でしたが,楽しんで取り組むことができました。
4Gamer:
2018年にリリースされた「Surviving Mars」は高い評価を受けました。同作の存在は,「サバイビング・ジ・アフターマス」の開発に影響を与えましたか。
ラッセ・リシュダール氏:
両作品とも,入植者たちが過酷な環境で生き残ろうとするサバイバル・コロニー建築です。規模はどちらも似ており,最終的にプレイヤーが管理する人数はほぼ同じになります。ただ,仕組みは似ていますが,テーマが大きく違うので,異なるアプローチになっています。
例えば「Surviving Mars」では,常に地球からの支援があり,火星の入植者は決して孤独ではありません。一方「サバイビング・ジ・アフターマス」では,入植者が頼れるセーフティネットはありません。現代文明からの支援がなく,過酷な荒れ地で孤独なのです。
本作で「Surviving Mars」と同じように実現したかったのは,プレイヤーが持つゴールです。「Surviving Mars」の「Green Planet」DLCでは,火星をテラフォーミングするという究極の到達点を用意しました。「サバイビング・ジ・アフターマス」でも,もちろんゴールが用意されています。ゴールに向かう過程で,人類を滅亡させた大災害の数十年前に何があったのかを知ることができるのです。
4Gamer:
約1年間のアーリーアクセスを経て,2021年11月に正式ローンチを迎えました。この間,開発チームがとくに注力したポイントを教えてください。
ラッセ・リシュダール氏:
早期アクセス中に,ユーザーコミュニティから多くの素晴らしいフィードバックが寄せられました。そのおかげで,ゲームのバランスとテンポに磨きがかかりました。しかし,それだけではありません。この期間中に多くの機能を追加し,フィードバックに基づいて従来の機能をいくつか変更しました。大きな変更点としては,コロニーの戦闘システムが挙げられます。元々は戦闘がなかったのですが,ユーザーからの要望が多かったので追加しました。
その後,何度か試行錯誤を重ねて現在のバージョンになりました。早期アクセスがどのように機能し,ユーザーコミュニティが開発に影響を与えることができるかを示す良い例だと思っています。期間中に合計20回以上のアップデートを行いましたが,早期アクセス期間当初にリリースしたものと比べて,ゲームの内容は大きく変わっています。
4Gamer:
既存のコロニー系RTSとは異なる,「サバイビング・ジ・アフターマス」の長所を教えてください。
ラッセ・リシュダール氏:
言及したいことは非常にたくさんありますが,そのうちのいくつかにスポットを当ててみます。ひとつは,ワールドマップとコロニーがどのように繋がっているかが大きなポイントです。世界の片隅にある小さなコロニーを作るだけのゲームではなく,プレイヤーは広大な荒れ地の中にコロニーを作り,その荒れ地を冒険してコミュニティを繁栄させるのです。このようにコロニー作りと世界探検をループさせるのが,私たちのゲームのオリジナリティです。
もうひとつは,コロニー内のさまざまなシステムが,驚くほど深く,互いに影響し合っていることです。最初はボロボロのテントとわずかな入植者しかいませんが,最終的には何百人もの入植者を抱える大きなコミュニティを管理し,食料生産,道具,衣服,武器,水や電気といったインフラを整備し,人々の安全,幸福,娯楽を提供します。単なるサバイバルだけでなく,こうした発展を遂げるというのは,ポストアポカリプスのジャンルでは珍しいです。また,ゲーム中にはさまざまな大災害が発生し,コロニーを守るためには,それぞれ異なるアプローチが必要となります。
4Gamer:
日本語版のリリースは半年近く延期しましたが,その間にクオリティアップした部分について教えてください。
ラッセ・リシュダール氏:
欧米版ユーザーからの改善点,要望を反映しています。メインクエストの追加によりゲームクリアのモチベーションが上がっていたり,UIの改善により視認性が上がり,プレイヤーの判断がしやすくなったりしています。また,ゲームの安定性も大幅に向上しています。
4Gamer:
日本向けのローカライズ,カルチャライズについて,特徴的なものがあれば教えてください。
ラッセ・リシュダール氏:
上記と重複しますが,安定性を大幅に向上させるため,メモリーの削減,セーブデータの軽量化,建物・装飾物の上限数を設定しています。またUX向上のため,翻訳を徹底的に見直しております。
4Gamer:
リーダーキャラクターのなかにはKensai,Satoshiといった日本風の名前を持つキャラクターがいます。それぞれの由来はあるのでしょうか。
ラッセ・リシュダール氏:
名前は特定の人物を指しているわけではありませんが,名前に込められた意味を調べ,それを背景のストーリーや能力に関連させるように心がけました。
4Gamer:
最もゲーマーに支持されているクエストを教えてください。
ラッセ・リシュダール氏:
大きな結果を生む物語もありますが,一方で,個人個人の運命を描くようなシチュエーションも多くあります。そうした個人的なストーリーに焦点をあてたものが,多くのプレイヤーに好まれていると感じています。プレイヤーの決断によって,その人たちの生死が決まるわけです。
すぐにコロニーに影響が出るわけではありませんが,その時の決断を入植者たちは覚えていて,プレイヤーが悪い方向にばかり偏ると,入植者たちの幸福度にも影響します。このようなイベントやクエストは,ゲームに個人的なタッチを加え,プレイヤーがゲームの中で表現したい価値観を考えさせてくれるでしょう。
ゲーム内には全部で数百におよぶイベントやクエストがあるので,ぜひ自分の好きなものを見つけてみてください。
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サバイビング・ジ・アフターマス -滅亡惑星-
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(C)2022 Paradox Interactive. (C)SEGA. All rights reserved.
Developed by ICEFLAKE STUDIOS.
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