企画記事
Steamウィンターセールで押さえておきたい名作インディーズゲームを紹介。じっくり遊びたいアドベンチャーからお手軽に遊べるアクションまで
Steamと聞いて読者はどんな印象を受けるだろうか。筆者がまず思い浮かべるのは「インディーズゲームのメッカ」というイメージだが,正直なところ,この印象はもはや時代遅れだろう。コンシューマ向けタイトルが同時発売されることも多くなっているし,現在の売上ランキングを見ても,,「ELDEN RING」,「MONSTER HUNTER RISE」,「ペルソナ5 ザ・ロイヤル」など,コンシューマ向けのビッグタイトルがズラリと並んでいる。
だからと言って,Steam向けに発売されるインディーズゲームが衰えたかというとそんなことはまったくない。Game of the Yearにもノミネートされた猫ゲー「Stray」や,インフルエンサーに触発され,爆発的な人気を博した宇宙人狼「Among Us」,2021年に発売された奇作「Inscryption」など,毎年のように名作が輩出されている。筆者の感覚的には毎年数作はメガヒット作品が生み出されているので,2023年の新作にも期待したい。
今回は開催中のウィンターセールでお得に購入できるインディーズゲームの中から,とくに評価が高く,名作と呼ばれるタイトルを紹介していく。じっくり遊びたいアドベンチャーからサクサクと遊べるアクションゲームまで,幅広いジャンルを紹介するので,気になったタイトルをぜひ遊んでみてほしい。
また,Steamウィンターセールでは,Game of the Yearに選ばれた「ELDEN RING」や「SEKIRO: SHADOWS DIE TWICE」など,さまざまなコンシューマタイトルもお得な価格で購入できる。腰を据えてガッツリ遊びたい人はセール内容をしっかりチェックしておこう。
Stray
アクション/アドベンチャーSteam好評率:97%
2800円(定価:3500円)
「Stray」は,サイバーパンクな世界に迷い込んでしまった猫が旅するアクションアドベンチャーゲームだ。2020年の発表時から猫になりきれると話題を集めていたが,2022年7月の発売後もその勢いは止まず。Game of the Yearにもノミネートされるなど,2022年のインディーズゲームを語るうえで外せない1作となった。
本作の特徴であり,最大の売りは言うまでもなくプレイヤーが猫であることだ。細かいしぐさやふるまいも我々がよく知る猫そのものでかわいいのだが,猫らしさの影響であまりキャラとの一体感はなくて意外と俯瞰的に世界を眺められる。また,猫を操作して癒されるだけでなく,パズル的な謎解きをしつつ.次のエリアを目指すアドベンチャー要素も用意されている。ゲームのボリュームはそこそこだが,とにかく猫で癒されたい! むしろ猫自身になりたい! という人にオススメの作品だ。
「Stray」公式サイト
Vampire Survivors
ローグライト/アクションSteam好評率:98%
399円(定価:499円)
「Vampire Survivors」は,簡単操作で楽しめる2D見下ろし型のアクションローグライトゲームだ。本作の目的は単純明快で,広大なフィールドの四方八方から襲い掛かってくる敵をひたすら倒し,制限時間を生き残るというシンプルなもの。プレイヤーができる操作も移動とキャラクターの強化のみなので,直観的かつお手軽に楽しめる。
本作の魅力はリプレイ性の高さ。レベルアップ時にランダムで選ばれた武器や強化アイテムを入手できるので,キャラクターの強化がうまくできなかったときに,つい「もう1回だけ……」といつまでも遊んでしまう。1プレイは最長で30分ほどと短いが,「軽く遊ぼうと思ったら何時間も経っていた……」なんてこともあるのでそこはご注意を。
「Vampire Survivors」Steamページ
Slay the Spire
ローグライト/カードゲームSteam好評率:98%
873円(定価:2570円)
「Slay the Spire」は,デッキ構築とローグライク要素を組み合わせた新感覚のカードゲーム。新感覚と書いたが,これはあくまでも「Slay the Spire」が発売された当初のこと(2017年11月発売)。以降のカードゲームに多大な影響を与えており,いわゆる「スレスパフォロワー」系のゲームがその後,さまざまな形で生み出されている。
※デッキ構築+ローグライク要素というゲームは「Slay the Spire」が初めてではないが,その面白さを広めた作品として広く認知されている
本作の目的は,迷路のように入り組んだ塔の頂上に待ち構えるボスを倒すことだ。進行したマスで発生するイベントや出現した敵を倒すことで新しいカードが手に入るので,塔を登りながらボスを倒すための準備を進めていく。
本作もほかのローグライトゲームと同じく,リプレイ性の高さが魅力だが,難度調整が絶妙なのも特筆したいポイント。デッキ構築がうまくいかずやられてしまった場合でも,「あの時こうしていたら……」「あのカードがあれば……」と反省点がすぐ見つかるため,ついつい再プレイしてしまう。エンドコンテンツも用意されており,やり込み要素もバッチリだが,くれぐれも“やり込み過ぎ”には注意しよう。
「Slay the Spire」公式サイト
Baba Is You
パズル/アクションSteam好評率:98%
1064円(定価:1520円)
「Baba Is You」は,主人公のBabaを操作して,ステージのゴールを目指すパズルアクションゲームだ。基本アクションはBabaを移動させるのみ。ステージに点在するオブジェクトなどを利用する「倉庫番」チックなゲームだと捉えてもらえれば大丈夫だ。
本作が画期的なのは,ステージの中に「そのステージで適応されるルールが掲示されている」ことだろう。例えば基本的な文言である「Baba Is You」があると,プレイヤーはBabaを操作することになるが,それを「Wall Is You」に変えてしまうとプレイヤーは壁を操作することになる。「Wall Is Win」に変えてしまえば,壁がすべてゴールに変化する。これだけでもめちゃくちゃなことが伝わるだろう。
このなんでもありが,本作の面白いところであり,難しいところでもある。新しいステージに進むにつれ,単語の数も種類も増えるが,そのぶんプレイヤーの発想力と閃きが試されることになるわけだ。なお,本作には200以上のステージが用意されているが,ノーヒントでオールクリアを目指そうとすれば確実に正月休みが吹き飛ぶはずだ。ある程度区切りを決めて,ちょっとずつ遊んでいくことをオススメしたい。
「Baba Is You」公式サイト
Among Us
アクション/人狼Steam好評率:92%
364円(定価:520円)
「Among Us」は,4人から15人のプレイヤーで遊べる,宇宙を舞台にした人狼系アクションゲームだ。ゲームに参加するプレイヤーはクルー(乗組員)とインポスター(詐欺師)に分かれて,それぞれの勝利条件を目指し,ゲームを進行する。言葉のみで相手を説得する人狼ゲームと異なり,アクションパートもあるため,プレイヤーは行動と言動の2つでほかのプレイヤーに無実を証明していくこととなる。
2020年頃(発売は2018年)からインフルエンサーが動画配信を始めたことで爆発的な人気を得て,今も根強く遊ばれ続けている作品だ。ネックとなるのは一緒に遊んでくれる友人を集めることと,Discordのような会話ツールがないと円滑に遊べないこと。年末年始の長期休暇なら人を集めるのも多少は楽になっているはずなので,気になる人はこの機会に友人を誘ってぜひ遊んでみてほしい。
ゲーム概要とプレイガイドはこちらにあるのでぜひ活用してほしい。現在はアップデートでマップが増えたほか,新ゲームモードの「HIDE N SEEK」も追加されているので,久しぶりに遊んでみても面白いだろう。
話題の宇宙人狼「Among Us」のプレイガイドをお届け。アクションと議論が融合したカジュアルなゲーム性で国内でも流行の兆し
「Among Us」というタイトルに聞き覚えはあるだろうか。本作は2018年にInnerslothよりリリースされたオンラインの人狼系アクションゲーム。2020年の夏ごろにインフルエンサーが動画配信を始めたことで爆発的な人気を獲得し,国内でも流行の兆しを見せているタイトルだ。本記事ではゲームの解説と基本的なルールをお届けするので,遊んでみたい人はぜひ参考にしてほしい。
「Among Us」公式サイト
Papers, Please
アドベンチャー/シミュレーションSteam好評率:97%
490円(定価:980円)
「Papers, Please」は,共産主義国“アルストツカ”の入国審査官になり,日々の労働にいそしむシミュレーションゲームだ。プレイヤーが行うことはシンプルで,提出された入国審査の書類に不備がないか確認するのみ。ただし,不正を働き入国する輩は,巧妙に書類を偽造してくるので,細かいところまでチェックする必要があるわけだ。
やることはただの間違い探しではあるのだが,プレイヤーの判断で不正な人物に入国許可を与えられるのが本作の面白いところ。情に訴えかけてくる者,賄賂を渡してくる者,無理やり突破を試みる者,パターンはさまざまだが,プレイヤーの選択でその後の展開が大きく変わり,物語はあらぬ方向に進むことも。
まじめに働き,アルストツカに尽くしても良し,薄給に嫌気がさしたなら,テロリストに協力して国家転覆を狙っても良しなのだ。マルチエンディングが採用されているので,さまざまなロールプレイを楽しみ,アルストツカの行く末を見届けよう。
「Papers, Please」公式サイト
VA-11 Hall-A: Cyberpunk Bartender Action
アドベンチャー/ノベルSteam好評率:97%
1005円(定価:1500円)
「VA-11 Hall-A: Cyberpunk Bartender Action」は,荒廃した世界のバー「VA-11 HALL-A(ヴァルハラ)」のバーテンダーとなり,来店するさまざまな人との交流を楽しむノベル形式のアドベンチャーゲームだ。アドベンチャーというと,探索やコマンド選択式で進むものが多いが,本作におけるコミュニケーションはカクテルの提供と会話のみ。物語は提供するカクテルの内容によって分岐していく。
本作の魅力は,古き良きアドベンチャーゲームを彷彿させるグラフィックスとBGM,そして,それらで再現されたサイバーパンクの荒廃的な世界観だろう。ヴァルハラを訪れる客もめちゃくちゃで,一部が機械化された人やアンドロイド,果てには透明なケースに入った脳みそとなんでもありだ。客と交わす会話は知的かつネタに溢れており,プレイヤーを飽きさせない楽しさが詰まっている。
ただし,本作はその世界観とバーが舞台という設定もあって,なかなかエグめの下ネタが次々に飛び出してくる。あくまでも会話の中のみではあるが,「下ネタはちょっと……」という人は留意してほしい。
「VA-11 Hall-A」公式サイト
Stardew Valley
シミュレーションSteam好評率:98%
888円(定価:1480円)
「Stardew Valley」は,田舎町でゆったりとしたスローライフを楽しめるライフシミュレーションゲームだ。制作陣が「牧場物語」シリーズをリスペクトしているとのことで,本作にもそのテイストがふんだんに盛り込まれている。
主人公は都会の企業で働くサラリーマン。ある日,祖父が残した手紙を読み,田舎での新しい人生を踏み出すところから物語はスタートする。プレイヤーは荒れ果てた土地を整備し,畑を耕し,生き物を飼い育て,この地を農場として復興させていく中で,隣接した村の住人と交流を深めていく。
本作の面白い部分はスローライフゲームでありながら,膨大な数のイベントが用意されており,ついつい忙しい生活にかまけてしまうことだろう。農場を発展させてもいいし,釣りを楽しんでもいいし,ダンジョンでモンスターを狩ってもいいし,住人の願いごとを聞いてもいい。「全然スローライフじゃないじゃん!」と言いたくなるかもしれないが,「わたし,田舎暮らし辞める!」とはならないので,その点はご安心を。
「Stardew Valley」公式サイト
Inscryption
ローグライト/アドベンチャー/カードゲームSteam好評率:97%
1230円(定価:2050円)
「Inscryption」は,デッキ構築型ローグライトと脱出ゲームを組み合わせたアドベンチャーゲームだ。Steamの紹介ページに記載されている「サイコロジカルホラーを血で混ぜ合わせた暗い旅へあなたを招待する」という説明やゲーム映像からも分かるように,暗く不気味な雰囲気が独特な世界観を構築している。
急にざっくりな説明になったな? と思うかもしれないが,本作はネタバレ厳禁なゲーム内容のため,ぶっちゃけ記事には書き起こしにくいのだ。興味がある人はとりあえず遊んでみてほしい。万人にオススメできるかと聞かれるとなんとも言えないが,Steam好評率はなんと97%という高さ。カードゲームを愛する人,ディープな物語を好む人であれば間違いなく楽しめる1作となるはずだ。
「Inscryption」公式サイト
- 関連タイトル:
Stray
- 関連タイトル:
Among Us
- 関連タイトル:
Vampire Survivors
- 関連タイトル:
Slay the Spire
- 関連タイトル:
Baba Is You
- 関連タイトル:
Papers, Please
- 関連タイトル:
VA-11 Hall-A
- 関連タイトル:
Stardew Valley
- 関連タイトル:
Inscryption
- 関連タイトル:
Steam
- この記事のURL:
キーワード
(C) Innersloth LLC
2019 MegaCrit, LLC.
(C)2013, 3909 LLC. All rights reserved.
(C)2012-2018 CHUCKLEFISH LTD
Copyright 2021 Daniel Mullins Games Ltd. All Rights Reserved.
(C)2019 Valve Corporation.All rights reserved.