MyDearestは2022年9月23日,新作タイトル
「DYSCHRONIA: Chronos Alternate」 の“エピソード1”をMeta Quest Storeでリリースした。本作は,あらゆる犯罪が予防される未来の海上都市「アストラム・クローズ」を舞台に,過去に干渉する力を持つ主人公「ハル・サイオン」を操作し,“起こるはずのなかった殺人事件”の謎を追う,VRアクションアドベンチャーだ。
事件を探る
捜査パート ,隠れながら行動する
ステルスパート ,海上都市を管理するAIと対決する
審問パート という,それぞれ異なったゲーム性を楽しめるのが特徴だ。本稿では,そんな「DYSCHRONIA: Chronos Alternate」のプレイレポートをお届けする。
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2022/09/09 12:00
VRならではのアクションで謎を解く捜査パート
本作のストーリーは,主人公のハル・サイオンが,アストラム・クローズの特別監察官としての試験を受けるところから始まる。この都市に住む住民は,精神の平穏を保つ空間
“拡張夢” で生活しており,現実での肉体を持っていない。監察官は,そんな市民のメンタルケアなどを行い,拡張夢を守ることが任務だ。
拡張夢にはゲーム中,さまざまなタイミングで入ることが可能で,住民に話を聞けるほか,メンタルケアを行うことで,
重要な情報を収録したアーカイブを閲覧できる ようになる。こまめに確認して,メンタルケアが必要な住民がいないか,チェックしておくといいだろう。
試験は拡張夢のチュートリアルでもあり,先輩監察官の「アッシュ・シェパード」が案内してくれる
拡張夢の中は非常に美しい空間だ
人の姿をしているホログラムのそばには吹き出しが表示される。触って話しかけてみよう
ところが試験中,なにやら不穏な雰囲気に。どうやら,都市の創設者である博士「アルバート・ラムファード」が,何者かに殺害されてしまったという。ハルは新任の監察官として,この殺人事件の捜査を開始することになる。
試験のシーンが終わると,クロノスユニバースシリーズではおなじみの,VRオープニングが流れ始める。星街すいせいさんが歌うテーマソング「7days」も必聴だ
監察官となったハルには,腕輪型の銃器「WIS-07a」が支給される。これはハルの
“能力” を制限するための装置だが,捜査を手助けしてくれる機能も搭載している。例えば,アイテムを右手でつかんでボタンを長押しすると,そのアイテムに関する情報が表示される。
銃としての機能は認証がないと使えないらしい
ここでいうハルの“能力”とは,物に触れることで,
その周囲で起こった過去を,他者の視点で見られる というもの。場合によっては,その他者の行動を操って過去を改変し,現在に影響を及ぼせるという強力な能力だ。本作では,この能力が事件を解き明かすための非常に大きなカギとなっている。
過去を見られるアイテムには特殊なエフェクトが表示される
子どもの頃のハルが登場することも
マップはわりと自由に移動でき,攻略に必須ではない場所もいくつか存在する。気になった場所はどんどん調べてみよう。しかし,移動が自由な反面,いまどこに向かうべきなのかが少々分かりづらいかもしれない。そんな時は,マップ上に表示される
黄色いマーカー を辿ってみるといいだろう。現在の目的に合った行き先を示してくれるので,迷うことなく移動ができる。
迷った時はこのマーカーを頼りにしよう
捜査パートの目玉は,なんといっても謎解きだろう。自らの手でアイテムを探し集め,自らの手による操作で謎を解いていくのは,やはりVRならではの楽しさを感じられる。ここで役立つのが,腕輪に用意されたもう1つの機能だ。
右手の腕輪を左手で触ると「その部屋の中で調べられるもの」をハイライト表示するスキャンを行える。謎解きに必要なものもそうでないものも,全てハイライトされるので,重要なアイテムに気を取られて見落としがちなアイテムを,ちゃんとチェックできるのがありがたい。
腕輪の機能と,ハルの過去に干渉する能力を合わせて謎を解き,事件解決への道を探っていこう。
決してミスは許されないステルスパート&審問パート
捜査パートで証拠を集めながらストーリーを進めていると,とある人物から隠れなければならないステルスパートに突入する。当然ながら見つかってしまうとゲームオーバーだ。じっくりと思考を巡らせていたこれまでとは,ひと味違う緊張感が漂う。
ステルスパートでは,単純に身を潜めて移動するだけでなく,
周囲のオブジェクトを投げて相手の気を引く ことで,脱出ルートを作り出すというアクション要素もある。どのタイミングでどの方向に投げるかが大事なので,周囲の様子はしっかり確認しておこう。
VRでのステルスアクションは,主観視点により臨場感が増しており,物陰からこっそり覗くなど,リアルに隠れているような動作をとれるのが面白い。
謎解きやステルスアクションをこなして情報が集まったら,いよいよ真相を明らかにする審問パートだ。ここで重要になるのは,これまでの捜査で集めてきた情報から生み出される証拠たちだ。
捜査の情報は
「捜査ログ」 というメニュー内に,ノード状にまとめられている。それらの情報はそのままでは証拠としては使用できず,「ファクトアイテム」と呼ばれる
重要な情報と組み合わせることで,初めて証拠として成立する ようになる。審問に挑む前に必ず捜査ログの確認をしておこう。
審問では,アストラム・クローズを管理するAI「ユースティス」と,今回の事件について推理対決をすることになる。これまで入手した証拠をもとに,実際の殺人現場で何が起こっていたのか,
自ら犯人の行動を再現する ことで明らかにしていく。
なお,これはアストラム・クローズの住人も見ている公開審問となっており,間違った推理をしてしまうと一気に住人の信用を失ってしまう。制限時間はないので,落ち着いてゆっくりと情報を整理しよう。
「DYSCHRONIA: Chronos Alternate」をプレイして
「VRでの捜査アドベンチャーの表現とはこういうものか」 と,ある種納得させられるクオリティを感じた。VRの謎解きゲームは数多くあるが,ストーリーとの絶妙な融合や,独創的な審問パートなど,このゲームでしか味わえない要素が豊富だ。一味違うVRゲームを遊んでみたいと思った人は,ぜひプレイしてみてほしい。
今回リリースされたエピソード1は,全3部作の序章にあたる。博士の殺人事件は解決に至るのだが,ストーリーはまだ始まったばかりといったところで,終盤には衝撃の展開が待っている。なお,エピソード2は2022年冬以降,エピソード3は2023年春以降のリリースが予定されている。以前掲載したインタビュー(
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