プレイレポート
[プレイレポ]JKコンビが大暴れ!「熱血硬派くにおくん外伝 リバーシティガールズ2」はバトルに食べ歩き,システムも前作からパワーアップ
「熱血硬派くにおくん外伝 リバーシティガールズ2」公式サイト
女子高生2人が大暴れする,異色の外伝作の続編登場
本作の前作にあたる「熱血硬派くにおくん外伝 リバーシティガールズ」は,1994年に発売されたスーパーファミコン用タイトル「新・熱血硬派くにおたちの挽歌」に登場した,ミサコとキョウコを主人公とするアクションRPGだ。
開発を務めるのは,「シャンティ」や「魂斗羅デュアルスピリッツ」「ダブルドラゴンネオン」など,16ビット時代風の作品を得意とするアメリカのデベロッパ,WayForward Technologies。シリーズでは初となる女性主人公とキュートなドット絵が織りなすポップな雰囲気で,くにおくんシリーズの新境地を拓いた。
2作目では,クニオとリキの自称ガールフレンドであるミサコとキョウコが仲間たちと力を合わせ,地元であるリバーシティを乗っ取ったヤクザたちと戦う。ストーリー的には前作の続きにはなっているが,本作から遊んでも大きな支障はない。
可愛らしいドット絵の街で,買い食いとショッピングを楽しもう
舞台となるリバーシティは前作より広くなり,景観もバラエティに富んでいる。原宿のようにアパレルショップが並ぶ通りがあるかと思えば,アジアのネオン街があったり,日本風のゲーム屋やゲーセンもあったりと,特徴的な光景が広がっている。
詳しくは後述するが,“買い食いやグッズを購入することで能力アップにつながる”システムがあり,あちこちの店をのぞいて,グルメとショッピングに励むのもとても楽しい。ドット絵の街並みが可愛らしいのと相まって,リバーシティを観光しているかのような気分が味わえる。
街を荒らすヤクザに鉄拳制裁!
いくら買い食いと観光が楽しいとはいえ,浮かれてばかりもいられない。街中にはリバーシティを乗っ取ったヤクザや暴力高校生,チアガールにコスプレに汚職警官にプロレスラーにゾンビにサイボーグ……とヤバい連中がうろついており,ミサコとキョウコを見つけるなり襲いかかってくる。
そんなやつらはお得意のケンカ殺法でぶちのめしてやろう。見た目は可愛くても,本作はやっぱり「くにおくん」シリーズなのだ。ボタン連打でさまざまな技が出る「通常攻撃」から,大技「ヘヴィ攻撃」やゲージを使って強力な攻撃を出す「特殊技」へとつなぎ,倒れた相手を追い討ちする。ケンカの基本は前作と同様である。
敵は積極的にこちらの背後を取ってくるうえ,攻撃してくる際は打撃コンビネーションを繰り出し,容赦なくダウンを奪ってくる。そのため,囲まれないようにする立ち回りや,縦軸をズラしての回避といった,ベルトスクロールアクションの基本が大事となる。時には相手の攻撃を防ぐ「ガード」や,タイミング良くガードする「ジャストガード」といったテクニックも使い,できるだけダメージを抑えていこう。
くにおくんシリーズではお馴染みである,マップに転がっているオブジェクトを活用するのも面白い。ベンチやバット,ハリセンにギター,果ては倒れた敵も引っつかんで武器にできるので,グッズが砕けるまで殴り続けてやろう。
また,地形の利用も重要だ。フィールドにはさまざまなトラップが存在し,敵味方関係なく効果を発揮する。斧投げボードゲームカフェでは斧が飛んでくるし,車道を走る車に敵をぶつけるのもいい。落下判定のある地形に敵を落とすのももちろん有効で,戦い方はプレイヤーの発想次第。リバーシティのケンカはルール無用だ。
敵を倒せば経験値やお金が手に入り,レベルアップや道場での技購入で戦力が上がっていく。なかでも見逃せないのが,本作から新登場の「リフトオフコンボ」だ。コンビネーションの最中にジャンプボタンを押すと,敵を打ち上げての追撃が可能になるシステムで,簡単に爽快な空中コンボを叩き込める。
前作でもヘヴィ攻撃の打ち上げから似たようなコンボができたが,本作ではヘヴィ攻撃からさらにリフトオフコンボで浮かし直すようなこともでき,工夫のしがいがある。ここに,壁への叩きつけや後述する「助っ人」のアシスト攻撃も絡めれば,即興で長いコンボを組み立てることもできる。
前作では1度クリアしないと使えなかったクニオとリキだが,今回は最初からプレイアブル。さらに,ゲームを進めていくと,筋骨隆々の「マリアン」と,SNSで話題のカリスマダンサー「プルーヴィ」が使用可能に。マリアンはパワフルな攻撃で敵をブッ飛ばし,プルーヴィはブレイクダンスを思わせる足技やラジカセを武器とするので,ひと味違った気分でプレイを楽しめる。リバーシティの要所にある「隠れ家」にいけばいつでも交代できるので,いろいろ試してみるのも面白い。
マリアンについては,くにおくんシリーズの開発で知られるテクノスジャパンのファンなら感慨深いキャラクターだろう。彼女はテクノスジャパンのベルトスクロールアクション「ダブルドラゴン」のヒロインと同じ名前を持つ。「ダブルドラゴン」のマリアンは悪漢に拉致されるか弱い存在だったが,本作のマリアンは拉致されたあとに身体を鍛えて自分を守れるようになった強い女性だ。「ダブルドラゴンII」ではオープニングで射殺される様が可哀想だっただけに,元気に暴れるマリアンというのはちょっと素敵なファンサービスといえるだろう。
プルーヴィはカナダのConatus Creativeがライセンスを受けて開発した「海外版・ダウンタウン熱血物語」の続編「River City Ransom: Underground」からの登場。本作と「River City Ransom: Underground」という,「ダウンタウン熱血物語」から影響を受けた2本の海外製ゲームがコラボしたわけで,くにおくんの海外人気が伺える人選だ。
敵を殴っていると命乞いをすることがあり,ここで許すとアシスト「助っ人」として呼び出せるようになる。敵はブッ飛ばしや飛び道具などさまざまなアシスト攻撃を持っているうえ,たまにレアカラーも出てくるのでコレクションをするのも楽しい。新たな敵が命乞いする度に「不良ゾンビ,ゲットだぜ!」とテンションも上がる。
助っ人は自分のダウン時や攻撃を受けている時にも呼び出せる。コンボに組み込むのはもちろんのこと,敵から連続攻撃を受けている際に呼び出せば,助っ人を身代わりにしての緊急脱出ができる。本作の敵は打撃コンビネーションでダウンを奪ってくるので,1度攻撃を食らうと復帰できるまでに少し時間がかかる。助っ人がいればすぐに反撃できるわけで,攻撃された際のストレスが大幅に減っているわけだ。
また,今回は助っ人とは別枠で「用心棒」を雇える。機能自体は助っ人と同様だが,助っ人と用心棒で2人のアシストを持てるため,攻撃と防御の両面で積極的に使えるのがうれしい。
本作でとくに印象深いのがアイテム周りのシステムだ。リバーシティにはたくさんのお店があり,特殊効果を発揮するアクセサリ(装備品)や,食べ物をはじめとした消費アイテムが売られている。
消費アイテムはHP回復の効果を持ち,戦闘中にも使用できる。加えて,1回目の使用時にステータスをアップさせる効果があるため,いろいろなお店を探して消費すれば,キャラクターがドンドン成長していく。「ダウンタウン熱血物語」にもあったシステムが発展しており,ファンなら感慨深いところだろう。
前作の消費アイテムは1回買うまで効果が分からなかったが,今回は最初から明記されている。また,消費アイテムを使用する際にメニューを開くことなく,戦いながら回復できるようになったのもうれしい点だ。
くにおくんシリーズとテクノスジャパンへのリスペクトも満載
待望の日本語ボイスが収録されたことに加え,イージー難度の追加,アイテム効果の明記など,前作に寄せられた声をしっかりと拾いつつ,ボリュームアップでより楽しくなった本作。「ダウンタウン熱血物語」のシステムを発展させていることはもちろんのこと,新解釈が施されたマリアンの登場,クエストの中に「熱血高校ドッジボール部」っぽい遊びが楽しめるものが存在するなど,シリーズへのリスペクトも感じられる内容になっている。
最後にちょっと気になるテンポ部分にも触れておきたい。会話シーンは全スキップはあるもののセリフ送りがないため,長めの演出の場合,やや気になることも。また,ボス戦は登場時の演出はスキップできず,サクサクと再戦させてほしいところだ。
そのほか,ファストトラベルのバス停は,街の広さの割に数が少なく,移動が長く感じられることがある。隠れ家や一度訪れた店には直接移動できると良かったのではないか。加えて街のエリアは複雑なつながり方をしており,プレイ中はマップをひん繁に確認する必要があるが,これを直接開閉するショートカットはない。このように,テンポの部分で少し勿体なく感じられるところがあったのは確かだ。
イージー難度に加え,アクセサリ(装備品)にはコンボや吹っ飛ばしでHPが回復する品が増えており,難度と遊びやすさについては前作から改善されている。本作からシリーズに入門するのもアリだろう。ベルトスクロールアクションの新作もなかなか少ないため,このジャンルが好きな人にもオススメの1本だ。
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- ライター:箭本進一
(C) ARC SYSTEM WORKS / WayForward Technologies Inc.
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