プレイレポート
[TGS2022]ストーリー重視のSFシティビルダー「IXION」プレイレポート。衝撃の展開に続きが気になり過ぎる
本作は,宇宙ステーション「タイクーン」の管理者となって,環境破壊が進んだ未来の地球に代わり,新たな居住惑星を探すSFシティビルダーだ。今回は,ゲーム冒頭から1時間ほどのプレイで,チュートリアルが終わって物語が動き出すところまで体験できた。
地球から飛び立ったシャトルに乗って,タイクーンに到着したプレイヤーこと管理者。さっそく資源の生産,備蓄,分配,建設,さらには宇宙開発など山盛りの仕事を押し付けられる。しかし,これも「VOHLEエンジン」を使って他星系にジャンプするために必要なことだ。エンジンのテストを行うまで,クルーの生活を安定させ,科学技術も発展させていかなければならない。
しかし,着任したばかりのタイクーンには何もない。半端に敷かれた道路,放置された鋼材,あとは……え,これだけ? いくらなんでも雑過ぎない? 建設資材を補完するための貯蔵庫や,建設用ロボットが待機する作業場すらない。最低限の設備を整えることが,管理者の最初のお仕事だ。
貯蔵庫は非常に重要な施設である。本作では,建設や生産にさまざまな資源が必要となるが,1つの貯蔵庫につき1種類しか保管できない。また,タイクーン内に放置された(なんで?)鋼材をさっさと回収しないと,施設の建設場所の確保にも困るので,せっせと貯蔵庫を作り,道路をつないで積極的に“お掃除”する必要がある。もっとも,散らばった鋼材「アーロイ鋼」がないと,何の設備も作れやしないので,倉庫がいっぱいにならない限りはいくらでも欲しいのだが。
そうこうしていると,突然タイクーンで働くクルーたちが,管理者に向かって要求を突き付けてきた。本作では,イベントという形でクルーからさまざまな要求があり,これを解決することで彼らの信頼を得られるようだ。こっちは忙しいのに,一体なんだと要求を確認してみると,その内容は「食事の提供を約束してくれ!」「寝泊りする居住区を用意してくれ!」。そこからなの!? 労働環境がブラックどころの騒ぎではない。
ひとまずクルーの生活を保障し余裕ができたところで,タイクーン外の活動,宇宙開発にも目を向ける。タイクーンでは,外部と資源のやり取りをする貨物船や,ほかの星を探索する科学船などを生産できる。ゲームスタート直後のタイクーンは地球の側にあるため,月や火星に科学船を派遣し,技術を蓄積していく。
月で発生したイベント。廃棄されたベースキャンプからデータの収集を試みる |
技術のアップグレードで,新たな施設も作れるようになる。クルーがお腹を空かせてはかわいそうだし,食料の昆虫を生産してあげることにした |
他星系へ行くためのVOHLEエンジンは,タイクーン外部で作業するためのエアロックを技術ツリーで解除し,そのうえで建設しなければならない。
しかし,ここでもまたアクシデントが発生する。タイクーン内で使う電力が足りないのだ。電力供給を改善するには,タイクーン外部にソーラーパネルを増設すればいい。だが,外部での作業ということは,こちらもエアロックが必要となる。また,電力不足の原因は,エアロック開発のための研究施設が大飯食らいなことにあるのだが,ここを止めると,そもそも開発が進まない。
そのため,ほかの施設の電力供給を一時的にカットして,どうにかタイクーンを運営しつつ,エアロック開発の終了と建設まで耐えることにした。では,どこの施設を止めるかというと……うーん,食堂と病院でいいか。
問答無用で閉鎖される食堂 |
クルーに怒られる前にエアロックが完成し,無事(?)ソーラーパネルの増設に着手 |
電力供給が改善され,調子に乗って施設を増設していると,今度はクルーの不足が深刻になってきた。各施設は適切な人数以下で運営されており,労働者が足りていない。当然,事故は発生しやすくなるし,悪辣な労働環境で働き続ける彼らは過労状態になってしまった。
どうやって解決すればいいのかと頭を悩ませていたところ,よりにもよってこのタイミングでVOHLEエンジンが完成。月へと移動し,ジャンプを行うミッションが発生した。え,クルー不足は……ま,いっか。さっそく太陽系から脱出すべく,タイクーンを月へと向ける。
労働環境の問題はひとまず無視して,とりあえず月へ |
ここで,チュートリアルの終了を意味するムービーが流れ出す。母なる地球は,人類によって限界を迎えようとしていた。そのためにタイクーンは,太陽系外で新たな居住可能な惑星を見つけ,人類の未来を確たるものとしなければならない。VOHLEエンジンによるジャンプは,そのための第一歩だ。
光に包まれ,他星系へと飛び立つタイクーン。その輝きは,地球から月を見上げればはっきりと確認できたであろう。地球の皆さん,行ってきます。
「おめでとうございます。VOHLEエンジンのテストは大成功です! タイクーンのクルーの士気も高まり,次のテストの準備を始めるようです」
そんなメッセージと同時に映し出されたのは,ジャンプの余波で砕けた月の姿であった……。いやいや,大成功じゃないだろ,地球と残された人類はどうなるんだよ!? クルーにはヒドいことをしてきたかもしれないが,ここまでやらかすつもりはなかった。どうしてこんなことに。
というわけで本作は,シティビルダーでありながら,ストーリーを重視したタイトルである。チュートリアル終了の時点で,先が気になりすぎる展開となり,今すぐ続きが遊びたい気分だ。タイクーンは,人類はいったいどうなってしまうのか。発売を楽しみに待ちたい。
「IXION」公式サイト
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