プレイレポート
「Dolmen」先行プレイレポート。さまざまなリソースを管理しつつ戦う,高難度アクションRPG
先行プレイで遊べたのは,序盤および「通常プレイなら到達に5〜6時間かかるエリア」だ。物語は,惑星「レヴィオン・プライム」にある基地が突如壊滅状態となってしまったことから始まる。基地にはクリーチャーがはびこり,今も被害が拡大しているという。プレイヤーは,事態を収拾すべく派遣された人物「コマンダー」を操作し,基地を探索していくのだ。
ゲームの基本部分は「DARK SOULS」シリーズと非常に近い,いわゆるソウルライクというやつだ。基地は迷路のようになっており,あちこちにクリーチャーや異星人が潜んでいる。その配置はいやらしく,考え無しに進むと,物陰や天井,背後といった死角から襲われてしまうのだ。
「やっと1人が通れる細い板きれの上を進んでいたら,真後ろから撃たれて落下死する」「行く手に何もいないことを確認して進んだはずが,突如虚空から複数の敵がワープし,囲まれた状態から袋叩きにされる」「巨大なクリーチャーが建物の上で熱線を吐いているので,演出だと思って近づいたら丸焼きになる」など,危険な状況も発生。何度も痛い目を見た挙げ句,通路の暗がりや周囲の環境音に怯えつつ疑心暗鬼になって進むようになる。
このあたりのスリルは,ソウルライク作品が好きな人ならたまらないものがあるだろう。世界観がSFホラーなため,背景の不気味さもより強調されている。基地のあちこちには無惨な死体が転がっているうえに,真っ赤な肉片が繁殖していたり,長く延びた通路には謎の文字で警告と思しき真っ赤なサインが輝いていたりと,なかなかに恐ろしい。
戦いで重要になるのが「体力」「スタミナ」「エネルギー」という3つのリソースだ。体力とスタミナについては,ソウルライク作品と同様。体力が尽きると死に,その場に経験値と「ドルメンの欠片」というマルチプレイなどで利用する消費アイテムを落としてしまう。再び同じ場所に行くと,青白く輝く自分の死体が横たわっているので,これに触れれば回収が可能だ。
とはいえ,死んだということは難所であるということ。死体の回収前に誤って死んでしまうと,さっき落とした経験値やアイテムは失われてしまうのだ。なんとか死体を回収したいが,再び死んでは元も子もない。さてどうするか……といろいろ考えたり試行錯誤するのは,このジャンルにおける楽しさのひとつだ。無事に回収できればホッとするし,失敗すると悔しい。前述したシビアな敵配置と相まって,感情が揺り動かされるのである。
攻撃やドッジ(回避),ガードにはスタミナが必要になる。ぶんぶんと武器を振り回していたのでは,あっという間にスタミナが尽きてしまい,何もできなくなってしまう。重要なのは,敵の観察とスタミナ配分だ。敵の動きをじっくり見たうえで隙を突いて攻撃。敵が攻撃してきた場合,間合いを取りたいならドッジ,その場に留まって反撃するならガードというように,状況とスタミナの残りに応じて行動しなければならない。
敵の攻撃の中には,炎や氷といった属性を持つものもある。連続で攻撃を受けて属性ゲージが最大まで溜まってしまうと,状態異常が発生し,移動速度が遅くなったり,防御力が下がったりといったデメリットが発生する。体力とスタミナ,そして属性ゲージという3つの要素を考慮しなければならないというわけで,激しく戦いながら頭を働かせるのが面白い。
本作の独自要素となるのがエネルギーだ。銃を使った攻撃,体力回復,後述する「エナジーモード」に必要な,かなり重要なリソースである。銃はゲームスタート時から装備している遠距離攻撃で,かなり遠くまで弾が届くため,うまく使えば安全に攻略を進められる。
とくに楽しいのが,銃で状態異常を起こし,近接攻撃するという合わせ技だ。入手可能な銃はそれぞれに異なる属性を持っている。そして,連続して攻撃を当て,敵の属性ゲージを最大まで溜めると状態異常を起こせる。氷なら移動速度ダウン,炎は防御力低下,酸はその両方が少しずつ下がり,さらに近接攻撃を叩き込めば追加ダメージも入るので,より安全に敵を倒せるのだ。近接攻撃に明確なメリットが与えられることで,近づきやすい中間距離でのアグレッシブな戦い方も求められるという,面白いシステムと言えるだろう。
また,エネルギーは体力回復にも使うため,遠距離の戦いに固執しすぎると,いざというときに回復できない。体力回復自体に隙はないが,エネルギー自体の回復には大きな硬直が発生する。エネルギーを回復させるために,ドッジやダッシュといったスタミナを使う行動で間合いを開ける必要もあるなど,体力とスタミナとエネルギーという3つのリソースが緊密に絡まっている感がある。
そして,いざというときの切り札になるのがエナジーモードだ。エナジーモードは,一定時間だけ,近接攻撃やドッジをスタミナの代わりにエナジーを使って行えるというもの。スタミナいっぱいまで連続攻撃を当てた後にエナジーモードを発動し,さらに攻撃を続けるというように,システムを理解したうえで使えば豪快な戦いができる。
先行プレイ段階でまとめると,本作の面白さはマップのあちこちに配された敵を切り抜けるスリル,そして体力とスタミナとエナジーという3つのリソースを管理しつつ,近距離攻撃や遠距離攻撃,エナジーモードを組み合わせてうまく立ち回っていくことにあると感じられた。
一方,敵から攻撃されたあと,状態異常を起こさないように属性ゲージがゼロになるまで待たなければならない局面があったり,何もない空間に敵がワープしてきて包囲されることがあるなど,好みが分かれそうなところもある。ともあれ,全体的にダークで高難度になっており,ソウルライクのゲームが好きな人には楽しめそうな感触で,2022年の発売を楽しみに待ちたい。
「Dolmen」公式サイト
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Massive Work Studio(C)2019. All rights reserved. Prime Matter is a division of Koch Media GmbH, Austria. Prime Matter and its respective logos are trademarks of Koch Media GmbH
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