プレイレポート
[プレイレポ]「トリニティ・ギアーズ」は,少女の見た目こそ可愛いがバトルは硬派な戦場タクティカルRPGだ
本作は,少女の外見をした「概念模型(モデル)」を指揮して戦う“戦場タクティカルRPG”だ。戦闘システムはターン制のタクティカルバトルで,アーリーアクセス時点だと,難度が高い硬派なバランスになっている。本稿では,アーリーアクセス版をプレイして感じた「トリニティ・ギアーズ」の見どころを紹介していこう。
単純な数字の押し付け合いにならない本格タクティカルバトル
「トリニティ・ギアーズ」では,兵器を搭載した美少女の概念模型(モデル)と,未知の外敵である手(ザ・ハンド)との戦いが描かれる。
ザ・ハンドは,大砲など通常の兵器で太刀打ちできない相手だ。さらには,兵器をザ・ハンド側の勢力である鉄人形に変えてしまう力を持っており,人類サイドは戦うほど損耗していく戦況となっている。そこで鉄人形に対抗できる唯一の存在であるモデルが戦場に赴く,というのが大まかな舞台背景となる。
兵器の擬人化はもはや定番のジャンルだが,なぜ人間が通常兵装で戦うのではなく,モデルという存在が戦うのかという理由付けがしっかり説明されているのは好感が持てる。ストーリーを含めて敵,味方の設定はしっかり練られているようで,安易に擬人化したという印象は受けなかった。
登場するモデルはいずれも実在する兵器がベースになっているため,ミリタリーが好きな人は彼女たちの兵装にも注目してもらいたい。かわいらしい見た目の少女と重厚な兵装の組み合わせは見応えがある。
ストーリーはチュートリアルも兼ねた序章が終わると,陸軍と空軍,それぞれを描いた物語が用意されており,それらを好きなように進められた。どちらもモデルたちで結成された小隊が活躍するストーリーとなっている。
また,シナリオは史実の戦争に基づいた要素も反映されているようで,詳しい人は,より深い部分まで楽しめるだろう。全体的にシリアスなパートが多く,戦争の重々しい雰囲気を味わえる。
メインコンテンツである戦闘システムは,冒頭でも紹介したように,ターン制でユニットをマス移動して戦っていくタクティカルバトルだ。ステージは障害物やギミックがある構成で,1キャラずつ動かして敵の全滅を目指すというのが基本の流れとなる。
操作自体に複雑な部分はなく,同ジャンルのプレイ経験がある人なら説明がなくてもすぐに遊べるオーソドックスな作りだ。攻撃可能範囲まで移動しての通常攻撃のほか,一度使用するとクールタイムやチャージが必要なスキルを使って戦っていく。スキルは1キャラにつき数個用意されており,どのタイミングで,誰に使うかが非常に重要となる。
戦闘システムの中でも,スキルの使いかたは勝敗を大きく左右する要素だ。シンプルに大ダメージを与える効果や,長距離射撃,味方の支援など多彩な能力を活かして戦うことになる。単体での使用も十分に強いが,複数キャラのスキルでシナジーを狙うのも効果的だ。
戦闘のルール自体はシンプルなので,当初はレアリティの高いキャラを使っておけば簡単に勝てるのでは? と思っていたが,実際に遊んでみると「トリニティ・ギアーズ」が非常に硬派で,往年のシミュレーションRPGを彷彿とさせるゲーム性だと気づかされる。本作にはオート戦闘機能がないが,むしろオートがあってとしても,手動でプレイすることになっていたであろう難度の高さなのだ。
実際に単騎で突撃してもすぐ倒されるだけでまったく歯が立たず,レベルやレアリティ以上に,戦術が勝敗を決めるのがポイントとなる。使用するユニットは,同じ陸軍でも「戦車」「駆逐戦車」「火砲」「対空砲」「回収車」と5つに分類されており,出撃した全ユニットをうまく組み合わせることが重要だ。
ちなみに空軍の爆撃機は,「対空戦」だと自分から攻撃できないが,相手から狙われた場合は反撃できるというやや特殊な設定となっている。一見使いづらそうだが,支援効果を全力で付与して突撃すると勝手に敵が全滅するほど,カウンター性能が高い。このように,編成したユニットがどんな戦い方を得意とするのか,相手に有効な手立てはなにか,ステージごとに作戦を練って戦える奥行きの深さが,バトルへの没入感を高めてくれる。
今回プレイしていて個人的にお気に入りだったのは,中駆逐戦車「ウルヴァリン」の哨戒スキルだ。このスキルは任意の方向の一定区域を1ターンカバーして,敵が範囲内を移動,または攻撃などのアクションをすると自動的に反撃する待ち伏せや防衛に最適な能力となっている。
繰り返しになるが,こちらが単独で突撃しても一瞬で潰されるため,敵が攻めてくるのを待って迎撃する哨戒のスキルは非常に重宝した。敵の全滅以外にも,一定ターン防衛するといったクリア条件のステージもあるため,そういったステージではとくに役立つ。
また,ほとんどのキャラは補助スキルを保有している。補助スキルには,火力・防御アップや,味方のダメージを肩代わりする援護状態,味方が攻撃すると追撃する連携など。そのため,ある程度は2ユニット以上での連携を前提とした立ち回りを考えると良さそうだ。
このような戦闘システムもあって,本作は最短で撃破を狙うというより,1ターンずつ丁寧に動き,味方をカバーしながら戦うゲーム性に慣れていないと難しく感じるかもしれない。一方,そうした戦い方が好きな人はドハマりするのではないだろうか。
使用するキャラクターの育成要素は,レベルやスキルアップのほか,素材を集めての強化,同キャラの入手でもらえるアイテムを使った潜在能力の向上などの要素が用意されている。強化や潜在能力の上昇によって,パッシブスキルの開放などが行われ,攻撃後の再移動が可能になるユニットもいる。やり込むほどに戦術も増やしていけそうだ。
そのほか,特殊なステージに挑んで報酬を獲得できるイベントや,外伝などのコンテンツもプレイ可能だった。リリース後はこういったイベントをプレイしつつ,育成やメインストーリーを進めていくサイクルになると思われる。
「トリニティ・ギアーズ」はアプリゲームの中だと難度が高めだが,その分細部まで作り込まれている印象を受けた。本格的なタクティカルバトルを楽しみたいという人は,リリースされたらぜひプレイしてほしい。
「トリニティ・ギアーズ」公式サイト
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